恩給法の一部を改正する法律

法律第百八十五号(昭二三・七・二二)

 恩給法(大正十二年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

 第九条第一項第二号中「二年」を「三年」に改める。

 第九条ノ二中「政令ノ定ムル所ニ依リ」を削る。

 第十条中「政令ノ定ムル所ニ依リ」を削り、同条に左の一項を加える。

 前項ノ規定ニ依リ恩給ノ支給ヲ受クヘキ遺族及其ノ順位ハ扶助料ヲ受クヘキ遺族及其ノ順位ニ依ル

第十条ノ二 前条ノ場合ニ於テ死亡シタル恩給権者未タ恩給ノ請求ヲ為ササリシトキハ恩給ノ支給ヲ受クヘキ遺族又ハ相続人ハ自己ノ名ヲ以テ死亡者ノ恩給ノ請求ヲ為スコトヲ得

 前条ノ場合ニ於テ死亡シタル恩給権者ノ生存中裁定ヲ経タル恩給ニ付テハ死亡者ノ遺族又ハ相続人ハ自己ノ名ヲ以テ其ノ恩給ノ支給ヲ受クルコトヲ得

第十条ノ三 第七十三条ノ二ノ規定ハ前条ノ恩給ノ請求及支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス

第十二条 恩給ヲ受クルノ権利ハ左ノ各号ニ規定スルモノヲ除クノ外総理庁恩給局長之ヲ裁定ス

 一 都道府県ヨリ俸給ヲ受クル文官及其ノ遺族ノ恩給ハ都道府県知事之ヲ裁定ス

 二 公立ノ小学校、中学校、盲学校、聾学校、養護学校及幼稚園ノ教育職員及準教育職員並其ノ遺族ノ恩給ハ都道府県知事之ヲ裁定ス

 三 前号ニ掲クルモノヲ除クノ外教育職員ノ一時恩給ハ都道府県知事之ヲ裁定ス

 四 都道府県ヨリ俸給ヲ受クル警察監獄職員及其ノ遺族ノ恩給ハ都道府県知事之ヲ裁定ス

 第十三条第四項を削る。

 第十六条第一号但書を次のように改め、同条第三号中「都府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済」を「都道府県」に、同条第四号中「都府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済」を「都道府県又ハ市町村」に改める。

 但シ都道府県ヨリ俸給ヲ受クル文官及其ノ遺族ノ恩給ハ都道府県之ヲ負担ス

第十八条ノ二 本法ニ規定スルモノヲ除クノ外恩給ノ請求、裁定、支給及受給権存否ノ調査並恩給ニ関スル具申及其ノ裁決ニ関スル手続ニ付テハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

 第二十条第一項但書を次のように改め、同条第二項中「国庫」の下に「又ハ都道府県」を加え、「ニシテ前項但書ノ規定ニ基ク政令ヲ以テ指定セラレサルモノ」を削る。

 但シ国庫又ハ都道府県ヨリ俸給ヲ給セサル官ニ在ル者ハ此ノ限ニ在ラス

 第二十二条第一項中「又ハ図書館」を削り、同条第二項中「職員ニシテ政令ヲ以テ指定スルモノ」を「助教諭」に改める。

 第二十三条第一号を次のように改め、同条第三号中「司法事務官」を「法務庁事務官」に改め、同条第五号を削る。

 一 警部補、巡査部長又ハ巡査タル警察官

第二十四条 待遇職員トハ三級官以上ノ待遇ヲ受クル都道府県立少年教護院職員令ニ依ル職員ヲ謂フ

 第二十五条に左の一項を加える。

 廃官、廃職、廃庁、廃校若ハ官職名改定ノ際其ノ廃改ニ係ル官職ニ在リタル者又ハ定員ノ減少ニ因リ退職シタル者即日又ハ翌日他ノ官職ニ就職シタルトキハ之ヲ転任ト看做ス但シ之ニ依リ第二十六条第二項ノ規定ニ該当スルニ至ル場合ハ此ノ限ニ在ラス

