農業共済基金法
法律第二百二号(昭二七・六・二〇)
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 設立(第七条―第十三条)
第三章 会員(第十四条―第十七条)
第四章 管理(第十八条―第三十二条)
第五章 業務(第三十三条―第三十六条)
第六章 会計(第三十七条―第四十条)
第七章 監督(第四十一条―第四十四条)
第八章 補則(第四十五条―第五十条)
第九章 罰則(第五十一条―第五十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)による農業共済組合連合会の保険収支の長期均衛性にかんがみ、農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済について、その保険金の支払に必要な資金の供給を円滑にするため、農業共済基金を設立し、もつて農業災害補償事業の健全な運営を図ることを目的とする。
(人格)
第二条 農業共済基金(以下「基金」という。)は、法人とする。
(名称の使用制限)
第三条 基金でない者は、農業共済基金という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。
(主たる事務所)
第四条 基金の主たる事務所は、東京都に置く。
2 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(資本金)
第五条 基金の資本金は、三十億円とする。
2 政府は、十五億円を基金に出資しなければならない。
(登記)
第六条 基金は、政令の定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第二章 設立
(設立委員)
第七条 農業共済組合連合会(以下「連合会」という。)は、省令の定めるところにより、設立準備会を開き、設立委員を選任しなければならない。
2 前項の設立準備会の議事は、三分の二以上の連合会が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。
3 設立委員の数は、八人以上とし、そのうち少くとも半数は、連合会の理事でなければならない。
4 第十六条第一項の規定は、設立準備会について準用する。
(創立総会)
第八条 設立委員は、定款案を作成し、これを創立総会の日時及び場所とともに、その会日の二週間前までに各連合会に通知して、省令で定める期日までに創立総会を開かなければならない。
2 定款その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
3 創立総会の議事は、半数以上の連合会が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。
4 第十六条第一項の規定は、創立総会について準用する。
(設立の認可)
第九条 設立委員は、創立総会の終了後遅滞なく、定款を農林大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
2 設立委員は、農林大臣の要求があつたときは、設立に関する報告書を提出しなければならない。
(理事長への事務引渡)
第十条 前条第一項の認可があつたときは、設立委員は、遅滞なくその事務を理事長に引き渡すとともにその旨を農林大臣に報告しなければならない。
(出資の払込)
第十一条 理事長は、前条の規定による事務の引渡を受けたときは、連合会にその出資の第一回の払込をすべき旨の通知をしなければならない。
2 政府は、前条の規定による報告を受けたときは、遅滞なく第五条第二項の出資金の全額を払い込まなければならない。
(設立登記の申請)
第十二条 理事長は、政府の出資の払込があつたときは、遅滞なく設立の登記の申請をしなければならない。
(成立の時期)
第十三条 基金は、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることによつて成立する。
第三章 会員
(全連合会の加入)
第十四条 基金が成立したときは、連合会は、すべて基金の会員となる。
(出資)
第十五条 会員が出資すべき金額は、合計十五億円とし、その会員別の配分は、定款で定める。
2 前項の規定による出資金の配分は、第一号に掲げる金額の会員相互間の割合を基準としてしなければならない。但し、出資金の一部は、第二号に掲げる金額の会員相互間の割合を基準として配分し、又は各会員に平等に配分することができる。
一 会員ごとに、農作物共済及び蚕繭共済について、共済目的の種類別に、それぞれイによつて算出した金額と、死亡廃用共済のうち省令で定める家畜に係るものについて、共済目的の種類別に、それぞれロによつて算出した金額とを合計した金額
