土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律
法律第三十四号(平五・五・六)
(土地区画整理法の一部改正)
第一条 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第八十五条」を「第八十五条の二」に、「第七節 権利関係の調整(第百十三条―第百十七条)」を
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第七節 権利関係の調整(第百十三条―第百十七条) |
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第八節 住宅先行建設区における住宅の建設(第百十七条の二) |
」 |
に、「第百二十一条の二」を「第百二十一条」に改める。
第六条中第五項を第七項とし、第二項から第四項までを二項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の二項を加える。
2 住宅の需要の著しい地域に係る都市計画区域で建設大臣が指定するものの区域において新たに住宅市街地を造成することを目的とする土地区画整理事業の事業計画においては、施行地区における住宅の建設を促進するため特別な必要があると認められる場合には、建設省令で定めるところにより、住宅を先行して建設すべき土地の区域(次項、第十三条第二項、第四十五条第三項、第八十五条の二第一項、第四項及び第五項、第八十九条の二並びに第百十七条の二第一項から第三項までの規定において「住宅先行建設区」という。)を定めることができる。
3 住宅先行建設区は、施行地区における住宅の建設を促進する上で効果的であると認められる位置に定め、その面積は、住宅が先行して建設される見込みを考慮して相当と認められる規模としなければならない。
第九条第四項中「第十三条第三項」を「第十三条第四項」に改める。
第十三条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 都道府県知事は、第六条第二項の規定により事業計画に住宅先行建設区が定められている場合においては、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての第百十七条の二第一項に規定する指定期間(第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての指定期間の終期が異なる場合においては、その終期の最も遅いもの。以下この項及び第四十五条第三項において同じ。)を経過した後でなければ、前項に規定する土地区画整理事業の終了についての認可をしてはならない。ただし、住宅先行建設区内の換地に住宅が建設されたこと等により施行地区における住宅の建設を促進する上で支障がないと認められる場合においては、指定期間内においても当該認可をすることができる。
第二十一条第五項中「第四十五条第四項」を「第四十五条第五項」に改める。
第四十五条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 都道府県知事は、第十六条において準用する第六条第二項の規定により事業計画に住宅先行建設区が定められている場合においては、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地についての第百十七条の二第一項に規定する指定期間を経過した後でなければ、前項に規定する認可(事業の完成の不能による解散その他事業の廃止による解散についての認可を除く。)をしてはならない。ただし、住宅先行建設区内の換地に住宅が建設されたこと等により施行地区における住宅の建設を促進する上で支障がないと認められる場合においては、指定期間内においてもその認可をすることができる。
第八十五条第五項中「みなして、」の下に「次条第五項及び」を加える。
第三章第一節中第八十五条の次に次の一条を加える。
(住宅先行建設区への換地の申出等)
第八十五条の二 第六条第二項(第十六条、第五十四条、第六十八条及び第七十一条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定により事業計画において住宅先行建設区が定められたときは、施行地区内の宅地の所有者で当該宅地についての換地に住宅を先行して建設しようとするものは、施行者に対し、建設省令で定めるところにより、換地計画において当該宅地についての換地を住宅先行建設区内に定めるべき旨の申出をすることができる。
2 前項の規定による申出をしようとする者は、建設省令で定めるところにより、施行者に、当該申出に係る宅地についての換地に建設しようとする住宅の建設に関する計画(次項及び第五項並びに第百十七条の二第一項及び第二項において「建設計画」という。)を提出しなければならない。
3 第一項の規定による申出に係る宅地について住宅の所有を目的とする借地権を有する者があるときは、当該申出及び建設計画についてその者の同意がなければならない。
4 第一項の規定による申出は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる公告があつた日から起算して六十日以内に行わなければならない。
