軽機械の輸出の振興に関する法律
法律第百四十四号(昭三四・四・一八)
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 登録(第三条―第二十三条)
第三章 輸出振興事業協会
第一節 総則(第二十四条―第三十条)
第二節 役員等(第三十一条―第四十五条)
第三節 業務(第四十六条―第五十六条)
第四節 監督(第五十七条・第五十八条)
第四章 雑則(第五十九条―第六十四条)
第五章 罰則(第六十五条―第七十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、輸出すべき軽機械及び軽機械部品について、輸出貿易の健全な発展に対して生じている著しい支障を除去するため、その製造業者の登録を行うことによりこれらの品質の向上を図るとともに、輸出振興事業協会を設立して軽機械の輸出の振興に関する業務を行わせ、もつて軽機械の輸出を振興し、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「軽機械」とは、小型軽量の機械であつて、その製造業者の大部分が中小企業者(中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条に規定する中小企業者をいう。)であり、主として他の者から購入した部品を組み立てることによつて製造され、かつ、その相当部分が輸出向に出荷されるものについて、別表で定めるものをいう。
2 この法律で「軽機械部品」とは、軽機械の主要部分を構成する部品であつて、政令で指定するものをいう。
第二章 登録
(登録)
第三条 軽機械又は軽機械部品の製造の事業を行おうとする者は、通商産業省令で定める区分に従い、その製造の用に供する事業場ごとに、通商産業大臣の登録を受けることができる。
(表示)
第四条 前条の規定により軽機械の製造の事業の登録を受けた者は、その登録に係る事業場で製造した軽機械であつて、次項の規定に基く特別の表示が附された軽機械部品を使用したものに、その軽機械が登録を受けた軽機械の製造業者の製造したものであることを示す特別の表示を附することができる。この場合において、この法律の施行後において指定された軽機械部品については、当該指定の日から起算して三月間は、次項の規定に基く特別の表示が附されたものであることを要しない。
2 前条の規定により軽機械部品の製造の事業の登録を受けた者は、その登録に係る事業場で製造した軽機械部品に、その軽機械部品が登録を受けた軽機械部品の製造業者の製造したものであることを示す特別の表示を附することができる。
3 前二項の特別の表示に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
4 何人も、第一項又は第二項の規定に基いてする場合を除き、軽機械又は軽機械部品に、第一項若しくは第二項の特別の表示を附し、又はこれと紛らわしい表示を附してはならない。
(輸出の制限)
第五条 軽機械又は軽械械部品(軽機械の未完成品に使用されている軽機械部品を含む。以下この項において同じ。)は、前条第一項又は第二項の表示が附されたものでなければ、輸出してはならない。ただし、一時的に出国する者が、本人の使用に供することを目的とする軽機械又は軽機械部品であつて必要と認められるものを携帯して輸出する場合その他通商産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の規定は、この法律の施行後において指定された軽機械部品については、当該指定の日から起算して三月間は、適用しない。
(登録の申請)
第六条 第三条の登録を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を通商産業大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 事業場の名称及び所在地
三 製造しようとする軽機械又は軽機械部品の種類及び月間最大製造量
四 通商産業省令で定める製造又は検査のための設備の名称、性能及び数
五 通商産業省令で定める技術者の資格及び数
六 検査方法、品質管理方法その他の品質保持に必要な技術的生産条件であつて通商産業省令で定めるもの
2 前項の申請書には、事業場の図面その他通商産業省令で定める書類を添附しなければならない。
(登録の欠格条項)
第七条 次の各号の一に該当する者は、第三条の登録を受けることができない。
一 この法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十六条第一項の規定により登録を取り消され、その取消の日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
(登録の基準)
第八条 通商産業大臣は、登録の申請が次の各号に該当すると認めるときは、登録をしなければならない。
一 第六条第一項第四号の通商産業省令で定める製造又は検査のための設備が、通商産業省令で定める基準に適合していること。
二 第六条第一項第五号の通商産業省令で定める技術者が、通商産業省令で定める基準に適合していること。
三 第六条第一項第六号の通商産業省令で定める検査方法、品質管理方法その他の品質保持に必要な技術的生産条件が、通商産業省令で定める基準に適合していること。
(登録簿)
第九条 通商産業大臣は、登録簿を備え、次の事項を登録しなければならない。
一 登録の年月日及び登録番号
二 第六条第一項各号に掲げる事項
三 第十六条第一項の規定により第四条第一項又は第二項の特別の表示を附してはならない旨を命じたときは、その理由及び期間
(登録証の交付)
第十条 通商産業大臣は、第三条の登録をしたときは、申請者に登録証を交付する。
2 登録証には、次の事項を記載しなければならない。
一 登録の年月日及び登録番号
二 氏名又は名称及び住所
三 事業場の名称及び所在地
四 製造しようとする軽機械又は軽機械部品の種類
(承継)
第十一条 第三条の登録を受けた者(以下「登録事業者」という。)が当該登録に係る事業の全部を譲渡し、又は登録事業者について相続若しくは合併があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その登録事業者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人が第七条各号の一に該当するときは、この限りでない。