 第三十八条第一項中「加算ス」を「加算シ」に、「服務シタルトキ亦同シ」を「服務シタルトキハ其ノ期間ノ一月ニ付半月ヲ加算ス」に改め、同条第三項を削る。

第三十八条ノ二 前条ノ規定ニ依リ加算スヘキ辺陬又ハ不健康ノ地域及其ノ加算ノ程度ハ別表第一号表ニ依ル

第三十八条ノ三 辺陬又ハ不健康ノ地域ノ加算ハ在勤地外ノ地ヨリ其ノ在勤地ニ赴任シタル者ニ付テハ在勤地ニ到着シタル月ヨリ、其ノ地ニ在リテ就職シタル者ニ付テハ就職ノ月ヨリ之ヲ起算シ其ノ在勤ヲ止メタル月ヲ以テ終ル

 前項ノ地域ニ在勤中引続キ九十日以上其ノ地域ヲ離レタルトキハ全ク地域ヲ離レタル月ニ対シテハ辺陬又ハ不健康ノ地域ノ加算ヲ為サス

第三十八条ノ四 第三十八条ノ規定ニ依リ加算スヘキ不健康業務トハ左ニ掲クルモノヲ謂フ

 一 有毒ノ瓦斯若ハ蒸気、爆薬類又ハ危険ナル細菌ノ研究又ハ製造ニ直接ニ従事スル勤務ニシテ内閣総理大臣ノ指定スルモノ

 二 鉄道事業ニ於ケル蒸気機関車乗員トシテノ現業勤務

 三 炭坑内切羽ニ於ケル連続的現業勤務

 四 鉄道ノ隧道工事又ハ橋梁工事ノ圧搾空気内ニ於ケル連続的勤務

 五 肺結核、喉頭結核又ハ癩ノ患者ヲ収容スル病室ニ於テ直接看護ニ従事スル勤務

 前項ニ規定スル業務ニ従事中引続キ三十日以上服務セサルトキハ全ク服務セサル月ニ対シテハ不健康業務ノ加算ヲ為サス

 第三十九条第二項を次のように改める。

 前項ノ遠洋航海トハ北緯五十度以北、東経百六十度以東、東経百六十度北緯四十度ノ点ト東経百四十度北緯二十度ノ点トヲ連結スル線ノ以東以南、北緯二十度以南及東経百十度以西ノ海面ヲ航行シ一航程千浬ヲ超ユル航海ヲ謂フ

第三十九条ノ二 航海加算ハ初発港出発ヨリ之ニ帰著シ又ハ到達港ニ達スル迄ノ期間ニ対シ之ヲ為ス但シ出発ニ当リ内国港湾ヲ経由スル場合ニ於テハ其ノ港湾ヲ離レタル月ヨリ加算シ帰著ニ際シ内国港湾ヲ経由スル場合ニ於テハ其ノ港湾ニ到著シタル月迄加算ス

 航海中引続キ三十日以上航行セサルトキハ全ク航行セサル月ニ対シテハ航海加算ヲ為サス

 第四十条第一項中「前二条」を「第三十八条乃至前条」に改め、「政令ノ定ムル所ニ依リ」を削る。

 第四十条ノ二中「政令ノ定ムル所ニ依リ」を削り、同条に左の一項を加える。

 前項ニ規定スル期間一月以上ニ亘ルトキトハ其ノ期間カ在職年ノ計算ニ於テ一月以上ニ計算セラルル総テノ場合ヲ謂フ但シ現実ニ職務ヲ執ルヲ要スル日ノアリタル月ハ在職年ノ計算ニ於テ之ヲ半減セス

 第四十四条第一項中「及之ニ準スヘキモノ」を削り、同条第二項を削る。

 第四十六条ノ二第一項中「政令ノ定ムル程度」を「第四十九条ノ三ニ規定スル程度」に、同条第二項中「前項ノ政令ノ定ムル程度」を「第四十九条ノ三ニ規定スル程度」に改める。

 第四十八条第一項第一号を削除し、同項第二号中「流行病」を「別表第一号表ノ二ニ掲クル流行病」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改める。

