公職選挙法の一部を改正する法律(衆法)

法律第百五号(平六・一一・二五)

 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第二百五十一条の三 (公務員等の選挙犯罪による当選無効)

 

 

第二百五十一条の四 (当選無効及び立候補の禁止の効果の生ずる時期)

第二百五十一条の三 (組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)

 

 

第二百五十一条の四 (公務員等の選挙犯罪による当選無効)

 

 

第二百五十一条の五 (当選無効及び立候補の禁止の効果の生ずる時期)

に改める。

 第六十八条第一項第三号中「若しくは第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二」に、「の規定により」を「若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))の規定により」に改め、同条第三項第二号中「若しくは第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二若しくは第二百五十一条の三」に改める。

 第八十六条第五項第四号中「又は第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二」に、「の規定により」を「又は第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))の規定により」に改め、同条第七項及び第九項第三号中「又は第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二又は第二百五十一条の三」に改める。

 第八十六条の四第四項中「又は第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二」に、「の規定により」を「又は第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))の規定により」に改め、同条第九項中「又は第二百五十一条の二」を「、第二百五十一条の二又は第二百五十一条の三」に改める。

 第八十六条の八第二項中「掲げる者」の下に「又は第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」を加え、「同条」を「これらの条」に改める。

 第九十七条の二第一項中「第二百五十一条((当選人の選挙犯罪による当選無効))」の下に「、第二百五十一条の二((総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効))若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効))」を加え、同条第三項中「同項中」の下に「「第二百五十一条((当選人の選挙犯罪による当選無効))、第二百五十一条の二((総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効))若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効))」とあるのは「第二百五十一条((当選人の選挙犯罪による当選無効))」と、」を加える。

 第九十八条第一項中「第二百五十一条の二((総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))」の下に「若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の立候補の禁止))」を加え、「同条第一項各号に掲げる者」を「第二百五十一条の二第一項各号に掲げる者若しくは第二百五十一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」に改め、同項に後段として次のように加える。

  衆議院名簿登載者で当選人とならなかつたものが、第二百五十一条の二又は第二百五十一条の三の規定により当該選挙と同時に行われた衆議院(小選挙区選出)議員の選挙に係る第二百五十一条の二第一項各号に掲げる者又は第二百五十一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等の選挙に関する犯罪によつて当該衆議院(小選挙区選出)議員の選挙に係る選挙区において行われる当該衆議院(小選挙区選出)議員の選挙において公職の候補者となり又は公職の候補者であることができない者となつたときも、また同様とする。

 第二百十条第一項中「又は当該公職の候補者」を「、当該公職の候補者」に、「、若しくは」を「若しくは」に改め、「できないこととならないこと」の下に「又は当該公職の候補者であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものの当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選が無効とならないこと」を加え、同項ただし書中「、当該当選人に」を「当該当選人に」に、「又は」を「若しくは」に改め、「あつたとき」の下に「又は当該公職の候補者であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙において当選人と定められ当該当選人に係る第百一条の二第二項((当選人決定の告示))の規定による告示があつたとき」を加え、同条第二項中「、当該当選人」を「当該当選人」に、「又は第百一条の三第二項」を「若しくは第百一条の三第二項」に改め、「あつたとき」の下に「又は当該公職の候補者であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙において当選人と定められ当該当選人に係る第百一条の二第二項の規定による告示があつたとき」を加える。

 第二百十一条第一項中「掲げる者」の下に「又は第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」を、「第二百五十一条の二第一項」の下に「又は第二百五十一条の三第一項」を加え、「又は当該公職の候補者等」を「当該公職の候補者等」に、「、若しくは」を「若しくは」に、「できない」を「できず、又は当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものの当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選が無効である」に改め、同項ただし書中「、当該当選人に」を「当該当選人に」に、「又は」を「若しくは」に改め、「あつたとき」の下に「又は当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが当該選挙と同等に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙において当選人と定められ当該当選人に係る第百一条の二第二項((当選人決定の告示))の規定による告示があつたとき」を加え、同条第二項中「第二百五十一条の三((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」を「第二百五十一条の四((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」に、「第二百五十一条の三第一項」を「第二百五十一条の四第一項」に改める。

 第二百十七条中「選挙については、」の下に「第二百四条又は第二百八条第一項の規定による訴訟にあつては」を、「東京高等裁判所」の下に「、第二百十条又は第二百十一条の規定による訴訟にあつては当該公職の候補者であつた者で当該選挙と同時に行われた衆議院小選挙区選出議員の選挙における候補者であつたものに係る当該衆議院小選挙区選出議員の選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の所在地を管轄する高等裁判所」を加える。

 第二百二十条に次の一項を加える。

4 裁判所の長は、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつた者で当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における候補者であつたものについて当該衆議院(小選挙区選出)議員の選挙に係る第二項の規定による通知又は前項の規定による送付をする場合には、併せて、中央選挙管理会に、第二項に規定する訴訟が係属しなくなつた旨を通知し、又は前項の判決書の謄本を送付しなければならない。

 第二百二十四条の二第一項中「又は第三項」を「若しくは第三項又は第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項」に、「同条第一項各号に掲げる者」を「第二百五十一条の二第一項各号に掲げる者又は第二百五十一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」に改め、同条第二項中「掲げる者」の下に「又は第二百五十一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」を加え、「同条第一項又は第三項」を「第二百五十一条の二第一項若しくは第三項又は第二百五十一条の三第一項」に改める。

