農業災害補償法の一部を改正する法律

法律第百二十五号(昭四一・七・九)

 農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の一部を次のように改正する。

 第十三条の二中「組合員等の支払うべき牛又は馬の死廃病傷共済に係る共済掛金」を「牛又は馬に係る第百十三条第一項の個別共済関係に関し組合員等の支払うべき共済掛金」に改め、同条に第一項から第三項までとして次の三項を加える。

  国庫は、牛又は馬に係る第百十一条の五の包括共済関係に関し組合員等の支払うべき共済掛金(次項及び第三項に規定するものを除く。)のうち、その三分の一に相当する金額(その金額が主務大臣の定める金額をこえる場合にあつては、その主務大臣の定める金額)を負担する。

  国庫は、組合員等でその営む乳牛の雌及び第百十一条第一項の肉用牛ごとの養畜の業務の規模が政令で定める最高規模と最低規模の範囲内にあるものが当該乳牛の雌又は肉用牛に係る第百十一条の五の包括共済関係に関し支払うべき共済掛金(次項に規定するものを除く。)については、政令の定めるところにより、当該養畜の業務の規模に応じ、その五分の二又は二分の一に相当する金額(その金額が主務大臣の定める金額をこえる場合にあつては、その主務大臣の定める金額)を負担する。

  国庫は、牛又は馬に係る第百十一条の五の包括共済関係に関し組合員等の支払うべき共済掛金で左に掲げるものについては、その十分の三に相当する金額(その金額が主務大臣の定める金額をこえる場合にあつては、その主務大臣の定める金額)を負担する。

 一 主として自給飼料以外の飼料により乳牛の雌を飼養する者であつて政令で定める基準に該当するものが乳牛の雌につき支払うべき共済掛金

 二 第百十一条の八第一項の申出をした者(前号の者を除く。)が当該申出に係る共済掛金期間につき支払うべき共済掛金

 第十五条第一項中「住所を有するもの」の下に「(命令の定めるところにより定款で定める者を除く。)」を加え、同項ただし書を削り、同項第三号を次のように改める。

 三 牛、馬又は種豚につき養畜の業務を営む者

 第十五条第一項第四号中「第八十三条第一項第四号」を「第八十三条第四号」に改める。

 第八十三条第二項を削る。

 第八十四条第一項中「死廃病傷共済にあつては第三号、生産共済にあつては第四号」を「家畜共済にあつては第三号」に改め、同項第三号を次のように改め、同項第四号を削る。

 三 共済目的 出生後第五月の月の末日(主務大臣が特定の地域についてその日前の日を定めたときは、その地域については、その主務大臣の定めた日)を経過した牛、出生の年の末日(主務大臣が特定の地域についてその日前の日を定めたときは、その地域については、その主務大臣の定めた日)を経過した馬及び出生後第五月の月の末日を経過した種豚

   共済事故 死亡、廃用、疾病及び傷害

 第八十四条第二項中「及び第四号」を削る。

 第八十五条第一項中「第八十三条第一項第一号」を「第八十三条第一号」に改め、同条第十二項中「第八十三条第一項第四号」を「第八十三条第四号」に改める。

 第八十五条の七中「第八十三条第一項」を「第八十三条」に改める。

 第九十八条の三を削る。

 第九十九条第一項第五号中「第百五条第一項の規定による払込」を「共済掛金の払込み」に改め、同項第六号中「第百五条第三項」の下に「若しくは第百十三条の二」を加え、同項に次の一号を加える。

 七 第百十一条第一項の規定による申込みをした組合員等が、当該申込みの際、現に飼養していた家畜で当該申込みに係るもののうちに疾病にかかり、若しくは傷害を受けていたもの又は疾病若しくは傷害の原因が生じていたものがあつた場合において、悪意又は重大な過失によつてこれを通知せず、又は不実の通知をしたとき(組合等がこれを知つていたとき及び過失によつてこれを知らなかつたときを除く。)。