イ 省令で定める一定期間につき、その期間内の各事業年度の被害率のうち昭和二十七事業年度に適用すべき通常共済掛金標準率をこえる部分を計算し、これを合計した率を、省令で定めるところにより算出される推定総保険金額に乗じて得た金額。但し、その被害率が昭和二十七事業年度に適用すべき通常標準被害率をこえる事業年度については、当該通常標準被害率をその被害率とみなして計算する。
ロ 省令で定める一定期間につき、その期間内の各事業年度の被害率のうち、省令の定めるところにより、昭和二十七事業年度に適用すべき地域別の共済掛金標準率に基いて算出した率をこえる部分を計算し、これを合計した率を省令で定めるところにより算出される推定総保険金額に乗じて得た金額
二 会員ごとに、農作物共済、蚕繭共済及び死亡廃用共済のうち省令で定める家畜に係るものについて共済目的の種類別に省令で定めるところにより算出される推定総保険金額を合計した金額
3 会員は、定款の定めるところにより、出資の払込をしなければならない。
4 前項の規定による払込は分割の方法によつてするものとし、第一回の払込は、払込金の総額が一億円をこえない範囲内においてするものとする。
5 会員は、出資の払込について、相殺をもつて基金に対抗することができない。
6 会員の責任は、その出資額を限度とする。
(議決権)
第十六条 会員は、各々一箇の議決権を有する。
2 会員は、定款の定めるところにより、第二十五条第二項の規定によりあらかじめ通知のあつた事項につき、他の会員を代理人として議決権を行うことができる。
3 前項の規定により議決権を行う者は、出席者とみなす。
4 代理人は、二以上の会員を代理することができない。
5 代理人は、代理権を証する書面を基金に差し出さなければならない。
(持分の譲渡禁止)
第十七条 会員の持分は、譲渡することができない。
第四章 管理
(定款)
第十八条 基金の定款には、左の事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 業務
四 事務所の所在地
五 資本金の総額
六 出資に関する規定
七 会員に関する規定
八 役員に関する規定
九 総会及び運営委員会に関する規定
十 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定
十一 準備金に関する規定
十二 事業年度
十三 公告の方法
(役員)
第十九条 基金に、役員として理事長一人、理事三人、監事二人を置く。
(役員の職務及び権限)
第二十条 理事長は、基金を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、定款の定めるところにより、基金を代表し、理事長を補佐して基金の事務を掌理し、理事長に事故があるときには理事長の職務を代理し、理事長が欠員のときには理事長の職務を行う。
3 監事は、基金の業務を監査する。
(役員の選任及び任期)
第二十一条 役員は、定款の定めるところにより、総会で選任する。但し、設立当初の役員は、創立総会で選任する。
2 理事長又は設立委員は、前項の規定による役員の選任があつたときは、遅滞なく、これについて農林大臣に認可を申請しなければならない。
3 役員の選任は、前項の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 役員が欠員となつたときは、遅滞なく補欠の役員を選任しなければならない。
5 役員の任期は、三年とする。但し、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
(役員の退任)
第二十二条 役員は、左に掲げる場合には、その職を失う。
一 任期が満了したとき。
二 辞任の申出につき、総会の承認があり、農林大臣がこれを認可したとき。
三 総会でその解任の議決があり、農林大臣がこれを認可したとき。
四 第四十四条第二項の規定により解任されたとき。
2 第三十条第二項の規定は、前項第三号の解任の議決に準用する。
(役員の兼職禁止)
第二十三条 理事長又は理事は、監事と相兼ねてはならない。
(理事長及び理事の自己契約等の禁止)
第二十四条 基金が理事長又は理事と契約をするときは、監事が、基金を代表する。基金と理事長又は理事との訴訟についても、また同様とする。
(会員に対する通知又は催告)
第二十五条 基金が会員に対してする通知又は催告は、会員名簿に記載したその会員の住所にあてれば足りる。
2 総会の招集の通知は、その会日の十日前までに、その会議の目的たる事項を示してしなければならない。
3 前項の通知は、通常到達すべきであつた時に、到達したものとみなす。
(定款その他の書類の備付及び閲覧)
第二十六条 理事長は、定款を各事務所に備えて置き、且つ、会員名簿及び総会の議事録を主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 会員及び債権者は、前項に掲げる書類の閲覧を求めることができる。
