児童扶養手当法の一部を改正する法律
法律第四十八号(昭六〇・六・七)
児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第一条を次のように改める。
(この法律の目的)
第一条 この法律は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について児童扶養手当を支給し、もつて児童の福祉の増進を図ることを目的とする。
第二条に次の一項を加える。
2 児童扶養手当の支給は、婚姻を解消した父等が児童に対して履行すべき扶養義務の程度又は内容を変更するものではない。
第三条第一項中「別表第一に」を「政令で」に改め、同条第二項第十四号中「附則第四十六項」を「附則第四十五項」に改める。
第四条第一項中「国」を「都道府県知事」に改め、同項第三号中「別表第二に」を「政令で」に改める。
第四条第二項第六号及び第七号中「別表第二に」を「前項第三号に規定する政令で」に改める。
第四条に次の二項を加える。
4 第一項の規定にかかわらず、同項第一号に該当する児童(同時に同項第二号から第五号までのいずれかに該当する児童を除く。)についての手当は、父母が婚姻を解消した日の属する年の前年(当該手当に係る第六条の認定の請求が当該婚姻を解消した日の属する年の一月一日から五月三十一日までの間に行われた場合にあつては、前々年。以下この項において同じ。)における当該児童の父の所得が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する扶養親族(当該児童を除く。)及び当該父の同法に規定する扶養親族でない児童で当該父母が婚姻を解消した日の属する年の前年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、支給しない。ただし、父が日本国内に住所を有しないこと、父の所在が長期間明らかでないことその他の特別の事情により母又は養育者が父に当該児童についての扶養義務の履行を求めることが困難であると認められるときは、この限りでない。
5 前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
第五条中「三万二千七百円」を「三万三千円」に、「三万七千七百円」を「三万八千円」に改める。
第六条第二項中「前項」を「第一項」に、「同項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の認定の請求は、手当の支給要件に該当するに至つた日から起算して五年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
第七条第四項を削る。
第九条中「、受給資格者」の下に「(第四条第一項第二号又は第四号に該当し、かつ、母がない児童その他政令で定める児童の養育者を除く。以下この条において同じ。)」を加え、「(昭和四十年法律第三十三号)」を削り、「七月までは、」の下に「政令の定めるところにより、その全部又は一部を」を加え、同条の次に次の一条を加える。
第九条の二 手当は、受給資格者(前条に規定する養育者に限る。以下この条において同じ。)の前年の所得が、その者の扶養親族等及び当該受給資格者の扶養親族等でない児童で当該受給資格者が前年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、その年の八月から翌年の七月までは、支給しない。
第十二条第一項中「前前年」を「前々年」に、「前三条」を「第九条から前条まで」に改め、同条第二項中「受けた者は」の下に「、政令の定めるところにより」を加え、「金額を国に」を「金額の全部又は一部を都道府県に」に改め、同項第一号中「当該被災者の当該損害」を「当該被災者(第九条に規定する養育者を除く。以下この号において同じ。)の当該損害」に改め、同項中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 当該被災者(第九条に規定する養育者に限る。以下この号において同じ。)の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等及び当該被災者の扶養親族等でない児童で当該被災者がその年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、第九条の二に規定する政令で定める額以上であること。当該被災者に支給された手当
第十八条第三項中「第三十四条」を「第三十三条」に改める。
第二十一条中「行なう」を「行う」に改め、同条を第二十一条の二とし、第四章中同条の前に次の一条を加える。
(費用の負担)
第二十一条 手当の支給に要する費用は、その十分の八に相当する額を国が負担し、その十分の二に相当する額を都道府県が負担する。
第二十三条第一項中「厚生大臣」を「都道府県知事」に改める。
第二十九条第一項中「厚生大臣又は」を削り、「当該児童」の下に「、第四条第一項第一号に該当する児童の父」を加え、同条第二項中「厚生大臣又は」を削り、「別表第一若しくは別表第二に」を「第三条第一項若しくは第四条第一項第三号に規定する政令で」に改める。
第三十条中「当該児童又は」を「当該児童、第四条第一項第一号に該当する児童の父若しくは」に改め、第三十一条中「相当する金額」の下に「の全部又は一部」を加え、第三十二条を削り、第三十三条を第三十二条とし、第三十四条を第三十三条とし、同条の次に次の一条を加える。
(経過措置)
第三十四条 この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。
第三十五条中「五万円」を「三十万円」に改める。
第三十六条中「一万円」を「十万円」に改める。
別表第一及び別表第二を削る。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、昭和六十年八月一日から施行する。ただし、第四条に二項を加える改正規定、第二十九条第一項の改正規定(「当該児童」の下に「、第四条第一項第一号に該当する児童の父」を加える部分に限る。)及び第三十条の改正規定並びに次条の規定は、政令で定める日から施行する。
2 政府は、前項ただし書に規定する政令を定めるに当たつては、婚姻を解消した父の児童に対する扶養義務の履行の状況、当該父の所得の把握方法の状況等を勘案しなければならない。