 第百四条の五の次に次の一条を加える。

第百四条の六 農業共済組合との間に農作物共済又は蚕繭共済の共済関係の存する者が住所を当該農業共済組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため当該農業共済組合を脱退した場合において、その者の業務とする耕作又は養蚕に係る第八十四条第一項第一号の農作物又は同項第二号の蚕繭がその脱退の際現に第百十条第一号又は第二号に掲げる期間の始期を過ぎているものであり、かつ、その者が当該共済関係を存続させることについてその脱退前に当該農業共済組合の承諾を受けていたときは、その期間に係る当該農作物又は蚕繭については、当該共済関係は、なお存続するものとする。

  共済事業を行なう市町村との間に農作物共済又は蚕繭共済の共済関係の存する者が住所を当該市町村の共済事業の実施区域外に移転したため第百四条の四第二項の規定により当該共済関係が消滅すべき場合において、その者の業務とする耕作又は養蚕に係る第八十四条第一項第一号の農作物又は同項第二号の蚕繭がその移転の際現に第百十条第一号又は第二号に掲げる期間の始期を過ぎているものであり、かつ、その者が当該共済関係を存続させることについてその移転前に当該市町村の承諾を受けていたときは、その期間に係る当該農作物又は蚕繭については、当該共済関係は、第百四条の四第二項の規定にかかわらず、なお存続するものとする。

  前二項の承諾には、第九十三条第三項の規定を準用する。

 第三章第二節中第百十条の次に次の一条を加える。

第百十条の二 組合等は、その支払うべき農作物共済又は蚕繭共済の共済金に係る損害の額を認定するに当たつては、定款等の定めるところにより、あらかじめ当該組合等の損害評価会の意見を聞かなければならない。

 第百十一条の三中「家畜共済の申込」を「第百十一条の規定による申込み」に改め、「その申込が死廃病傷共済に付していない母畜の胎児についての生産共済の申込である場合(その申込と同時に当該母畜について死廃病傷共済の申込がある場合を除く。)及び」を削り、同条を第百十一条の四とし、同条の次に次の四条を加える。

第百十一条の五 第百十一条第一項の規定により成立する家畜共済の共済関係(以下包括共済関係という。)の成立の際、その成立により家畜共済に付されることとなつた家畜につき既に同条第三項の規定により家畜共済の共済関係が成立していたときは、当該包括共済関係に係る共済責任の始まる時に、その成立していた共済関係は、消滅するものとする。

第百十一条の六 組合等との間に包括共済関係の存する者が当該包括共済関係の成立の後に当該包括共済関係に係る包括共済対象家畜の種類たる牛、馬又は種豚で第八十四条第一項第三号に掲げるものを飼養するに至つたときは、その時(その時に当該組合等の当該包括共済関係に係る共済責任が始まつていないときは、その共済責任の始まつた時)に、当該牛、馬又は種豚は、当該組合等の当該包括共済関係に係る家畜共済に付されるものとする。その者の飼養している家畜が当該包括共済対象家畜の種類たる牛、馬又は種豚で同号に掲げるものとなつたときも、また同様とする。

  第九十三条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により包括共済関係に関し権利義務の承継があつた場合において、当該権利義務を承継した者がその承継前から引き続き当該包括共済関係に係る包括共済対象家畜の種類たる牛、馬又は種豚で第八十四条第一項第三号に掲げるものを飼養していたときは、当該牛、馬又は種豚についても、また前項前段と同様とする。

  組合等との間に包括共済関係の存する者が当該組合等の当該包括共済関係に係る家畜共済に付した家畜を飼養しなくなつたとき(その者が同時に当該包括共済関係に係る包括共済対象家畜の種類につき養畜の業務を営む者でなくなつたときを除く。)は、その時に、当該家畜は、当該家畜共済に付した家畜でなくなるものとする。当該家畜が当該包括共済対象家畜の種類たる牛、馬又は種豚で第八十四条第一項第三号に掲げるものでなくなつたときも、また同様とする。

第百十一条の七 農業共済組合との間に家畜共済の共済関係の存する者が住所を当該農業共済組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため当該農業共済組合を脱退した場合において、その者が当該共済関係を存続させることについてその脱退前に当該農業共済組合の承諾を受けていたときは、当該共済関係は、なお存続するものとする。

