租税特別措置法の一部を改正する法律
法律第二百三十七号(昭三六・一一・二五)
租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三款 輪出所得の課税の特例(第二十一条―第二十三条)」を「第三款 輸出所得の課税の特例(第二十一条―第二十三条の三)」に、「第一款 山林所得の概算経費控除(第三十条)」を「第一款 山林所得の課税の特例(第三十条―第三十条の三)」に、「第三節 輸出所得の課税の特例(第五十五条―第五十七条)」を「第三節 輸出所得の課税の特例(第五十五条―第五十七条の四)」に改める。
第十三条の見出し中「低開発地域」を「低開発地域等」に改め、同条第一項中「指定された地区内」の下に「又は産炭地域振興臨時措置法(昭和三十六年法律第二百十九号)第二条第一項に規定する産炭地域のうち政令で定める地区内」を加える。
第二十一条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる取引」の下に「(以下第二十三条の二までにおいて「輸出取引」という。)」を加え、「当該取引による」を「輸出取引による」に、「第二十三条」を「第二十三条の三」に、「当該取引に係る」を「当該輸出取引に係る」に改める。
第二十一条の二第一項中「第二十三条」を「第二十三条の二」に改め、同条を第二十一条の三とし、第二十一条の次に次の一条を加える。
(輸出所得の特別控除額の特例)
第二十一条の二 青色申告書を提出する個人の昭和三十六年十月一日から昭和三十八年三月三十一日までの期間(以下第二十三条の三までにおいて「指定期間」という。)内の日の属する各年の指定期間内の輸出取引による収入金額の合計額が、基準輸出金額に当該個人がその年中において事業を営んでいた期間内の指定期間の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額をこえる場合(当該個人が指定期間内の日の属する各年の前年において輸出取引を行なわなかつた場合その他基準輸出金額がない場合として政令で定める場合を含む。)には、当該個人のその年の指定期間内における輸出取引については、前条第一項の規定にかかわらず、当該輸出取引に係る当該年分の事業所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額の百分の八十に相当する金額は、当該年分の事業所得の計算上、必要な経費に算入する。
2 前項に規定する基準輸出金額とは、同項に規定する個人の指定期間内の日の属する各年につき、それぞれその前年中の輸出取引(第二十二条の規定により総収入金額に算入する金額があるときは、同条に規定する証明がされなかつた物品に係る取引を除く。)による収入金額(前条第三項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した収入金額)の合計額を当該個人が当該前年において事業を営んでいた期間の月数で除してこれに十二を乗じて計算した金額をいう。
3 前二項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
4 第一項に規定する個人が指定期間内の日の属する年又はその前年において相続又は包括遺贈により事業を承継した場合における当該個人に係るその年の同項に規定する基準輸出金額の計算については、第二項の規定にかかわらず、政令で定める。
5 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
第二十二条第一項中「第二十一条第一項の規定により同項第三号」を「第二十一条第一項又は第二十一条の二第一項の規定により第二十一条第一項第三号」に改め、「計算した金額」の下に「(第二十一条の二第一項の規定によりこれらの号に掲げる取引に関し必要な経費に算入した金額がある場合において、当該証明がされなかつた物品の取引(指定期間内における取引に限る。)の行なわれた日の属する年において当該取引が行なわれなかつたものとした場合にその年の指定期間内における輸出取引につき同項の規定の適用を受けることができないこととなるときは、同項の規定によりその年分の事業所得の計算上必要な経費に算入した金額から、その年の指定期間内における輸出取引のうち当該物品の取引以外のものにつき第二十一条第一項の規定を適用した場合に同項の規定によりその年分の事業所得の計算上必要な経費に算入することとなる金額を控除した金額。以下次項において同じ。)」を加え、同条第二項中「第二十一条第一項の規定により同項第三号」を「第二十一条第一項又は第二十一条の二第一項の規定により第二十一条第一項第三号」に改める。