(変更の届出等)
第十二条 登録事業者は、第六条第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、変更の日から二十日以内に、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。この場合において、登録証に記載された事項に変更があつた登録事業者は、当該届出にその登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。
2 前項の場合において、前条の規定により登録事業者の地位を承継した者は、その事実を証する書面を提出しなければならない。
(廃止の届出)
第十三条 登録事業者は、その事業を廃止したときは、廃止の日から二十日以内に、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(登録証の再交付)
第十四条 登録事業者は、登録証をよごし、損じ、又は失つたときは、通商産業大臣に申請し、その再交付を受けることができる。
(登録の失効)
第十五条 登録事業者がその事業を廃止したときは、登録は、その効力を失う。
(登録の取消等)
第十六条 通商産業大臣は、登録事業者が次の各号の一に該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて、その者の製造に係る軽機械若しくは軽機械部品に第四条第一項若しくは第二項の特別の表示を附してはならない旨を命ずることができる。
一 この法律又はこの法律に基く処分に違反したとき。
二 第七条第三号に該当するに至つたとき。
三 不正の手段によつて登録を受けたとき。
2 通商産業大臣は、登録事業者が第八条各号の一に該当しなくなつたと認めるときは、その登録事業者に対し、六月以内の期間を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
(登録の消除)
第十七条 通商産業大臣は、登録事業者の登録がその効力を失つたときは、その登録を消除しなければならない。
(登録証の返納)
第十八条 登録事業者は、その登録が効力を失つたときは、効力を失つた日から二十日以内に、通商産業大臣にその登録証を返納しなければならない。
(登録の停止等)
第十九条 通商産業大臣は、中小企業団体の組織に関する法律第五十六条又は第五十七条の規定により、軽機械の製造又は出荷の制限に関する命令をするに際し、又は命令をした後において、特に必要があると認めるときは、その命令の有効期間中に限り、第八条の規定にかかわらず、その命令に係る軽機械の製造の事業を行おうとする者について、第三条の登録を停止することができる。
2 通商産業大臣は、中小企業団体の組織に関する法律第五十八条の規定により、軽機械部品の製造設備の新設の制限又は禁止の命令をした場合においては、第八条の規定にかかわらず、その命令に違反した申請については、第三条の登録をしてはならない。
3 通商産業大臣は、第一項の規定により登録を停止するときは、その旨を告示しなければならない。
(登録の再開)
第二十条 通商産業大臣は、前条第一項の規定により登録を停止した後において、その要件となつた事実が消滅したと認めるときは、登録を再開しなければならない。
2 前条第三項の規定は、前項の規定により登録を再開するときに準用する。
(登録簿の謄本等)
第二十一条 何人も、通商産業大臣に対し、登録簿の謄本の交付又は閲覧を請求することができる。
(手数料)
第二十二条 次の表の上欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
納付しなければならない者 |
金額 |
||
一 |
第三条の登録を受けようとする者 |
一件につき |
四千円 |
二 |
登録証の訂正又は再交付を受けようとする者 |
一件につき |
二百円 |
三 |
登録簿の謄本の交付を請求しようとする者 |
一枚につき |
二十円 |
四 |
登録簿の閲覧を請求しようとする者 |
一回につき |
二十円 |
(省令への委任)
第二十三条 この章に定めるもののほか、登録の手続、登録簿の様式その他登録に関する手続的事項については、通商産業省令で定める。
第三章 輪出振興事業協会
第一節 総則
(目的)
第二十四条 輸出振興事業協会は、軽機械の輸出の振興に関する業務を行うことを目的とする。
(法人格)
第二十五条 輸出振興事業協会(以下「協会」という。)は、法人とする。
(種類)
第二十六条 協会は、別表に掲げる軽機械ごとに一を限り、設立されるものとする。
(名称)
第二十七条 協会は、その名称中に、輸出振興事業協会という文字を用いなければならない。
2 協会でない者は、その名称中に、輸出振興事業協会という文字を用いてはならない。
(登記)
第二十八条 協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(定款)
第二十九条 協会の定款には、次の事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 役員に関する事項
五 総代会に関する事項
六 評議員会に関する事項
七 業務及びその執行に関する事項
八 会計に関する事項
九 公告の方法
2 協会の定款の変更は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(民法の準用)
第三十条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、協会に準用する。
第二節 役員等
(役員)
第三十一条 協会に、役員として、会長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。
2 会長は、協会を代表し、その業務を総理する。
3 理事は、定款で定めるところにより、会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、協会の業務を監査する。
第三十二条 会長及び監事は、総代会が推薦した者のうちから、通商産業大臣が任命する。
2 理事は、総代会の同意を得て、会長が任命する。
