司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律

法律第八十六号(昭六〇・六・二八)

 (司法書士法の一部改正)

第一条 司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一号中「終り」を「終わり」に改め、同条第五号中「登録の取消し」を「業務の禁止」に改め、同条第六号中「若しくは計理士の登録をまつ消され、土地家屋調査士の登録を取り消され、又は」を「の登録を抹消され、又は土地家屋調査士、」に改める。

  第六条中「その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局に備えた司法書士名簿に」を「日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 司法書士名簿の登録は、日本司法書士会連合会が行う。

  第六条の五を削る。

  第六条の四中「その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長」を「日本司法書士会連合会」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 日本司法書士会連合会は、前項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該司法書士に書面により通知しなければならない。

 3 第六条の三第一項後段及び第二項の規定は、第一項の規定による登録の取消しに準用する。

  第六条の四を第六条の九とし、同条の次に次の三条を加える。

  (登録拒否に関する規定の準用)

 第六条の十 第六条の五第一項及び第三項の規定は、第六条の八第一項又は前条第一項の規定による登録の取消しに準用する。

  (登録及び登録の取消しの公告)

 第六条の十一 日本司法書士会連合会は、司法書士の登録をしたとき、及びその登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもつて公告しなければならない。

 (登録事務に関する報告等)

 第六条の十二 法務大臣は、必要があるときは、日本司法書士会連合会に対し、その登録事務に関し、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる。

  第六条の三中「その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長」を「日本司法書士会連合会」に改め、同条第四号中「第四条第一号から第四号まで又は第六号」を「第四条各号の一」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第六条の八とする。

 2 司法書士が前項各号に該当することとなつたときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該司法書士が所属し、又は所属していた司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出なければならない。

  第六条の二の見出しを「(登録の拒否)」に改め、同条第一項を削り、同条第二項各号列記以外の部分を次のように改め、同項を同条第一項とする。

   日本司法書士会連合会は、前条第一項の規定による登録の申請をした者が司法書士となる資格を有せず、又は次の各号の一に該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第十七条の五に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。

  第六条の二に次の一項を加える。

 2 日本司法書士会連合会は、当該申請者が前項第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。

  第六条の二を第六条の三とし、同条の次に次の四条を加える。

  (登録に関する通知)

 第六条の四 日本司法書士会連合会は、第六条の二第一項の規定による登録の申請を受けた場合において、登録をしたときはその旨を、登録を拒否したときはその旨及びその理由を当該申請者に書面により通知しなければならない。

  (登録を拒否された場合の審査請求)

 第六条の五 第六条の三第一項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 2 第六条の二第一項の規定による登録の申請をした者は、その申請の日から三月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされないときは、当該登録を拒否されたものとして、法務大臣に対して前項の審査請求をすることができる。

 3 前二項の規定による審査請求が理由があるときは、法務大臣は、日本司法書士会連合会に対し、相当の処分をすべき旨を命じなければならない。

  (所属する司法書士会の変更の登録)

 第六条の六 司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときは、その管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない。

 2 司法書士は、前項の変更の登録の申請をするときは、現に所属する司法書士会にその旨を届け出なければならない。

 3 第一項の申請をした者が第十五条の五第一項の規定による入会の手続をとつていないときは、日本司法書士会連合会は、変更の登録を拒否しなければならない。

 4 前二条の規定は、第一項の変更の登録の申請に準用する。

 (登録事項の変更の届出)

 第六条の七 司法書士は、司法書士名簿に登録を受けた事項に変更(所属する司法書士会の変更を除く。)が生じたときは、遅滞なく、所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出なければならない。

  第六条の次に次の一条を加える。

  (登録の申請)

 第六条の二 前条第一項の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。

 2 前項の登録申請書には、前条第一項の規定により登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載し、司法書士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。

  第七条第二項を削る。

  第十二条第三号を次のように改める。

  三 業務の禁止

  第十三条の見出しを「(聴聞)」に改め、同条第一項中「第六条の二第二項、第六条の四又は」を削り、「若しくは」を「又は」に、「当該登録の申請をした者又は」を「当該」に、「聴問」を「聴聞」に改め、同条第二項及び第三項中「聴問」を「聴聞」に、「当該登録の申請をした者又は」を「当該」に改める。

