政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(衆法)

法律第百六号(平六・一一・二五)

目次

 第一章 総則(第一条―第四条)

 第二章 法人の設立等(第五条―第八条)

 第三章 法人の管理(第九条)

 第四章 法人の解散等(第十条―第十二条)

 第五章 税法上の特例(第十三条)

 第六章 雑則(第十四条・第十五条)

 第七章 罰則(第十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、議会制民主政治における政党の機能及び社会的責務の重要性にかんがみ、政党が財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務を運営することに資するため、政党交付金の交付を受ける政党等に法律上の能力を与え、政党の政治活動の健全な発達の促進を図り、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

 (解釈規定)

第二条 この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。

 (定義)

第三条 この法律において「政党」とは、政治団体(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第一項に規定する政治団体をいう。以下同じ。)のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 一 当該政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を五人以上有するもの

 二 前号の規定に該当する政治団体に所属していない衆議院議員又は参議院議員を有するもので、直近において行われた衆議院議員の総選挙(以下単に「総選挙」という。)における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた参議院議員の通常選挙(以下単に「通常選挙」という。)若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の二以上であるもの

2 前項各号の規定は、他の政党(政治資金規正法第六条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により政党である旨の届出をしたものに限る。)に所属している衆議院議員又は参議院議員が所属している政治団体については、適用しない。

 (法人格の取得等)

第四条 中央選挙管理会の確認を受けた政党は、その主たる事務所の所在地において登記することにより、法人となる。

2 この法律の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

   第二章 法人の設立等

 (確認)

第五条 政党は、次に掲げる事項を中央選挙管理会に届け出て、中央選挙管理会の確認を受けることができる。

 一 名称

 二 目的

 三 主たる事務所の所在地

 四 代表権を有する者の氏名及び住所

 五 解散の事由を定めたときは、その事由

 六 所属する衆議院議員又は参議院議員の氏名、住所及び衆議院の小選挙区選出議員若しくは比例代表選出議員又は参議院の比例代表選出議員若しくは選挙区選出議員の別並びに当該衆議院議員又は参議院議員が選出された選挙の期日

 七 第三条第一項第二号に該当する政党としてこの項の規定による届出をするものにあっては、直近において行われた総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた通常選挙若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙の比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政党の得票総数

2 政党は、前項各号に掲げる事項を届け出る場合には、次に掲げる文書を併せて提出しなければならない。

 一 綱領その他の当該政党の目的、基本政策等を記載した文書

 二 党則、規約その他の当該政党の組織、管理運営等に関する事項を記載した文書(以下「党則等」という。)

 三 当該政党に所属する衆議院議員又は参議院議員としてその氏名その他の前項第六号に掲げる事項を記載されることについての当該衆議院議員又は参議院議員の承諾書及び当該政党以外の政党に所属していないことを当該衆議院議員又は参議院議員が誓う旨の宣誓書

3 第一項の規定による届出に係る文書の様式その他の必要な事項は、自治省令で定める。

 (届出に関する説明聴取等)

第六条 中央選挙管理会は、前条第一項の規定による届出書若しくは当該届出書に併せて提出する文書(以下「届出書等」という。)に形式上の不備があり、又はこれらに記載すべき事項の記載が不十分であると認めるときは、当該届出書等を提出した者に対して、説明を求め、又は当該届出書等の訂正を命ずることができる。

 (設立の登記等)

第七条 政党は、第五条第一項の規定による中央選挙管理会の確認を受けた日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をしなければならない。

2 前項の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 一 名称

 二 目的

 三 主たる事務所

 四 代表権を有する者の氏名及び住所

 五 解散の事由を定めたときは、その事由

3 前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。

 (民法及び非訟事件手続法の準用)

