地方公務員災害補償法の一部を改正する法律

法律第六十一号(平八・六・七)

 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

 第五十一条第一項及び第二項中「行なう」を「行う」に改め、同条第四項中「又は」を「並びに第二項又は第三項の」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「第一項及び第二項」に、「又は」を「並びに前二項の」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、支部審査会が審査請求を棄却したものとみなして、審査会に対して再審査請求をすることができる。

 第五十二条の前の見出しを削り、同条に見出しとして「(審査会及び支部審査会)」を付する。

 第五十三条に見出しとして「(審査会の組織)」を付し、同条第一項中「五人」を「六人」に改め、同条第六項中「行なう」を「行う」に改め、同条の次に次の三条を加える。

 (合議体)

第五十三条の二 審査会は、委員のうちから審査会が指定する者三人をもつて構成する合議体で、審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件を取り扱う。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件を取り扱う。

 一 前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合

 二 前項の合議体を構成する者の意見が分かれたため、その合議体としての意見が定まらない場合

 三 前二号に掲げる場合のほか、審査会が定める場合

第五十三条の三 前条第一項又は第二項の合議体を構成する者を審査員とし、うち一人を審査長とする。

2 前条第一項の合議体のうち、会長がその構成に加わるものにあつては、会長が審査長となり、その他のものにあつては、審査会の指定する委員が審査長となる。

3 前条第二項の合議体にあつては、会長が審査長となり、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、第五十三条第六項の規定により会長のあらかじめ指定する委員が審査長となる。

第五十三条の四 第五十三条の二第一項の合議体は、これを構成するすべての審査員の、同条第二項の合議体は、四人以上の審査員の出席がなければ、会議を開き、及び議決することができない。

2 第五十三条の二第一項の合議体の議事は、その合議体を構成する審査員の過半数をもつて決する。

3 第五十三条の二第二項の合議体の議事は、出席した審査員のうちの三人以上の者の賛成をもつて決し、可否それぞれ三人のときは、審査長の決するところによる。

 第五十四条に見出しとして「(委員会議)」を付し、同条第二項中「審査会」を「委員会議」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項中「審査会」を「委員会議」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  審査会の会務の処理(審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件の取扱いを除く。)は、委員の全員の会議(次項及び第三項において「委員会議」という。)の議決によるものとする。

 第五十五条に見出しとして「(支部審査会の組織及び運営)」を付し、同条第三項中「及び前条」を「並びに前条第二項及び第三項」に改め、同項に後段として次のように加える。

  この場合において、前条第二項及び第三項中「委員会議」とあるのは「支部審査会」と読み替えるものとする。

 第五十六条に次のただし書を加える。

  ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。

 一 第五十一条第一項に規定する審査請求又は同条第二項若しくは第三項に規定する再審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しても裁決がないとき。

 二 第五十一条第一項に規定する審査請求又は同条第二項若しくは第三項に規定する再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成八年七月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた地方公務員災害補償法第五十一条第二項の審査請求のうち、施行日の前日において当該審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しており、かつ、施行日の前日までに地方公務員災害補償基金支部審査会の決定がないもの(次項において「未決定の三箇月経過審査請求」という。)に係る処分の取消しの訴えについては、改正後の地方公務員災害補償法(以下「新法」という。)第五十六条の規定にかかわらず、その取消しの訴えを提起することができる。ただし、当該処分について、その取消しの訴えを提起する前に、新法第五十一条第三項の規定による再審査請求をしたときは、この限りでない。

2 未決定の三箇月経過審査請求に係る処分について、その取消しの訴えが施行日前に提起されていたとき又は前項の規定により提起されたときは、当該未決定の三箇月経過審査請求については、新法第五十一条第三項の規定は適用しない。

3 この法律の施行に伴い新たに任命される地方公務員災害補償基金審査会の委員の任期は、新法第五十三条第三項の規定にかかわらず、平成十年二月九日までとする。

z(自治・内閣総理大臣署名)

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