農業改良資金助成法及び自作農創設特別措置特別会計法の一部を改正する法律

法律第三十八号(昭六〇・五・二一)

 (農業改良資金助成法の一部改正)

第一条 農業改良資金助成法(昭和三十一年法律第百二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「農業技術」の下に「の導入その他合理的な農業生産方式の導入を行い、農業経営の規模を拡大し、」を加え、「技術導入資金」を「生産方式改善資金、経営規模拡大資金」に、「貸付」を「貸付け」に改める。

  第二条第一項中「技術導入資金」を「生産方式改善資金」に改め、「の導入」の下に「その他合理的な農業の生産方式の導入」を加え、同条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 この法律において「経営規模拡大資金」とは、農業者が、農業経営の規模を拡大するため、農用地利用増進法(昭和五十五年法律第六十五号)第二条第一項に規定する農用地について同条第二項第一号に規定する利用権を取得するのに必要な資金で政令で定めるものをいう。

  第三条第一項中「技術導入資金」を「生産方式改善資金、経営規模拡大資金」に、「に充てるため補助金を交付する」を「を貸し付ける」に改め、ただし書を削り、同条第二項を削る。

  第四条中「前条第一項」を「都道府県が行う前条」に、「技術導入資金」を「生産方式改善資金」に、「百分の八十とし」を「百分の八十(政令で定める種類のものにあつては、百分の九十)とし、経営規模拡大資金」に改める。

  第五条第一項中「償還期間は、技術導入資金」を「償還期間(据置期間を含む。)は、生産方式改善資金、経営規模拡大資金」に、「七年」を「十年」に改め、同条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 貸付金の据置期間は、必要と認められる種類の貸付金につき三年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定める期間とする。

  第六条第一項中「第三条第一項の貸付」を「都道府県が行う第三条の貸付け」に、「貸付を」を「貸付けを」に改める。

  第七条の見出し中「貸付」を「貸付け」に改め、同条中「第三条第一項の貸付は、同項」を「都道府県が行う第三条の貸付けは、同条」に改める。

  第八条の見出し中「貸付」を「貸付け」に改め、同条第一項中「技術導入資金」を「生産方式改善資金」に、「貸付」を「貸付け」に、「能率的な農業の技術を導入する」を「能率的な農業の技術の導入その他合理的な農業の生産方式の導入を行う」に、「見込」を「見込み」に、「当該農業の技術を導入する」を「当該農業の技術の導入その他当該農業の生産方式の導入を行う」に改め、同条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 経営規模拡大資金の貸付けは、その申請者が申請に係る経営規模拡大資金をもつて農用地利用増進法第二条第一項に規定する農用地について同条第二項第一号に規定する利用権を取得することによりその経営を改善する見込みがある場合に限り、行うものとする。

  第十八条第一項中「第三条第一項」を「第三条」に改め、同条第二項中「第三条第一項」を「第三条」に、「補助金」を「借入金」に、「貸付に」を「借入金の償還金、第二十一条及び第二十二条第三項の規定による一般会計への繰入金、同条第二項の規定による納付金、貸付けに」に改める。

  第十九条を削り、第二十条第一項中「第三条第一項」を「第三条」に、「貸付」を「貸付け」に、「あわせ行う」を「併せ行う」に改め、同条を第十九条とし、同条の次に次の一条を加える。

  (政府貸付金の額等)

 第二十条 政府が第三条の規定により貸し付ける資金(以下この条において「政府貸付金」という。)の額は、各年度において、都道府県が行う同条に規定する事業の貸付財源として必要な資金の額に三分の二を乗じて得た額から、昭和五十九年度までの国からの補助金及び前年度までの政府貸付金の額を基礎として農林水産大臣が算定する額を控除して得た額以内の額とする。

 2 政府貸付金は、無利子とし、その償還方法は、政令で定める。

  第二十一条を次のように改める。

  (一般会計から特別会計に繰り入れた資金の処理)

 第二十一条 都道府県は、前条第二項の規定により国からの借入金を償還したときは、当該償還金の額に対応する一般会計からの繰入金の額として算定される額以内の額を特別会計から一般会計に繰り入れることができる。

  第二十二条中「第三条第一項」を「第三条」に、「支払い」を「支払」に、「合計額の一部を政府から補助を受けた」を「合計額から第二十条第二項の規定により政府へ償還すべき額及び前条の規定により一般会計に繰り入れることができる額を控除して得た額の一部を、昭和五十九年度までの国からの補助金の額(次項の規定による納付金の額を除く。以下この項において「補助金残高」という。)及び都道府県が貸付金の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れた資金の額(前条及び第三項の規定により特別会計から一般会計に繰り入れた金額並びに当該事業の廃止後に同条の規定により特別会計から一般会計に繰り入れることができる金額を除く。)の合計額に対する補助金残高の」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 前項の規定は、都道府県が、第三条に規定する事業を廃止する前に、貸付金の未貸付額の一部を政府に納付することを妨げるものではない。

 3 都道府県は、前項の規定により政府に納付金を納付したときは、当該納付金の額に対応する一般会計からの繰入金の額として算定される額以内の額を特別会計から一般会計に繰り入れることができる。