  第十五条中「左の」を「次の」に改め、同条第七号中「規定」の下に「(入会金その他の入会についての特別の負担に関するものを含む。)」を加える。

  第十五条の二第一項に次のただし書を加える。

   ただし、前条第一号、第八号及び第九号に掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。

  第十五条の五第一項中「司法書士の登録又は登録の移転」を「第六条の二第一項の規定による登録の申請又は第六条の六第一項の変更の登録」に改め、同条第二項中「登録の移転」を「変更の登録」に改める。

  第十六条中「若しくは」を「又は」に、「違反し、又は第六条の四各号の一に該当する」を「違反する」に改める。

  第十七条第二項中「事務を」の下に「行い、並びに司法書士の登録に関する事務を」を加える。

  第十七条の二中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。

  二 司法書士の登録に関する規定

  第十七条の四の次に次の五条を加える。

  (登録審査会)

 第十七条の五 日本司法書士会連合会に、登録審査会を置く。

 2 登録審査会は、日本司法書士会連合会の請求により、第六条の三第一項第二号若しくは第三号の規定による登録の拒否又は第六条の九第一項の規定による登録の取消しについて審議を行うものとする。

 3 登録審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する。

 4 会長は、日本司法書士会連合会の会長をもつて充てる。

 5 委員は、会長が、法務大臣の承認を受けて、司法書士、法務省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。

 6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補充の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

  (公共嘱託登記司法書士協会)

 第十七条の六 司法書士は、その専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的として、公共嘱託登記司法書士協会と称する民法第三十四条の規定による社団法人(以下「協会」という。)を設立することができる。

 2 協会の社員は、同一の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する司法書士でなければならない。

 3 協会の理事の定数の過半数は、社員でなければならない。

 4 協会は、第二項の司法書士が協会に加入しようとするときは、正当な理由がなければ、その加入を拒むことができない。

  (協会の業務)

 第十七条の七 協会は、前条第一項の目的を達成するため、官公署等の嘱託を受けて、不動産の権利に関する登記につき第二条第一項各号に掲げる事務を行うことをその業務とする。

 2 協会は、その業務に係る第二条第一項各号に掲げる事務を、司法書士会に入会している司法書士でない者に取り扱わせてはならない。

  (司法書士に関する規定の準用)

 第十七条の八 第八条の規定は、協会に準用する。

  (司法書士会の助言)

 第十七条の九 司法書士会は、所属の司法書士が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。

  第十八条中「業務執行」の下に「並びに協会の設立及び業務執行」を加える。

  第十九条の見出し中「取締」を「取締り」に改め、同条第一項中「司法書士でない者」の下に「(協会を除く。)」を加え、同条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 協会は、その業務の範囲を超えて、第二条に規定する業務を行つてはならない。

  第十九条に次の一項を加える。

 4 協会でない者は、公共嘱託登記司法書士協会又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

  第二十条中「法務局又は地方法務局の長」を「日本司法書士会連合会」に、「十万円」を「三十万円」に改める。

  第二十一条中「二十万円」を「五十万円」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 協会が第十七条の八において準用する第八条の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。

  第二十二条中「十万円」を「三十万円」に改める。

  第二十三条第一項中「五万円」を「二十万円」に改め、同条第二項中「前項の罰」を「前項の罪」に改める。

  第二十五条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条を第二十八条とする。

  第二十四条第一項中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 協会が第十九条第二項の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

  第二十四条を第二十五条とし、同条の次に次の二条を加える。

 第二十六条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

  一 第十九条第三項の規定に違反した者

  二 第十九条第四項の規定に違反した者

 第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条第二項又は前三条(前条第一号を除く。)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

  第二十三条の次に次の一条を加える。

 第二十四条 協会が第十七条の七第二項の規定に違反したときは、その違反に係る第二条第一項各号に掲げる事務を取り扱い、又は取り扱わせた協会の理事又は職員は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 (土地家屋調査士法の一部改正)

第二条 土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第五号中「登録の取消し」を「業務の禁止」に改め、同条第六号中「まつ消」を「抹消」に改め、同条第八号中「登録の取消し」を「業務の禁止」に改める。