第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十三条、第四十四条第一項、第四十八条及び第五十条の規定は第四条第一項の規定による法人である政党又は政治団体(以下「法人である政党等」という。)について、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百十七条第一項、第百十九条から第百二十一条まで及び第百二十四条の規定は前条第一項及び第三項の規定による登記並びに法人である政党等の主たる事務所の移転の登記について、それぞれ準用する。この場合において、民法第四十三条中「定款又ハ寄附行為」とあるのは「綱領等」と、同法第四十四条第一項中「理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、同法第四十八条第一項中「二週間内」とあるのは「二週間以内」と、「第四十六条第一項ニ定メタル登記ヲ為シ其他ノ事務所ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ三週間内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ四週間内ニ第四十六条第一項」とあるのは「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条第二項」と、非訟事件手続法第百二十条中「定款、理事ノ資格ヲ証スル書面及ビ主務官庁(其権限ノ委任ヲ受ケタル行政庁ヲ含ム次条ニ於テ之ニ同ジ)ノ許可書又ハ其認証アル謄本」とあるのは「中央選挙管理会ノ確認ヲ受ケタルコトヲ証スル書面」と、同法第百二十一条中「登記事項ノ変更ヲ証スル書面」とあるのは「登記事項ノ変更アリタルコトヲ証スル代表権ヲ有スル者ノ記名押印シタル書面(代表権ヲ有スル者ノ変更ノ場合ニ於テハ当該変更アリタルコトヲ証スル他ノ代表権ヲ有スル者ノ記名押印シタル書面(他ニ当該書面ヲ作成シ得ベキ代表権ヲ有スル者ナキトキハ当該変更アリタルコトヲ証スル代表権ヲ有シタル者及ビ代表権ヲ有スルニ至リタル者ノ記名押印シタル書面))」と、同法第百二十四条中「同法第五十五条第一項、第五十六条乃至第五十九条、第六十二条及ビ第六十三条」とあるのは「同法第五十五条第一項及ビ第五十六条乃至第五十九条」と読み替えるものとする。

   第三章 法人の管理

第九条 民法第五十二条第一項、第五十三条、第五十四条、第五十七条、第五十八条及び第五十九条第一号の規定は、法人である政党等について準用する。この場合において、同法第五十二条第一項中「理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、同法第五十三条中「理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、「定款ノ規定又ハ寄附行為ノ趣旨ニ違反スルコトヲ得ズ又社団法人ニ在リテハ総会ノ決議ニ従フコトヲ要ス」とあるのは「党則等(党則、規約其他ノ当該政党ノ組織、管理運営等ニ関スル事項ヲ定メタル文書ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ノ規定ニ違反スルコトヲ得ズ」と、同法第五十四条中「理事ノ代理権」とあるのは「代表権ヲ有スル者ノ代表権」と、同法第五十七条中「理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、「代理権」とあるのは「代表権」と、「前条ノ規定ニ依リテ」とあるのは「党則等ノ定ムル所ニ依リテ」と、同法第五十八条中「定款、寄附行為又ハ総会ノ決議」とあるのは「党則等」と読み替えるものとする。

   第四章 法人の解散等

 (解散等)

第十条 法人である政党等は、任意に解散することができる。

2 法人である政党等は、前項の場合のほか、次の各号のいずれかに該当するときは、解散する。

 一 党則等で定める解散の事由が発生したとき。

 二 目的の変更その他により政治団体でなくなったとき。

3 法人である政党等が解散したときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。その場合においては、解散の旨、その事由及びその年月日を登記しなければならない。

4 第四条第一項の規定による法人である政党が第三条第一項各号のいずれにも該当しない政治団体となった場合において、当該政治団体が同項各号のいずれにも該当することなくその日の翌日から起算して四年を経過したときは、当該政治団体は、法人でなくなるものとする。この場合において、当該団体は、政治団体として、なお存続するものとする。

5 第三項の規定は、前項の規定により法人である政治団体が法人でなくなった場合について準用する。この場合において、第三項中「解散の登記」とあるのは「法人でなくなった旨の登記」と、「解散の旨」とあるのは「法人でなくなった旨」と読み替えるものとする。

6 前項の規定による登記の申請書には、当該政治団体が法人でなくなった旨を証する当該政治団体の代表権を有する者の記名押印した書面を添付しなければならない。

 (清算結了の登記等)

第十一条 法人である政党等の清算が結了したときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。

2 前項の規定は、前条第四項の規定により法人でなくなった政治団体に係る次条第二項において準用する民法第七十二条第一項の規定による財産の帰属に係る財産の整理が結了した場合について準用する。この場合において、前項中「清算結了の登記」とあるのは、「整理結了の登記」と読み替えるものとする。

 (民法及び非訟事件手続法の準用)