 第四十九条第二項を次のように改める。

 前項ノ規定ニ依ル特殊公務ニ因ル傷痍疾病トハ別表第一号表ノ三ニ掲クルモノヲ謂フ

第四十九条ノ二 公務傷病ニ因ル不具癈疾ノ程度ハ別表第一号表ノ四ニ掲クル八項トス

第四十九条ノ三 傷病年金ヲ給スヘキ傷病ノ程度ハ別表第一号表ノ五ニ掲クル四款トス

第四十九条ノ四 級別ノ定ナキ公務員ノ公務傷病ニ関スル規定ノ適用ニ付テノ等級ハ別表第一号表ノ六ニ規定スル区分ニ依ル

第四十九条ノ五 準文官ノ公務傷病ニ関スル規定ノ適用ニ付テノ等級ハ左ノ区分ニ依ル

 一 二級官試補ハ三級ノ者ニシテ退職当時ノ俸給月額百三十円以上ノモノトシ三級官見習ハ三級ノ者ニシテ退職当時ノ俸給月額六十円未満ノモノトス

 二 国庫又は都道府県ヨリ俸給ヲ給セサル官ニ在ル者ニ付テハ其ノ等級ニ依ル

第四十九条ノ六 準教育職員ノ公務傷病ノ規定ノ適用ニ付テノ等級ハ教育職員ニシテ三級ノモノノ等級ノ例ニ依ル

 第五十八条第一項第二号中「二年」を「三年」に改める。

 第五十九条第一項但書及び第二項但書中「都府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済」を「都道府県」に、同条第三項及び第四項中「都府県其ノ他ノ経済」を「都道府県」に改める。

 第五十九条ノ二第二項中「看做シ前項ノ規定ヲ準用ス」を「看做ス」に改め、同条第三項を削る。

第五十九条ノ三 前条第一項ニ規定スル一級又ハ二級ノ昇給ニ付テハ左ノ各号ノ例ニ依ル

 一 級俸ノ定アル場合ニ於テ当分給トシテ給与級俸ヨリ少額ノ俸給ヲ給セラレタル者ニ付テハ給与級俸ノ直近上位ノ級俸ノ額ニ給与級俸ニ対シ当分俸給カ有スル割合ヲ乗シタルモノ(円位未満ハ円位ニ満タシム)ヲ以テ当分俸給ニ対スル一級上位ノ俸給額トシ給与級俸ノ二級上位ノ俸給ノ額ニ其ノ割合ヲ乗シタルモノ(円位未満ハ円位ニ満タシム)ヲ以テ当分俸給ニ対スル二級上位ノ俸給額トス級俸ノ定アル場合ニ於テ月俸七十五円以下ノモノニ付級俸ニ拘ラス適宜ノ金額ヲ定メ之ヲ給シタルトキ亦同シ

 二 転官職ニ依リ昇給ヲ来ス場合ニ於テハ新官職ニ付定メラレタル級俸中前ノ官職ニ付給セラレタル俸給ニ直近ニ多額ナルモノヲ以テ一級上位ノ俸給トシ之ニ直近スル上位ノ級俸ノ額ヲ二級上位ノ俸給トス但シ其ノ額カ前官職ニ付給セラレタル俸給ニ前段ノ場合ニ在リテハ其ノ百分ノ十五ヲ加ヘタル金額ニ達セサルトキハ之ニ達スル金額ヲ以テ一級上位ノ俸給トシ後段ノ場合ニ在リテハ百分ノ三十ヲ加ヘタル金額ニ達セサルトキハ之ニ達スル金額ヲ以テ二級上位ノ俸給ト看做ス

 第六十四条ノ二但書中「政令ノ定ムル時期ニ於テ」を削る。

第六十四条ノ三 前条但書ノ規定ニ依ル一時恩給ノ返還ハ之ヲ負担シタル国庫又ハ都道府県若ハ市町村ニ対シ再就職ノ月(再就職後一時恩給給与ノ裁定アリタル場合ハ其ノ裁定アリタル月)ノ翌月ヨリ一年内ニ一時ニ又ハ分割シテ之ヲ完了スヘシ

 前項ノ規定ニ依リ一時恩給ノ全部又ハ一部ヲ返還シ失格原因ナクシテ再在職ヲ退職シタルニ拘ラス普通恩給ヲ受クルノ権利ヲ生セサル場合ニ於テハ一時恩給ノ返還ヲ受ケタル国庫又ハ都道府県若ハ市町村ハ之ヲ返還者ニ還付スヘシ

