意匠法

法律第百二十五号(昭三四・四・一三)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 意匠登録及び意匠登録出願(第三条―第十五条)

 第三章 審査(第十六条―第十九条)

 第四章 意匠権

  第一節 意匠権(第二十条―第三十六条)

  第二節 権利侵害(第三十七条―第四十一条)

  第三節 登録料(第四十二条―第四十五条)

 第五章 審判(第四十六条―第五十二条)

 第六章 再審、訴願及び訴訟(第五十三条―第六十条)

 第七章 雑則(第六十一条―第六十八条)

 第八章 罰則(第六十九条―第七十七条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律で「意匠」とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起させるものをいう。

2 この法律で「登録意匠」とは、意匠登録を受けている意匠をいう。

3 この法律で意匠について「実施」とは、意匠に係る物品を製造し使用し譲渡し貸し渡し譲渡若しくは貸渡のために展示し又は輸入する行為をいう。

   第二章 意匠登録及び意匠登録出願

 (意匠登録の要件)

第三条 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。

 一 意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠

 二 意匠登録出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠

 三 前二号に掲げる意匠に類似する意匠

2 意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において広く知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基いて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については、前項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。

 (意匠の新規性の喪失の例外)

第四条 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して前条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠について、その該当するに至つた日から六月以内にその者が意匠登録出願をしたときは、その意匠は、同項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

2 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して前条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠について、その該当するに至つた日から六月以内にその者が意匠登録出願をしたときも、前項と同様とする。

3 意匠登録出願に係る意匠について前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、その意匠登録出願に係る意匠が同項に規定する意匠であることを証明する書面を意匠登録出願の日から十四日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

 (意匠登録を受けることができない意匠)

第五条 次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。

 一 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠

 二 他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠

 (意匠登録出願)

第六条 意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添附して特許庁長官に提出しなければならない。

 一 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては代表者の氏名

 二 提出の年月日

 三 意匠の創作をした者の氏名及び住所又は居所

 四 意匠に係る物品

2 通商産業省令で定める場合は、前項の図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる。この場合は、写真、ひな形又は見本の別を願書に記載しなければならない。

3 自己の登録意匠又は意匠登録出願をしている意匠に類似する意匠について意匠登録を受けようとするときは、その意匠登録又は意匠登録出願の番号を願書に記載しなければならない。

4 第一項第四号の意匠に係る物品の記載又は願書に添附した図面、写真若しくはひな形によつてはその意匠の属する分野における通常の知識を有する者がその意匠に係る物品の材質又は大きさを理解することができないためその意匠を認識することができないときは、その意匠に係る物品の材質又は大きさを願書に記載しなければならない。

5 意匠に係る物品の形状、模様又は色彩がその物品の有する機能に基いて変化する場合において、その変化の前後にわたるその物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその物品の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。

6 第一項又は第二項の規定により提出する図面、写真又はひな形にその意匠の色彩を附するときは、白色又は黒色のうち一色については、彩色を省略することができる。

7 前項の規定により彩色を省略するときは、その旨を願書に記載しなければならない。

8 第一項の規定により提出する図面に意匠を記載し、又は第二項の規定により提出する写真若しくはひな形に意匠を現わす場合において、その意匠に係る物品の全部又は一部が透明であるときは、その旨を願書に記載しなければならない。

 (一意匠一出願)

第七条 意匠登録出願は、通商産業省令で定める物品の区分により意匠ごとにしなければならない。

 (組物の意匠)

第八条 慣習上組物として販売され同時に使用される二種以上の物品であつて通商産業省令で定めるもの(以下「組物」という。)を構成する物品の意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として意匠登録出願をすることができる。

2 前項の場合は、その組物を構成する物品の意匠が第三条、第五条及び次条第一項又は第二項の規定により意匠登録を受けることができる場合に限り、意匠登録を受けることができる。

 (先願)

第九条 同一又は類似の意匠について異なつた日に二以上の意匠登録出願があつたときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。

2 同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があつたときは、意匠登録出願人の協議により定めた一の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その意匠について意匠登録を受けることができない。

3 意匠登録出願が取り下げられ、又は無効にされたときは、その意匠登録出願は、前二項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。