第十二条 民法第七十二条から第七十六条まで及び第七十八条から第八十二条まで並びに非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条から第三十七条ノ二まで、第百十七条第一項、第百十九条、第百二十二条及び第百二十四条の規定は、法人である政党等が解散した場合について準用する。この場合において、民法第七十二条第一項中「定款又ハ寄附行為」とあるのは「党則等(党則、規約其他ノ当該政党ノ組織、管理運営等ニ関スル事項ヲ定メタル文書ヲ謂フ以下之ニ同ジ)」と、同条第二項中「定款又ハ寄附行為」とあるのは「党則等」と、「理事ハ主務官庁ノ許可ヲ得テ」とあるのは「代表権ヲ有スル者ハ」と、「処分スルコトヲ得但社団法人ニ在リテハ総会ノ決議ヲ経ルコトヲ要ス」とあるのは「処分スルコトヲ得」と、同法第七十四条中「破産ノ場合ヲ除ク外理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、「定款若クハ寄附行為ニ別段ノ定アルトキ又ハ総会ニ於テ他人ヲ選任シタルトキ」とあるのは「党則等ニ別段ノ定アルトキ」と、非訟事件手続法第百二十二条中「解散ノ事由ヲ証スル書面及ビ理事ガ清算人タラザル場合ニ於テハ清算人ノ資格ヲ証スル書面」とあるのは「解散ノ事由ガ生ジタルコトヲ証スル代表権ヲ有スル者ノ記名押印シタル書面」と、同法第百二十四条中「同法第五十五条第一項、第五十六条乃至第五十九条、第六十二条及ビ第六十三条」とあるのは「同法第五十五条第一項及ビ第五十六条乃至第五十九条」と読み替えるものとする。

2 民法第七十二条第一項、第七十三条から第七十六条まで、第七十八条、第七十九条第一項及び第三項、第八十一条並びに第八十二条並びに非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条から第三十七条ノ二まで、第百十七条第一項、第百十九条及び第百二十四条の規定は、第十条第四項の規定により法人である政治団体が法人でなくなった場合について準用する。この場合において、民法第七十二条第一項中「財産ハ定款又ハ寄附行為ヲ以テ指定シタル人」とあるのは「一切ノ財産ハ当該法人タル政治団体ガ法人タラザルニ至リタル場合ニ於テ尚ホ存続スルコトトナル政治団体」と、同法第七十三条中「清算ノ目的」とあるのは「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(以下法人格付与法ト称ス)第十二条第二項ニ於テ準用スル前条第一項ノ規定ニ依ル当該法人ノ財産ノ帰属ニ係ル財産ノ整理(以下財産ノ整理ト称ス)ノ目的」と、「清算ノ結了」とあるのは「財産ノ整理ノ結了」と、同法第七十四条中「破産ノ場合ヲ除ク外理事」とあるのは「代表権ヲ有スル者」と、「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、「定款若クハ寄附行為ニ別段ノ定アルトキ又ハ総会ニ於テ他人ヲ選任シタルトキ」とあるのは「党則等(党則、規約其他ノ当該政党ノ組織、管理運営等ニ関スル事項ヲ定メタル文書ヲ謂フ)ニ別段ノ定アルトキ」と、同法第七十五条及び第七十六条中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同法第七十八条第一項中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同項第二号中「債務」とあるのは「法人格付与法第十二条第二項ニ於テ準用スル次条第一項ノ申出ヲシタル者ニ対スル債務」と、同条第二項中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同法第七十九条第一項中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、「一定ノ期間内」とあるのは「法人格付与法第十二条第二項ニ於テ準用スル第七十二条第一項ノ規定ニ依ル財産ノ帰属ニ付異議アラバ一定ノ期間内」と、同条第三項中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同法第八十一条第一項中「清算中」とあるのは「法人格付与法第十二条第二項ニ於テ準用スル第七十九条ノ期間後」と、「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同条第二項中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同法第八十二条第一項中「清算」とあるのは「財産ノ整理」と、非訟事件手続法第三十五条第二項中「清算」とあるのは「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第十二条第二項ニ於テ準用スル民法第七十二条第一項ノ規定ニ依ル財産ノ帰属ニ係ル財産ノ整理(以下財産ノ整理ト称ス)」と、同法第三十七条及び第三十七条ノ二中「清算人」とあるのは「財産ノ整理ヲ行フ者」と、同法第百二十四条中「同法第五十五条第一項、第五十六条及至第五十九条、第六十二条及ビ第六十三条」とあるのは「同法第五十五条第一項及ビ第五十六条乃至第五十九条」と読み替えるものとする。