  共済事業を行なう市町村との間に家畜共済の共済関係の存する者が住所を当該市町村の共済事業の実施区域外に移転したため第百十一条の三第二項の規定により当該共済関係が消滅すべき場合において、その者が当該共済関係を存続させることについてその移転前に当該市町村の承諾を受けていたときは、当該共済関係は、同項の規定にかかわらず、なお存続するものとする。

  前二項の承諾には、第九十三条第三項の規定を準用する。

第百十一条の八 組合等との間に包括共済関係の存する者は、その者が第十三条の二第三項第一号の者であるとき、又はその者に係る家畜の飼養頭数その他家畜の飼養に関する条件が政令で定める基準に適合するときは、包括共済対象家畜の種類ごと及び共済掛金期間ごとに、省令の定めるところにより、当該組合等に対し、廃用の一部又は疾病若しくは傷害の全部若しくは一部を共済事故としない旨の申出をすることができる。

  前項の申出があつたときは、当該包括共済関係においては、当該申出に係る共済掛金期間内は、第八十四条第一項の規定にかかわらず、同項第三号の共済事故のうち当該申出に係るものを共済事故としないものとする。

 第百十一条の二を第百十一条の三とし、第百十一条第一項中「出生後第五月の月の末日を経過した牛(十二歳以下のものに限る。)又は明け二歳以上明け十六歳以下の馬を所有し、又は管理する」を「第八十四条第一項第三号に掲げる牛(十二歳をこえる種雄牛を除く。)又は同号に掲げる馬(明け十七歳以上の種雄馬を除く。)を飼養する」に、「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改め、同条を第百十一条の二とし、第三章第三節中同条の前に次の一条を加える。

第百十一条 乳牛の雌、肉用牛(乳牛の雌及び種雄牛以外の牛をいう。)、種雄馬以外の馬又は種豚(以下包括共済対象家畜と総称する。)に係る家畜共済の共済関係は、包括共済対象家畜の種類ごとに、農業共済組合の組合員又は第百十一条の三第一項の家畜共済資格者がその者の飼養する包括共済対象家畜で第八十四条第一項第三号に掲げる牛、馬又は種豚であるものを一体として組合等の家畜共済に付することを申し込み、組合等がこれを承諾することによつて、成立するものとする。

  種雄牛又は種雄馬に係る家畜共済の共済関係は、家畜ごとに、農業共済組合の組合員又は第百十一条の三第一項の家畜共済資格者がその者の飼養する種雄牛又は種雄馬で第八十四条第一項第三号に掲げる牛又は馬であるものを組合等の家畜共済に付することを申し込み、組合等がこれを承諾することによつて、成立するものとする。

  包括共済対象家畜であつて、省令で定める特別の事由があるものについては、第一項の規定にかかわらず、前項の規定の例により家畜共済の共済関係を成立させることができる。

 第百十二条第一項中「共済掛金の支払」の下に「(第八十六条第一項の定款等の定めるところに従い共済掛金の分割支払がされる場合にあつては、その第一回の支払)を加え、同項に次のただし書を加える。

  但し、その日以後第百十一条の六第一項又は第二項の規定により包括共済関係に係る家畜共済に付された家畜については、その家畜共済に付された時から始まる。

 第百十二条第二項中「死廃病傷共済の」を「家畜共済に係る」に改め、同条に次の一項を加える。

  家畜共済に係る最初の共済掛金期間は、第一項本文の規定により家畜共済に係る共済責任の始まる時に開始する。

 第百十三条第一項中「死廃病傷共済」を「第百十一条第二項又は第三項の規定により成立する家畜共済の共済関係(以下個別共済関係という。)に係る家畜共済」に改め、同項第二号中「七歳を超える山羊及びめん羊並びに」を削り、同条第二項中「死廃病傷共済関係」を「個別共済関係」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第百十三条の二 組合等との間に包括共済関係の存する者は、当該包括共済関係に係る共済目的に省令で定める異動(死亡及び廃用を除く。)を生じたときは、定款等の定めるところにより遅滞なくその旨を組合等に通知しなければならない。