3 役員の任期は、二年とする。
4 役員は、再任されることができる。
(総代会)
第三十三条 協会に、総代会を置く。
2 総代会は、十人以上二十人以内において定款で定める数の総代をもつて組織する。
3 総代会に議長を置き、総代がこれを互選する。
4 議長は、総代会の会務を総理する。
5 総代会は、あらかじめ総代のうちから、議長に事故がある場合にその職務を代行する者を定めておかなければならない。
(総代)
第三十四条 総代は、定款で定めるところにより、協会の業務に係る軽機械の登録事業者が当該登録事業者のうちから選挙する。
2 総代の選挙は、無記名投票によつて行う。
3 投票は、登録事業者一人につき一票とする。
4 総代の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。
(総代会の権限)
第三十五条 次の事項は、総代会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 負担金の額及び徴収の方法
三 会計の処理に関する規則の設定及び変更
四 収支予算及び決算
五 第四十六条第一項第一号から第四号までに掲げる業務に係る事業計画の作成及び変更
(総代会の議事)
第三十六条 総代会は、総代の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 総代会の議事は、出席した総代の過半数をもつて決する。可否同数のときは、議長が決する。
(評議員会)
第三十七条 協会に、評議員会を置く。
2 評議員会は、会長の諮問に応じ、協会の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。
3 評議員会は、前項の事項に関し、会長に意見を述べることができる。
4 評議員会は、評議員十五人以内をもつて組織する。
5 評議員は、協会の業務に係る軽機械に関し学識経験のある者のうちから、通商産業大臣の承認を受けて、会長が任命する。
6 評議員の任期は、一年とする。
7 評議員は、再任されることができる。
(報酬)
第三十八条 総代及び評議員は、報酬を受けない。ただし、旅費その他業務の遂行に伴う実費を受けるものとする。
(役員等の欠格条項)
第三十九条 次の各号の一に該当する者は、役員又は評議員となることができない。
一 国務大臣若しくは国会議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは地方公共団体の長
二 政府又は地方公共団体の職員(教育公務員で政令で定める者及び非常勤の者を除く。)
(役員等の解任)
第四十条 通商産業大臣は、会長又は監事が前条各号の一に該当するに至つたときは、これを解任しなければならない。
2 会長は、理事又は評議員が前条各号の一に該当するに至つたときは、これを解任しなければならない。
第四十一条 通商産業大臣は、会長若しくは監事が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は会長若しくは監事に職務上の義務違反その他会長若しくは監事たるに適しない非行があると認めるときは、これを解任することができる。
2 会長は、理事若しくは評議員が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は理事若しくは評議員に職務上の義務違反その他理事若しくは評議員たるに適しない非行があると認めるときは、理事にあつては総代会の同意、評議員にあつては通商産業大臣の承認を得て、これを解任することができる。
(役員の兼職禁止)
第四十二条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、通商産業大臣が役員としての職務の執行に支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第四十三条 協会と会長との利益が相反する事項については、会長は、代表権を有しない。この場合は、監事が協会を代表する。
(代理人の選任)
第四十四条 会長は、理事又は協会の職員のうちから、協会の主たる事務所又は従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(役員等の秘密保持義務)
第四十五条 協会の役員若しくは職員若しくは評議員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第三節 業務
(業務の範囲)
第四十六条 協会は、第二十四条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 軽機械に関する海外市場の調査をし、及びその成果を普及すること。
二 海外市場において軽機械の紹介、宣伝及びアフターサービスを行うこと。
三 軽機械の品質の改善に関する調査、試験研究及び指導を行うこと。
四 前各号の業務に附帯する業務
五 前各号に掲げるもののほか、第二十四条の目的を達成するため必要な業務
2 協会は、前項第五号の業務を行おうとするときは、総代会の議決を経て、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
3 協会は、第一項第一号(成果の普及を除く。)及び第二号に掲げる業務の実施については、日本貿易振興会に委託してするものとする。
(事業年度)
第四十七条 協会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(事業計画等)
第四十八条 協会は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(負担金)
第四十九条 協会は、第四十六条第一項第一号から第四号までに掲げる業務に必要な費用に充てるため、協会の業務に係る軽機械の登録事業者から、輸出向に出荷される軽機械について、定款で定めるところにより、負担金を徴収することができる。
2 前項の負担金の額及び徴収の方法は、協会が、毎事業年度開始前に、通商産業大臣の認可を受けて定める。この場合において、負担金の額は、輸出向に出荷される軽機械一台につきその種類ごとに政令で定める金額をこえてはならない。
3 協会は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、負担金の額及び徴収の方法を公告しなければならない。