第二十三条第五項中「第二十一条の二第三項」を「第二十一条の三第三項」に、「第二十一条第一項各号に掲げる取引」を「輸出取引」に、「当該取引につき第二十一条第一項又は第二十一条の二第一項の規定の適用があつた」を「当該対外支払手段による支払に係る金額を輸出取引又は技術輸出取引による収入金額とみなして第二十一条第一項、第二十一条の二第一項又は第二十一条の三第一項の規定を適用する」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第一項前段の場合において、同項に規定する個人が、同項に規定する証明を受けた取引(指定期間内における取引に限る。以下この項において同じ。)を行なつた日の属する年の指定期間内における輸出取引につき既に第二十一条の二第一項の規定の適用を受けているとき、又は当該証明を受けた取引を第二十一条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなした場合にその年の指定期間内における輸出取引につき第二十一条の二第一項の規定の適用を受けることができることとなるときは、第一項前段中「同項」とあるのは、「同項(当該取引が指定期間内に行なわれたものである場合には、第二十一条の二第一項)」として、同項の規定を適用する。
第二章第二節第三款中第二十三条の次に次の二条を加える。
(輸出取引がある場合の特別償却)
第二十三条の二 青色申告書を提出する個人の指定期間内の日の属する各年の指定期間内の輸出取引及び技術輸出取引(以下この条及び次条において「輸出取引等」という。)による収入金額の合計額が、基準輸出金額に当該個人がその年中において事業を営んでいた期間内の指定期間の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(以下次条において「指定期間に係る基準輸出金額」という。)をこえ、かつ、その年の輸出金額割合が基準輸出金額割合をこえる場合(当該個人が指定期間内の日の属する各年の前年において輸出取引等を行なわなかつた場合その他基準輸出金額及び基準輸出金額割合がない場合として政令で定める場合を含む。)には、その年における当該個人の事業所得の計算上、その年の十二月三十一日(当該個人が同日前に所得税法第二十九条第一項又は第二項の規定に該当することとなる場合には、その該当することとなつた日。以下次条第一項において同じ。)において当該個人の有する固定資産(その年における事業所得の計算上必要な経費に算入する減価償却費の額の計算に関し第十一条から第十七条までの規定の適用を受けるものを除く。)の減価償却費として必要な経費に算入する金額は、同法第十条第二項の規定にかかわらず、当該固定資産について同項の規定により計算した減価償却費の額とこれに第四項の規定による割合を乗じて計算した金額との合計額以下の金額で当該個人が必要な経費として計算した金額とする。ただし、当該固定資産の減価償却費として同条第二項の規定により必要な経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項に規定する基準輸出金額とは、同項に規定する個人の指定期間内の日の属する各年につき、それぞれその前年中の輸出取引等(次条第一項第一号に規定する証明がされなかつた物品に係る取引を除くものとし、同項第二号に規定する証明を受けた取引を含むものとする。)による収入金額(第二十一条第三項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した収入金額)の合計額を当該個人が当該前年において事業を営んでいた期間の月数で除してこれに十二を乗じて計算した金額をいう。
3 第一項に規定する輸出金額割合とは、同項に規定する個人の指定期間内の日の属する各年につき、それぞれその年分の事業所得のうち指定期間内における事業に係るものの総収入金額(所得税法第二十条第一項の規定の適用に係る収入金額を含まないものとし、第二十一条第三項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した金額とする。以下この項において同じ。)のうちに当該指定期間内の第一項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいい、同項に規定する基準輸出金額割合とは、当該個人の当該各年につき、それぞれその前年分の事業所得の総収入金額のうちに当該前年中の前項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいう。
4 第一項の規定により減価償却費の額に乗ずベき場合は、同項に規定する個人の指定期間内の日の属する各年につき、それぞれその年の同項に規定する輸出金額割合から同項に規定する基準輸出金額割合を控除した割合(当該個人がその年の前年において輸出取引等を行なわなかつた場合その他同項に規定する政令で定める場合には、その年の当該輸出金額割合とし、これらの割合が百分の五十をこえる場合には、百分の五十とする。)に、その年中において事業を営んでいた期間内の指定期間の月数を乗じてこれをその年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した割合(当該割合に小数点以下二位未満の端数があるときは、これを切り上げる。)とする。
5 第一項、第二項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第一項に規定する個人が指定期間内の日の属する年又はその前年において相続又は包括遺贈により事業を承継した場合における当該個人に係るその年の同項に規定する基準輸出金額及び基準輸出金額割合の計算については、第二項及び第三項の規定にかかわらず、政令で定める。