4 意匠の創作をした者でない者であつて意匠登録を受ける権利を承継しないものがした意匠登録出願は、第一項又は第二項の規定の適用については、意匠登録出願でないものとみなす。

5 特許庁長官は、第二項の場合は、相当の期間を指定して、同項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を意匠登録出願人に命じなければならない。

6 特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。

 (類似意匠)

第十条 意匠権者は、自己の登録意匠にのみ類似する意匠(以下「類似意匠」という。)について類似意匠の意匠登録を受けることができる。

2 前項の規定により意匠登録を受けた類似意匠にのみ類似する意匠については、同項の規定は、適用しない。

 (意匠登録出願の分割)

第十一条 意匠登録出願人は、第八条第一項の規定による意匠登録出願を分割してその組物を構成する物品の意匠についての意匠登録出願とすることができる。

2 前項の規定による意匠登録出願の分割は、意匠登録出願について査定又は審決が確定した後は、することができない。

3 第一項の規定による意匠登録出願の分割があつたときは、組物を構成する物品についての意匠登録出願は、第八条第一項の規定による意匠登録出願の時にしたものとみなす。ただし、第四条第三項並びに第十五条第一項において準用する特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、この限りでない。

4 第一項の規定による意匠登録出願の分割があつたときは、第八条第一項の査定による意匠登録出願は、取り下げたものとみなす。

 (出願の変更)

第十二条 意匠登録出願人は、類似意匠の意匠登録出願を独立の意匠登録出願(類似意匠の意匠登録出願以外の意匠登録出願をいう。以下同じ。)に変更することができる。この場合は、独立の意匠登録出願は、類似意匠の意匠登録出願の時にしたものとみなす。

2 意匠登録出願人は、独立の意匠登録出願を類似意匠の意匠登録出願に変更することができる。この場合は、類似意匠の意匠登録出願は、独立の意匠登録出願の時にしたものとみなす。

3 前二項の規定による意匠登録出願の変更は、意匠登録出願について査定又は審決が確定した後は、することができない。

4 第一項又は第二項の規定による意匠登録出願の変更があつたときは、もとの意匠登録出願は、取り下げたものとみなす。

第十三条 特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる。ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、この限りでない。

2 実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を意匠登録出願に変更することができる。ただし、その実用新案登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、この限りでない。

3 前二項の規定による出願の変更があつたときは、その意匠登録出願は、その特許出願又は実用新案登録出願の時にしたものとみなす。

4 第一項又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、取り下げたものとみなす。

5 第一項ただし書に規定する期間は、特許法第四条第一項の規定により同法第百二十一条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

6 第二項ただし書に規定する期間は、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第五十五条第一項において準用する特許法第四条第一項の規定により実用新案法第三十五条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

 (秘密意匠)

第十四条 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から三年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。

2 前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。

 一 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所

 二 秘密にすることを請求する期間

3 意匠登録出願人又は意匠権者は、第一項の規定により秘密にすることを請求した期間を延長し又は短縮することを請求することができる。

4 特許庁長官は、次の各号の一に該当するときは、第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠を意匠権者以外の者に示さなければならない。

 一 意匠権者の承諾を得たとき。

 二 その意匠又はその意匠と同一若しくは類似の意匠に関する審査、審判、再審又は訴訟の当事者又は参加人から請求があつたとき。

 三 裁判所から請求があつたとき。

 四 利害関係人が意匠権者の氏名又は名称及び登録番号を記載した書面その他通商産業省令で定める書面を特許庁長官に提出して請求したとき。


 (特許法の準用)

第十五条 特許法第三十七条(共同出願)、第四十条(明細書等の補正と要旨変更)、第四十三条(優先権主張の手続)及び第四十四条(特許出願の分割)の規定は、意匠登録出願に準用する。

2 特許法第三十三条並びに第三十四条第一項、第二項及び第四項から第七項まで(特許を受ける権利)の規定は、意匠登録を受ける権利に準用する。

3 特許法第三十五条(職務発明)の規定は、従業者、法人の役員又は国家公務員若しくは地方公務員がした意匠の創作に準用する。

   第三章 審査


 (審査官による審査)

第十六条 特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない。


 (拒絶の査定)

第十七条 審査官は、意匠登録出願が次の各号の一に該当するときは、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