(資金の借入)
第五十条 協会は、資金の借入をしようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(準備金)
第五十一条 協会は、定款で定めるところにより、第四十九条第一項の規定により徴収した金額の一部を準備金として積み立てることができる。
(財務諸表)
第五十二条 協会は、毎事業年度経過後二月以内に、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、通商産業大臣の承認を受けなければならない。
2 協会は、前項の規定により財務諸表について通商産業大臣の承認を受けようとするときは、これに収支予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添附し、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
(事業報告書)
第五十三条 協会は、毎事業年度経過後二月以内に、事業報告書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。
(書類の送付)
第五十四条 協会は、第四十八条又は第五十二条第一項の認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る事業計画及び収支予算に関する書類又は財務諸表を協会の業務に係る軽機械の登録事業者に送付しなければならない。
2 協会は、前条の規定により事業報告書を作成したときは、当該事業報告書を協会の業務に係る軽機械の登録事業者に送付しなければならない。
(資料の提出の請求)
第五十五条 協会は、第四十九条第一項の規定により負担金を徴収するため必要があると認めるときは、協会の業務に係る軽機械の登録事業者に対し、資料の提出を求めることができる。
(検査の請求)
第五十六条 協会の業務に係る軽機械の登録事業者は、その総数の十分の一以上の同意を得て、その協会の業務が法令又は定款若しくは会計の処理に関する規則に違反する疑があることを理由として、通商産業大臣にその検査を請求することができる。
2 前項の請求があつたときは、通商産業大臣は、その協会の業務の状況を検査しなければならない。
第四節 監督
(監督)
第五十七条 協会は、通商産業大臣が監督する。
2 通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第五十八条 通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、協会の事務所その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第四章 雑則
(中小企業安定審議会への諮問)
第五十九条 通商産業大臣は、第十九条第一項の規定により第三条の登録を停止しようとするときは、中小企業安定審議会に諮問しなければならない。
(報告及び検査)
第六十条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、登録事業者に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
2 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、登録事業者の事業場その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 第五十八条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査に準用する。
(異議の申立)
第六十一条 第三条又は第十六条の規定による通商産業大臣の処分に対して不服のある者は、その旨を記載した書面をもつて、通商産業大臣に異議の申立をすることができる。
第六十二条 通商産業大臣は、異議の申立を受理したときは、異議の申立をした者に対し、相当な期間をおいて予告した上、公開による聴聞を行わなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 聴聞に際しては、異議の申立をした者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
第六十三条 通商産業大臣は、前条の聴聞を行つた後、文書をもつて決定し、その写を異議の申立をした者に送付しなければならない。
(解散)
第六十四条 協会の解散については、別に法律で定める。
2 前項の場合において、協会の残余財産は、第四十九条第一項の規定により負担金を納付した軽機械の登録事業者に対し、その納付した負担金の限度において、その納付した額に応じて分配するものとする。
第五章 罰則
第六十五条 協会の役員がいかなる名義をもつてするかを問わず、その協会の事業の範囲外において、貸付をし、若しくは手形の割引をし、又は投機取引のためにその協会の財産を処分したときは、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条がある場合は、同法による。
第六十六条 協会の役員又は職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はこれを要求若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第六十七条 前条第一項に規定するわいろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第六十八条 第五条第一項の規定に違反して軽機械又は軽機械部品(軽機械の未完成品に使用されている軽機械部品を含む。)を輸出した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
第六十九条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第四条第四項の規定に違反した者
二 第十六条第一項の規定による第四条第一項又は第二項の特別の表示を附してはならない旨の命令に違反した者
