民事訴訟法及び民事調停法の一部を改正する法律

法律第八十三号(昭五七・八・二四)

 (民事訴訟法の一部改正)

第一条 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)の一部を次のように改正する。

  第百四十四条各号列記以外の部分に次のただし書を加える。

   但シ訴訟ガ裁判ニ因ラズシテ完結シタル場合ニ於テハ当事者ガ訴訟ノ完結シタルコトヲ知リタル日ヨリ一週間ヲ経過スル迄ニ其ノ記載ヲ為スベキ旨ノ申出ヲ為シタル場合ヲ除クノ外裁判長ノ許可ヲ得テ証人及鑑定人ノ陳述並検証ノ結果ノ記載ヲ省略スルコトヲ得

  第百五十四条に次の一項を加える。

  前項ノ呼出ハ最初ノ期日ノ呼出ヲ除クノ外同項ニ定ムル方法以外ノ相当ト認ムル方法ニ依リテ之ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ期日ニ出頭セザル当事者、証人又ハ鑑定人ニ対シ法律上ノ制裁其ノ他期日ノ懈怠ニ因ル不利益ヲ帰スルコトヲ得ズ

  第百六十二条第二項中「郵便集配人」を「郵便ノ業務ニ従事スル者」に改める。

  第百六十九条第一項の次に次の一項を加える。

  前項ニ定ムル場所ガ知レザルトキ又ハ其ノ場所ニ於テ送達ヲ為スニ付支障アルトキハ送達ハ送達ヲ受クベキ者ガ雇用、委任其ノ他ノ法律上ノ行為ニ基キ就業スル他人ノ住所、居所、営業所又ハ事務所に於テ之ヲ為スコトヲ得送達ヲ受クベキ者ガ其ノ就業スル場所ニ於テ送達ヲ受クベキ旨ノ申述ヲ為シタルトキ亦同ジ

  第百七十一条第一項中「送達ヲ為スベキ場所」を「第百六十九条第二項ニ定ムル場所以外ノ送達ヲ為スベキ場所」に改め、同項に後段として次のように加える。

   郵便ノ業務ニ従事スル者郵便局ニ於テ書類ヲ交付スベキトキ亦同ジ

  第百七十一条第二項中「前項ニ掲グル者其ノ他」を「送達ヲ受クベキ者又ハ第一項前段ノ規定ニ依リ」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  第百六十九条第二項ニ定ムル場所ニ於テ送達ヲ受クベキ者ニ出会ハザル場合ニ於テ同項ノ他人又ハ其ノ法定代理人、事務員若ハ雇人ニシテ事理ヲ弁識スルニ足ルベキ知能ヲ具フル者ガ書類ノ交付ヲ受クルコトヲ拒マザルトキハ此等ノ者ニ書類ヲ交付スルコトヲ得

  第百七十一条に次の一項を加える。

  第二項ノ規定ニ依ル送達アリタルトキハ裁判所書記官其ノ旨ヲ送達ヲ受ケタル者ニ通知スルコトヲ要ス

  第百七十二条中「裁判所書記官」の下に「第百六十九条第一項ニ定ムル場所ニ宛テ」を加える。

  第百七十八条第一項中「知レザル場合」の下に「若ハ第百七十二条ノ規定ニ依リテ送達ヲ為スコト能ハザル場合」を加える。

  第百九十一条第二項に次のただし書を加える。

   但シ証拠ニ関スル事項ニ付テハ訴訟記録中ノ調書ノ記載ヲ引用スルコトヲ得

  第二百六十九条、第二百七十七条、第二百七十七条ノ二第一項、第三百十八条、第三百二十八条第二項、第三百三十一条第一項、第三百三十五条第二項及び第三百三十九条第一項中「五千円」を「十万円」に改める。

  第三百四十条に後段として次のように加える。

   此ノ場合ニ於テハ第百四十四条但書ノ規定ヲ準用ス

  第三百五十六条ノ二を次のように改める。

  第百五十四条第二項ノ規定ハ最初ノ期日ノ呼出ニ之ヲ準用ス

  第五百十三条第一項を次のように改める。

  本編及ビ次編ノ規定ニ従ヒ保証ヲ立ツル義務ヲ負ハシメ又ハ保証ヲ立テ若クハ供託ヲ為スコトヲ許シタル場合ニ於テ供託ヲ為スニハ其裁判ヲ為シタル裁判所又ハ執行裁判所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ管轄区域内ノ供託所ニ之ヲ為スコトヲ要ス

  第五百十三条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同条第二項を削る。


 (民事調停法の一部改正)

第二条 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条中「呼出」を「呼出し」に、「三千円」を「五万円」に改める。

  第三十五条及び第三十七条中「五千円」を「十万円」に改める。

  第三十八条中「一万円」を「二十万円」に改める。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和五十七年十月一日から施行する。


 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正)

第三条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第六十九条の二中「「執行官」」の下に「とあり、及び「裁判所書記官」」を加える。


 (特許法の一部改正)

第四条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  第百五十一条中「第百五十四条(呼出)」を「第百五十四条第一項(呼出し)」に、「第三百四十条」を「第三百四十条前段、第三百四十一条」に、「証拠調」を「証拠調べ」に改める。

  第百九十条中「及び第百六十三条」を「、第百六十三条及び第百七十一条第四項」に、「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。

  第百九十一条第一項中「知れないとき」の下に「、又は前条において準用する民事訴訟法第百七十二条の規定により送達をすることができないとき」を加える。


 (公害紛争処理法の一部改正)

第五条 公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

  第四十五条の二中「第百七十二条」を「第百七十一条第四項及び第百七十二条」に改める。

(内閣総理・法務・通商産業大臣署名)

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