(支給要件に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後の児童扶養手当法(以下「新法」という。)第四条第四項の規定は、前条第一項ただし書に規定する政令で定める日以後に父母が婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)を解消したことにより新法第四条第一項第一号に該当するに至つた児童についての児童扶養手当(以下「手当」という。)に関して適用する。
(手当額に関する経過措置)
第三条 新法第五条の規定は、昭和六十年八月以降の月分の手当について適用し、同年七月以前の月分の額については、なお従前の例による。
(認定の請求に関する経過措置)
第四条 新法第六条第二項の規定は、この法律の施行後に手当の支給要件に該当するに至つた者の当該手当の認定の請求について適用する。
(費用負担に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際この法律による改正前の児童扶養手当法(次条第二項において「旧法」という。)第六条の規定による認定を受けている者又はこの法律の施行の際同条の規定による認定の請求をしている者であつて新法第六条の規定による認定を受けたもの(次条第一項において「既認定者等」という。)に係る手当の支給に要する費用については、なお従前の例による。
(手当の支給事務に関する経過措置)
第六条 既認定者等に係る手当の支給に関する事務は、政令で定める日までの間は、国が取り扱うものとする。
2 前項の規定による昭和六十年七月以前の月分の手当の支払に関する事務については、旧法第三十二条の規定は、なおその効力を有する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(労働者災害補償保険法の一部改正)
第八条 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第五十九条第六項中「第四条第三項第三号ただし書」を「第四条第三項第二号ただし書」に改める。
第六十条第六項中「第三項第三号ただし書」を「第三項第二号ただし書」に改める。
(地方財政法の一部改正)
第九条 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第十条第八号の五の次に次の一号を加える。
八の六 児童扶養手当に要する経費
第十条の四第七号中「、児童扶養手当」を削る。
第三十六条及び第三十七条を次のように改める。
(児童扶養手当に要する経費に係る特例)
第三十六条 児童扶養手当法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十八号)附則第五条に規定する費用については、第十条の規定にかかわらず、国が、その全額を負担する。
第三十七条 削除
(国家公務員災害補償法の一部改正)
第十条 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。
附則第十一項中「第四条第三項第三号ただし書」を「第四条第三項第二号ただし書」に改める。
附則第十五項中「第三項第三号ただし書」を「第三項第二号ただし書」に改める。
(特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正)
第十一条 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第五条の次に次の一条を加える。
(支給期間及び支払期月)
第五条の二 手当の支給は、受給資格者が前条の規定による認定の請求をした日の属する月の翌月から始め、手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。
2 受給資格者が災害その他やむを得ない理由により前条の規定による認定の請求をすることができなかつた場合において、その理由がやんだ後十五日以内にその請求をしたときは、手当の支給は、前項の規定にかかわらず、受給資格者がやむを得ない理由により認定の請求をすることができなくなつた日の属する月の翌月から始める。
3 手当は、毎年四月、八月及び十二月の三期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた手当又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の手当は、その支払期月でない月であつても、支払うものとする。
4 前項本文の規定により十二月に支払うべき手当は、手当の支給を受けている者の請求があつたときは、同項本文の規定にかかわらず、その前月に支払うものとする。
第十六条中「第七条、」を削り、「又は低下し」と」の下に「、同法第二十三条第一項中「都道府県知事」とあるのは「厚生大臣」と」を、「第九条第二項」と」の下に「、「金額の全部又は一部」とあるのは「金額」と」を加える。
第二十六条中「第五条第二項」の下に「、第五条の二」を加え、「第七条、」を削る。
(労働者災害補償保険法の一部を改正する法律の一部改正)
第十二条 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
附則第三十五条中「第三条第二項第十六号」を「第三条第二項第十五号」に、「第四条第三項第三号」を「第四条第三項第二号」に改める。
(国家公務員災害補償法の一部を改正する法律の一部改正)
第十三条 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
附則第二十八条中「第三条第二項第十七号」を「第三条第二項第十六号」に、「第四条第三項第三号」を「第四条第三項第二号」に改める。
(地方公務員災害補償法の一部改正)
第十四条 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。
附則第五条の三第四項中「第四条第三項第三号ただし書」を「第四条第三項第二号ただし書」に改める。
附則第六条第四項中「第三項第三号ただし書」を「第三項第二号ただし書」に改める。
(公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)
第十五条 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
附則第五項中「第三条第二項第十七号の二」を「第三条第二項第十七号」に、「第四条第三項第三号」を「第四条第三項第二号」に改める。
(内閣総理・大蔵・文部・厚生・郵政・労働・自治大臣署名)