中央卸売市場法の一部を改正する法律

法律第二百三十三号(昭三六・一一・一六)

 中央卸売市場法(大正十二年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

 第二条後段を削る。

 第三条第一項第一号中「取扱品目」を「位置、面積及取扱品目」に改め、同項に次の一号を加える。

 四 中央卸売市場ニ於ル売買ノ方法

 第七条の次に次の二条を加える。

第七条ノ二 農林大臣第一条第一項ニ掲グル物品ノ適正且円滑ナル流通ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ中央卸売市場ノ開設及整備ニ関スル計画ヲ定ムルコトヲ得

 前項ノ計画ニ於テハ左ニ掲グル事項ヲ定ムルモノトス

 一 計画ノ期間

 二 中央卸売市場ヲ開設スルコトガ必要ト認メラルル都市ノ名称及其ノ取扱品目ノ適正化又ハ其ノ設備ノ改善ヲ図ルコトガ必要ト認メラルル中央卸売市場ノ名称

 三 取扱品目ノ設定又ハ変更ニ関スル事項

 四 命令ヲ以テ定ムル設備ノ新設、増設又ハ改設ニ関スル事項

 五 其ノ他中央卸売市場ノ開設及整備ニ関シ必要ト認メラルル事項

 農林大臣第一項ノ計画ヲ定メムトスルトキハ中央卸売市場審議会及関係地方公共団体ノ意見ヲ聞クべシ

 農林大臣第一項ノ計画ヲ定メタルトキハ遅滞ナク之ヲ告示スベシ

 前二項ノ規定ハ第一項ノ計画ノ変更ニ付之ヲ準用ス

第七条ノ三 農林大臣前条第一項ノ計画ノ適正且円滑ナル実施ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ予メ中央卸売市場審議会ノ意見ヲ聞キ当該計画ニ於テ定メラレタル同条第二項第二号ノ都市ノ区域ヲ管轄スル地方公共団体又ハ同号ノ中央卸売市場ノ開設者ニ対シ中央卸売市場ノ開設又ハ整備ニ関シ必要ナル勧告ヲ為スコトヲ得

 第八条中「農林大臣ハ開設者ニ対シ命令ノ定ムル設備」を「政府ハ第七条ノ二第一項ノ計画ニ於テ定メラレタル同条第二項第二号ノ都市ノ区域ヲ管轄スル地方公共団体又ハ同号ノ中央卸売市場ノ開設者ガ当該計画ニ基キ同項第四号ノ命令ヲ以テ定ムル設備ノ新設、増設又ハ改設(命令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)ヲ為ストキハ当該地方公共団体又ハ開設者ニ対シ当該新設、増設又ハ改設」に改める。

 第九条を次のように改める。

第九条 削除

 第十条ノ三第四号中「前三号」を「前四号」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号の次に次の一号を加える。

 四 第十八条第一項ノ規定ニ依リ同項第三号ノ許可ノ取消ヲ受ケタル法人ノ其ノ処分ヲ受クル原因トナリタル事項ノ発生シタル当時現ニ其ノ法人ノ無限責任社員又ハ取締役其ノ他業務ヲ執行スル役員トシテ在任シタル者(命令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)又ハ同項ノ規定ニ依リ同項第四号ノ解任ノ命令ヲ受ケタル法人ノ当該命令ニ依リ解任セラルベキモノトセラレタル者ニシテ此等ノ処分ノ日ヨリ三年ヲ経過セザルモノ

 第十条ノ五の次に次の一条を加える。

第十条ノ五ノ二 第十条ノ許可ニハ条件ヲ附スルコトヲ得

 前項ノ条件ハ中央卸売市場ニ於ル卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要ニシテ最少限度ノモノニ限ルモノトシ且当該卸売ノ業務ヲ為ス者ニ不当ナル義務ヲ課スルモノナルコトヲ得ズ