 第七十二条第一項中「祖父、祖母、父、母、夫、妻、子」を「祖父母、父母、配偶者、子」に、「之卜同一戸籍内ニ在ル」を「之ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之卜生計ヲ共ニシタル」に改め、同条第二項中「其ノ戸籍内ニ在リタル」を「之ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之卜生計ヲ共ニシタル」に改め、同条第三項及び第四項を削る。

 第七十三条第一項中「父、母、成年ノ子、祖父、祖母」を「父母、成年ノ子、祖父母」に改め、同条第二項を削り、同条第四項中「前三項」を「前二項」に、「第七十二条第三項ノ規定ニ依リ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ遺族ト看做サルル者」を「第七十四条ノ二第一項ニ規定スル者」に改める。

第七十三条ノ二 前条第一項及第二項ノ規定ニ依ル同順位ノ遺族二人以上アルトキハ其ノ中一人ヲ総代者トシテ扶助料ノ請求又ハ扶助料支給ノ請求ヲ為スヘシ

 第七十四条第一項、第三項及び第四項を削る。

 第七十四条ノ二第一項を次のように改め、同条第二項中「第七十二条第三項ノ規定ニ依リ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ遺族卜看做サレタル者」を「前者ニ規定スル者」に、同条第三項中「第七十二条第三項ノ規定ニ依リ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ遺族卜看做サルル者」を「第一項ニ規定スル者」に、「同条」を「同項」に、同条第四項中「第七十二条第三項ノ規定ニ依リ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ遺族卜看做サルル者」を「第一項ニ規定スル者」に改める。

 公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ死亡当時之ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之卜生計ヲ共ニシタル者ニシテ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ死亡後戸籍ノ届出カ受理セラレ其ノ届出ニ因リ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ祖父母、父母、配偶者又ハ子ナルコトト為リタルモノニ給スル扶助料ハ当該戸籍届出受理ノ日ヨリ之ヲ給ス

 第七十五条第一項中「扶助料ノ年額ハ」の下に「之ヲ受クル者ノ人員ニ拘ラス」を加え、同条第二項中「扶助料ヲ受クル者ノ同一戸籍内ニ」を「扶助料ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之卜生計ヲ共ニスル者ノ中ニ」に改め、同項但書を次のように改める。

 但シ扶助料ヲ受クル者及之ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之ト生計ヲ共ニスル者ノ中ニ扶助料ヲ受クル者二人以上アル場合又ハ二人以上ノ扶助料ヲ併セ受クル者アル場合ニ於ケル加給ニ付テハ左ノ区分ニ依ル

 一 各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ裁定庁ニ於テ最初ニ請求ヲ受理シタル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルヘキモノトス但シ扶助料ヲ受クル者二人以上アル場合ニ在リテハ各ノ扶助料ヲ受クル者全員ノ連署ヲ以テ、二以上ノ扶助料ヲ併セ受クル者アル場合ニ在リテハ之ヲ併セ受クル者ヨリ裁定庁ニ於テ後ニ請求ヲ受理シタル一ノ扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タラシムルコトヲ請求シタルトキハ後ノ扶助料ノ加給額カ最初ノ扶助料ノ加給額ヨリ多額ト為ル場合ニ限リ改定請求アリタル月ノ翌月ヨリ加給額ヲ改定ス。

 二 各ノ扶助料ノ請求ヲ裁定庁ニ於テ同日ニ受理シタルトキハ其ノ各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ加給額ノ最多額ト為ル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルモノ卜ス

 同条に左の二項を加える。

 前項第一号但書ノ規定ニ依リ加給額ヲ改定シタル後ニ於テ請求セラレタル扶助料アル場合ニ於テハ其ノ扶助料ニ加給ヲ為ストキ其ノ加給額カ既ニ改定セラレタル加給額ヨリ多額卜為ル場合ニ限リ更ニ改定ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項第一号但書ノ規定ヲ準用ス

 遺族ノ員数ニ依ル加給ヲ為サルル扶助料カ恩給金庫ニ担保ニ供セラレ居ル場合ニ於テ当該加給ノ原因タル遺族ヲ第一項第一号但書又ハ前項ノ規定ニ依リ他ノ扶助料ニ付テノ加給ノ原因タラシムルコトヲ請求セントスルトキハ恩給金庫ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但シ恩給金庫ニ対シ相当ノ担保ノ供セラレタルトキハ此ノ限ニ在ラス