 第二百五十一条の二第一項中「第二百五十一条の四」を「第二百五十一条の五」に改め、同項に後段として次のように加える。

  この場合において、当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが、当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選人となつたときは、当該当選人の当選は、無効とする。

 第二百五十一条の二第三項中「第二百五十一条の四」を「第二百五十一条の五」に改め、同項に後段として次のように加える。

  この場合においては、第一項後段の規定を準用する。

 第二百五十一条の二第四項中「立候補の禁止」の下に「及び衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効」を加え、同項第一号及び第二号中「又は前項の規定」を「若しくは前項又は次条第一項の規定」に改め、同条第五項中「前各項の規定」の下に「(第一項後段及び第三項後段の規定並びに前項の規定(衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)を除く。)」を加える。

 第二百五十一条の四中「前二条」を「前三条」に改め、同条を第二百五十一条の五とする。

 第二百五十一条の三を第二百五十一条の四とし、第二百五十一条の二の次に次の一条を加える。

 (組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)

第二百五十一条の三 組織的選挙運動管理者等(公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(以下この条において「公職の候補者等」という。)と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、当該選挙運動の計画の立案若しくは調整又は当該選挙運動に従事する者の指揮若しくは監督その他当該選挙運動の管理を行う者(前条第一項第一号から第三号までに掲げる者を除く。)をいう。)が、第二百二十一条((買収及び利害誘導罪))、第二百二十二条((多数人買収及び多数人利害誘導罪))、第二百二十三条((公職の候補者及び当選人に対する買収及び利害誘導罪))又は第二百二十三条の二((新聞紙、雑誌の不法利用罪))の罪を犯し禁 錮以上の刑に処せられたときは、当該公職の候補者等であつた者の当選は無効とし、かつ、これらの者は、第二百五十一条の五((立候補の禁止の効果の生ずる時期))に規定する時から五年間、当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない。この場合において、当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが、当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選人となつたときは、当該当選人の当選は、無効とする。

2 前項の規定は、同項に規定する罪に該当する行為が、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該行為に関する限りにおいて、適用しない。

 一 前項に規定する罪に該当する行為が当該行為をした者以外の者の誘導又は挑発によつてされ、かつ、その誘導又は挑発が前条第一項又は前項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。

 二 前項に規定する罪に該当する行為が前条第一項又は前項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。

 三 当該公職の候補者等が、前項に規定する組織的選挙運動管理者等が同項に規定する罪に該当する行為を行うことを防止するため相当の注意を怠らなかつたとき。

3 前二項の規定(第一項後段の規定及び前項の規定(衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)を除く。)は、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙については、適用しない。

 第二百五十三条の二第一項中「第二百五十一条の二((総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項各号に掲げる者」の下に「若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」を加え、「第二百五十一条の三((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」を「第二百五十一条の四((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」に改める。

 第二百五十四条中「第二百五十一条の二((総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項各号に掲げる者」の下に「若しくは第二百五十一条の三((組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止))第一項に規定する組織的選挙運動管理者等」を加え、「第二百五十一条の三((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」を「第二百五十一条の四((公務員等の選挙犯罪による当選無効))第一項各号」に改め、「当該議会の議長に」の下に「、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつた者で当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における候補者であつたものに係る第二百五十一条の二第一項各号に掲げる者、第二百五十一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者等又は出納責任者が刑に処せられた場合においては中央選挙管理会に」を加える。

 第二百五十四条の二第三項に後段として次のように加える。

  衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつた者で当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における候補者であつたものに同項の規定による通知が行われた場合においては、中央選挙管理会に、併せて通知しなければならない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律(平成六年法律第二号)の施行の日から施行する。

 (適用区分等)

第二条 この法律による改正後の公職選挙法の規定は、衆議院議員の選挙についてはこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後初めてその期日を公示される総選挙から、参議院議員の選挙については施行日以後その期日を公示され又は告示される選挙から、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙については平成七年三月一日以後その期日を告示される選挙から適用する。

2 施行日の前日までにその期日を公示された衆議院議員の総選挙、施行日以後初めてその期日を公示される衆議院議員の総選挙の期日の公示の日の前日までにその期日を告示される衆議院議員の選挙、施行日の前日までにその期日を公示され又は告示された参議院議員の選挙並びに平成七年三月一日前にその期日を告示される地方公共団体の議会の議員及び長の選挙については、なお従前の例による。

3 この法律の施行前にした行為については、なおこの法律による改正前の公職選挙法第十六章の規定の例による。

 (漁業法の一部改正)

第三条 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。

 第九十四条第一項中「第二百五十一条の三」の下に「、第二百五十一条の四」を加え、同項の表第二百二十四条の二第一項の項中「同条第一項各号」を「第二百五十一条の二第一項各号」に、「同条第一項第一号、第三号及び第四号」を「第二百五十一条の二第一項第一号、第三号及び第四号」に改める。

 (農業委員会等に関する法律の一部改正)

第四条 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

 第十一条中「第二百五十一条の三」の下に「、第二百五十一条の四」を加え、同条の表第二百二十四条の二第一項の項中「同条第一項各号」を「第二百五十一条の二第一項各号」に、「同条第一項第一号、第三号及び第四号」を「第二百五十一条の二第一項第一号、第三号及び第四号」に改める。

(農林水産・自治・内閣総理大臣署名) 

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