7 第二十一条第三項及び第四項並びに第二十一条の三第二項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
8 第一項の規定は、確定申告書等に、同項の規定により必要な経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、これらの書類に同項に規定する固定資産の減価償却費の額の計算に関する明細書の添附がある場合に限り、適用する。
(輸出の証明がされない場合等の減価償却費の額の増減)
第二十三条の三 次の各号に規定する個人が当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日の属する年における当該個人の事業所得の計算上、その年の十二月三十一日において当該個人の有する固定資産(その年における事業所得の計算上必要な経費に算入する減価償却費の額の計算に関し第十一条から第十七条までの規定の適用を受けるものを除く。)の減価償却費として必要な経費に算入する金額は、所得税法第十条第二項及び前条第一項の規定にかかわらず、第一号の場合にあつては、当該固定資産について、同法第十条第二項又は前条第一項の規定により計算した減価償却費の額から同号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額とし、第二号の場合にあつては、当該固定資産について同法第十条第二項又は前条第一項の規定により計算した減価償却費の額に同号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を加算した金額とする。
一 前条第一項の規定の適用を受けた個人の指定期間内における第二十一条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引に係る物品のうちに当該取引の行なわれた日の属する年の翌年十二月三十一日(当該個人が同日前に所得税法第二十九条第一項又は第二項の規定に該当することとなる場合には、同条第一項から第三項までの規定による申告書の提出期限。以下次号において同じ。)までに第二十二条に規定する証明がされなかつたものがある場合において、当該証明がされなかつた物品に係る取引の行なわれた日の属する年において当該取引が行なわれなかつたものとして前条第一項の規定を適用した場合にその年の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるためその年における同項に規定する固定資産の減価償却費の額に係る償却割増率(同項の規定により減価償却費の額に乗ずべき割合をいう。以下この項において同じ。)が適用されないこととなり、又は当該償却割増率が減少し、若しくはないこととなるとき。 その適用されないこととなり、又は減少し、若しくはないこととなる償却割増率に対応する当該固定資産の減価償却費の額
二 第二十三条第一項に規定する個人が指定期間内における同項各号に掲げる取引(輸出のための販売又は加工を除く。)につき当該取引の行なわれた日の属する年の翌年十二月三十一日までに同項に規定する証明を受けた場合において、当該証明を受けた取引を第二十一条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなして前条第一項の規定を適用した場合に当該取引の行なわれた日の属する年の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額のうち指定期間に係る基準輸出金額をこえる部分の金額が新たに生じ、又は増加し、かつ、その年における同項に規定する固定資産の減価償却費の額に係る償却割増率が新たに生じ、又は増加するとき。 その新たに生じ、又は増加する償却割増率に対応する当該固定資産の減価償却費の額
2 前項各号に掲げる輸出取引等による収入金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
3 前条第八項の規定は、第一項第二号の規定を適用する場合について準用する。
「第一款 山林所得の概算経費控除」を「第一款 山林所得の課税の特例」に改める。
第二章第四節第一款中第三十条の次に次の二条を加える。
(昭和三十六年分及び昭和三十七年分の山林所得の計算の特例等)
第三十条の二 個人が、昭和三十六年又は昭和三十七年において、昭和二十七年十二月三十一日から引き続き所有していた山林を伐採し、又は譲渡した場合において、その年分の当該伐採又は譲渡による山林所得の計算上、総収入金額から控除すべき植林費、取得費、管理費、伐採費その他の必要な経費の金額は、所得税法第十条第二項及び第三項並びに第十条の四第一項の規定にかかわらず、当該伐採又は譲渡をした山林の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額と当該山林につき同日後に支出した同法第九条第一項第七号に規定する必要な経費の金額との合計額とする。