第七十六条 公務員又ハ之ニ準スヘキ者ノ死亡後遺族左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ扶助料ヲ受クル資格ヲ失フ

 一 子婚姻シタルトキ若ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ又ハ子カ公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ

 二 夫婚姻シタルトキ又ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ

 三 父母又ハ祖父母婚姻シタルトキ

 第七十七条第一項中「二年」を「三年」に改める。

 第七十八条中「不明ナルトキハ」の下に「同順位者又ハ」を加える。

第七十九条 前二条ノ扶助料停止ノ事由アル場合ニ於テハ停止期間中扶助料ハ同順位者アルトキハ当該同順位者ニ、同順位者ナク次順位者アルトキハ当該次順位者ニ之ヲ転給ス

第七十九条ノ二 第七十三条ノ二ノ規定ハ第七十八条ノ扶助料停止ノ申請並前条ノ扶助料転給ノ請求及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス

 第八十条第一項を次のように改める。

 遺族左ノ各号ノ一ニ該当シタルトキハ扶助料ヲ受クルノ権利ヲ失フ

 一 配偶者婚姻シタルトキ又ハ遺族以外ノ者ノ養子卜為リタルトキ

 二 子婚姻シタルトキ若ハ遺族以外ノ者ノ養子卜為リタルトキ又ハ子カ公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ

 三 父母又ハ祖父母婚姻シタルトキ

 四 不具癈疾ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ夫又ハ成年ノ子ニ付其ノ事情止ミタルトキ

 第八十一条に左の一項を加える。

 第七十三条ノ二ノ規定ハ前二項ノ一時扶助料ノ請求及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス

 第八十二条第二項中「一時扶助料ノ金額ハ」の下に「之ヲ受クヘキ者ノ人員ニ拘ラス」を加え、同条第四項中「及第七十四条ノ規定」を「並第七十三条ノ二及第七十四条ノ規定」に改める。

 第八十二条の次に左の一章を加へる。

第四章 雑則

 第八十二条ノ二 昭和二十三年七月一日以後ニ於テハ本法ノ中国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)又ハ同法ニ基ク法律、政令若ハ人事委員会規則ノ規定ニ矛盾スル規定ハ其ノ効力ヲ失フ

 別表第一号表を次のように改める。

 第一号表

  (一) 三分ノ二月ヲ加算スヘキモノ

北海道

 松前郡

  小島

石川県

 鳳至郡

  舳倉島

長崎県

 南松浦郡

  女島

鹿児島県

 川辺郡

  草垣島

  (二) 二分ノ一月ヲ加算スヘキモノ

北海道

  厚岸大黒島

東京都

  八丈島鳥島

長崎県

 西彼杵郡

  大立島

 北松浦郡

  五島白瀬

   二神島

 上県郡

  三島

iェ県

 宗像郡

  沖島

沖縄県

  大東島

  宮古島列島

  八重山列島

 別表第一号表の次に左の五―表を加える。

 第一号表ノ二

マラリア(黒水熱ヲ含ム)

猩紅熱

痘瘡

コレラ

発疹チフス

腸チフス

パラチフス

ペスト

回帰熱

赤痢

流行性脳脊髄膜炎

流行性感冒

肺ヂストマ病

トリバノゾーム病

黄疸出血性スピロヘータ病

カラアザール

黄熱

発疹熱

流行性出血熱

デング熱

フイラリア病

フランベジア

流行性脳炎

 別表第一号表ノ三

一 外国ノ交戦若ハ擾乱ノ地域内ニ於テ勤務中又ハ該地域内ヲ職務ヲ以テ旅行中ニ於ケル該交戦又ハ擾乱ニ因ル傷痍疾病

二 職務ヲ以テ暴徒ヲ鎮圧スルニ当リ又ハ兇賊若ハ脱獄因ヲ逮捕スルニ当リ危害ヲ加ヘラルヘキコトヲ予断シ得ルニ拘ラス危険ヲ冒シテ其ノ職務ヲ執行シタル為加ヘラレタル傷痍疾病

