少年法の一部を改正する法律
法律第二百十二号(昭二四・六・一五)
法律第二百十二号(昭二四・六・一五)
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。
「観察官」を「保護観察官」に、「保護委員」を「司法保護委員」に改める。
第三条を次のように改める。
(審判に付すべき少年)
第三条 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
一 罪を犯した少年
二 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
三 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
2 家庭裁判所は、前項第二号に掲げる少年及び同項第三項に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。
第六条に次の二項を加える。
2 警察官、警察吏員又は保護者は、第三条第一項第三号に掲げる少年について、直接これを家庭裁判所に送致し、又は通告するよりも、先づ児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による措置にゆだねるのが適当であると認めるときは、その少年を直接児童相談所に通告することができる。
3 都道府県知事又は児童相談所長は、児童福祉法の適用がある少年について、たまたま、その行動の自由を制限し、又はその自由を奪うような強制的措置を必要とするときは、同法第三十三条及び第四十七条の規定により認められる場合を除き、これを家庭裁判所に送致しなければならない。
第十一条第一項中「調査」の下に「又は審判」を加える。
第十八条中「(昭和二十二年法律第百六十四号)」及び但書を削り、同条に次の一項を加える。
2 第六条第三項の規定により、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けた少年については、決定をもつて、期限を附して、これに対してとるべき保護の方法その他の措置を指示して、事件を権限を有する都道府県知事又は児童相談所長に送致することができる。
第二十三条第二項中「審判の結果、」の下に「保護処分に付することができず、又は」を加える。
第二十四条第一項第一号中「観察」を「保護観察」に改める。
第二十四条の次に次の一条を加える。
(取収)
第二十四条の二 家庭裁判所は、第三条第一項第一号及び第二号に掲げる少年について、第十八条、第十九条、第二十三条第二項又は前条第一項の決定をする場合には、決定をもつて、次に掲げる物を没収することができる。
一 刑罰法令に触れる行為を組成した物
二 刑罰法令に触れる行為に供し、又は供しようとした物
三 刑罰法令に触れる行為から生じ、若しくはこれによつて得た物又は刑罰法令に触れる行為の報酬として得た物
四 前号に記載した物の対価として得た物
2 没取は、その物が本人以外の者に属しないときに限る。但し、刑罰法令に触れる行為の後、本人以外の者が情を知つてその物を取得したときは、本人以外の者に属する場合であつても、これを没取することができる。
第二十六条第一項中「少年保護司、」の下に「法務庁教官、」を加える。
第二十六条の次に次の一条を加える。
(少年観護所収容の一時継続)
第二十六条の二 家庭裁判所は、第十七条第一項第二号の措置がとられている事件について、第十八条から第二十条まで、第二十三条第二項又は第二十四条第一項の決定をする場合において、必要と認めるときは、決定をもつて、少年を引き続き相当期間少年観護所に収容することができる。但し、その期間は、七日を超えることはできない。
第三十一条第一項中「及び参考人」を「、参考人及び補導を委託された者」に改める。
第三十七条第一項第四号中「第六十条の罪」の下に「及び第三十条第一項に関する第六十二条第二項の罪」を加え、同号の次に次の一号を加える。
五 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条及び第九十一条の罪
第四十七条第一項中「事件が家庭裁判所に係属中、」を「保護処分の決定が確定するまで、」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
(法務総裁・内閣総理大臣署名)