 一 その意匠登録出願に係る意匠が第三条、第五条、第八条第二項、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項、第十五条第一項において準用する特許法第三十七条又は第六十八条第三項において準用する特許法第二十五条の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

 二 その意匠登録出願に係る意匠が条約の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

 三 その意匠登録出願が第七条に規定する要件をみたしていないとき。

 四 その意匠登録出願人が意匠の創作をした者でない場合において、その意匠について意匠登録を受ける権利を承継していないとき。


 (意匠登録の査定)

第十八条 審査官は、意匠登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、意匠登録をすべき旨の査定をしなければならない。


 (特許法の準用)

第十九条 特許法第四十七条第二項(審査官の資格)、第四十八条(審査官の除斥)、第五十条(拒絶理由の通知)、第五十三条(補正の却下)、第六十三条(査定の方式)及び第六十五条(訴訟との関係)の規定は、意匠登録出願の審査に準用する。

   第四章 意匠権

    第一節 意匠権


 (意匠権の設定の登録)

第二十条 意匠権は、設定の登録により発生する。

2 第四十二条第一項第一号の規定による第一年分の登録料の納付があつたときは、意匠権の設定の登録をする。

3 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を意匠公報に掲載しなければならない。

 一 意匠権者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては代表者の氏名

 二 意匠登録出願の番号及び年月日

 三 登録番号及び設定の登録の年月日

 四 願書及び願書に添附した図面、写真、ひな形又は見本の内容

4 第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に関する前項第四号に掲げる事項は、同項の規定にかかわらず、第十四条第一項の規定により指定した期間の経過後遅滞なく掲載するものとする。


 (存続期間)

第二十一条 意匠権の存続期間は、設定の登録の日から十五年をもつて終了する。


 (類似意匠の意匠権)

第二十二条 類似意匠の意匠権は、その類似意匠が類似する最先に意匠登録(類似意匠の意匠登録を除く。)を受けた意匠(以下「本意匠」という。)の意匠権と合体する。


 (意匠権の効力)

第二十三条 意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。ただし、その意匠権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。


 (登録意匠の範囲)

第二十四条 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面に記載され又は願書に添附した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない。

第二十五条 登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。

2 特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。

3 前項に規定するもののほか、判定に関する手続は、政令で定める。


 (他人の登録意匠等との関係)

第二十六条 意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠若しくはこれに類似する意匠、特許発明若しくは登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の特許権、実用新案権若しくは商標権若しくはその意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない。

2 意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠に類似する意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠若しくはこれに類似する意匠、特許発明若しくは登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権、特許権、実用新案権若しくは商標権若しくはその意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない。


 (専用実施権)

第二十七条 意匠権者は、その意匠権について専用実施権を設定することができる。

2 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。

3 特許法第七十七条第三項から第五項まで(移転等)、第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号及び第二項(登録の効果)の規定は、専用実施権に準用する。


 (通常実施権)

第二十八条 意匠権者は、その意匠権について他人に通常実施権を許諾することができる。

2 通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をする権利を有する。

3 特許法第七十三条第一項(共有)、第九十七条第三項(放棄)及び第九十九条(登録の効果)の規定は、通常実施権に準用する。


 (先使用による通常実施権)

第二十九条 意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をし、又は意匠登録出願に係る意匠を知らないでその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をした者から知得して、意匠登録出願の際(第十五条第一項において準用する特許法第四十条の規定により、又は第十九条において若しくは第五十二条において準用する特許法第百五十九条第一項において、若しくは第五十七条において準用する特許法第百七十四条第一項において準用する同法第百五十九条第一項において、それぞれ準用する同法第五十三条第四項の規定により、その意匠登録出願が手続補正書を提出した時にしたものとみなされたときは、もとの意匠登録出願の際又は手続補正書を提出した際)現に日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する。


 (無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)

第三十条 次の各号の一に該当する者であつて、第四十八条第一項の審判の請求の登録前に、意匠登録が同項各号の一に該当することを知らないで、日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、当該意匠権又はその意匠登録を無効にした際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

 一 同一又は類似の意匠についての二以上の意匠登録のうち、その一を無効にした場合における原意匠権者

 二 意匠登録を無効にして同一又は類似の意匠について正当権利者に意匠登録をした場合における原意匠権者

 三 前二号に掲げる場合において、第四十八条第一項の審判の請求の登録の際現にその無効にした意匠登録に係る意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての第二十八条第三項において準用する特許法第九十九条第一項の効力を有する通常実施権を有する者

