農用地利用増進法の一部を改正する法律

法律第四十五号(平元・六・二八)

 農用地利用増進法(昭和五十五年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「事業を」を「事業等を」に改める。

 第四条第二項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「委託」を「農業協同組合が行う農作業の委託のあつせんの促進その他の委託」に改め、同号を同項第五号とし、同項中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。

 二 農用地利用増進事業の実施を通じて促進すべき農業構造の改善に関する目標

 第四条第五項中「除く」の下に「。第十一条の三第一項において「市街化区域」という」を加える。

 第六条第一項中「市町村」の下に「(以下「承認市町村」という。)」を加え、同条第三項第二号中「農業生産法人」の下に「(以下この号において「農業生産法人」という。)」を加え、同号ただし書中「法人をいう」の下に「。以下同じ」を加え、「その他」を「、農業生産法人の組合員又は社員が当該農業生産法人に前項第二号に規定する土地について利用権の設定等を行うため利用権の設定等を受ける場合その他」に改め、同条第四項中「団体が」を「団体又は当該市町村の区域の全部若しくは一部をその地区の全部若しくは一部とする農業協同組合が、その構成員又は組合員に係る農用地の利用関係の改善を図るため」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

4 市町村は、第九条第五項の規定による農業委員会の要請に基づき農用地利用増進計画を定める場合において、その定めようとする農用地利用増進計画の内容が当該要請の内容と一致するものであるときは、第一項の規定にかかわらず、農業委員会の決定を経ることを要しない。

 第七条第二項を削る。

 第八条中「前条第一項」を「前条」に改める。

 第九条を次のように改める。

 (利用権設定等促進事業の推進)

第九条 承認市町村は、その区域内に存する農用地について利用権の設定等を受けようとする者から農林水産省令で定めることろによりその作成した農業経営の規模の拡大を図るための計画が適当である旨の認定の申請があつた場合において、その計画が、実施方針に即したものであること、その者の農業経営の改善を促進するため有効かつ適切なものであることその他農林水産省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、その計画が適当である旨の認定をするものとする。

2 農業委員会は、前項の規定による認定を受けた者から農用地について利用権の設定等を受けたい旨の申出があつた場合には、その申出の内容を勘案して農用地の利用関係の調整に努めるものとする。

3 農業委員会は、前項の規定による農用地の利用関係の調整の円滑な実施を図るため農地法第三条第二項ただし書に規定する農地保有合理化促進事業の実施が必要であると認めるときは、農地保有合理化法人の同意を得て、当該農地保有合理化法人を含めて当該調整を行うものとする。

4 農業委員会は、第二項の規定による農用地の利用関係の調整の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農用地の利用の程度に比し著しく劣つていると認められる農用地について、当該農用地の所有者(所有者以外に権原に基づき使用及び収益をする者がある場合には、その者)に対し、利用権の設定等を行うように勧奨することができる。

5 農業委員会は、第二項の規定による農用地の利用関係の調整の結果、利用権設定等促進事業の実施が必要であると認めるときは、第六条第二項各号に掲げる事項を示して農用地利用増進計画を定めるべきことを市町村の長に対し要請するものとする。

6 都道府県農業会議は、利用権設定等促進事業の推進に資するため広域の見地から農用地の利用関係の調整を行う必要があると認められる場合には、関係農業委員会に対し、資料及び情報の提供その他の協力を行うように努めるものとする。

 第十条中「第七条第一項」を「第七条」に改める。

 第十一条第一項中「第四条第二項第三号」を「第四条第二項第四号」に、「第四条第六項の承認を受けた市町村」を「承認市町村」に改め、同条に次の一項を加える。

6 第一項の認定に係る同項に規定する団体は、農業委員会、農業協同組合及び農地保有合理化法人に対し、農用地利用改善事業に関し、必要な助言を求めることができる。

 第十一条の次に次の二条を加える。

 (委託を受けて行う農作業の実施の促進)