三 職務ヲ以テコレラ又ハペストノ防疫、診療又ハ看護ニ直接従事シ之カ為罹リタル該疾病

四 急流其ノ他生命ノ危険ヲ感スヘキ事情ノ下ニ於ケル潜水勤務ニ因ル傷痍疾病

 第一号表ノ四

不具癈疾程度

不具癈疾ノ状態

特別項症

一 常ニ就床ヲ要シ且複雑ナル介護ヲ要スルモノ

二 重大ナル精神障碍ノ為常ニ監視又ハ複雑ナル介護ヲ要スルモノ

三 両眼ノ視力カ明暗ヲ弁別シ得サルモノ

四 身体諸部ノ障碍ヲ綜合シテ其ノ程度第一項症ニ第一項症乃至第六項症ヲ加ヘタルモノ

第一項症

一 複雑ナル介護ヲ要セサルモ常ニ就床ヲ要スルモノ

二 精神的又ハ身体的作業能力ヲ失ヒ僅ニ自用ヲ弁シ得ルニ過キサルモノ

三 咀嚼及言語ノ機能ヲ併セ癈シタルモノ

四 両眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

五 肘関節以上ニテ両上肢ヲ失ヒタルモノ

六 膝関節以上ニテ両下肢ヲ失ヒタルモノ

第二項症

一 精神的又ハ身体的作業能力ノ大部ヲ失ヒタルモノ

二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ癈シタルモノ

三 両眼ノ視力ガ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

四 両耳全ク聾シタルモノ

五 大動脈瘤、鎖骨下動脈瘤、総頚動脈瘤、無名動脈瘤又ハ腸骨動脈瘤ヲ発シタルモノ

六 腕関節以上ニテ両上肢ヲ失ヒタルモノ

七 足関節以上ニテ両下肢ヲ失ヒタルモノ

第三項症

一 肘関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ

二 膝関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ

第四項症

一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ著シク妨クルモノ

二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ著シク妨クルモノ

三 両眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

四 両耳ノ聴力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大声ヲ解シ得サルモノ

五 泌尿器ノ機能ヲ著シク妨クルモノ

六 両睾丸ヲ全ク失ヒタルモノニシテ脱落症状ノ著シカラサルモノ

七 腕関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ

八 足関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ

第五項症

一 頭部、顔面等ニ大ナル醜形ヲ残シタルモノ

二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

三 一側総指ヲ全ク失ヒタルモノ

第六項症

一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ高度ニ妨クルモノ

二 頸部又ハ躯幹ノ運動ニ著シク妨クルモノ

三 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

四 脾臓ヲ失ヒタルモノ

五 一側拇指及示指ヲ全ク失ヒタルモノ

六 一側総指ノ機能ヲ癈シタルモノ

第七項症

一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

二 一耳全ク聾シ他耳尋常ノ話声ヲ一・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ

三 一個腎臓ヲ失ヒタルモノ

四 一側拇指ヲ全ク失ヒタルモノ

五 一側示指乃至小指ヲ全ク失ヒタルモノ

六 一側足関節カ直角位ニ於テ強剛シタルモノ

七 一側総趾ヲ全ク失ヒタルモノ

右ニ掲クル各症ニ該当セサル傷痍疾病ノ症項ハ右ニ掲クル各症ニ準シ之ヲ査定ス

視力ヲ測定スル場合ニ於テハ屈折異常ノモノニ付テハ矯正視力ニ依リ視標ハ万国共通視力標ニ依ル

 第一号表ノ五

傷病ノ程度

傷病ノ状態

第一款症

一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

二 一耳全ク聾シタルモノ

三 一側拇指ノ機能ヲ癈シタルモノ

四 一側示指乃至小指ノ機能ヲ癈シタルモノ

五 一側総趾ノ機能ヲ癈シタルモノ

第二款症

一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ軽度ニ妨クルモノ

二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ三・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ

