日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律
法律第百十八号(昭四九・一二・二八)
日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項第一号中「及び子」を「、子、孫及び弟妹」に改め、同項に次の二号を加える。
三 被保険者又は被保険者であつた者の配偶者で届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であつて、これらの者と同一の世帯に属し、主としてこれらの者により生計を維持するもの
四 前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であつて、引き続きその被保険者又は被保険者であつた者と同一の世帯に属し、主としてこれらの者により生計を維持するもの
第四条の次に次の一条を加える。
(賃金日額の等級)
第四条の二 賃金日額の等級の区分は、被保険者の賃金日額に応じ次の表に定めるとおりとする。
賃金日額の等級 |
賃金日額 |
|
第一級 |
一、五〇〇円未満 |
|
第二級 |
一、五〇〇円以上 |
二、五〇〇円未満 |
第三級 |
二、五〇〇円以上 |
三、五〇〇円未満 |
第四級 |
三、五〇〇円以上 |
五、〇〇〇円未満 |
第五級 |
五、〇〇〇円以上 |
六、五〇〇円未満 |
第六級 |
六、五〇〇円以上 |
八、〇〇〇円未満 |
第七級 |
八、〇〇〇円以上 |
九、五〇〇円未満 |
第八級 |
九、五〇〇円以上 |
|
2 前項の規定による賃金日額の等級の区分は、被保険者が受ける賃金の水準に著しい変動があつた場合においては、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条ノ二の規定による標準報酬の区別の改定の措置その他の事情を勘案して、速やかに改定の措置が講ぜられるべきものとする。
第六条第一号中「(大正十一年法律第七十号)」を削る。
第九条に次の一号を加える。
十 高額療養費の支給
第九条の次に次の一条を加える。
(給付基礎日額)
第九条の二 給付基礎日額は、賃金日額の等級に応じ次の表に定めるとおりとする。
賃金日額の等級 |
給付基礎日額 |
第一級 |
一、三三四円 |
第二級 |
二、〇〇〇円 |
第三級 |
三、〇〇〇円 |
第四級 |
四、四〇〇円 |
第五級 |
五、七五〇円 |
第六級 |
七、二五〇円 |
第七級 |
八、七五〇円 |
第八級 |
一〇、二五〇円 |
第十二条中「五十円」を「二百円」に改める。
第十四条第一項中「行なわれた」を「行われた」に、「三年六箇月」を「五年」に改める。
第十六条の二第二項中「定める額」を「定める金額」に、「高い方の額」を「高い金額」に改め、各号を次のように改める。
一 当該被保険者について、その者が初めて当該療養の給付を受けた日の属する月の前二箇月間に通算して二十八日分以上の保険料が納付されている場合 当該期間において保険料が納付された日のうちからその納付された日に係るその者の給付基礎日額の合算額が最大となるように二十八の日を選んだ場合における当該合算額の二百八十分の六に相当する金額
二 当該被保険者について、その者が初めて当該療養の給付を受けた日の属する月の前六箇月間に通算して七十八日分以上の保険料が納付されている場合 当該期間において保険料が納付された日のうちからその納付された日に係るその者の給付基礎日額の合算額が最大となるように七十八の日を選んだ場合における当該合算額の七百八十分の六に相当する金額
第十六条の二第三項中「より定められた」を「よる傷病手当金の」に改め、同条第四項中「はじめた」を「始めた」に、「三十日」を「六箇月(厚生大臣の指定する疾病に関しては、一年六箇月)」に改める。
第十六条の三及び第十六条の四を次のように改める。
(埋葬料)
第十六条の三 被保険者が死亡した場合において、その死亡の日の属する月の前二箇月間に通算して二十八日分以上若しくは当該月の前六箇月間に通算して七十八日分以上の保険料がその者について納付されているとき、又はその死亡の際その者が療養の給付を受けていたときは、その者により生計を維持していた者であつて、埋葬を行うものに対し、埋葬料を支給する。
2 埋葬料の額は、次の各号の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額とする。ただし、第一号及び第二号のいずれにも該当するときは、いずれか高い金額とする。