 第百十四条を次のように改める。

第百十四条 家畜共済の共済金額は、当該家畜共済に係る最初の共済掛金期間開始の時における共済価額に定款等で定める最低割合を乗じて得た金額を下らず、その時における共済価額の百分の八十をこえない範囲内において、定款等の定めるところにより、農業共済組合の組合員又は家畜共済資格者が申し出た金額とする。

  前項の最低割合の基準は、主務大臣が定める。

  包括共済関係に係る家畜共済の共済金額は、死亡又は廃用により共済金が支払われたときは、当該死亡又は廃用の時に、その支払われた共済金に相当する金額だけ減額するものとする。

  包括共済関係に係る家畜共済の共済価額が第百十一条の六第一項又は第二項の規定による共済目的の異動により増加したときは、組合員等は、共済掛金期間の中途においても、省令の定めるところにより、組合等に対しその増加の割合の範囲内で家畜共済の共済金額の増額を請求することができる。この場合には、当該組合員等は、省令の定めるところにより、当該共済掛金期間のうちまだ経過していない期間に対する共済掛金を支払わなければならないものとし、当該共済金額の増額は、組合等が当該組合員等から当該共済掛金の支払(第八十六条第一項の定款等の定めるところに従い共済掛金の分割支払がされる場合にあつては、その第一回の支払)を受けた日の翌日からその効力を生ずるものとする。

  前項の規定及び第百二十条において準用する商法第六百三十七条の規定による場合のほか、組合員等は、新たな共済掛金期間開始の時において、組合等の承諾を受けて、家畜共済の共済金額を変更することができる。この場合には、第百十一条の四の規定を準用する。

  前二項の規定又は第百二十条において準用する商法第六百三十七条の規定による変更後の家畜共済の共済金額は、第一項の規定にかかわらず、その変更の時における共済価額に同項の最低割合を乗じて得た金額を下らず、その時における共済価額の百分の八十をこえない範囲内において定めなければならない。

  第百十四条の次に次の一条を加える。

第百十四条の二 家畜共済の共済価額は、左の金額とする。

 一 包括共済関係にあつては、包括共済対象家畜の種類ごと及び組合員等ごとに、当該組合員等が現に飼養している当該包括共済関係に係る家畜の価額を合計した金額

 二 個別共済関係にあつては、当該個別共済関係に係る家畜の価額

  前項の家畜の価額は、最初の共済掛金期間開始の時(その共済掛金期間開始の後第百十一条の六第一項又は第二項の規定により包括共済関係に係る家畜共済に付された家畜にあつては、その家畜共済に付された時)における家畜の価額とする。但し、組合等と組合員等との協議により新たな共済掛金期間開始の時における家畜の価額に改訂すべき旨を決定したときは、その家畜の価額とする。

 第百十五条第一項中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改め、「共済目的の種類」の下に「(第八十四条第一項第三号に掲げる共済目的につき、共済事故の発生態様の類似性を勘案して主務大臣が定める種類をいう。次項乃至第四項において同じ。)を加え、同項第一号中「死亡及び廃用」の下に「(これらのうち第三号の異常事故に該当するものを除く。)」を、「疾病」の下に「(第三号の異常事故に該当するものを除く。次号において同じ。)」を、「共済掛金標準率甲」の下に「(第百十一条の八第一項の申出があつたときは、当該申出に係る共済掛金期間につき適用すべき共済掛金率については、当該申出に係る共済事故による損害に対応する共済掛金割引標準率甲を差し引いて得た率。第六項において同じ。)」を加え、同項第二号中「共済掛金標準率乙」の下に「(第百十一条の八第一項の申出があつたときは、当該申出に係る共済掛金期間につき適用すべき共済掛金率については、当該申出に係る共済事故による損害に対応する共済掛金割引標準率乙を差し引いて得た率。第六項において同じ。)」を加え、同項に次の一号を加える。