一 事業計画が定められた場合 第七十六条第一項各号に掲げる公告(事業計画の変更の公告又は事業計画の変更についての認可の公告を除く。)
二 事業計画の変更により新たに住宅先行建設区が定められた場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更についての認可の公告
三 事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたことに伴い住宅先行建設区の面積が拡張された場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更についての認可の公告
5 施行者は、第一項の規定による申出があつた場合には、遅滞なく、当該申出が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該申出に係る宅地を、換地計画においてその宅地についての換地を住宅先行建設区内に定められるべき宅地として指定し、当該申出が次に掲げる要件に該当しないと認めるときは、当該申出に応じない旨を決定しなければならない。
一 当該申出に係る宅地の建築物その他の工作物(容易に移転し、又は除却することができるもので建設省令で定めるものを除く。)が存しないこと。
二 当該申出に係る宅地に地上権、永小作権、賃借権その他の当該宅地を使用し、又は収益することができる権利(住宅の所有を目的とする借地権及び地役権を除く。)が存しないこと。
三 当該申出に係る宅地についての換地に、第百十七条の二第一項に規定する指定期間を経過する日までに、建設計画に従つて住宅が建設されることが確実であると見込まれること。
6 施行者は、前項の規定による指定又は決定をしたときは、遅滞なく、第一項の規定による申出をした者に対し、その旨を通知しなければならない。
7 施行者は、第五項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
8 施行者が組合である場合においては、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項の規定による申出は、第十四条第一項の規定による認可を受けた者が受理するものとする。
第八十九条の次に次の一条を加える。
(住宅先行建設区への換地)
第八十九条の二 第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地については、換地計画において換地を住宅先行建設区内に定めなければならない。
第三章に次の一節を加える。
第八節 住宅先行建設区における住宅の建設
(住宅先行建設区における住宅の建設)
第百十七条の二 第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者は、換地計画において当該宅地についての換地が住宅先行建設区内に定められた場合においては、第百三条第四項の公告があつた日の翌日から起算して指定期間(その期間内にこれらの者が建設計画に従つて住宅を建設すべきものとして規準、規約、定款又は施行規程で定められたものをいう。次項において同じ。)を経過する日までに、当該宅地についての換地に、建設計画に従つて住宅を建設しなければならない。
2 前項に規定する場合において、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について、第九十八条第一項の規定により換地計画に基づき当該宅地についての換地となるべき住宅先行建設区内の土地に仮換地が指定されたときは、当該宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者は、前項の規定にかかわらず、同条第四項に規定する日(第九十九条第二項前段の規定により当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めた場合においては、その日)から起算して指定期間を経過する日までに、当該仮換地(第百三条第四項の公告があつた場合においては、当該公告があつた日の翌日以後は当該宅地についての換地。次項において同じ。)に、建設計画に従つて住宅を建設しなければならない。
3 施行者は、住宅先行建設区における住宅建設の適切な遂行を確保する上で支障があると認めるときは、第八十五条の二第五項の規定により指定された宅地について所有権又は住宅の所有を目的とする借地権を有する者に対し、相当の期限を定めて、当該宅地についての換地(前項の場合にあつては、当該宅地について指定された仮換地)における住宅の建設のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
4 施行者は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、第八十五条の二第五項の規定による指定の取消し、換地計画の変更その他必要な措置を講ずることができる。
第百二十一条の二を削る。
第百三十二条中「第十三条第二項」を「第十三条第三項」に、「第四十五条第三項」を「第四十五条第四項」に改める。
第百三十六条の二第二項を削る。
第百四十三条第一号中「第十三条第二項」を「第十三条第三項」に改める。
第百四十四条第二号中「第四十五条第三項」を「第四十五条第四項」に改める。
(都市開発資金の貸付けに関する法律の一部改正)