2 前項の規定の適用については、相続、包括遺贈、被相続人からの遺贈又は被相続人たる贈与者からの贈与でその死亡により効力を生ずるものにより取得した山林は、相続人又は包括受遺者が引き続き所有していたものとみなす。ただし、昭和二十八年中に包括遺贈により取得した山林については、この限りでない。
3 第一項の規定の適用を受ける者については、前条第一項中「昭和二十一年三月三日」とあるのは「昭和二十七年十二月三十一日」と、「所得税法第十条第二項及び第三項並びに第十条の四第一項」とあるのは「次条第一項」と、同条第二項中「昭和二十五年四月一日から昭和二十六年十二月三十一日までの間に相続若しくは被相続人からの遺贈(包括遺贈を除く。)により取得した山林又は昭和二十五年四月一日から昭和二十八年十二月三十一日までの間」とあるのは、「昭和二十八年中」と、同条第五項中「山林について通常要すべき植林費、取得費、管理費その他の必要な経費の金額の合計額を基礎とし、山林の譲渡により通常課されるべき再評価税額を考慮に入れて」とあるのは、「その年において伐採又は譲渡をされた山林の昭和二十八年一月一日における次条第一項の価額の平均額と当該山林につき同日後において通常要すべき管理費その他の必要な経費の金額との合計額を基礎として」として、同条の規定を適用する。
4 第一項の規定の適用を受ける者に係るその適用を受ける年分の山林所得を計算する場合における所得税法第十条の四第三項の規定の適用については、同項中「前二項」とあるのは、「租税特別措置法第三十条の二第一項」とする。
5 資産再評価法第九条の規定は、第一項の規定の適用があつた山林については、適用しない。
(昭和三十六年分及び昭和三十七年分の山林所得についての所得税額の計算の特例)
第三十条の三 個人が、昭和三十六年又は昭和三十七年において、政令で定める樹齢に達した山林(以下この条において「適材林」という。)の伐採又は譲渡(その譲渡を受けた者が当該適材林をその受けた年において伐採する場合における当該譲渡に限る。以下この条において同じ。)をした場合(その者が次項第一号に掲げる者に該当する場合には、当該伐採又は譲渡をした適材林の立木材積が基準立木材積をこえる場合に限る。)には、その年分の山林所得に係る所得税法第十三条第一項又は第十五条第二項の規定による所得税の税額は、これらの規定にかかわらず、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額による。
一 その年分の所得税法第十三条第二項に規定する課税山林所得金額につき同条第一項又は同法第十五条第二項の規定により計算した金額
二 前項に掲げる金額に、ロに掲げる金額がイに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額の二分の一に相当する金額
イ その年分の山林所得に係る総収入金額から必要な経費を控除した残額
ロ イに掲げる残額のうち適材林に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に、その年において伐採又は譲渡をした適材林の立木材積のうち基準立木材積をこえる部分が当該適材林の立木材積のうちに占める割合を乗じて計算した金額
2 前項に規定する基準立木材積とは、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に掲げる立木材積をいう。
一 昭和三十三年から昭和三十五年までの期間(以下この項において「指定期間」という。)内の二以上の年において山林所得の金額があつた者 当該山林所得に係る山林の立木材積の合計を指定期間内の山林所得の金額があつた年の数で除して計算した立木材積
二 指定期間内のいずれか一の年において山林所得の金額があつた者 当該山林所得に係る山林の立木材積と前項の規定の適用を受ける年分の山林所得に係る適材林の立木材積の三分の二に相当する立木材積とのうちいずれか少ない立木材積
三 指定期間内の各年において山林所得の金額がなかつた者 前項の規定の適用を受ける年分の山林所得に係る適材林の立木材積の三分の二に相当する立木材積
3 第一項の伐採又は譲渡をした個人が昭和三十三年一月一日以後に相続又は包括遺贈により山林を取得していた場合における当該個人に係る同項に規定する基準立木材積の計算については、前項の規定にかかわらず、政令で定める。
4 第一項の規定は、確定申告書等に、同項の規定による所得税の税額の計算に関する明細書及び当該税額の計算の基礎となつた山林所得のうちに譲渡によるものがある場合には当該譲渡を受けた者が当該適材林をその受けた年において伐採した旨を証する書面の添附がない場合には、適用しない。
第三十八条の三第四項に次の一号を加える。
四 前三号に掲げる区域及び地区以外の地域で産炭地域振興臨時措置法第二条第一項に規定する産炭地域に該当するもののうち、政令で定める地区
第四十五条の見出し中「低開発地域」を「低開発地域等」に改め、同条第一項中「指定された地区内」の下に「又は産炭地域振興臨時措置法第二条第一項に規定する産炭地域のうち政令で定める地区内」を加える。