2 当該意匠権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。


 (意匠権等の存続期間満了後の通常実施権)

第三十一条 意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該意匠権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

2 前項の規定は、意匠登録出願の日前又はこれと同日の出願に係る特許権又は実用新案権がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その特許権又は実用新案権の存続期間が満了したときに準用する。

第三十二条 意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその存続期間が満了した意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての第二十八条第三項において準用する特許法第九十九条第一項の効力を有する通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該意匠権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

2 前項の規定は、意匠登録出願の日前又はこれと同日の出願に係る特許権又は実用新案権がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その特許権又は実用新案権の存続期間が満了したときに準用する。

3 当該意匠権者又は専用実施権者は、前二項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。


 (通常実施権の設定の裁定)

第三十三条 意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が第二十六条に規定する場合に該当するときは、特許庁長官の許可を受けて、同条の他人に対しその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をするための通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、意匠権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。

3 特許庁長官は、前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第二十六条の他人の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。

4 特許法第八十四条、第八十五条第一項及び第八十六条から第九十一条まで(裁定の手続等)の規定は、第二項の裁定に準用する。


 (通常実施権の移転等)

第三十四条 通常実施権は、前条第二項、特許法第九十二条第二項又は実用新案法第二十二条第二項の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、意匠権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、意匠権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

2 通常実施権者は、前条第二項、特許法第九十二条第二項又は実用新案法第二十二条第二項の裁定による通常実施権を除き、意匠権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、意匠権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。

3 前条第二項、特許法第九十二条第二項又は実用新案法第二十二条第二項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該意匠権、特許権又は実用新案権に従つて移転し、その意匠権、特許権又は実用新案権が消滅したときは、消滅する。


 (質権)

第三十五条 意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができない。

2 特許法第九十六条(物上代位)の規定は、意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権に準用する。

3 特許法第九十八条第一項第三号及び第二項(登録の効果)の規定は、意匠権又は専用実施権を目的とする質権に準用する。

4 特許法第九十九条第三項(登録の効果)の規定は、通常実施権を目的とする質権に準用する。


 (特許法の準用)

第三十六条 特許法第六十九条(特許権の効力が及ばない範囲)、第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)、第九十七条第一項(放棄)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、意匠権に準用する。

    第二節 権利侵害


 (差止請求権)

第三十七条 意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

2 意匠権者又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。

3 第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権者又は専用実施権者は、その意匠に関し第二十条第三項各号に掲げる事項を記載した書面であつて特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告した後でなければ、第一項の規定による請求をすることができない。


 (侵害とみなす行為)

第三十八条 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ使用する物を業として製造し譲渡し貸し渡し譲渡若しくは貸渡のために展示し又は輸入する行為は、当該意匠権又は専用実施権を侵害するものとみなす。


 (損害の額の推定等)

第三十九条 意匠権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。

2 意匠権者又は専用実施権者は、故意又は過失により自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者に対し、その登録意匠又はこれに類似する意匠の実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。

3 前項の規定は、同項に規定する金額をこえる損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、意匠権又は専用実施権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。


 (過失の推定)

第四十条 他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。ただし、第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権又は専用実施権の侵害については、この限りでない。


 (特許法の準用)

第四十一条 特許法第百五条(書類の提出)及び第百六条(信用回復の措置)の規定は、意匠権又は専用実施権の侵害に準用する。

    第三節 登録料


 (登録料)

第四十二条 意匠権の設定の登録を受ける者又は意匠権者は、登録料として、第二十一条に規定する十五年の各年について、一年ごとに、次に掲げる金額を納付しなければならない。

 一 第一年から第三年まで    毎年六百円

 二 第四年から第十年まで    毎年千二百円

 三 第十一年から第十五年まで  毎年二千四百円

2 類似意匠の意匠登録を受ける者は、登録料として、一件ごとに、六百円を納付しなければならない。

3 前二項の規定は、国に属する意匠権には、適用しない。


 (登録料の納付期限)

第四十三条 前条第一項第一号の規定による第一年分の登録料又は同条第二項の登録料は、意匠登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない。

