工業用水法の一部を改正する法律

法律第九十九号(昭三七・五・一)

 工業用水法(昭和三十一年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「発達に寄与し、あわせて」を「発達と」に改める。

 第二条第一項中「二十一平方センチメートル」を「六平方センチメートル」に改め、「及び河川附近の土地」を削る。

 第三条第二項中「工業の用に供するため」及び「きわめて」を削る。

 第五条第一項中「認めるときは、許可をしなければならない。」を「認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。」に改め、同条第二項中「前項に規定する場合のほか」を「前項の規定にかかわらず」に、「合理的な利用」を「保全」に、「許可をする」を「同項の許可をする」に改める。

 第六条第一項中「その地域内の井戸」の下に「であつてそのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積が前条第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合するもの」を加え、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、「指定地域となつた日から」の下に「起算して」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 一の地域が指定地域となつた際現にその地域内の井戸であつて前項に規定するもの以外のものにより地下水を採取してこれを工業の用に供している者は、その地域における工業用水道の布設の状況、その工業用水道による給水可能量その他のその地域における工業用水道による工業用水の供給事情を勘案して通商産業省令で定める地域ごとに通商産業省令で定める日から起算して一年間に限り、その井戸について、そのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積により、第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

 第六条に次の一項を加える。

5 前条第一項の通商産業省令を改正する通商産業省令が施行された場合において、その改正に係る指定地域内に、第三条第一項の許可を受けた井戸(以下「許可井戸」といい、第二項の規定による許可井戸を除く。)であつて改正後の通商産業省令で定める技術上の基準に適合しないこととなるものがあるときは、当該許可井戸に係る同項の許可は、その指定地域における工業用水道の布設の状況、その工業用水道による給水可能量その他のその指定地域における工業用水道による工業用水の供給事情を勘案して通商産業省令で定める地域ごとに通商産業省令で定める日から起算して一年を経過した時にその効力を失う。

 第七条第一項中「(以下「許可井戸」という。)」を削る。

 第八条第二項中「合理的な利用」を「保全」に改める。

 第十一条第二号中「二十一平方センチメートル」を「六平方センチメートル」に改める。

 第十四条を次のように改める。

 (使用者に対する緊急措置)

第十四条 通商産業大臣は、予想することができなかつた特別の事情の発生により指定地域における地下水の水源の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、使用者に対し、相当の期間を定めて、許可井戸による地下水の採取を制限すべき旨を命ずることができる。

 第二十四条及び第二十五条第一項中「指定地域における地下水の水源の合理的な利用を確保するために」を「この法律を施行するため」に改める。

 第二十五条の次に次の一条を加える。

 (国等の援助)

第二十五条の二 国及び地方公共団体は、許可井戸に代えて工業用水道を利用するための施設の設置又は改善につき必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。

 第二十八条第二号中「第十三条」の下に「又は第十四条」を加える。

 第二十九条第一号中「第六条第二項」を「第六条第三項」に改める。


   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して四月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (経過規定)

2 この法律の施行の際現に工業用水法(以下「法」という。)第三条第一項に規定する指定地域内において、改正後の法第二条第一項の井戸(以下「井戸」という。)であつて揚水機の吐出口の断面積が二十一平方センチメートル以下のものにより地下水を採取してこれを工業の用に供している者は、その井戸について、そのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積により、法第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

3 この法律の施行の際現に法第三条第一項に規定する指定地域内において、河川法(明治二十九年法律第七十一号)による河川附近の土地の区域内の井戸(前項に規定するものを除く。)であつてそのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積が法第五条第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合するものにより地下水を採取してこれを工業の用に供している者は、その井戸について、そのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積により、法第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

4 この法律の施行の際現に法第三条第一項に規定する指定地域内において、河川法による河川附近の土地の区域内の井戸(附則第二項に規定するものを除く。)であつて前項に規定するもの以外のものにより地下水を採取してこれを工業の用に供している者は、その指定地域における工業用水道の布設の状況、その工業用水道による給水可能量その他のその指定地域における工業用水道による工業用水の供給事情を勘案して通商産業省令で定める地域ごとに通商産業省令で定める日から起算して一年間に限り、その井戸について、そのストレーナーの位置及び揚水機の吐出口の断面積により、法第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

5 改正後の法第六条第三項及び第四項の規定は、前三項の規定により法第三条第一項の許可を受けたものとみなされた者に準用する。この場合において、改正後の法第六条第三項中「その地域が指定地域となつた日」とあるのは、「工業用水法の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第九十九号)の施行の日」と読み替えるものとする。

6 前項において準用する改正後の法第六条第三項の届出書を提出せず、又は虚偽の届出書を提出した者は、三万円以下の罰金に処する。

7 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

(大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・建設・自治・内閣総理大臣署名) 

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