第二条 都市開発資金の貸付けに関する法律(昭和四十一年法律第二十号)の一部を次のように改正する。
第一条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 国は、土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)による健全な住宅市街地の造成を促進し、もつて住宅及び住宅地の円滑な供給に資するため、都道府県又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)が次に掲げる貸付けを行う場合において、特に必要があると認めるときは、当該都道府県又は指定都市に対し、当該貸付けに必要な資金(第一号に掲げる貸付けにあつては、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内)を貸し付けることができる。
一 次に掲げる土地区画整理事業で、施行地区(土地区画整理法第二条第四項に規定する施行地区をいう。以下同じ。)の面積、公共施設(同条第五項に規定する公共施設をいう。以下この号及び次号において同じ。)の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者(同法第九条第五項に規定する個人施行者をいう。以下同じ。)又は土地区画整理組合(以下「組合」という。)に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
イ 土地区画整理法第六条第二項(同法第十六条において準用する場合を含む。)の規定による住宅先行建設区が事業計画において定められている土地区画整理事業
ロ 土地を造成して賃貸し、若しくは譲渡する事業又は住宅を建設して賃貸し、若しくは譲渡する事業を行う者が所有権又は借地権(借地借家法(平成三年法律第九十号)第二条第一号に規定する借地権をいう。以下同じ。)を有する施行地区内の宅地(土地区画整理法第二条第六項に規定する宅地をいう。)についての換地の地積及び保留地の地積の合計が、施行地区の面積に政令で定める割合を乗じて得た面積以上であると認められる土地区画整理事業
ハ 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)第十条に規定する特定土地区画整理事業
ニ 施行地区内における都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の規定による市街化区域で政令で定めるものの区域内にある農地(生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第三条第一項の規定による生産緑地地区の区域内の農地を除く。)の地積の合計が政令で定める面積以上である土地区画整理事業
ホ 都市計画において定められた街路その他の重要な公共施設の新設又は変更に関する事業を含む土地区画整理事業
二 個人施行者又は組合から委託を受けて土地区画整理事業(前号ロに掲げる土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が同号の政令で定める基準に適合するものに限る。)の施行に関する業務を行う者(当該業務を行うために必要な資力、信用及び技術的能力を有することその他の建設省令で定める基準に該当する者に限る。)に対する施行地区内の土地の所有権又は借地権の取得に必要な費用で政令で定める範囲内のものに充てるための資金の貸付け
第二条の見出しを「(利率、償還方法等)」に改め、同条第一項中「又は第二項の規定による貸付金」を「若しくは第三項の規定による貸付金又は同条第二項の規定による貸付金のうち同項第二号の貸付金に係るもの」に、「同条第二項」を「同条第三項」に改め、同条第二項中「前条第三項」を「前条第二項の規定による貸付金のうち同項第一号の貸付金に係るもの又は同条第四項」に改め、同条第三項中「又は第二項」を「又は第三項」に、「同条第二項」を「同条第三項」に改め、同条第四項中「前条第三項」を「前条第四項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第三項の次に次の三項を加える。
4 前条第二項の国又は都道府県若しくは指定都市の貸付金の償還期間は、六年(同項第一号の貸付金に係る国の貸付金及び同号の貸付金にあつては四年以内の、同項第二号の貸付金に係る国の貸付金及び同号の貸付金にあつては二年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、同項第一号の貸付金に係る国の貸付金及び同号の貸付金にあつては均等半年賦償還、同項第二号の貸付金に係る国の貸付金及び同号の貸付金にあつては元金均等半年賦償還の方法によるものとする。ただし、都道府県又は指定都市の貸付金の償還期限は、土地区画整理法第九条第三項の規定による当該個人施行者による土地区画整理事業の施行についての認可の公告又は同法第二十一条第三項の規定による当該組合の設立についての認可の公告があつた日の翌日から起算して八年を経過する日を超えないものとする。