(決算関係書類の提出、備付及び閲覧)
第二十七条 理事長は、通常総会の会日の七日前までに、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失金処理案を監事に提出し、且つ、これらを主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 会員及び債権者は、前項に掲げる書類の閲覧を求めることができる。
3 理事長は、第一項に掲げる書類を通常総会に提出するときは、監事の意見書を添附しなければならない。
(民法の準用)
第二十八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)、第五十三条から第五十六条まで(理事の代表権、仮理事)、第六十条(通常総会)及び第六十一条(臨時総会)の規定は、役員に準用する。この場合において、同法第四十四条、第五十三条及び第五十五条中「理事」とあるのは「理事長及理事」と、同法第五十六条中「裁判所」とあるのは「農林大臣」と、同法第六十条及び第六十一条中「理事」とあるのは「理事長」と読み替えるものとする。
(運営委員会)
第二十九条 基金に運営委員会を置く。
2 運営委員会は、定款の定めるところにより、業務の運営に関する重要事項につき、理事長の諮問に応ずるものとする。
3 運営委員会は、委員十三人で組織する。
4 委員は、会員を代表する者八人及び基金の業務に関し学識経験を有する者五人をもつて充てる。
5 委員は、役員と相兼ねてはならない。
6 第二十一条第一項の規定は、委員の選任に準用する。
7 委員の任期及び退任については、定款の定めるところによる。
(総会の議決)
第三十条 左の事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 業務報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失金処理案
2 定款変更の議決は、総会員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数によらなければならない。
3 定款の変更及び剰余金処分案又は損失金処理案は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第三十一条 総会の議事は、この法律又は定款に特別の定がある場合を除いて、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会で選任する。
3 議長は、会員として総会の議決に加わる権利を有しない。
(民法の準用)
第三十二条 民法第六十四条(総会の決議事項)及び第六十六条(表決権のない場合)の規定は、総会に準用する。
第五章 業務
(業務の範囲)
第三十三条 基金は、第一条に掲げる目的を達成するため、左の業務を行う。
一 農作物共済、蚕繭共済又は家畜共済に係る保険金の支払に関して会員が必要とする資金の貸付
二 農作物共済、蚕繭共済又は家畜共済に係る保険金の支払に関して会員が負担する債務の保証
三 前二号の業務に附帯する業務
(業務方法書)
第三十四条 基金は、業務開始の際、業務方法書を定め、これを農林大臣に提出してその認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、また同様とする。
2 前項の業務方法書には、資金の貸付の方法、利率及び期限、元利金の回収の方法、業務の委託の要領、余裕金の運用の方法その他省令で定める事項を記載しなければならない。
(業務の委託)
第三十五条 基金は、農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関に対し、省令の定めるところにより、その業務の一部を委託することができる。
2 農林中央金庫は、農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)第十六条の規定にかかわらず、前項の規定により委託された業務を行うことができる。
3 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第一号及び第二号の業務をあわせ行う農業協同組合連合会は、同条第五項の規定にかかわらず、第一項の規定により委託された業務を行うことができる。
(貸付金等の使用)
第三十六条 会員は、基金から貸付を受けた資金又は基金の保証に係る借入金を農作物共済、蚕繭共済又は家畜共済に係る保険金の支払以外の目的に使用してはならない。
2 会員が前項の規定に違反して資金又は借入金を他の目的に使用したときは、基金は、定款の定めるところにより、当該会員に対し、貸付金の弁済期前の償還、違約金の納付その他の措置をとるべきことを請求することができる。