第十一条の二 承認市町村の区域の全部又は一部をその地区の全部又は一部とする農業協同組合は、その組合員に係る農用地の利用関係の改善を図るため、農作業の委託のあつせん、農作業の委託を受ける農業者の組織化の推進等により、委託を受けて行う農作業の実施の促進に努めるものとする。

 (遊休農地に関する措置)

第十一条の三 承認市町村の農業委員会は、その区域(市街化区域を除く。)内に存する農地(耕作の目的に供される土地をいう。以下同じ。)が次の要件に該当すると認めるときは、当該農地の所有者(所有者以外に権原に基づき使用及び収益をする者がある場合には、その者。以下「遊休農地所有者等」という。)に対し、当該農地の農業上の利用の増進を図るため必要な指導をすることができる。

 一 その農地が現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれること(農林水産省令で定める事由に該当する場合を除く。)。

 二 その農地を含む周辺の地域における農用地の農業上の効率的かつ総合的な利用を促進するため、その農地の農業上の利用の増進を特に図る必要があること。

2 農業委員会は、前項の規定による指導をした場合においても、なお当該指導に係る農地が相当期間耕作の目的に供されないときは、市町村長に対し、次項の規定による勧告をするよう要請することができる。

3 市町村長は、前項の規定による要請を受けた場合において、当該要請に係る農地が引き続き耕作の目的に供されないことが当該農地を含む周辺の地域の農業の振興を図る上で著しく支障があると認めるときは、遊休農地所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該農地の農業上の利用の増進を図るべきことを勧告することができる。

4 市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた遊休農地所有者等が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る農地の買入れ又は借受けを希望する農地保有合理化法人で農林水産省令で定める要件に該当するもののうちから買入れ又は借受けの協議を行う者を定めて、その者が買入れ又は借受けの協議を行う旨を当該勧告を受けた遊休農地所有者等に通知するものとする。

5 前項の規定により協議を行う者として定められた農地保有合理化法人は、同項の規定による通知があつた日から起算して六週間を経過する日までの間、当該通知を受けた遊休農地所有者等と当該通知に係る農地の買入れ又は借受けの協議を行うことができる。この場合において、当該通知を受けた遊休農地所有者等は、正当な理由がなければ、当該農地の買入れ又は借受けの協議を行うことを拒んではならない。

6 前項の規定による協議に係る農地を買い入れ、又は借り受けた農地保有合理化法人は、当該農地を第九条第一項の認定を受けた者に売り渡し、又は貸し付ける等により、当該農地の農業上の利用の増進に努めるものとする。

 第十二条中「第七条第一項」を「第七条」に、「前条第一項」を「第十一条第一項」に改める。

 第十五条の次に次の一条を加える。

 (農業委員会等の協力)

第十六条 農業委員会、農業協同組合及び農地保有合理化法人は、この法律その他の法令の定めるところにより農用地の農業上の利用の増進を図るための措置を講ずるに当たつては、農用地利用増進事業の円滑な推進に資することとなるよう、相互に連携を図りながら協力するように努めるものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (地方税法の一部改正)

第二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  附則第十一条第二項中「第七条第一項」を「第七条」に改める。

 (農地法の一部改正)

第三条 農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第四号の三、第四条第一項第三号の二、第五条第一項第一号の二、第七条第一項第十三号の二及び第十九条ただし書中「第七条第一項」を「第七条」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第四条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条の三第三項第二号及び第六十五条の五第一項中「第七条第一項」を「第七条」に、「同項」を「同条」に改める。

  第七十七条の三第二号中「第七条第一項」を「第七条」に改める。

 (農業振興地域の整備に関する法律の一部改正)

第五条 農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。

  第十五条の十五第一項第三号の二中「第七条第一項」を「第七条」に改める。

(農林水産・内閣総理大臣署名) 

年表に戻る

法令一覧(年度別)に戻る