 三 伝染性の疾病又は気象上の原因(地震及び噴火を含む。)による死亡及び廃用並びに伝染性の疾病のうち省令で定めるもの(以下異常事故という。)による損害に対応する共済掛金標準率丙(第百十一条の八第一項の申出があつたときは、当該申出に係る共済掛金期間につき適用すべき共済掛金率については、当該申出に係る共済事故による損害に対応する共済掛金割引標準率丙を差し引いて得た率。第六項において同じ。)を下らない範囲内において定款等で定める率

 第百十五条第二項を次のように改める。

  包括共済関係に係る家畜共済でその共済目的が二以上の共済目的の種類にわたるもの(以下多種包括共済という。)の共済掛金率は、前項の規定にかかわらず、当該包括共済関係に係る家畜で当該組合員等が当該共済掛金期間開始の時において現に飼養しているものの価額の当該共済目的の種類ごとの合計額を重みとして当該共済目的の種類ごとの同項各号の率の合計率を算術平均した率とする。

 第百十五条第三項中「共済掛金標準率甲」の下に「及び共済掛金割引標準率甲」を、「共済掛金標準率乙」の下に「及び共済掛金割引標準率乙」を加え、「及び前項の共済掛金標準率」を「並びに同項第三号の共済掛金標準率丙及び共済掛金割引標準率丙」に改め、同条第四項中「四年」を「三年」に改め、同条第五項中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に、「組合員等が所有し、又は管理するもの」を「組合員等の飼養するもの」に、「又は同項第二号の共済掛金標準率乙」を「、同項第二号の共済掛金標準率乙又は同項第三号の共済掛金標準率丙」に、「又は同項第二号の率」を「、同項第二号の率又は同項第三号の率」に改め、同条第二項の次に次の一項を加える。

  組合等は、多種包括共済に係る包括共済対象家畜の種類ごとに、過去一定年間において当該組合等の大部分の組合員等につき当該組合員等ごとの当該種類の家畜の飼養頭数の共済目的の種類別の比率がおおむね等しいと認められる等当該組合等の区域における当該種類の家畜の飼養に関する条件が省令で定める基準に適合するときは、前二項の規定にかかわらず、省令の定めるところにより、第五項の規定による改訂までの期間につき適用すべき当該包括共済対象家畜の種類に係る多種包括共済の共済掛金率として、当該組合等の当該多種包括共済に付される包括共済対象家畜の価額の当該共済目的の種類ごとの合計額の見込額を重みとして当該共済目的の種類ごとの第一項各号の率の合計率を算術平均した率を定款等で定めることができる。

 第百十五条に次の一項を加える。

  第二項の家畜の価額には、前条第二項の規定を準用する。

 第百十六条第一項中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改め、同項に次のただし書を加える。

  但し、疾病又は傷害により支払う共済金は、包括共済関係に係るものにあつては包括共済対象家畜の種類ごと、組合員等ごと及び共済掛金期間ごとに、個別共済関係に係るものにあつては家畜ごと及び共済掛金期間ごとに、共済金額に応じ及び前条第四項の地域別その他命令で定める区分により主務大臣が定める金額を限度とする。

 第百十六条第一項第一号中「当該共済事故の原因が発生した直前の家畜の価格」を「当該共済事故に係る家畜の価額」に改め、「共済価額に対する割合」の下に「(その割合が百分の八十をこえるときは、百分の八十)」を加え、同条第三項を次のように改める。

  第九十三条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による権利義務の承継により同一の包括共済対象家畜につき二個以上の家畜共済の共済関係が存することとなつた場合において、他の共済関係が存しないものとして各共済関係につき第一項の規定により算定された共済金(以下本項において独立責任額という。)の合計額が左の金額をこえるときは、各共済関係につき支払うべき共済金は、同項の規定にかかわらず、左の金額に、当該各共済関係に係る独立責任額のその合計額に対する割合を乗じて得た金額とする。

