付論
*******国鉄再建監理委員会答申*******
分割に伴って予想される主要な技術上の問題については本文でも述べたが、具体的問題については次のように対処すれば十分解決が可能である。 2.業務能率が低下することはない(2)運賃収入は適切に配分清算できる
|
会社間をまたがって乗車する利用者に販売する乗車券は、その大半が発着駅と経由区間の表示された乗車券であり、基本的には、現在国鉄で行われている線区別の収入配分計算と同様、人キロ比等に応じた収入配分方法を工夫することで十分対処できる。特に、現在の国鉄において約240余の線区について線区別の収入配分が行われていることを勘案すれば、各会社への収入配分が技術的に困難になるとは思われない。また、その後各会社で賃率を異にするようなことになっても、現在の国鉄において賃率の異なる幹線と地方交通線のまたがり乗車の場合に行われている人キロ配分や収入配分を工夫することによって、技術的には十分対処できる。このように収入配分の基準については、関係旅客鉄道会社間の協議により適切に定めることが可能である。さらに、収入清算については、上で述べたように各会社への収入配分が適切な基準により行われるため、各会社間で相互に収入を相殺すれぱ処理できるものであり、その清算事務量は膨大なものにはならないと恩われるが、必要に応じ各会社が協調して収入清算機関を設置して対処することも考えられる。