衆議院議員選挙法の一部を改正する法律
法律第百九十五号(昭二三・七・二九)
衆議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
「市町村会議員選挙管理委員会」を「市町村ノ選挙管理委員会」に、「都議会議員選挙管理委員会又ハ道府県会議員選挙管理委員会」を、「都道府県ノ選挙管理委員会」に、「都道府県ノ長」を「都道府県知事」に、「勅令」を「政令」に改める。
第八条 都道府県及市町村ノ選挙管理委員会ノ委員及書記、投票管理者、開票管理者及選挙長並ニ選挙事務ニ関係アル官吏及吏員ハ其ノ関係区域内ニ於テ被選挙権ヲ有セズ
第十一条 削除
第二十二条に次の一項を加える。
天災其ノ他避クベカラザル事故ニ因リ前項ノ規定ニ依リ告示シタル投票所ヲ変更シタルトキハ選挙ノ当日ヲ除クノ外投票管理者ハ前項ノ規定ニ拘ラズ直ニ其ノ旨ヲ告示スルコトヲ得
第二十四条 市町村ノ選挙管理委員会ハ各投票区ニ於ケル選挙人名簿ニ記載セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ投票立会人三人乃至五人ヲ選任シ選挙ノ期日前三日迄ニ之ヲ本人ニ通知スベシ
投票立会人ニシテ参会スル者投票所ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ又ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ投票管理者ハ其ノ投票区ニ於ケル選挙人名簿ニ記載セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ投票立会人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ投票ニ立会ハシムベシ
議員候補者ハ之ヲ投票立会人ニ選任スルコトヲ得ズ
同一ノ政党其ノ他ノ団体ニ属スル者ハ一ノ投票区ニ於テ三人以上之ヲ投票立会人ニ選任スルコトヲ得ズ
投票立会人ハ正当ノ事故ナクシテ其ノ職ヲ辞スルコトヲ得ズ
第二十七条ノ二 身体ノ故障ニ因リ自ラ議員候補者ノ氏名ヲ記載スルコト能ハザル選挙人ハ第三十条第二項、第五十二条第一項及前条第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ申請ニ依リ投票管理者ニ於テ投票立会人ノ意見ヲ徴シ選任スル者ヲシテ議員候補者一人ノ氏名ヲ記載シ投函セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十三条中「勅令ノ定ムル事由ニ因リ」を「左ノ各号ニ掲グル事由ニ因リ」に改め、同条に次のように加える。
一 選挙人其ノ属スル投票区所在ノ郡市ノ区域外(選挙ニ関係アル職務ニ従事スル者ニ在リテハ其ノ属スル投票区ノ区域外)ニ於テ職務又ハ業務ニ従事中ナルベキコト
二 前号ニ掲グルモノヲ除クノ外選挙人已ムコトヲ得ザル用務又ハ事故ノ為其ノ属スル投票区所在ノ郡市ノ区域外ニ於テ旅行中又ハ滞在中ナルベキコト
三 前号ニ掲グルモノヲ除クノ外選挙人疾病、負傷、妊娠若ハ不具ノ為又ハ産褥ニ在ル為歩行著シク困難ナルベキコ卜
第四十七条 議員候補者ハ各開票区ニ於ケル選挙人名簿ニ記載セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ開票立会人タルベキ者一人ヲ定メ選挙ノ期日前三日迄ニ開票管理者ニ届出ヅルコトヲ得但シ同一人ヲ届出ヅルコトヲ妨ゲズ