 一 死亡又は廃用により支払うものにあつては、第一項第一号の損害の額の百分の八十に相当する金額

 二 疾病又は傷害により支払うものにあつては、第一項第二号の金額

 第百十六条に次の一項を加える。

  第一項第一号の家畜の価額には、第百十四条の二第二項の規定を準用する。

 第百十七条中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改める。

 第百十八条中「二週間」の下に「(省令で特定の疾病につき二週間をこえる期間を定めたときは、その疾病又はこれによつて生じた共済事故については、その省令で定めた期間。以下本条において同じ。)」を加え、同条に次の三項を加える。

  第百十一条の八第一項の申出に係る包括共済関係につき共済事故についての変更があつた場合において、その変更により新たに当該包括共済関係に係る共済事故となつたものがその変更の日から二週間以内に生じたときは、組合員等は、共済金の支払を請求することができない。

  第百十四条第五項の規定により家畜共済の共済金額が増額された場合において、その増額された日から二週間以内に共済事故が生じたときは、その共済事故により支払うべき共済金は、その増額が行なわれなかつたものとして算定する。

  前二項の場合には、第一項但書の規定を準用する。

 第百二十条中「第六百三十九条乃至第六百四十一条」を「第六百四十条、第六百四十一条」に、「及び第六百六十二条」を「、第六百六十二条及び第六百六十七条」に改める。

 第百二十条の三中「第百十一条の三」を「第百十一条の四」に改める。

 第百二十一条第一項中「第八十三条第一項第一号」を「第八十三条第一号」に改め、同条第二項中「第八十三条第一項第四号」を「第八十三条第四号」に改める。

 第百二十四条第二項中「、家畜共済」及び「(次条第一項第三号ロの金額の保険金を支払うものについては、第百十五条第一項第一号の率)」を削り、同条に次の一項を加える。

  農業共済組合連合会の家畜共済に係る保険料は、左の金額を合計したもの(第百十二条第二項但書の規定により定款等で別段の定めをした共済掛金期間に係るものにあつては、その合計したものに主務大臣の定める係数を乗じて得た金額)とする。

 一 保険金額に、次条第一項第三号イの金額の保険金を支払う保険関係にあつては共済掛金率から第百十五条第一項第三号の率(多種包括共済に係る保険関係については、共済掛金率のうち省令の定めるところにより異常事故による損害に対応するものとして算定される率。次号において同じ。)を差し引いて得た率、次条第一項第三号ロの金額の保険金を支払う保険関係にあつては第百十五条第一項第一号の率(多種包括共済に係る保険関係については、共済掛金率のうち省令の定めるところにより異常事故に該当しない共済事故による損害で診療技術料等以外のものに対応するものとして算定される率)を乗じて得た金額

 二 共済金額に第百十五条第一項第三号の率を乗じて得た金額

 第百二十五条第一項第三号中「家畜共済のうち、死廃病傷共済に係るものにあつては」を「家畜共済に係るものにあつては、」に改め、「、生産共済に係るものにあつてはイの金額」を削り、同号ロ中「死亡又は廃用」を「死亡若しくは廃用(これらのうち異常事故に該当するものを除く。)又は異常事故」に改め、「疾病」の下に「(異常事故に該当するものを除く。第三項において同じ。)」を加え、同条第二項中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改め、同条第三項中「第一項第三号の場合には」を「第一項第三号の金額(異常事故に係るものを除く。)には」に改め、同条第二項の次に次の一項を加える。

  第一項第三号ロの金額の保険金を支払う保険関係において農業共済組合連合会が支払うべき保険金(疾病又は傷害により支払うものに限る。)には、第百十六条第一項但書の規定を準用する。この場合において、同項但書中「組合員等」とあるのは、「組合員たる組合等の組合員等」と読み替えるものとする。

 第百二十六条第一項中「死廃病傷共済」を「家畜共済」に改める。

 第百二十九条中第七号を第八条とし、第三号から第六号までを一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。

 三 組合員が定款等に違反して共済関係を成立させ、又は消滅させなかつたとき。

 第百三十二条前段中「第九十八条の三」を「第九十八条の二」に、「及び第百条乃至第百二条」を「、第百条乃至第百二条並びに第百十条の二」に改め、同条後段中「第九十八条の三」を「第百十条の二」に改める。