  第六条中「その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局に備えた土地家屋調査士名簿に」を「日本土地家屋調査士会連合会(以下「調査士会連合会」という。)に備える土地家屋調査士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する土地家屋調査士会その他法務省令で定める事項の」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 土地家屋調査士名簿の登録は、調査士会連合会が行う。

  第八条の三を削る。

  第八条の二中「その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長」を「調査士会連合会」に改め、同条第一号及び第二号中「とき」を「とき。」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 調査士会連合会は、前項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該調査士に書面により通知しなければならない。

 3 第八条第一項後段及び第二項の規定は、第一項の規定による登録の取消しに準用する。

   第八条の二を第八条の七とし、同条の次に次の三条を加える。

  (登録拒否に関する規定の準用)

 第八条の八 第八条の三第一項及び第三項の規定は、第八条の六第一項又は前条第一項の規定による登録の取消しに準用する。

  (登録及び登録の取消しの公告)

 第八条の九 調査士会連合会は、調査士の登録をしたとき、及びその登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもつて公告しなければならない。

  (登録事務に関する報告等)

 第八条の十 法務大臣は、必要があるときは、調査士会連合会に対し、その登録事務に関し、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる。

  第八条中「その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長」を「調査士会連合会」に改め、同条第一号から第三号までの規定中「とき」を「とき。」に改め、同条第四号中「第四条第一号から第四号まで又は第六号から第八号まで」を「第四条各号の一」に、「とき」を「とき。」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第八条の六とする。

 2 調査士が前項各号に該当することとなつたときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該調査士が所属し、又は所属していた調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出なければならない。

  第七条の見出しを「(登録の拒否)」に改め、同条第一項を削り、同条第二項各号列記以外の部分を次のように改め、同項を同条第一項とする。

   調査士会連合会は、前条第一項の規定による登録の申請をした者が調査士となる資格を有せず、又は次の各号の一に該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第十七条の五に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。

  第七条に次の一項を加える。

 2 調査士会連合会は、当該申請者が前項第二号又は第三号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。

  第七条を第八条とし、同条の次に次の四条を加える。

  (登録に関する通知)

 第八条の二 調査士会連合会は、第七条第一項の規定による登録の申請を受けた場合において、登録をしたときはその旨を、登録を拒否したときはその旨及びその理由を当該申請者に書面により通知しなければならない。

  (登録を拒否された場合の審査請求)

 第八条の三 第八条第一項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 2 第七条第一項の規定による登録の申請をした者は、その申請の日から三月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされないときは、当該登録を拒否されたものとして、法務大臣に対して前項の審査請求をすることができる。

 3 前二項の規定による審査請求が理由があるときは、法務大臣は、調査士会連合会に対し、相当の処分をすべき旨を命じなければならない。

  (所属する調査士会の変更の登録)

 第八条の四 調査士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときは、その管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に、所属する調査士会の変更の登録の申請をしなければならない。

 2 調査士は、前項の変更の登録の申請をするときは、現に所属する調査士会にその旨を届け出なければならない。

 3 第一項の申請をした者が第十五条の五第一項の規定による入会の手続をとつていないときは、調査士会連合会は、変更の登録を拒否しなければならない。

 4 前二条の規定は、第一項の変更の登録の申請に準用する。

  (登録事項の変更の届出)

 第八条の五 調査士は、土地家屋調査士名簿に登録を受けた事項に変更(所属する調査士会の変更を除く。)が生じたときは、遅滞なく、所属する調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出なければならない。

  第六条の次に次の一条を加える。

  (登録の申請)

 第七条 前条第一項の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された土地家屋調査士会(以下「調査士会」という。)を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。

 2 前項の登録申請書には、前条第一項の規定により登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載し、調査士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。

  第九条第二項を削る。

  第十三条第一項第三号を次のように改める。

  三 業務の禁止

  第十三条第二項中「第七条第二項、第八条の二又は」を削り、「若しくは」を「又は」に、「当該登録の申請をした者又は」を「当該」に、「聴問」を「聴聞」に改め、同条第三項及び第四項中「聴問」を「聴聞」に、「当該登録の申請をした者又は」を「当該」に改める。

  第十五条中「左の」を「次の」に改め、同条第六号中「規定」の下に「(入会金その他の入会についての特別の負担に関するものを含む。)」を加える。

  第十五条の二第一項に次のただし書を加える。

   ただし、前条第一号、第七号及び第八号に掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。

  第十五条の二第二項中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に、「聞いて」を「聴いて」に改める。