2 前条第一項の規定による第二年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。

3 特許庁長官は、登録料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、第一項に規定する期間を延長することができる。


 (登録料の追納)

第四十四条 意匠権者は、前条第二項に規定する期間内に登録料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。

2 前項の規定により登録料を追納する意匠権者は、第四十二条第一項の規定により納付すべき登録料のほか、その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。

3 意匠権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内にその登録料及び前項の割増登録料を納付しないときは、その意匠権は、前条第二項に規定する期間の経過の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。


 (特許法の準用)

第四十五条 特許法第百十条(利害関係人による特許料の納付)及び第百十一条(既納の特許料の返還)の規定は、登録料に準用する。

   第五章 審判


 (拒絶査定に対する審判)

第四十六条 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三十日以内に審判を請求することができる。

2 前項の審判を請求する者がその責に帰することができない理由により同項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。


 (補正の却下の決定に対する審判)

第四十七条 第十九条において準用する特許法第五十三条第一項の規定による却下の決定を受けた者は、その決定に不服があるときは、その決定の謄本の送達があつた日から三十日以内に審判を請求することができる。ただし、第十九条において準用する特許法第五十三条第四項に規定する新たな意匠登録出願をしたときは、この限りでない。

2 前条第二項の規定は、前項の審判の請求に準用する。


 (意匠登録の無効の審判)

第四十八条 意匠登録が次の各号の一に該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて審判を請求することができる。

 一 その意匠登録が第三条、第五条、第八条第二項、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項、第十五条第一項において準用する特許法第三十七条又は第六十八条第三項において準用する特許法第二十五条の規定に違反してされたとき。

 二 その意匠登録が条約に違反してされたとき。

 三 その意匠登録が意匠の創作をした者でない者であつてその意匠について意匠登録を受ける権利を承継しないものの意匠登録出願に対してされたとき。

 四 意匠登録がされた後において、その意匠権者が第六十八条第三項において準用する特許法第二十五条の規定により意匠権を享有することができない者になつたとき、又はその意匠登録が条約に違反することとなつたとき。

2 前項の審判は、意匠権の消滅後においても、請求することができる。

3 審判長は、第一項の審判の請求があつたときは、その旨を当該意匠権についての専用実施権者その他その意匠登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。

第四十九条 意匠登録が次に掲げる意匠についてされたときは、その意匠登録についての前条第一項の審判は、意匠権の設定の登録の日から五年を経過した後は、請求することができない。

 一 意匠登録出願前に外国において公然知られた意匠

 二 意匠登録出願前に外国において頒布された刊行物に記載された意匠

 三 意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が前二号に掲げる意匠に基いて容易に意匠の創作をすることができた場合における意匠

第五十条 意匠登録(類似意匠の意匠登録を除く。以下この項において同じ。)を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす。ただし、意匠登録が第四十八条第一項第四号に該当する場合において、その意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は、その意匠登録が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。

2 本意匠の意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その類似意匠の意匠登録は、無効になる。

3 類似意匠の意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したとき、又は前項の規定により類似意匠の意匠登録が無効になつたときは、類似意匠の意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす。ただし、類似意匠の意匠登録が第四十八条第一項第四号に該当する場合において、その類似意匠の意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したとき、又は本意匠の意匠登録が同号に該当する場合において、その本意匠の意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したことによりその類似意匠の意匠登録が前項の規定により無効になつたときは、類似意匠の意匠権は、その類似意匠の意匠登録又は本意匠の意匠登録が第四十八条第一項第四号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。


 (審査に関する規定の準用)

第五十一条 第十八条の規定は、第四十六条第一項の審判の請求を理由があるとする場合に準用する。ただし、次条において準用する特許法第百六十条第一項の規定によりさらに審査に付すべき旨の審決をするときは、この限りでない。

2 特許法第五十条(拒絶理由の通知)の規定は、第四十六条第一項の審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。


 (特許法の準用)

第五十二条 特許法第百三十一条第一項及び第二項、第百三十二条から第百五十四条まで、第百五十五条第一項及び第二項、第百五十六条から第百五十八条まで、第百五十九条第一項、第百六十条第一項及び第二項、第百六十一条から第百六十三条まで並びに第百六十七条から第百七十条まで(審判の請求、審判官、審判の手続、訴訟との関係及び審判における費用)の規定は、審判に準用する。