第六章 会計
(予算の承認)
第三十七条 基金は、事業年度ごとに、省令の定めるところにより、収入及び支出の予算を定めて、当該事業年度の開始前にこれを農林大臣に提出し、その承認を受けなければならない。これに変更を加えようとするときもまた同様とする。
(損失てん補準備金)
第三十八条 基金は、定款で定める額に達するまでは、毎事業年度、剰余金の十分の一以上を損失てん補準備金として積み立てなければならない。
2 前項の準備金は、損失のてん補に充てる場合を除いては、取りくずしてはならない。
(特別積立金)
第三十九条 基金は、前条第一項の準備金を積み立ててなお剰余があるときは、すべてこれを特別積立金として積み立てなければならない。
2 前項の積立金の処分については、別に法律で定める。
(余裕金の運用)
第四十条 基金は、左の方法以外の方法によりその業務上の余裕金を運用してはならない。
一 農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関への預金
二 国債証券、地方債証券又は農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関の発行する債券の保有
第七章 監督
(報告及び検査)
第四十一条 農林大臣は、必要があると認めるときは、基金若しくは第三十五条第一項の規定により委託を受けた者(以下「受託者」という。)に対して報告をさせ、又はその職員に基金若しくは受託者の事務所に立ち入り、業務若しくは会計の状況を検査させることができる。但し、受託者に対しては、その委託された業務の範囲内に限る。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(法令等の違反に対する措置)
第四十二条 農林大臣は、前条第一項の規定による検査の結果、基金の業務又は会計が、法令、法令に基いてする行政庁の処分又は定款若しくは業務方法書に違反すると認めるときは、基金に対し、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
(議決の取消)
第四十三条 農林大臣は、総会の招集手続又は議決の方法が法令、法令に基いてする行政庁の処分又は定款に違反すると認めるときは、議決の日から一箇月以内にその議決を取り消すことができる。
(役員の改選命令)
第四十四条 農林大臣は、基金が第四十二条の命令に違反したとき又は基金の役員が法令、法令に基いてする行政庁の処分、定款若しくは業務方法書に違反したときは、基金に対し、期間を指定して、その役員の全部又は一部の改選を命ずることができる。
2 農林大臣は、基金が前項の命令に違反したときは、同項の命令に係る役員を解任することができる。
第八章 補則
(連合会のきよ出金の徴収)
第四十五条 連合会は、その基金に対する出資金の額の範囲内で、定款で会員別に定める金額のきよ出金を、定款の定めるところにより、当該会員から徴収することができる。
2 前項の規定によるきよ出金の各会員への配分は、各会員の農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済のうち省令で定める家畜に係るものについて、共済目的の種類別に省令の定めるところにより算出される推定総共済金額に、それぞれ昭和二十七事業年度に適用すべき基準共済掛金率(家畜共済にあつては、共済掛金標準率)を乗じて得た金額を会員ごとに合計した額の会員相互間の割合を基準としてしなければならない。但し、きよ出金の一部は、各会員に平等に配分することができる。
3 農業災害補償法第九十条(共済掛金等の相殺の禁止)の規定は、第一項の規定によるきよ出金の徴収に準用する。
4 連合会は、前三項の規定によるきよ出をさせたときは、その詳細を記載した書類を主たる事務所に備えて置かなければならない。
(組合のきよ出金の徴収)
第四十六条 組合は、前条の規定によりきよ出すべき金額の範囲内で定款の定めるところにより決定される額のきよ出金を、省令の定めるところにより、組合員から徴収することができる。
2 前項の規定によるきよ出金の各組合員への配分は、各組合員の農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済について共済目的の種類別に省令で定めるところにより算出される推定共済掛金額の合計額の組合員相互間の割合を基準としてしなければならない。但し、きよ出金のうち省令で定める割合をこえない部分については、各組合員に平等に配分することができる。
3 農業災害補償法第九十条(共済掛金等の相殺の禁止)及び第百八条(共済掛金の滞納処分)並びに前条第四項の規定は、第一項の場合に準用する。
(特別きよ出金の徴収)