前項ノ規定ニ依リ届出アリタル者(議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辞シ若ハ第六十七条第八項ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ届出ニ係ル者ヲ除ク以下之ニ同ジ)十人ヲ超エザルトキハ直ニ其ノ者ヲ以テ開票立会人トシ十人ヲ超ユルトキハ届出アリタル者ニ於テ開票立会人十人ヲ互選スベシ
前項ノ規定ニ依ル互選ハ投票ニ依リ之ヲ行ヒ得票最多数ノ者ヲ以テ開票立会人トス得票数同ジキトキハ開票管理者抽籖シテ之ヲ定ム
同一ノ政党其ノ他ノ団体ニ属スル議員候補者ノ届出ニ係ル者ハ三人以上開票立会人ト為ルコトヲ得ズ
第一項ノ規定ニ依リ届出アリタル者ニシテ同一ノ政党其ノ他ノ団体ニ属スル議員候補者ノ届出ニ係ルモノ三人以上アルトキハ第二項及第三項ノ規定ニ拘ラズ届出ニ依リ直ニ開票立会人ヲ定メ得ル場合ニ在リテハ其ノ者ノ中ニ就キ開票管理者ニ於テ抽籖ニ依リ定メタル者二人、互選ニ依リ開票立会人ヲ定ムベキ場合ニ在リテハ得票最多数ノ者二人(二人ヲ定ムルニ当リ得票数同ジキトキハ開票管理者ニ於テ抽籖ニ依リ定メタル者)以外ノ者ハ開票立会人ト為ルコトヲ得ズ
第二項、第三項又ハ前項ノ規定ニ依リ開票立会人定リタル後同一ノ政党其ノ他ノ団体ニ属スル議員候補者ノ届出ニ係ル開票立会人三人以上卜為リタルトキハ開票管理者ニ於テ抽籖ニ依リ定メタル者二人以外ノ者ハ其ノ職ヲ失フ
第二項ノ規定ニ依ル互選又ハ第五項ノ規定ニ依ル抽籖ハ選挙ノ期日前二日ニ之ヲ行フ
第二項ノ規定ニ依ル互選又ハ第五項若ハ第六項ノ規定ニ依ル抽籖ヲ行フベキ場所及日時ハ開票管理者ニ於テ予メ之ヲ告示スベシ
議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辞シ若ハ第六十七条第八項ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ届出ニ係ル開票立会人ハ其ノ職ヲ失フ
第二項ノ規定ニ依ル開票立会人三人ニ達セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リタルトキ又ハ開票立会人ニシテ参会スル者開票所ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ開票管理者ハ其ノ開票区ニ於ケル選挙人名簿ニ記載セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ開票立会人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ開票ニ立会ハシムベシ但シ第二項ノ規定ニ依ル開票立会人ヲ届出タル議員候補者ノ属シ又ハ開票管理者ニ於テ選任シタル開票立会人ノ属スル政党其ノ他ノ団体ト同一ノ政党其ノ他ノ団体ニ属スル者ハ当該議員候補者ノ届出ニ係ル開票立会人又ハ開票管理者ノ選任ニ係ル開票立会人ト通ジ三人以上之ヲ選任スルコトヲ得ズ
議員候補者ハ開票立会人ト為ルコトヲ得ズ
開票立会人ハ正当ノ事故ナクシテ其ノ職ヲ辞スルコトヲ得ズ
第六十一条中「第二十四条」を「第四十七条」に改める。
第六十七条第一項中「七日」を「十日」に改め、同条第三項中「二日」を「三日」に改め、同条第四項の次に次の二項を加える。
法律ノ定ムル所ニ依リ衆議院議員卜相兼ヌルコトヲ得ザル国又ハ地方公共団体ノ公務員ニ係ル第一項乃至第三項ノ届出ハ其ノ者ガ公務員タルコトヲ辞シタル後ニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