  第十五条の五第一項中「調査士の登録又は登録の移転」を「第七条第一項の規定による登録の申請又は第八条の四第一項の変更の登録」に改め、同条第二項中「登録の移転」を「変更の登録」に改める。

  第十六条中「若しくは」を「又は」に、「基く」を「基づく」に、「違反し、又は第八条の二各号の一に該当する」を「違反する」に改める。

  第十七条の見出し及び同条第一項中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に改め、同条第二項中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に改め、「事務を」の下に「行い、並びに調査士の登録に関する事務を」を加える。

  第十七条の二(見出しを含む。)中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に改め、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。

  二 調査士の登録に関する規定

  第十七条の三及び第十七条の四中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に改める。

  第十七条の四の次に次の五条を加える。

  (登録審査会)

 第十七条の五 調査士会連合会に、登録審査会を置く。

 2 登録審査会は、調査士会連合会の請求により、第八条第一項第二号若しくは第三号の規定による登録の拒否又は第八条の七第一項の規定による登録の取消しについて審議を行うものとする。

 3 登録審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する。

 4 会長は、調査士会連合会の会長をもつて充てる。

 5 委員は、会長が、法務大臣の承認を受けて、調査士、法務省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。

 6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補充の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

  (公共嘱託登記土地家屋調査士協会)

 第十七条の六 調査士は、その専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の表示に関する登記に必要な調査若しくは測量又はその登記の嘱託若しくは申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的として、公共嘱託登記土地家屋調査士協会と称する民法第三十四条の規定による社団法人(以下「協会」という。)を設立することができる。

 2 協会の社員は、同一の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する調査士でなければならない。

 3 協会の理事の定数の過半数は、社員でなければならない。

 4 協会は、第二項の調査士が協会に加入しようとするときは、正当な理由がなければ、その加入を拒むことができない。

 (協会の業務)

 第十七条の七 協会は、前条第一項の目的を達成するため、官公署等の依頼を受けて、第二条に規定する土地又は家屋に関する調査、測量、これらを必要とする申請手続又はこれに係る審査請求の手続を行うことをその業務とする。

 2 協会は、その業務に係る第二条に規定する土地又は家屋に関する調査、測量、これらを必要とする申請手続又はこれに係る審査請求の手続を、調査士会に入会している調査士でない者に取り扱わせてはならない。

  (調査士に関する規定の準用)

 第十七条の八 第十一条の規定は、協会に準用する。

 (調査士会の助言)

 第十七条の九 調査士会は、所属の調査士が社員である協会に対し、その業務の施行に関し、必要な助言をすることができる。

  第十八条中「業務執行」の下に「並びに協会の設立及び業務執行」を加える。

  第十九条の見出し中「取締」を「取締り」に改め、同条第一項中「調査士でない者」の下に「(協会を除く。)」を加え、同条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 協会は、その業務の範囲を超えて、第二条に規定する土地又は家屋に関する調査、測量、これらを必要とする申請手続又はこれに係る審査請求の手続をすることを業とすることができない。

  第十九条に次の一項を加える。

 4 協会でない者は、公共嘱託登記土地家屋調査士協会又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

  第二十条中「法務局又は地方法務局の長」を「調査士会連合会」に、「十万円」を「三十万円」に改める。

  第二十一条中「二十万円」を「五十万円」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 協会が第十七条の八において準用する第十一条の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。

  第二十二条中「五十万円」を「百万円」に改める。

  第二十四条中「日本土地家屋調査士会連合会」を「調査士会連合会」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条を第二十七条とする。

  第二十三条第一項中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 協会が第十九条第二項の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

  第二十三条を第二十四条とし、同条の次に次の二条を加える。

 第二十五条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

  一 第十九条第三項の規定に違反した者

  二 第十九条第四項の規定に違反した者

 第二十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条第二項又は前三条(前条第一号を除く。)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

  第二十二条の次に次の一条を加える。

 第二十三条 協会が第十七条の七第二項の規定に違反したときは、その違反に係る第二条に規定する土地又は家屋に関する調査、測量、これらを必要とする申請手続又はこれに係る審査請求の手続を取り扱い、又は取り扱わせた協会の理事又は職員は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。