5 前条第二項の都道府県若しくは指定都市の貸付金の貸付けを受けた個人施行者若しくは組合又は個人施行者若しくは組合から委託を受けて土地区画整理事業の施行に関する業務を行う者が貸付金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき、その他貸付けの条件に違反したときは、当該都道府県又は指定都市は、政令で定めるところにより、当該個人施行者若しくは組合又は個人施行者若しくは組合から委託を受けて土地区画整理事業の施行に関する業務を行う者から加算金を徴収することができるものとし、かつ、その徴収した加算金の全部又は一部に相当する金額を国に納付するものとする。
6 前項に定めるもののほか、前条第二項の国又は都道府県若しくは指定都市の貸付金に関する償還期限の繰上げ又は延長、延滞金の徴収その他必要な貸付けの条件の基準については、政令で定める。
附則第三項中「土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による」を削る。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から施行し、附則第六条の規定による改正後の都市開発資金融通特別会計法(昭和四十一年法律第五十号)の規定は、平成五年度の予算から適用する。ただし、第一条(土地区画整理法の目次の改正規定中「第百二十一条の二」を「第百二十一条」に改める部分、同法第百二十一条の二を削る改正規定及び同法第百三十六条の二の改正規定を除く。)、第二条のうち都市開発資金の貸付けに関する法律第一条に一項を加える改正規定中同条第二項第一号イに係る部分及び附則第七条から第九条までの規定は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 平成四年度における一般会計の歳出予算のうち、第一条の規定による改正前の土地区画整理法第百二十一条の二第一項の規定による資金の貸付けに係る経費で財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十二条ただし書の規定による繰越しを必要とするものは、都市開発資金融通特別会計に繰り越して使用することができる。
第三条 前条の規定により繰越しをしたときは、財政法第四十一条の規定により平成五年度の一般会計の歳入に繰り入れるべき平成四年度の同会計の歳入歳出の決算上の剰余金のうち、前条の繰越額に相当する金額は、都市開発資金融通特別会計の平成五年度の歳入に繰り入れるものとする。
第四条 平成五年四月一日において一般会計に所属する資産及び負債で第一条の規定による改正前の土地区画整理法第百二十一条の二第一項の規定による資金の貸付けに係るものは、政令で定めるところにより、都市開発資金融通特別会計に帰属するものとする。
第五条 第一条の規定による改正前の土地区画整理法第百二十一条の二の規定によりされた資金の貸付けについては、なお従前の例による。
(都市開発資金融通特別会計法の一部改正)
第六条 都市開発資金融通特別会計法の一部を次のように改正する。
第一条中「同条第二項」の下に「の規定による都道府県又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市に対する貸付け、都市開発資金の貸付けに関する法律第一条第三項」を加え、「同条第三項」を「同条第四項」に改める。
(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部改正)
第七条 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第三十六条中「(第二項を除く。)及び第十条」を削り、「第十三条まで」の下に「(第九条第二項及び第十三条第二項を除く。)」を加える。
第五十一条中「第五十一条まで」の下に「(第四十五条第三項を除く。)」を加える。
第八十二条第一項中「第八十八条」の下に「、第八十九条、第九十条」を加える。
第百十七条第一号中「第十三条第二項」を「第十三条第三項」に改める。
第百十八条第二号中「第四十五条第三項」を「第四十五条第四項」に改める。
(農住組合法の一部改正)
第八条 農住組合法(昭和五十五年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「第六条第三項」を「第六条第五項」に改める。
(住宅・都市整備公団法の一部改正)
第九条 住宅・都市整備公団法(昭和五十六年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第四十七条第一項中「第五項まで」の下に「、第八十五条の二第一項から第七項まで」を加え、「第百十七条」を「第百十七条の二」に改め、「、「住宅・都市整備公団法第四十一条第一項」」を「「住宅・都市整備公団法第四十一条第一項」と、同法第八十五条の二第一項中「第六条第二項(第十六条、第五十四条、第六十八条及び第七十一条の三第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「住宅・都市整備公団法第四十一条第三項において準用する第六条第二項」」に改める。
(民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部改正)
第十条 民間都市開発の推進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「第一条第三項」を「第一条第四項」に改める。
(大蔵大臣臨時代理・国務・建設・内閣総理大臣署名)