 第十条ノ六第一項中「又ハ第四号」を「、第四号又ハ第五号」に改める。

 第十四条中「糶売」の下に「又ハ入札」を加え、「業務規程ノ定ムル特別ノ事情アル場合」を「災害ノ発生其ノ他命令ノ定ムル所ニ依リ業務規程ヲ以テ定ムル特別ノ事情アル場合及第一条第一項ニ掲グル物品ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノ(以下特定物品ト謂フ)又ハ同条第三項ニ規定スル其ノ他ノ日用品ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ業務規程ヲ以テ定ムル他ノ方法ニ依ル場合」に改め、同条に次の二項を加える。

 中央卸売市場ノ開設者ハ特定物品ノ売買ニ付前項但書ノ規定ニ依リ同項本文ニ規定スル方法及同項但書ニ規定スル他ノ方法ノ双方ニ依ルべキ旨又ハ同項但書ニ規定スル他ノ方法ノ二以上ニ依ルベキ旨ヲ業務規程ヲ以テ定ムル場合ニハ併セテ命令ノ定ムル所ニ依リ業務規程ヲ以テ方法ヲ異ニスル売買毎ニ売買ガ為サルル場所又ハ時間ガ区分セラルルコトトナルべキ措置ヲ定ムルコトヲ要ス

 中央卸売市場ノ開設者ハ特定物品ノ売買ニ付第一項但書ノ規定ニ依リ同項但書ニ規定スル他ノ方法ニ依ルベキ旨ヲ業務規程ヲ以テ定ムル場合ニハ併セテ命令ノ定ムル所ニ依リ業務規程ヲ以テ特定物品ノ種類毎ニ当該方法ニ依ル売買ノ場合ニ使用セラルル当該特定物品ノ品位ヲ表ス取引上ノ呼称並ニ其ノ品位ノ格付ニ関スル基準及実施方法ヲ定ムルコトヲ要ス

 第十四条の次に次の一条を加える。

第十四条ノ二 第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ハ当該卸売ノ業務及之ニ附帯スル業務以外ノ業務(以下本条ニ於テ兼業業務ト謂フ)ヲ営マムトスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ兼業業務ニ関スル事業計画ヲ添附シ其ノ旨ヲ農林大臣ニ届出ヅべシ其ノ兼業業務ヲ追加セムトスルトキ亦同ジ

 前項ノ規定ニ依ル届出ヲ為シタル者ハ其ノ届出ヲ為シタル事項ヲ変更セムトスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ変更ニ係ル事項ヲ農林大臣ニ届出ヅべシ

 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ為シタル者ハ其ノ兼業業務ノ全部ヲ廃止シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ農林大臣ニ届出ヅべシ

 第十五条ノ二第一項中「之ニ基キテ為ス行為」の下に「並ニ同条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ト当該中央卸売市場ノ取扱品目ニ付当該指定区域内ニ於テ中央卸売市場類似ノ業務ヲ為ス市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者(以下本項ニ於テ他市場卸売業者ト謂フ)トノ間ニ於ル過度ノ競争ニ因ル弊害ヲ防止シ当該中央卸売市場ニ於ル卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為特ニ必要アル場合ニ於テ同条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ予メ農林大臣ノ認可ヲ受ケ当該他市場卸売業者トノ間ニ於テ為ス合併又ハ営業ノ譲受(他市場卸売業者ガ合併後存続シ又ハ営業ヲ譲受クル場合ヲ除ク)」を加え、同条第二項第一号中「防止シ」の下に「当該中央卸売市場ニ於ル」を加える。

 第十七条第二項中「其ノ業務」を「其ノ者ノ業務」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

 農林大臣ハ第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ当該卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要アリト認ムルトキハ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ者ノ業務又ハ会計ニ関シ必要ナル改善措置ヲ採ルべキ旨ヲ命ズルコトヲ得

 第十八条第一項に次の一号を加える。

 四 卸売ノ業務ヲ為ス法人ノ無限責任社員又ハ取締役其ノ他業務ヲ執行スル役員ニシテ当該違反行為又ハ当該公益ヲ害スルノ虞アリト認メラルル行為ヲ為シタルモノノ解任ノ命令

 第十八条第二項に後段として次のように加える。

 此ノ場合ニ於テ同項第四号ノ処分ニ付テハ第十条ノ八中「相手方」トアルハ「相手方及当該処分ニ於テ解任セラルべキモノトセラルル者」ト、「其ノ者」トアルハ「此等ノ者」ト読ミ替フルモノトス