第五十五条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる取引」の下に「(以下第五十七条の三までにおいて「輸出取引」という。)」を加え、「当該取引による」を「輸出取引による」に、「第五十七条」を「第五十七条の四」に、「当該取引に係る」を「当該輸出取引に係る」に改める。
第五十五条の二第一項中「第五十七条」を「第五十七条の三」に改め、同条を第五十五条の三とし、第五十五条の次に次の一条を加える。
(輸出所得の特別控除額の特例)
第五十五条の二 青色申告書を提出する法人の昭和三十六年十月一日から昭和三十八年三月三十一日までの期間(以下第五十七条の四までにおいて「指定期間」という。)内の日を含む各事業年度の指定期間内の輸出取引による収入金額の合計額が、基準輸出金額に当該事業年度の指定期間の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(以下第五十六条の二及び第五十七条の二において「指定期間に係る基準輸出金額」という。)をこえる場合(当該法人が当該事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度において輸出取引を行なわなかつた場合その他基準輸出金額がない場合として政令で定める場合を含む。)には、当該法人の当該事業年度の指定期間内における輸出取引については、前条第一項の規定にかかわらず、当該輸出取引に係る当該事業年度の所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額の百分の八十に相当する金額は、当該事業年度の所得の計算上、損金に算入する。
2 前項に規定する基準輸出金額とは、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれその開始の日前一年以内に開始した各事業年度の輸出取引(第五十六条第一項又は第二項の規定により益金に算入する金額があるときは、これらの規定に規定する証明がされなかつた物品に係る取引を除く。)による収入金額(前条第四項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した収入金額)の合計額を当該一年以内に開始した各事業年度の月数の合計で除してこれに十二を乗じて計算した金額をいう。
3 前二項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
4 第一項に規定する法人が合併後存続する法人(当該合併を指定期間内の日を含む事業年度又は当該事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において行なつたものに限る。)又は合併により設立した法人(当該設立後最初に開始した事業年度が指定期間内の日を含むものに限る。)である場合における当該法人に係る当該事業年度の同項に規定する基準輸出金額の計算については、第二項の規定にかかわらず、政令で定める。
5 前条第四項から第七項までの規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
第五十六条第一項中「第五十五条第一項の規定により同項第三号」を「第五十五条第一項又は第五十五条の二第一項の規定により第五十五条第一項第三号」に改め、「計算した金額」の下に「(第五十五条の二第一項の規定によりこれらの号に掲げる取引に関し損金に算入した金額がある場合において、当該証明がされなかつた物品の取引(指定期間内における取引に限る。)の行なわれた日を含む事業年度において当該取引が行なわれなかつたものとした場合に当該事業年度の指定期間内における輸出取引につき同項の規定の適用を受けることができないこととなるときは、同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入した金額から、当該事業年度の指定期間内における輸出取引のうち当該物品の取引以外のものにつき第五十五条第一項の規定を適用した場合に同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入することとなる金額を控除した金額。以下次項において同じ。)」を加え、「、当該事業年度の所得」を「、当該一年を経過した日を含む事業年度の所得」に改め、同条第二項中「第五十五条第一項の規定により同項第三号」を「第五十五条第一項又は第五十五条の二第一項の規定により第五十五条第一項第三号」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(基準輸出金額が減少した場合の更正の請求)
第五十六条の二 前条第一項又は第二項の規定の適用を受けた法人の第五十五条の二第一項に規定する基準輸出金額がその適用を受けたことにより減少したため、当該事業年度の指定期間内の輸出取引による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額をこえることとなる場合(当該基準輸出金額がその適用を受けたことによりないこととなる場合を含む。)において、当該事業年度分の法人税に係る法人税法第十八条から第二十一条までの規定による申告書の提出期限が経過しているときは、当該法人は、当該事業年度分の確定申告書等に記載された課税標準又は法人税額の更正の請求をすることができる。