   第六章 再審、訴願及び訴訟


 (再審の請求)

第五十三条 確定審決に対しては、その当事者は、再審を請求することができる。

2 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)第四百二十条第一項及び第二項並びに第四百二十一条(再審の理由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。

第五十四条 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。

2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。


 (再審により回復した意匠権の効力の制限)

第五十五条 無効にした意匠登録に係る意匠権が再審により回復したときは、意匠権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し又は日本国内において製造し若しくは取得した当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品には、及ばない。

2 無効にした意匠登録に係る意匠権が再審により回復したときは、意匠権の効力は、次に掲げる行為には、及ばない。

 一 当該審決が確定した後再審の請求の登録前における当該意匠又はこれに類似する意匠の善意の実施

 二 当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ使用する物を当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に製造し譲渡し貸し渡し譲渡若しくは貸渡のために展示し又は輸入した行為

第五十六条 無効にした意匠登録に係る意匠権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた意匠登録出願について再審により意匠権の設定の登録があつたときは、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠権について通常実施権を有する。


 (特許法の準用)

第五十七条 特許法第百七十三条(再審の請求期間)並びに第百七十四条第一項から第三項まで及び第五項(審判の規定等の準用)の規定は、再審に準用する。


 (訴願)

第五十八条 この法律又はこの法律に基く命令の規定により行政庁がした処分(補正の却下の決定、査定、審決及び審判又は再審の請求書の却下の決定を除く。)に不服がある者は、通商産業大臣に訴願することができる。ただし、この法律の規定により不服を申し立てることができないこととされているときは、この限りでない。


 (審決等に対する訴)

第五十九条 審決に対する訴、第五十二条において、又は第五十七条において準用する特許法第百七十四条第一項において、それぞれ準用する同法第百五十九条第一項において準用する同法第五十三条第一項の規定による却下の決定に対する訴及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴は、東京高等裁判所の専属管轄とする。

2 特許法第百七十八条第二項から第六項まで(出訴期間等)及び第百七十九条から第百八十二条まで(被告適格、出訴の通知、審決又は決定の取消及び裁判の正本の送付)の規定は、前項の訴に準用する。


 (対価の額についての訴)

第六十条 第三十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴を提起してその額の増減を求めることができる。

2 特許法第百八十三条第二項から第四項まで(出訴期間)及び第百八十四条第二号(被告適格)の規定は、前項の訴に準用する。

   第七章 雑則


 (意匠原簿への登録)

第六十一条 次に掲げる事項は、特許庁に備える意匠原簿に登録する。

 一 意匠権の設定、移転、消滅又は処分の制限

 二 専用実施権又は通常実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限

 三 意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限

2 この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。


 (意匠登録証の交付)

第六十二条 特許庁長官は、意匠権の設定の登録があつたときは、意匠権者に対し、意匠登録証を交付する。

2 意匠登録証の再交付については、通商産業省令で定める。


 (証明等の請求)

第六十三条 何人も、特許庁長官に対し、意匠登録に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付又は書類、ひな形若しくは見本の閲覧若しくは謄写を請求することができる。ただし、次に掲げる書類、ひな形又は見本については、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、この限りでない。

 一 願書又は願書に添附した図面、写真、ひな形若しくは見本であつて、意匠登録がされていないもの

 二 第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に関する書類、ひな形又は見本

 三 第四十六条第一項の審判に係る書類であつて、当該事件に係る意匠登録出願について意匠登録がされていないもの

 四 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるもの


 (意匠登録表示)

第六十四条 意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、通商産業省令で定めるところにより、登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る物品又はその物品の包装にその物品が登録意匠又はこれに類似する意匠に係る旨の表示(以下「意匠登録表示」という。)を附するように努めなければならない。


 (虚偽表示の禁止)

第六十五条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る物品以外の物品又はその物品の包装に意匠登録表示又はこれと紛らわしい表示を附する行為

 二 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品以外の物品であつて、その物品又はその物品の包装に意匠登録表示又はこれと紛らわしい表示を附したものを譲渡し、貸し渡し、又は譲渡若しくは貸渡のために展示する行為

 三 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品以外の物品を製造させ若しくは使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその物品が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為


 (意匠公報)