 第二十三条の次に次の二条を加える。

第二十三条ノ二 農林大臣ハ指定区域ノ周辺ノ地域ニシテ農林大臣ノ指定スルモノニ於テ当該指定区域ニ係ル中央卸売市場ノ取扱品目ニ係ル物品ノ卸売ヲ為ス為開設セラルル市場ニシテ其ノ施設ガ命令ヲ以テ定ムル基準ヲ超ユルモノ(以下本条ニ於テ周辺地市場ト謂フ)ニ於ル業務ガ当該物品ノ流通ニ付当該中央卸売市場ニ於ル業務ト密接ニ関連スル場合ニ於テ当該中央卸売市場ニ於ル業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為特ニ必要アリト認ムルトキハ当該周辺地市場ノ開設者又ハ当該周辺地市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ施設又ハ業務ノ方法ニ関シ当該物品ノ円滑ナル流通ヲ図ル為必要ナル改善措置ヲ採ルべキ旨ノ勧告ヲ為スコトヲ得

第二十三条ノ三 農林省ニ中央卸売市場審議会(以下審議会ト謂フ)ヲ置ク

 審議会ハ本法ニ依リ其ノ権限ニ属セシメラレタル事項ヲ処理スルノ外農林大臣ノ諮問ニ応ジ本法ノ施行ニ関スル重要事項ヲ調査審議ス

 審議会ハ前項ニ規定スル事項ニ関シ農林大臣ニ意見ヲ述ブルコトヲ得

 審議会ハ委員五人以内ヲ以テ之ヲ組織ス

 委員ハ第二項ニ規定スル事項ニ関シ学識経験ヲ有スル者ノ中ヨリ農林大臣之ヲ任命ス

 本法ニ定ムルモノノ外審議会ノ組織及運営ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

 第二十五条第二号中「第十七条第二項」を「第十七条第三項」に改め、同条中第五号を第七号とし、第四号を第六号とし、第三号中「第十八条第一項第三号」の下に「又ハ第四号」を加え、同号を同条第五号とし、同条第二号の次に次の二号を加える。

 三 第十四条ノ二第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者

 四 第十七条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者

 第二十六条中第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、第一号として次の一号を加える。

 一 第十四条ノ二第三項ノ規定ニ依ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者


   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。

2 この法律の施行の際現に開設されている中央卸売市場における売買の方法その他業務規程をもつて定めるべき事項については、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日(その日までに次項の申請に対し同項の認可を受けた中央卸売市場にあつては、その認可に係る業務規程の変更の効力が発生する日)までは、なお従前の例による。

3 この法律の施行の際現に開設されている中央卸売市場の開設者は、この法律の施行の日から起算して十月を経過する日までに、農林省令で定めるところにより、農林大臣に対し、改正後の中央卸売市場法の規定に適合するように必要な業務規程の変更につき同法第四条の認可の申請をしなければならない。

4 この法律の施行の際現に中央卸売市場法第十条の許可を受け中央卸売市場において卸売の業務を行なつている者でこの法律の施行の際現に当該卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務(以下「兼業業務」という。)を営んでいるものについては、この法律の施行の日から起算して三十日を経過する日までは、当該兼業業務について、改正後の中央卸売市場法第十四条ノ二第一項前段の規定は、適用しない。

5 前項に規定する者で同項に規定する日後においても当該兼業業務を引き続いて営もうとするものは、その日までに、農林大臣に対し、改正後の中央卸売市場法第十四条ノ二第一項前段の規定による届出をしなければならない。

6 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条第一項の表中

農林物資規格調査会

農林畜水産物の規格及び標準に関する事項を調査審議すること。

 を

農林物資規格調査会

農林畜水産物の規格及び標準に関する事項を調査審議すること。

 
 

中央卸売市場審議会

中央卸売市場法(大正十二年法律第三十二号)によりその権限に属せしめられた事項を行なうこと。

 に改める。

(内閣総理・大蔵・農林大臣署名) 

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