一 当該被保険者について、その死亡の日の属する月の前二箇月間に通算して二十八日分以上の保険料が納付されている場合 当該期間において保険料が納付された日のうちからその納付された日に係るその者の給付基礎日額の合算額が最大となるように二十八の日を選んだ場合における当該合算額の二十八分の一に相当する金額に一箇月当たりの被保険者の平均就労日数を勘案して厚生大臣の定める日数を乗じて得た金額(その金額が三万円に満たないときは、三万円)
二 当該被保険者について、その死亡の日の属する月の前六箇月間に通算して七十八日分以上の保険料が納付されている場合 当該期間において保険料が納付された日のうちからその納付された日に係るその者の給付基礎日額の合算額が最大となるように七十八の日を選んだ場合における当該合算額の七十八分の一に相当する金額に前号に規定する厚生大臣の定める日数を乗じて得た金額(その金額が三万円に満たないときは、三万円)
三 前二号に掲げる場合以外の場合 三万円
3 第一項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行つた者に対し、前項の規定による埋葬料の額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
(分べん費)
第十六条の四 被保険者が分べんした場合において、その分べんの日の属する月の前四箇月間に通算して二十八日分以上の保険料がその者について納付されているときは、分べん費を支給する。
2 分べん費の額は、分べんの日の属する月の前四箇月間の保険料が納付された日のうちからその納付された日に係る当該被保険者の給付基礎日額の合算額が最大となるように二十八の日を選んだ場合における当該合算額の二十八分の一に相当する金額(以下「分べんの月前の平均給付基礎日額」という。)に一箇月当たりの被保険者の平均就労日数の二分の一に相当する日数を勘案して厚生大臣の定める日数を乗じて得た金額(その金額が六万円に満たないときは、六万円)とする。
3 被保険者が、分べんに関し病院又は診療所に収容されている場合に支給すべき分べん費の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による分べん費の額の二分の一に相当する金額とする。
第十六条の五第一項中「被保険者が分べんしたときは」を「分べん費の支給を受けることができる被保険者には」に、「九日」及び「二十一日」を「四十二日」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 出産手当金の額は、一日につき、分べんの月前の平均給付基礎日額の十分の六に相当する金額とする。
第十六条の五第三項中「より定められた」を「よる出産手当金の」に改め、同条第四項を削る。
第十七条第二項中「百分の五十」を「百分の七十」に、「但し」を「ただし」に、「こえる」を「超える」に改め、同条第五項中「百分の五十」を「百分の七十」に、「但書」を「ただし書」に改める。
第十七条の二第一項中「二千円」を「三万円」に改める。
第十七条の三第一項中「一万円」を「六万円」に改める。
第十七条の七を第十七条の八とし、第十七条の六中「百分の五十」を「百分の七十」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第十七条の七 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費又は特別療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十八条第二項中「及び特別療養費」を「、特別療養費及び高額療養費」に改める。
第三十条を次のように改める。
(保険料の額)
第三十条 保険料の額は、一日につき、被保険者の賃金日額の等級に応じ次の表に定めるとおりとする。
賃金日額の等級 |
保険料の額 |
第一級 |
六〇円 |
第二級 |
一二〇円 |
第三級 |
二〇〇円 |
第四級 |
二八〇円 |
第五級 |
三七〇円 |
第六級 |
四七〇円 |
第七級 |
五六〇円 |
第八級 |
六六〇円 |
2 被保険者及び事業主は、それぞれ保険料の額の二分の一を負担する。ただし、賃金日額の等級が第一級である場合の保険料については、被保険者が二十五円を、事業主が三十五円を負担し、賃金日額の等級が第二級である場合の保険料については、被保険者が五十五円を、事業主が六十五円を負担する。