第六十六条 特許庁は、意匠公報を発行する。

2 意匠公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。

 一 意匠権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第四十四条第三項の規定によるものを除く。)

 二 審判若しくは再審の請求若しくはその取下又は審判若しくは再審の確定審決

 三 裁定の請求若しくはその取下又は裁定

 四 第五十九条第一項の訴についての確定判決


 (手数料)

第六十七条 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

2 前項の規定は、別表の中欄に掲げる者が国であるときは、適用しない。

3 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。

4 前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない。


 (特許法の準用)

第六十八条 特許法第三条から第五条まで(期間及び期日)の規定は、この法律に規定する期間及び期日に準用する。

2 特許法第六条から第二十四条まで及び第百九十四条(手続)の規定は、意匠登録出願、請求その他意匠登録に関する手続に準用する。

3 特許法第二十五条(外国人の権利の享有)の規定は、意匠権その他意匠登録に関する権利に準用する。

4 特許法第二十六条(条約の効力)の規定は、意匠登録に準用する。

5 特許法第百八十九条から第百九十二条まで(送達)の規定は、この法律の規定による送達に準用する。

   第八章 罰則


 (侵害の罪)

第六十九条 意匠権又は専用実施権を侵害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は、告訴をまつて論ずる。


 (詐欺の行為の罪)

第七十条 詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。


 (虚偽表示の罪)

第七十一条 第六十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。


 (偽証等の罪)

第七十二条 この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。

2 前項の罪を犯した者が事件の査定又は審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。


 (秘密を漏らした罪)

第七十三条 特許庁の職員又はその職にあつた者がその職務に関して知得した意匠登録出願中の意匠に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 (両罰規定)

第七十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十九条第一項、第七十条又は第七十一条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

 (過料)

第七十五条 第五十二条において、又は第五十七条において準用する特許法第百七十四条第一項から第三項までにおいて、それぞれ準用する同法第百五十一条において準用する民事訴訟法第二百六十七条第二項又は第三百三十六条の規定により宣誓した者が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述をしたときは、五千円以下の過料に処する。

第七十六条 この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から呼出を受けた者が、正当な理由がないのに出頭せず、又は宣誓、陳述、証言、鑑定若しくは通訳を拒んだときは、五千円以下の過料に処する。

第七十七条 証拠調又は証拠保全に関し、この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から書類その他の物件の提出又は提示を命じられた者が正当な理由がないのにその命令に従わなかつたときは、五千円以下の過料に処する。


   附 則

 この法律の施行期日は、別に法律で定める。

別表

 

納付しなければならない者

金額

意匠登録出願をする者

一件につき千二百円(類似意匠にあつては、六百円)

第十四条第一項の規定により意匠を秘密にすることを請求する者

一件につき四百円(類似意匠にあつては、二百円)

第十四条第四項の規定により意匠を示すべきことを求める者

一件につき二百円

第十五条第二項において準用する特許法第三十四条第四項の規定により承継の届出をする者

一件につき四百円(類似意匠にあつては、二百円)

第二十五条第一項の規定により判定を求める者

一件につき三千円

裁定を請求する者

一件につき四千円

裁定の取消を請求する者

一件につき二千円

第四十三条第三項若しくは第六十八条第一項において準用する特許法第四条若しくは第五条第一項の規定による期間の延長又は第六十八条第一項において準用する特許法第五条第二項の規定による期日の変更を請求する者

一件につき三百円

審判又は再審を請求する者

一件につき四千円

審判又は再審への参加を申請する者

一件につき四千円

十一

意匠登録証の再交付を請求する者

一件につき四百円(類似意匠にあつては、二百円)

十二

第六十三条の規定により証明を請求する者

一件につき二百円

十三

第六十三条の規定により書類の謄本又は抄本の交付を請求する者

謄本又は抄本一枚につき八十円(外国文の書類は百語又は百語未満につき八十円、書類中図面があるときは図面一枚につき三千円、写真によるときは一枚につき五百円、特許庁の発行に係る印刷物を謄本又は抄本とするときはその印刷物の価格に六十円を加えた額)

十四

第六十三条の規定により書類、ひな形又は見本の閲覧又は謄写を請求する者

一件につき八十円(意匠原簿にあつては、四十円)

(法務・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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