第四十七条 組合が前条第一項の規定による最初のきよ出金の額を決定した後に組合に加入した者は、省令の定めるところにより、その加入の時までに他の組合員が同項の規定によりきよ出すべきものと定められた金額に相応する額の特別きよ出金を組合に納付しなければならない。
2 組合は、前項の規定により納付された特別きよ出金を遅滞なく連合会に納付しなければならない。
3 前条第三項の規定は、第一項の場合に準用する。
(きよ出金払いもどし準備金)
第四十八条 連合会は、前条第二項の規定により納付された特別きよ出金をきよ出金払いもどし準備金として積み立てなければならない。
2 きよ出金払いもどし準備金は、次条第三項の規定による交付金に充てる場合及び省令で定める場合を除いては、取りくずしてはならない。
(きよ出金の払いもどし等)
第四十九条 組合員が脱退したときは、組合は、当該事業年度の終においてその組合員が納付したきよ出金又は特別きよ出金に相当する金額を払いもどさなければならない。
2 組合は、前項の規定による払いもどしに充てるため必要な額の資金を交付すべきことを連合会に請求することができる。
3 連合会は、前項の規定による請求があつたときは、その請求に係る額の資金を当該組合に交付しなければならない。
4 連合会は、前項の規定により資金を交付する場合において、きよ出金払いもどし準備金をこれに充ててなお不足するときは、基金に対しその不足する額の資金を交付すべきことを請求することができる。
5 基金は、前項の規定による請求があつたときは、その請求に係る資金を当該連合会に交付しなければならない。
(基金の解散及び清算)
第五十条 基金の解散及び清算については、別に法律で定める。
第九章 罰則
第五十一条 基金又は受託者の役員又は職員が第四十一条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、三万円以下の罰金に処する。
第五十二条 左の場合には、その違反行為をした基金の役員を三万円以下の過料に処する。
一 第三十四条第一項の規定による認可又は第三十七条の規定による承認を受けなかつたとき。
二 この法律又はこの法律に基く政令の規定による登記を怠り、又は不実の登記をしたとき。
三 第二十六条第一項若しくは第二十七条第一項の規定に違反して書類を備えて置かず、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をし、又は正当な理由がないのに第二十六条第二項若しくは第二十七条第二項の規定による閲覧を拒んだとき。
四 第二十八条で準用する民法第六十条の規定に違反したとき。
五 基金の業務の範囲外の業務を行つたとき。
六 第三十八条又は第三十九条第一項の規定に違反したとき。
七 第四十条の規定に違反したとき。
第五十三条 左の場合には、組合又は連合会の役員を三万円以下の過料に処する。
一 第四十五条第四項(第四十六条第三項又は第四十七条第三項で準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
二 第四十七条第二項の規定に違反したとき。
三 第四十八条の規定に違反したとき。
第五十四条 第三条の規定に違反した者は、三万円以下の過料に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項第二号中「リ 削除」を「リ 農業共済基金法(昭和二十七年法律第二百二号)」に改める。
3 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第五号ノ二の次に次の一号を加える。
五ノ三 農業共済基金ノ発スル証書、帳簿
4 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第四号中「農業共済組合及び同連合会」の下に「、農業共済基金」を加える。
5 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「食糧営団、」の下に「農業共済基金、」を、「食糧管理法、」の下に「農業共済基金法、」を加える。
6 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第十二号中「農業共済組合及び同連合会」の下に「、農業共済基金」を加える。
7 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二百九十六条中「農業共済組合連合会、」の下に「農業共済基金、」を、第七百四十三条第五号中「農業共済組合連合会、」の下に「農業共済基金、」を加える。
8 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表乙号中「八 削除」を「八 農業共済基金及農業共済基金法(昭和二十七年法律第二百二号)第三十五条第一項ノ規定ニ依ル委託ヲ受ケ農業共済基金ノ業務ヲ行フ金融機関」に改める。
(大蔵・農林・内閣総理大臣署名)