附 則
1 この法律は、昭和五十年一月一日から施行する。
2 昭和四十八年十月一日前に同一の疾病又は負傷及びこれによつて発した疾病に関し療養の給付、特別療養費の支給又は家族療養費の支給の開始後二年を経過した被保険者、被保険者であつた者又は被扶養者の当該疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関する療養の給付又は家族療養費の支給については、なお従前の例による。
3 改正後の第十六条の二第二項第一号に規定する二十八日分以上の保険料又は同項第二号に規定する七十八日分以上の保険料のうちに日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十一号)による改正前の日雇労働者健康保険法第三十条第一項の規定による第一級又は同項の規定による第二級の保険料が含まれている場合における傷病手当金の額については、なお従前の例による。
4 この法律の施行の日前に改正前の第十六条の二第四項に規定する支給期間が満了した傷病手当金及び改正前の第十六条の五第一項に規定する支給期間が満了した出産手当金の支給期間並びに同日前に分べんした者のその分べんの日前の期間に係る出産手当金の支給期間については、なお従前の例による。
5 改正後の日雇労働者健康保険法の規定の適用については、当分の間、同法第四条の二第一項の表中
「 |
第一級 |
一、五〇〇円未満 |
|
」 |
とあるのは
「 |
特例第一級 |
四八〇円未満 |
|
」 |
第一級 |
四八〇円以上 |
一、五〇〇円未満 |
と、同法第九条の二の表中
「 |
第一級 |
一、三三四円 |
」 |
とあるのは
「 |
特例第一級 |
四〇〇円 |
」 |
第一級 |
一、三三四円 |
と、同法第三十条第一項の表中
「 |
第一級 |
六〇円 |
」 |
とあるのは
「 |
特例第一級 |
二〇円 |
」 |
第一級 |
六〇円 |
とする。
6 この法律の施行の日から昭和五十年三月三十一日までの間における改正後の日雇労働者健康保険法の規定の適用については、同法第四条の二第一項の表中
「 |
第三級 |
二、五〇〇円以上 |
三、五〇〇円未満 |
」 |
第四級 |
三、五〇〇円以上 |
五、〇〇〇円未満 |
||
第五級 |
五、〇〇〇円以上 |
六、五〇〇円未満 |
||
第六級 |
六、五〇〇円以上 |
八、〇〇〇円未満 |
||
第七級 |
八、〇〇〇円以上 |
九、五〇〇円未満 |
||
第八級 |
九、五〇〇円以上 |
|
とあるのは
「 |
第三級 |
二、五〇〇円以上 |
|
」 |
と、同法第九条の二の表中
「 |
第三級 |
三、〇〇〇円 |
」 |
第四級 |
四、四〇〇円 |
||
第五級 |
五、七五〇円 |
||
第六級 |
七、二五〇円 |
||
第七級 |
八、七五〇円 |
||
第八級 |
一〇、二五〇円 |
とあるのは
「 |
第三級 |
三、〇〇〇円 |
」 |
と、同法第三十条第一項の表中
「 |
第三級 |
二〇〇円 |
」 |
第四級 |
二八〇円 |
||
第五級 |
三七〇円 |
||
第六級 |
四七〇円 |
||
第七級 |
五六〇円 |
||
第八級 |
六六〇円 |
とあるのは
「 |
第三級 |
二〇〇円 |
」 |
とする。
7 昭和五十年四月一日から昭和五十一年三月三十一日までの間における改正後の日雇労働者健康保険法の規定の適用については、同法第四条の二第一項の表中
「 |
第五級 |
五、〇〇〇円以上 |
六、五〇〇円未満 |
」 |
第六級 |
六、五〇〇円以上 |
八、〇〇〇円未満 |
||
第七級 |
八、〇〇〇円以上 |
九、五〇〇円未満 |
||
第八級 |
九、五〇〇円以上 |
|
とあるのは
「 |
第五級 |
五、〇〇〇円以上 |
|
」 |
と、同法第九条の二の表中
「 |
第五級 |
五、七五〇円 |
」 |
第六級 |
七、二五〇円 |
||
第七級 |
八、七五〇円 |
||
第八級 |
一〇、二五〇円 |
とあるのは
「 |
第五級 |
五、七五〇円 |
」 |
と、同法第三十条第一項の表中
「 |
第五級 |
三七〇円 |
」 |
第六級 |
四七〇円 |
||
第七級 |
五六〇円 |
||
第八級 |
六六〇円 |
とあるのは
「 |
第五級 |
三七〇円 |
」 |
とする。
(厚生・内閣総理大臣署名)