2 前項の規定による更正の請求書は、法人税法の適用については、同法第二十四条の規定による修正申告書とみなす。
3 第五十五条第六項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、同条第六項中「確定申告書等」とあるのは、「第五十六条の二第一項の規定による請求書」と読み替えるものとする。
第五十七条第五項中「第五十五条の二第三項」を「第五十五条の三第三項」に、「第五十五条第一項各号に掲げる取引」を「輸出取引」に、「当該取引につき第五十五条第一項又は第五十五条の二第一項の規定の適用があつた」を「当該対外支払手段による支払に係る金額を輸出取引又は技術輸出取引による収入金額とみなして第五十五条第一項、第五十五条の二第一項又は第五十五条の三第一項の規定を適用する」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第一項前段の場合において、同項に規定する法人が、同項に規定する証明を受けた取引(指定期間内における取引に限る。以下この項において同じ。)を行なつた日を含む事業年度の指定期間内における輸出取引につき既に第五十五条の二第一項の規定の適用を受けているとき、又は当該証明を受けた取引を第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなした場合に当該事業年度の指定期間内における輸出取引につき第五十五条の二第一項の規定の適用を受けることができることとなるときは、第一項前段中「同項」とあるのは、「同項(当該取引が指定期間内に行なわれたものである場合には、第五十五条の二第一項)」として、同項の規定を適用する。
第三章第三節中第五十七条の次に次の三条を加える。
(基準輸出金額が増加した場合の益金算入)
第五十七条の二 前条第一項の規定の適用を受けた法人の第五十五条の二第一項に規定する基準輸出金額がその適用を受けたことにより新たに生じ、又は増加したため、当該事業年度の指定期間内の輸出取引による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となる場合には、同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入した金額から、当該輸出取引につき第五十五条第一項の規定を適用した場合に同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入することとなる金額を控除した金額は、当該収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるに至つた事業年度の所得の計算上、益金に算入する。
(輸出取引がある場合の特別償却)
第五十七条の三 青色申告書を提出する法人の指定期間内の日を含む各事業年度の指定期間内の輸出取引及び技術輸出取引(以下この条及び次条において「輸出取引等」という。)による収入金額の合計額が、基準輸出金額に当該事業年度の指定期間の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(以下次条において「指定期間に係る基準輸出金額」という。)をこえ、かつ、当該事業年度の輸出金額割合が基準輸出金額割合をこえる場合(当該法人が当該事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度において輸出取引等を行なわなかつた場合その他基準輸出金額及び基準輸出金額割合がない場合として政令で定める場合を含む。)には、当該事業年度終了の日において当該法人の有する固定資産(当該事業年度における償却額の計算に関し第四十三条から第四十六条まで又は第四十八条から第五十一条までの規定の適用を受けるものを除く。)に係る当該事業年度の法人税法及び同法に基づく命令の規定により計算される償却範囲額は、これらの規定にかかわらず、当該償却範囲額(これらの規定に定める償却不足額があるときは、当該償却不足額に相当する金額を控除した金額)とこれに第四項の規定による割合を乗じて計算した金額との合計額(その控除した償却不足額に相当する金額があるときは、当該金額を加算した金額)とする。
2 前項に規定する基準輸出金額とは、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれその開始の日前一年以内に開始した各事業年度の輸出取引等(次条第一項第一号に規定する証明がされなかつた物品に係る取引のうち、同号に規定する当該証明に係る期限が当該指定期間内の日を含む各事業年度終了の日以前であるものを除くものとし、同項第三号に規定する証明を受けた取引のうち、その受けた日が当該各事業年度終了の日以前であるものを含むものとする。)による収入金額(第五十五条第四項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した収入金額)の合計額を当該一年以内に開始した各事業年度の月数の合計で除してこれに十二を乗じて計算した金額をいう。