   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超え一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中司法書士法第十七条の四の次に五条を加える改正規定(同法第十七条の五に係る部分を除く。)、同法第十八条及び第十九条の各改正規定、同法第二十条の改正規定(金額を改める部分に限る。)、同法第二十一条から第二十三条までの各改正規定、同法第二十五条の改正規定、同条を同法第二十八条とする改正規定、同法第二十四条の改正規定、同条を同法第二十五条とし、同条の次に二条を加える改正規定並びに同法第二十三条の次に一条を加える改正規定並びに第二条中土地家屋調査士法第十七条の四の次に五条を加える改正規定(同法第十七条の五に係る部分を除く。)、同法第十八条及び第十九条の各改正規定、同法第二十条の改正規定(金額を改める部分に限る。)、同法第二十一条及び第二十二条の各改正規定、同法第二十四条の改正規定、同条を同法第二十七条とする改正規定、同法第二十三条の改正規定、同条を同法第二十四条とし、同条の次に二条を加える改正規定並びに同法第二十二条の次に一条を加える改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の司法書士法(以下「新司法書士法」という。)第四条第五号の規定及び第二条の規定による改正後の土地家屋調査士法(以下「新調査士法」という。)第四条第八号の規定又は新司法書士法第四条第六号の規定及び新調査士法第四条第五号の規定の適用については、第一条の規定による改正前の司法書士法(以下「旧司法書士法」という。)第十二条第三号の規定による登録の取消しの処分又は第二条の規定による改正前の土地家屋調査士法(以下「旧調査士法」という。)第十三条第一項第三号の規定による登録の取消しの処分は、新司法書士法第十二条第三号の規定による業務の禁止の処分又は新調査士法第十三条第一項第三号の規定による業務の禁止の処分とみなす。

2 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前において旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長に対して行つた登録の申請は、施行日において新司法書士法第六条の二第一項又は新調査士法第七条第一項の規定により日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に対して行つた登録の申請とみなす。

3 施行日前において旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長に対して行つた登録の移転の申請は、施行日において新司法書士法第六条の六第一項又は新調査士法第八条の四第一項の規定により日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に対して行つた変更の登録の申請とみなす。

4 旧司法書士法の規定による司法書士名簿の登録又は旧調査士法の規定による土地家屋調査士名簿の登録は、施行日以後は、新司法書士法又は新調査士法の規定による司法書士名簿の登録又は土地家屋調査士名簿の登録とみなす。

5 旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長がした登録の拒否又は登録の取消しの処分に不服がある者の不服申立てについては、なお従前の例による。

6 法務局又は地方法務局の長は、施行日において、法務局又は地方法務局に備えた司法書士名簿その他司法書士の登録に関する書類又は土地家屋調査士名簿その他土地家屋調査士の登録に関する書類を日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に引き継がなければならない。

第三条 第一条中司法書士法第十九条に一項を加える改正規定又は第二条中土地家屋調査士法第十九条に一項を加える改正規定(以下この条において「改正規定」という。)の施行の際現に公共嘱託登記司法書士協会若しくはこれに紛らわしい名称を用いている者又は公共嘱託登記土地家屋調査士協会若しくはこれに紛らわしい名称を用いている者については、新司法書士法第十九条第四項又は新調査士法第十九条第四項の規定は、改正規定施行後六月間は、適用しない。

第四条 この法律の各改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。

 (税理士法の一部改正)

第五条 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。

  第四条第九号中「まつ消」を「抹消」に、「の業務の禁止、司法書士の登録の取消し、」を「、司法書士若しくは」に改める。

 (税理士法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 前条の規定による改正後の税理士法第四条第九号の規定の適用については、旧司法書士法第十二条第三号の規定による登録の取消しの処分は、新司法書士法第十二条第三号の規定による業務の禁止の処分とみなす。

 (技術士法の一部改正)

第七条 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第三条第六号中「登録の取消し」を「業務の禁止」に改める。

 (技術士法の一部改正に伴う経過措置)

第八条 前条の規定による改正後の技術士法第三条第六号の規定の適用については、旧調査士法第十三条第一項第三号の規定による登録の取消しの処分は、新調査士法第十三条第一項第三号の規定による業務の禁止の処分とみなす。

(内閣総理・法務・大蔵大臣署名) 

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