第七十条 第四十五条の規定に違反して、その職務に関して知得した秘密を洩らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第七十一条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
二 第六十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第六十条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第七十二条 第二十七条第二項の規定に違反した者は、一万円以下の罰金に処する。
第七十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十八条、第六十九条、第七十一条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第七十四条 次の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした協会の役員又は職員を三万円以下の過料に処する。
一 第二十八条第一項の政令に違反して登記することを怠つたとき。
二 第四十六条第一項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
第七十五条 第十二条第一項又は第十三条の規定による届出をせず、又は虚偽の報告をした者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(廃止)
第二条 この法律は、施行の日から五年以内に廃止するものとする。
(輸出の制限についての経過規定)
第三条 第五条第一項の規定は、この法律の施行の日から起算して四月間は、適用しない。
(協会の設立)
第四条 協会を設立するには、この法律の施行の日から起算して二月を経過した日の後において、別表に掲げる軽機械ごとに当該軽機械の登録事業者十人以上が発起人となり、定款を作成し、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の発起人が同項の認可を申請するには、あらかじめ、定款作成の基準となるべき事項、発起人が推薦しようとする会長又は監事となるべき者の氏名その他通商産業省令で定める事項を公告して、当該申請の日における当該軽機械の登録事業者の三分の一以上の同意を得なければならない。
3 通商産業大臣は、第一項の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。
第五条 通商産業大臣は、この法律の施行の日から起算して四月以内に前条第一項の認可の申請がないか、又はその期間内になされたいずれの申請についても同項の認可をすることができなかつたときは、同項に規定する者十人以上に、同項の発起人となり、定款を作成し、通商産業大臣の指定する期日までに同項の認可を申請すべきことを命ずることができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定により前条第一項の認可を申請する場合には、適用しない。
第六条 通商産業大臣は、附則第四条第一項の認可をしたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、協会の会長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された会長又は監事となるべき者は、協会の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ会長又は監事に任命されたものとする。
第七条 発起人は、前条第一項の規定により会長となるべき者が指名されたときは、遅滞なく、その事務を同項の規定により指名された会長となるべき者に引き継がなければならない。
第八条 附則第六条第一項の規定により指名された会長となるべき者は、前条の事務の引継を受けた日において、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第九条 協会は、設立の登記をすることによつて成立する。
(経過規定)
第十条 第二十七条第二項の規定は、この法律の施行の際現にその名称中に輸出振興事業協会の文字を用いている者については、この法律の施行の日から起算して六月間は、適用しない。
第十一条 附則第六条第二項の規定により会長又は監事に任命されたものとされた会長又は監事の任期は、第三十二条第三項の規定にかかわらず、一年とする。
第十二条 協会の最初の事業年度は、第四十七条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十五年三月三十一日に終るものとする。
第十三条 協会の最初の事業年度については、第四十八条及び第四十九条第二項中「毎事業年度開始前に」とあるのは、「協会の成立後遅滞なく」とする。
(登録税法の一部改正)
第十四条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「石炭鉱業整備事業団」の下に「、輸出振興事業協会」を、「石炭鉱業合理化臨時措置法」の下に「、軽機械の輸出の振興に関する法律」を加える。
(法人税法の一部改正)
第十五条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第九条第六項中「塩業組合」を「輸出振興事業協会、塩業組合」に改める。
(地方税法の一部改正)
第十六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の二十二第四項第六号中「輸出入組合」の下に「並びに輸出振興事業協会」を加える。
(通商産業省設置法の一部改正)
第十七条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中第三十一号を削り、第三十二号を第三十一号とし、同号の次に次の一号を加える。
三十二 軽機械又は軽機械部品の製造業者を登録すること。
(中小企業金融公庫法の一部改正)
第十八条 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第四号の二の次に次の一号を加える。
四の三 輸出振興事業協会
別表
一 家庭用ミシン(頭部のみのものを含む。)
二 双眼鏡
(内閣総理・法務・大蔵・通商産業大臣臨時代理署名)