   第五章 税法上の特例

第十三条 法人である政党等は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第三項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号)第八条に規定する法人である政党又は政治団体(以下「法人である政党等」という。)を除く。)」と、同条第四項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(法人である政党等を除く。)」と、同法第六十六条の規定を適用する場合には同条第一項及び第二項中「普通法人」とあるのは「普通法人(法人である政党等を含む。)」と、同条第三項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(法人である政党等を除く。)」とする。

2 法人である政党等は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。この場合において、法人である政党等が行う同法第二条第一項第九号に規定する課税資産の譲渡等については、同法第九条第一項本文の規定は、適用しない。

3 法人である政党等は、地価税法(平成三年法律第六十九号)その他地価税に関する法令の規定(同法第三十三条の規定を除く。)の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。ただし、同法第六条の規定による地価税の非課税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第七号に規定する人格のない社団等とみなす。

   第六章 雑則

 (衆議院議員又は参議院議員の数の算定等)

第十四条 衆議院の解散若しくは衆議院議員の任期満了により衆議院議員が在任しない場合又は参議院議員の任期満了により参議院議員の一部が在任しない場合における第三条第一項第一号及び第二号に規定する衆議院議員若しくは参議院議員の数の算定又は同条第二項に規定する政治団体の取扱いについては、その衆議院の解散若しくは衆議院議員の任期満了により衆議院議員でなくなった者(その衆議院の解散がなく、又はその衆議院議員の任期がなお引き続いているものとしたならば、引き続き衆議院議員として在任することができる者に限る。)又はその参議院議員の任期満了により参議院議員でなくなった者(その参議院議員の任期がなお引き続いているものとしたならば、引き続き参議院議員として在任することができる者に限る。)は、これらの規定に規定する衆議院議員又は参議院議員に含まれるものとして、算定し、又は取り扱うものとする。

2 前項の場合においては、第五条第一項第六号の衆議院議員又は参議院議員には、前項に規定する衆議院議員でなくなった者又は同項に規定する参議院議員でなくなった者が含まれるものとして、同号の規定を適用する。

3 衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙又は参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙における第三条第一項第二号及び第五条第一項第七号に規定する政治団体の得票総数は、当該選挙の期日における届出候補者(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条第一項又は第八項の規定による当該政治団体の届出に係る候補者をいう。)又は所属候補者(同条第七項(同条第八項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)又は同法第八十六条の四第三項(同条第五項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定により当該政治団体に所属する者として記載された候補者をいう。)の得票数を合算した数とする。

 (得票総数の算定の特例)

第十五条 この法律における政治団体の得票総数の算定については、第三条第一項各号のいずれかに該当する二以上の政治団体が合併した場合において、第五条第一項の規定による届出をするときに当該二以上の政治団体の間で合意された合併に関する文書の写しその他自治省令で定める文書を提出したときは、当該合併後に存続する政治団体にあってはその得票総数に当該合併により解散した政治団体の得票総数を加えて得た数を、当該合併により設立される政治団体にあっては当該合併により解散した政治団体の得票総数を合算した数を、それぞれ当該政治団体の得票総数とみなす。

   第七章 罰則

第十六条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、政党その他の団体の代表権を有する者又は清算人(第十二条第二項において準用する民法第七十三条に規定する財産の整理を行う者を含む。)は、五十万円以下の過料に処する。

 一 第五条第一項の規定による届出について不実の届出をしたとき。

 二 第五条第二項の規定により提出すべき文書について不実の記載をした文書を提出したとき。

 三 第七条、第十条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)、第十一条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第八条において準用する民法第四十八条の規定による登記を怠り、又は不実の登記をしたとき。

 四 第十二条第一項又は第二項において準用する民法第七十九条第一項又は第八十一条第一項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。

 五 第十二条第一項又は第二項において準用する民法第八十一条第一項の規定による破産宣告の請求を怠ったとき。

2 第六条の規定により求められた説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は同条の規定による命令に違反して届出書等の訂正を拒み、若しくはこれらに虚偽の訂正をした者は、五十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律(平成六年法律第二号)の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日以後初めてその選挙の期日を公示される総選挙(次条において「新公職選挙法による総選挙」という。)のすべての当選人について同法の規定による改正後の公職選挙法第百一条第二項又は第百一条の二第二項の規定による告示がされる日の前日までの間におけるこの法律の適用については、第三条第一項第二号中「衆議院議員の総選挙(以下単に「総選挙」という。)における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙」とあるのは「衆議院議員の総選挙(以下単に「総選挙」という。)」と、第五条第一項第六号中「衆議院の小選挙区選出議員若しくは比例代表選出議員」とあるのは「衆議院議員」と、同項第七号中「総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙」とあるのは「総選挙」とする。