三 一耳ノ聴力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大声ヲ解シ得サルモノ

四 一側睾丸ヲ全ク失ヒタルモノ

五 一側示指ヲ全ク失ヒタルモノ

六 一側第一趾ヲ全ク失ヒタルモノ

第三款症

一 一側示指ノ機能ヲ癈シタルモノ

二 一側中指ヲ全ク失ヒタルモノ

三 一側第一趾ノ機能ヲ癈シタルモノ

四 一側第二趾ヲ全ク失ヒタルモノ

第四款症

一 一眼ノ視力カ〇・一ニ満タサルモノ

二 一耳ノ聴力カ尋常ノ話声ヲ〇・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ

三 一側中指ノ機能ヲ癈シタルモノ

四 一側環指ヲ全ク失ヒタルモノ

五 一側第二趾ノ機能ヲ癈シタルモノ

六 一側第三趾乃至第五趾ノ中二趾ヲ全ク失ヒタルモノ

右ニ掲クル各症ニ該当セサル傷痍疾病ノ程度ハ右ニ掲クル各症ニ準シ之ヲ査定ス

視力ヲ測定スル場合ニ於テハ屈折異常ノモノニ付テハ矯正視力ニ依リ視標ハ万国共通視力標ニ依ル

 別表第一号表ノ六

一級ノ者ノ例ニ依ルモノ

一 内閣総理大臣、最高裁判所長官及日本国憲法第七条ノ規正ニ依ル認証官

二 退職当時ノ俸給月額千四百円以上ノ裁判官ニシテ前号ノ規定ニ該当セサルモノ

三 衆議院事務局又ハ参議院事務局ノ事務総長、事務次長、部長タル参事及常任委員会専門調査員並国会図書館ノ館長及副館長

二級ノ者ノ例ニ依ルモノ

一 裁判官ニシテ前欄ニ掲クル者以外ノモノ

二 衆議院事務局若ハ参議院事務局又ハ国会図書館ノ参事(前欄ニ掲クル参事ヲ除ク)及副参事並弾劾裁判所又ハ訴追委員会ノ書記長

三級ノ者ノ例ニ依ルモノ

国会職員ニシテ前二欄ニ掲クル者以外ノモノ

附 則

第一条 この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、第十条から第十条の三まで、第七十二条から第七十六条まで及び第七十八条から第八十二条までの改正規定は、昭和二十三年一月一日から、第二十二条中助教諭に関する改正規定は、昭和二十二年四月一日から、第二十三条第一号の改正規定は、昭和二十三年三月七日から、同条第三号の改正規定は、同年二月十五日から、これを適用する。

第二条 この法律施行前禁こ以上の刑に処せられた者については、なお従前の例による。

第三条 昭和二十二年十二月三十一日以前に恩給権者が死亡した場合におけるその生存中の恩給で給与を受けなかつたものの支給については、なお従前の例による。

第四条 従前の規定による公立の図書館の職員で官吏であつた者については、なお従前の例による。

第五条 従前の規定による教官心得又は準教員については、なお従前の例による。

前項の者が引き続いて助教諭になつた場合においては、前項の者の在職は、これを助教諭としての在職とみなす。

第六条 従前の規定による警察監獄職員については、なお従前の例による。

第七条 昭和二十二年十二月三十一日までに給与事由の生じた扶助料及び一時扶助料については、なお従前の例による。但し、昭和二十三年一月一日以後においては、左の特例に従う。

 一 昭和二十三年一月一日において現に扶助料を受ける権利又は資格を有する者については、第七十六条及び第八十条の改正規定を適用する。

 二 昭和二十三年一月一日において現に扶助料を受ける権利を有する者がある場合において、その者が失権した後においては、第七十三条から第七十四条まで、第七十五条及び第七十八条から第七十九条の二までの改正規定を適用する。

第八条 この法律の附則第三条、第四条、第五条第一項、第六条及び前条に規定する場合において、東京都長官又は警視総監が裁定すべきこととなる恩給については、東京都知事が、北海道庁長官が裁定すべきこととなる恩給については、北海道知事が、これを裁定するものとする。

第九条 この法律施行の日に属する月の翌月分以降の普通恩給については、恩給法第五十八条第一項第三号及び第四号並びに同条第二項の規定は、当分の間、これを適用しない。

第十条 昭和二十三年四月二日現に都道府県の保健衛生に関する事務に従事する職員で恩給法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第七十七号)附則第十条の規定の適用を受ける者が引続いて市立保健所の職員となつた場合には、これを従前の身分のまま勤続するものとみなし、当分の間、これに恩給法の規定を準用する。

(内閣総理大臣署名)

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