電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律
法律第三十三号(昭六〇・五・一)
(趣旨)
第一条 この法律は、最近における不動産登記、商業登記その他の登記の事務の処理の状況にかんがみ、電子情報処理組織の導入によるその処理の円滑化を図るための措置等につき必要な事項を定めるものとする。
(登記ファイルヘの記録)
第二条 法務大臣が指定する登記所においては、登記簿に記載されている事項を、法務省令で定めるところにより、登記ファイルに記録することができる。
2 前項の規定による記録は、電子情報処理組織によつて行う。
3 第一項の指定は、告示してしなければならない。
(登記ファイルに記録されている事項を証明した書面)
第三条 何人でも、手数料を納付して、登記官に対し、前条第一項の登記ファイルに記録されている事項の全部又は一部を証明した書面の交付を請求することができる。
2 何人でも、手数料のほか郵送料を納付して、前項の書面の送付を請求することができる。
3 第一項の手数料の額は、物価の状況、同項の書面の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令で定める。
第四条 前条第一項の規定に基づいて交付された書面は、民法(明治二十九年法律第八十九号)、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他の法令の規定の適用については、登記簿の謄本又は抄本とみなす。
(国の責務)
第五条 国は、電子情報処理組織を用いて登記を行う制度その他の登記事務を迅速かつ適正に処理する体制の確立に必要な施策を講じなければならない。
2 法務大臣は、前項の施策のうち重要なものを講ずるに当たつては、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。
(省令への委任)
第六条 この法律に定めるもののほか、第三条第一項の書面の交付に関する手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める。
附 則
この法律は、昭和六十年七月一日から施行する。
(法務・内閣総理大臣臨時代理署名)