第三条 この法律における政治団体の得票総数の算定については、施行日の直近において行われた通常選挙の直近において行われた通常選挙後、施行日の前日までの間において二以上の政党要件を満たす政治団体が合併した場合において、第五条第一項の規定による届出をするときに当該合併について自治省令で定めるところにより併せて届け出たときは、当該合併に係る存続政治団体にあってはその得票総数に当該合併により解散した政党要件を満たす政治団体の得票総数を加えた数を、当該合併に係る新設政治団体にあっては当該合併により解散した政党要件を満たす政治団体の得票総数を合算した数を、それぞれ当該政治団体の得票総数とみなす。

2 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 政党要件を満たす政治団体 当該合併の日において次のいずれかに該当していた政治団体をいう。

  イ 当該政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を五人以上有するもの

  ロ イに該当する政治団体に所属していない衆議院議員又は参議院議員を有するもので、当該合併の日の直近において行われた総選挙(当該合併の日前に新公職選挙法による総選挙が行われた場合にあっては、総選挙における小選挙区選出議員又は比例代表選出議員の選挙)又は当該合併の日の直近において行われた通常選挙若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の二以上であるもの

 二 存続政治団体 二以上の政党要件を満たす政治団体が合併した場合において、当該合併後に存続することとされた政治団体で当該合併の日において前号イ又はロのいずれかに該当していたものをいう。

 三 新設政治団体 二以上の政党要件を満たす政治団体が合併した場合において、当該合併により設立された政治団体で、当該設立の日において第一号イに該当していたもの又は当該合併により解散した政党要件を満たす政治団体の得票総数を合算した数を当該合併により設立された政治団体の得票総数とみなしたときに同号ロに該当していたものをいう。

3 第三条第二項の規定は、前項第一号イ又はロの規定を適用する場合について準用する。この場合において、第三条第二項中「政党(」とあるのは「附則第三条第一項に規定する政党要件を満たす政治団体(」と、「)の規定」とあるのは、「)の規定(当該合併が政治資金規正法の一部を改正する法律(平成六年法律第四号)附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日前に行われた場合にあっては、同法による改正前の政治資金規正法第六条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定)」と読み替えるものとする。

 (政治資金規正法の一部改正)

第四条 政治資金規正法の一部を次のように改正する。

 第二十二条の三第一項中「伴わないもの」の下に「及び政党助成法(平成六年法律第五号)第三条第一項の規定による政党交付金(同法第二十七条第一項の規定による特定交付金を含む。)」を加える。

 (地方税法の一部改正)

第五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

 第二十四条第五項中「団地管理組合法人並びに」を「団地管理組合法人、」に改め、「地縁による団体」の下に「並びに政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号)第八条に規定する法人である政党又は政治団体」を加える。

 第五十二条第二項第三号中「団地管理組合法人並びに」を「団地管理組合法人、」に改め、「地縁による団体」の下に「並びに政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第八条に規定する法人である政党又は政治団体」を加える。

 第七十二条の五第一項に次の一号を加える。

 十一 政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第八条に規定する法人である政党又は政治団体

 第二百九十四条第七項、第三百十二条第三項第三号及び第七百一条の三十四第二項中「団地管理組合法人並びに」を「団地管理組合法人、」に改め、「地縁による団体」の下に「並びに政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第八条に規定する法人である政党又は政治団体」を加える。

 (政党助成法の一部改正)

第六条 政党助成法(平成六年法律第五号)の一部を次のように改正する。

 第三条第一項中「政党に」を「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号。以下「法人格付与法」という。)第四条第一項の規定による法人である政党に」に改める。

 第十一条第二項に後段として次のように加える。

  この場合において、政党は、法人格付与法第四条第一項の規定による法人である政党である旨を証する登記簿の謄本又は抄本を添付しなければならない。

 第二十七条第六項中「第十一条第三項中」を「第十一条第二項中「法人である政党」とあるのは「法人である政治団体」と、同条第三項中」に改める。

 (自治省設置法の一部改正)

第七条 自治省設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

 第十六条第二項を次のように改める。

2 中央選挙管理会の権限、組織、委員の任命その他の事項については、公職選挙法、最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)及び政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号)の定めるところによる。

(大蔵・自治・内閣総理大臣署名) 

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