証券取引法の一部を改正する法律
法律第七十一号(昭六〇・六・二一)
証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項中「第九十条」の下に「、第百七条の二第一項及び第二百八条」を加える。
第六十五条の二第三項中「この条」の下に「、第百七条の二第一項及び第二百八条」を加える。
第百七条の次に次の一条を加える。
第百七条の二 前条の規定にかかわらず、証券取引所は、売買の当事者が証券取引所の定める基準及び方法に従い、将来の一定の時期において有価証券及びその対価の授受を約する売買取引であつて、当該売買の目的となつている有価証券の転売又は買戻しをしたときは差金の授受によつて決済することができる取引(以下「先物取引」という。)のうち、国債証券、地方債証券並びに政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債券その他の債券に係るもの(次項において「国債証券等に係る先物取引」という。)について、定款の定めるところにより、会員以外の証券会社及び政令で定める外国証券会社並びに認可を受けた金融機関のうち大蔵省令で定める業務を行う者に、当該証券取引所の有価証券市場における取引資格を与えることができる。
前項の規定に基づき、証券取引所により当該有価証券市場における取引資格を与えられた者は、国債証券等に係る先物取引を行う範囲において、第九十七条から第九十九条まで、第百八条の三、第百二十一条、第百二十四条、第百二十七条から第百三十二条まで、第百五十五条、第百五十七条、第百六十三条及び第百八十四条の規定の適用については、会員とみなす。この場合において、第九十八条中「除名する」とあるのは「取引資格を失わせる」と、第九十九条第一項中「脱退した」とあるのは「取引資格を失つた」と、第百二十九条第二項中「これを除名し」とあるのは「取引資格を失わせ」とする。
第百八条の次に次の二条を加える。
第百八条の二 証券取引所は、定款の定めるところにより、国債証券に係る先物取引について、その取引の円滑化に資するため、取引の対象として、利率、償還期限その他の条件を標準化した標準物を設定することができる。
前項の場合において、証券取引所は、標準物の条件、標準物と受渡しに用いる国債証券との交換比率の算定方法その他の標準物の取引に関し必要な事項を、業務規程で定めなければならない。
第一項の規定により設定された標準物は、この法律の適用については、第二条第一項第一号に掲げる国債証券とみなす。
第百八条の三 証券取引所は、定款の定めるところにより、会員をして、先物取引について、売買証拠金を預託させることができる。
前項の売買証拠金は、大蔵省令で定めるところにより、有価証券をもつて充てることができる。
第百二十一条第一項の規定は、第一項の売買証拠金について準用する。この場合において、同条第一項中「有価証券市場における売買取引」とあるのは、「先物取引」と読み替えるものとする。
第百二十条中「乃至前条」を「から前条まで」に改め、同条に次のただし書を加える。
ただし、第百八条の二第三項の規定により国債証券とみなされる標準物に関する第百十条、第百十二条及び第百十七条の規定の適用については、この限りでない。
第百三十二条を次のように改める。
第百三十二条 会員は、受託契約準則の定めるところにより、先物取引の受託について、委託者から委託証拠金の預託を受けなければならない。
証券取引所が先物取引の受託について受託契約準則で定める委託証拠金の料率は、取引の事情を考慮して大蔵大臣が定める料率を下つてはならない。
第一項の委託証拠金は、大蔵省令で定めるところにより、有価証券をもつて充てることができる。
第二百八条中「証券会社」の下に「、認可を受けた金融機関(第百七条の二第二項に規定する証券取引所により当該有価証券市場における取引資格を与えられた者に限る。)」を、「若しくは役員」の下に「、外国証券会社の支店の代表者(外国証券業者に関する法律第四条第一項に規定する支店の代表者をいう。)」を加え、同条第一号中「第百二十九条第一項」の下に「、第百三十二条第一項」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(証券投資信託法の一部改正)
第二条 証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「規定する有価証券」の下に「(同法第百八条の二第三項の規定により国債証券とみなされる標準物を含む。)」を加える。
(外国証券業者に関する法律の一部改正)
第三条 外国証券業者に関する法律(昭和四十六年法律第五号)の一部を次のように改正する。
第二条第三号中「規定する有価証券」の下に「(同法第百八条の二第三項の規定により国債証券とみなされる標準物を含む。)」を加え、同条第四号中「行なう」を「行う」に改める。
(大蔵・内閣総理大臣署名)