3 第一項に規定する輸出金額割合とは、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれ当該事業年度の指定期間内の総収入金額(当該事業年度の所得の計算上益金に算入されないものその他政令で定めるものを除くものとし、第五十五条第四項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した金額とする。以下この項において同じ。)のうちに当該指定期間内の第一項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいい、同項に規定する基準輸出金額割合とは、当該法人の当該各事業年度につき、それぞれその開始の日前一年以内に開始した各事業年度の総収入金額の合計額のうちに当該一年以内に開始した各事業年度の前項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいう。
4 第一項の規定により償却範囲額に乗ずべき割合は、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれ当該事業年度の同項に規定する輸出金額割合から同項に規定する基準輸出金額割合を控除した割合(当該法人が当該事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度において輸出取引等を行なわなかつた場合その他同項に規定する政令で定める場合には、当該事業年度の当該輸出金額割合とし、これらの割合が百分の五十をこえる場合には、百分の五十とする。)に、当該事業年度の指定期間の月数を乗じてこれを当該事業年度の月数で除して計算した割合(当該割合に小数点以下二位未満の端数があるときは、これを切り上げる。)とする。
5 第一項、第二項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第一項に規定する法人が合併後存続する法人(当該合併を指定期間内の日を含む事業年度又は当該事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において行なつたものに限る。)又は合併により設立した法人(当該設立後最初に開始した事業年度が指定期間内の日を含むものに限る。)である場合における当該法人に係る当該事業年度の同項に規定する基準輸出金額及び基準輸出金額割合の計算については、第二項及び第三項の規定にかかわらず、政令で定める。
7 第五十五条第四項及び第五項並びに第五十五条の三第二項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
8 第一項の規定は、確定申告書等に同項に規定する償却範囲額の計算に関する明細書の添附がない場合には、適用しない。
(輸出の証明がされない場合等の償却範囲額の増減)
第五十七条の四 次の各号に規定する法人が当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日を含む事業年度終了の日において当該法人の有する固定資産(当該事業年度における償却額の計算に関し第四十三条から第四十六条まで又は第四十八条から第五十一条までの規定の適用を受けるものを除く。)に係る当該事業年度の法人税法及び同法に基づく命令の規定又は前条第一項の規定により計算される償却範囲額は、これらの規定にかかわらず、第一号及び第四号の場合にあつては、当該償却範囲額からこれらの号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額とし、第二号及び第三号の場合にあつては、当該償却範囲額にこれらの号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を加算した金額とする。
一 前条第一項の規定の適用を受けた法人(第三号の規定に該当してこの項の規定の適用を受けた法人を含む。以下この項において同じ。)の指定期間内における第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引に係る物品のうちに当該取引の行なわれた日以後一年を経過した日を含む事業年度終了の日(当該法人が当該一年を経過した日前に合併により消滅した場合には、当該合併の日)までに第五十六条第一項又は第二項に規定する証明がされなかつたものがある場合において、当該証明がされなかつた物品に係る取引の行なわれた日を含む事業年度において当該取引が行なわれなかつたものとして前条第一項の規定を適用した場合に当該事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるため当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率(同項の規定により償却範囲額に乗ずべき割合をいう。以下この項において同じ(が適用されないこととなり、又は当該償却割増率が減少し、若しくはないこととなるとき。 その適用されないこととなり、又は減少し、若しくはないこととなる償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