法律ノ定ムル所ニ依リ衆議院議員卜相兼ヌルコトヲ得ザル国又ハ地方公共団体ノ公務員ニシテ議員候補者タラントスル者公務員タルコトヲ辞スル旨ノ申出ヲ為シタル場合ニ於テ其ノ申出ノ日ヨリ十日以内ニ公務員タルコトヲ辞スルコトヲ得ザルトキハ当該公務員ノ退職ニ関スル法令ノ規定ニ拘ラズ其ノ申出ノ日後十日ニ相当スル日ニ公務員タルコトヲ辞シタルモノト看做ス
同条第五項の次に次の一項を加える。
第一項乃至第三項ノ届出アリタル者法律ノ定ムル所ニ依リ衆議院議員ト相兼ヌルコトヲ得ザル国又ハ地方公共団体ノ公務員卜為リタルトキハ議員候補者タルコトヲ辞シタルモノト看做ス
同条第六項中「前項」を「第七項」に、「議員候補者ノ死亡シタルコト」を「議員補候者死亡シ若ハ前項ノ規定ニ該当スルニ至リタルコト」に改める。
第六十八条第一項中「五千円」を「三万円」に改め、同条第二項中「十分ノ一」を「五分ノ一」に改め、同条第三項但書中「議員候補者タルコトヲ辞シタルトキ」の下に「又ハ前条第八項ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキ」を加える。
第六十九条第五項中「第七十四条」を「第七十三条第一項」に改める。
第七十二条 当選人定リタルトキハ選挙長ハ直ニ当選人ノ住所氏名及得票数、其ノ選挙ニ於ケル各議員候補者ノ得票総数其ノ他選挙ノ顛末ヲ都道府県ノ選挙管理委員会ニ報告スベシ
都道府県ノ選挙管理委員会ハ前項ノ報告アリタルトキハ直ニ当選人ニ当選ノ旨ヲ告知シ且当選人ノ住所氏名ヲ告示スベシ
当選人ナキトキ又ハ当選人其ノ選挙ニ於ケル議員ノ定数ニ達セザルトキハ選挙長ハ直ニ其ノ旨ヲ都道府県ノ選挙管理委員会ニ報告スベシ
都道府県ノ選挙管理委員会ハ前項ノ報告アリタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示スベシ
第七十三条 当選人其ノ当選ヲ辞セントスルトキハ当選ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ十日以内ニ其ノ旨ヲ都道府県ノ選挙管理委員会ニ届出ヅベシ
当選人前項ノ期間内ニ当選ヲ辞スル旨ノ届出ヲ為サザルトキハ当選ヲ承諾シタルモノト看做ス
第七十四条 削除
第七十五条第一項第五号中「第八十四条」の下に「又ハ政治資金規正法第四十五条第二項」を、第六号中「第百三十六条」の下に「又ハ政治資金規正法第四十四条」を加え、同条第三項中「若ハ第百四十三条」を「、第百四十三条若ハ政治資金規正法第四十六条」に改める。
第七十六条 当選人当選ヲ承諾シタルトキ又ハ第七十三条第一項ノ期間ヲ経過シタルトキハ都道府県ノ選挙管理委員会ハ直ニ当選人ニ当選証書ヲ付与シ其ノ住所氏名ヲ告示シ且都道府県知事ヲ経テ之ヲ全国選挙管理委員会ニ報告スベシ
第七十七条中「又ハ当選人第百三十六条」を「、当選人第百三十六条又ハ政治資金規正法第四十四条若ハ第四十五条」に改める。
第七十九条第三項中「第七十四条」を「第七十三条第一項」に改める。
第八十三条第一項中「第一項及第二項」を「第二項及第四項」に改める。
第八十四条第一項中「第一項」を「第二項」に改める。
第八十六条第一項及び第二項中「都議会議員選挙管理委員会又ハ関係道府県会議員選挙管理委員会」を「当該都道府県ノ選挙管理委員会」に改める。
第百条ノ二 何人ト雖選挙ノ期日後ニ於テ当選又ハ落選ニ関シ選挙人ニ挨拶スルノ目的ヲ以テ左ノ各号ニ掲グル行為ヲ為スコトヲ得ズ
一 選挙人ニ対シテ戸別訪問ヲ為スコト
二 自筆ノ信書及当選又ハ落選ニ関スル祝辞、見舞等ノ答礼ノ為ニスル信書ヲ除クノ外文書図画ヲ頒布シ又ハ掲示スルコト
三 新聞紙又ハ雑誌ヲ利用スルコト
四 当選祝賀会其ノ他ノ集会ヲ開催スルコ卜
五 自動車ヲ連ネ又ハ隊伍ヲ組ミテ往来スル等気勢ヲ張ルノ行為ヲ為スコ卜