  附則を附則第一項とし、附則に次の一項を加える。

 2 農業改良資金助成法及び自作農創設特別措置特別会計法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十八号。以下「改正法」という。)の施行の際都道府県が昭和五十九年度に国から交付を受けた補助金を財源の一部として酪農及び肉用牛生産の振興及び合理化を図るため酪農経営若しくは肉用牛経営を営む者又はその組織する団体に無利子の資金を貸し付ける事業を行つている場合においては、都道府県は、当該事業に係る権利及び義務を特別会計に属させることができる。この場合においては、当該補助金及び都道府県の一般会計から当該事業の財源の一部に充てられた資金については、それぞれ第二十二条第一項に規定する国からの補助金及び同項に規定する都道府県が貸付金の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れた資金とみなして同条の規定を適用する。


 (自作農創設特別措置特別会計法の一部改正)

第二条 自作農創設特別措置特別会計法(昭和二十一年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    農業経営基盤強化措置特別会計法

  第一条を次のように改める。

 第一条 農業経営基盤の強化に資するための農地保有合理化措置及び農業改良資金助成法(昭和三十一年法律第百二号)第三条の規定による貸付けに関する政府の経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。

   前項の「農地保有合理化措置」とは、次に掲げるものをいう。

  一 自作農創設のため政府の行う土地、権利又は立木、工作物その他の物件(以下「農地等」という。)の買収、使用、売渡し、賃貸等

  二 農地保有合理化法人(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第三条第二項ただし書に規定する政令で定める法人をいう。)の行う同項ただし書に規定する農地保有合理化促進事業その他の農地保有の合理化に関する事業に係る財政上の措置で政令で定めるもの

  第二条中「農地法施行法(昭和二十七年法律第二百三十号)第十四条の規定による政府に対する支払金」を「農業改良資金助成法第二十条第二項の規定による償還金(同法第二十二条第一項及び第二項の規定による納付金を含む。次項において同じ。)」に、「以て」を「もつて」に、「第三条又は第四条第一項」を「次条」に改め、「、報償金」を削り、「補償金」の下に「、前条第二項第二号の財政上の措置に要する費用、同法第三条の規定による都道府県に対する貸付金」を加え、「旧自作農創設特別措置法(昭和二十一年法律第四十三号)に基いて発行した証券(以下農地証券といふ。)及び」及び「、農地証券の発行及び償還に関する諸費」を削り、同条に次の二項を加える。

   前項に規定する農業改良資金助成法第二十条第二項の規定による償還金の額に相当する金額は、前項に規定する都道府県に対する貸付金の財源に充てるものとする。ただし、都道府県が行う同法第三条に規定する事業の実施状況に照らしてその必要がないと認められるに至つたときは、当該必要がないと認められる範囲内の金額については、この限りでない。

   第一項に規定する一般会計からの繰入金は、予算で定めるところにより、繰り入れるものとする。

  第四条を次のように改める。

 第四条 削除

  第五条第一項を削り、同条第二項中「農地証券及び」を削り、「、一時借入金」を「並びに一時借入金」に改め、「並びに農地証券の発行及び償還に関する諸費」を削る。

  第七条第一項及び第三項中「大蔵省預金部」を「資金運用部」に改める。

  第八条第一項に次のただし書を加え、同条第二項及び第三項を削る。

   ただし、当該剰余金から政令で定める金額を控除した金額は、予算で定めるところにより、一般会計の歳入に繰り入れることができる。

  第九条を次のように改める。

 第九条 内閣は、毎年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。

   前項の予算には、当該年度及び前年度における農地等の売渡し及び買収に関する計画表を添付するものとする。

  第十条中「勅令」を「政令」に改める。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。


 (農業改良資金助成法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 第一条の規定による改正前の農業改良資金助成法第二条第一項に規定する技術導入資金(次項において単に「技術導入資金」という。)は、この法律の施行後においても昭和六十年六月三十日までの間は、貸し付けることができる。

2 この法律の施行前に貸し付けられた技術導入資金及びこの法律の施行後前項に規定する日以前に貸し付けられる技術導入資金については、なお従前の例による。


 (自作農創設特別措置特別会計法の一部改正に伴う経過措置)

第三条 第二条の規定による改正後の農業経営基盤強化措置特別会計法(以下「新法」という。)の規定は、昭和六十年度の予算から適用し、自作農創設特別措置特別会計の昭和五十九年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。ただし、昭和五十九年度の決算上剰余を生じたときは、改正前の自作農創設特別措置特別会計法第八条第一項の規定にかかわらず、これを農業経営基盤強化措置特別会計の積立金として積み立てるものとする。

2 前項ただし書の規定による積立金は、資金運用部に預託して運用することができる。

3 前項の規定により預託した場合に生ずる利子収入は、農業経営基盤強化措置特別会計の歳入とする。

4 第一項ただし書の規定による積立金は、農地等の買収代金及び新法第一条第二項第二号の財政上の措置に要する費用の財源に充てるため必要があるときは、予算で定めるところにより、農業経営基盤強化措置特別会計の歳入に繰り入れることができる。

(大蔵・農林水産・内閣総理大臣署名) 

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