二 前条第一項の規定の適用を受けた法人の指定期間内における前号に規定する取引で、その適用を受けた事業年度の同項に規定する基準輸出金額及び基準輸出金額割合の計算の基礎となるものにつき同号に規定する事由が生じた場合において、当該取引が行なわれなかつたものとして同項の規定を適用した場合に当該事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額のうち指定期間に係る基準輸出金額をこえる部分の金額が新たに生じ、又は増加し、かつ、当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が新たに生じ、又は増加するとき。 その新たに生じ、又は増加する償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
三 第五十七条第一項に規定する法人が指定期間内における同項各号に掲げる取引(輸出のための販売又は加工を除く。以下次号において同じ。)につき当該取引の行なわれた日以後一年を経過した日を含む事業年度終了の日までに同項に規定する証明を受けた場合において、当該証明を受けた取引を第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなして前条第一項の規定を適用した場合に当該取引の行なわれた日を含む事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額のうち指定期間に係る基準輸出金額をこえる部分の金額が新たに生じ、又は増加し、かつ、当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が新たに生じ、又は増加するとき。 その新たに生じ、又は増加する償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
四 前条第一項の規定の適用を受けた法人の指定期間内における第五十七条第一項各号に掲げる取引につき前号に規定する事由が生じた場合において、当該証明を受けた取引を第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなして前条第一項の規定を適用した場合にその適用を受けた事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるため当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が適用されないこととなり、又は当該償却割増率が減少し、若しくはないこととなるとき。 その適用されないこととなり、又は減少し、若しくはないこととなる償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
2 前項各号に掲げる輸出取引等による収入金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
3 前条第八項の規定は、第一項第二号又は第三号の規定を適用する場合について準用する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十三条、第三十八条の三第四項及び第四十五条の改正規定は、産炭地域振興臨時措置法(昭和三十六年法律第二百十九号)の施行の日から施行する。
2 改正後の租税特別措置法(以下「新法」という。)第二十三条の二第一項及び第二十三条の三第一項に規定する固定資産には、これらの規定に規定する年における事業所得の計算上必要な経費に算入する減価償却費の額の計算に関し次に掲げる法律の規定の適用を受ける固定資産は、含まれないものとする。
一 新法附則第五条第二項又は第五項の規定によりその効力を有するものとされる旧租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)第五条の五又は第二十一条の二第一項
二 租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第四十号。以下「改正法」という。)附則第三条第一項、第三項若しくは第四項又は同条第二項の規定によりその効力を有するものとされる同法による改正前の租税特別措置法第十条若しくは第十一条
3 新法第五十七条の三第一項及び第五十七条の四第一項に規定する固定資産には、これらの規定に規定する事業年度における償却額の計算に関し次に掲げる法律の規定の適用を受ける固定資産は、含まれないものとする。
一 新法附則第十二条第二項、第五項又は第七項の規定によりその効力を有するものとされる旧租税特別措置法第五条の六、第七条の五又は第二十一条の二第二項
二 改正法附則第十一条第一項、第三項若しくは第四項又は同条第二項の規定によりその効力を有するものとされる同法による改正前の租税特別措置法第四十二条、第四十三条若しくは第四十五条
(大蔵・内閣総理大臣署名)