六 当選ニ関スル答礼ノ為当選人ノ氏名又ハ政党其ノ他ノ団体ノ名称ヲ連呼スルコト
第百四条及び第百十条中「支出責任者」を「出納責任者」に改める。
第百三十三条 第百条ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ一万円以下ノ罰金ニ処ス
第百三十七条第一項中「第百三十条及第百三十二条」を「第百三十条、第百三十二条及第百三十三条」に改め、「禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者ニ付其ノ」を削る。
第百四十条ノ二 都道府県及市町村ノ選挙管理委員会ハ投票ノ方法、選挙違反其ノ他選挙ニ関シ特ニ必要卜認ムル事項ヲ選挙人ニ周知セシムルト共ニ棄権防止ニ付適切ナル措置ヲ講ズベキモノトス
第百四十条ノ三 検察官、警察官、都道府県及市町村ノ公安委員会ノ委員並ニ警察吏員ハ選挙ノ取締ニ関スル規定ヲ厳格ニ執行シ選挙ノ公正ヲ確保スベキモノトス
第百四十三条中「都議会議員選挙管理委員会又ハ関係道府県会議員選挙管理委員会」を「当該都道府県ノ選挙管理委員会」に改める。
第百四十四条 本法ノ適用ニ付テハ全部事務組合及役場事務組合ハ之ヲ一町村、其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看做ス
第百四十四条ノ二 別表ニ掲グル郡ノ区域又ハ支庁ノ所管区域ニ変更アルモ選挙区ニ関シテハ仍従前ノ区域ニ依ル但シ市町村ノ境界ノ変更アリタル為又ハ町村ガ市卜為リ若ハ市ガ町村卜為リタル為郡ノ区域ニ変更アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第百四十四条ノ三 削除
第百四十五条第一項中「東京都ノ区」を「特別区」に、「並ニ市制第六条及第八十二条第一項」を「及地方自治法第百五十五条第二項」に、「市ニ関スル規定ハ区」を「市ニ関スル規定ハ特別区又ハ区」に、「市会議員選挙管理委員会及市会議員選挙管理委員」を「市ノ選挙管理委員会及選挙管理委員」に、「区会議員選挙管理委員会及区会議員選挙管理委員又ハ市会議員区選挙管理委員会及市会議員区選挙管理委員」を「特別区若ハ区ノ選挙管理委員会及選挙管理委員」に、「其ノ区内」を「其ノ特別区又ハ区ノ区域内」に改め、同条第二項を削る。
第百四十八条 選挙ニ関スル政令ハ全国選挙管理委員会ノ立案スル所ニ依リ之ヲ定ムベキモノトス
附 則
第一条 この法律は、次の総選挙から、これを施行する。但し、衆議院議員選挙法第七十五条及び第七十七条の改正規定並びに附則第二条及び第三条の規定は、政治資金規正法施行の日から、これを施行する。
第二条 参議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
第五十六条第六項中「第五号及び第六号」を「第五号乃至第七号」に改める。
第六十二条第一項第五号を第六号とし、同号中「当選人」を「又は政治資金規正法第四十五条第一項の規定により当選人」に改め、第六号を第七号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 第七十四条第一項の規定による訴訟の結果、当選人の当選が無効となつたとき
同条第三項中「第七十五条」の下に「又は政治資金規正法第四十六条」を加える。
第六十九条中「第五号及び第六号」を「第五号乃至第七号」に改める。
第三条 地方自治法の一部を次のように改正する。
第六十二条第一項第六号中「当選人」を「又は政治資金規正法第四十五条第一項の規定により当選人」に改める。
(内閣総理大臣署名)