 第百三十六条第三項を次のように改める。

  政府の家畜共済に係る再保険料は、左の金額を合計したもの(第百十二条第二項但書の規定により定款等で別段の定めをした共済掛金期間に係るものにあつては、その合計したものに第百二十四条第三項の主務大臣の定める係数を乗じて得た金額)とする。

 一 再保険金額に、第百二十五条第一項第三号イの金額の保険金を支払う保険関係に係る再保険関係にあつては共済掛金率から第百十五条第一項第三号の率(多種包括共済に係る再保険関係については、共済掛金率のうち省令の定めるところにより異常事故による損害に対応するものとして算定される率。次号において同じ。)を差し引いて得た率、第百二十五条第一項第三号ロの金額の保険金を支払う保険関係に係る再保険関係にあつては第百十五条第一項第一号の率(多種包括共済に係る再保険関係については、共済掛金率のうち省令の定めるところにより異常事故に該当しない共済事故による損害で診療技術料等以外のものに対応するものとして算定される率)を乗じて得た金額

 二 共済金額に第百十五条第一項第三号の率を乗じて得た金額

 第百三十七条第三号を次のように改める。

 三 家畜共済に係るもののうち、異常事故に該当しない共済事故により支払うものにあつては支払保険金に再保険金額の保険金額に対する割合を乗じて得た金額、異常事故により支払うものにあつては支払保険金に相当する金額

 第百三十七条の次に次の一条を加える。

第百三十七条の二 政府は、農業共済組合連合会が定款の定めるところによりその組合員から保険料を分割して徴収するときは、省令の定めるところにより、当該農業共済組合連合会の支払うべき再保険料を分割して支払わせることができる。

 第百五十条の二を次のように改める。

第百五十条の二 国庫は、当分の間、家畜共済の共済目的たる家畜の共済事故による損害を防止し、この法律の規定による共済事業、保険事業及び再保険事業の収支の安定を図るため、毎会計年度予算の範囲内において、政令の定めるところにより、主務大臣の定める特定の疾病による家畜の損害につき第百三十二条において準用する第九十五条の規定による指示をした農業共済組合連合会に対し、同条の規定により負担する費用の一部に相当する金額の交付金を交付することができる。

  前項の交付金の交付を受けようとする農業共済組合連合会は、省令の定めるところにより、当該指示に係る処置の内容及び家畜の頭数に関する計画を定め、これにつき主務大臣の承認を得なければならない。

  第一項の交付金に相当する金額は、毎会計年度予算で定めるところにより、一般会計から農業共済再保険特別会計に繰り入れる。


   附 則

1 この法律は、昭和四十二年四月一日から施行する。

2 この法律の施行の際現に存する死廃病傷共済の共済関係、保険関係及び再保険関係については、この法律の施行の日の属する共済掛金期間の満了の時(その時までに当該共済目的たる家畜が改正後の農業災害補償法(以下「新法」という。)第百十一条の五の包括共済関係に係る家畜共済に付されたときは、当該共済目的たる家畜については、その包括共済関係に係る共済責任の始まる時)までは、なお従前の例による。

3 前項の死廃病傷共済の共済関係が、当該共済目的たる家畜が同項の包括共済関係に係る家畜共済に付されたことにより消滅したときは、そのまだ経過しない期間に対する共済掛金は、払い戻さなければならない。

4 前項の場合には、農業共済組合連合会又は政府は、まだ経過しない期間に対する保険料又は再保険料をそれぞれ当該組合等(新法第十二条第二項の組合等をいう。)又は当該農業共済組合連合会に払い戻さなければならない。

5 前二項の規定により払い戻すべき共済掛金、保険料又は再保険料は、新法の規定により払い込むべき共済掛金、保険料又は再保険料とそれぞれ相殺することができる。

6 この法律の施行の際現に存する生産共済の共済関係、保険関係及び再保険関係については、なお従前の例による。

7 この法律の施行の際現に死廃病傷共済に付されている牛又は馬についての当該死廃病傷共済に係る共済掛金に関する国庫の負担については、なお従前の例による。

8 改正前の農業災害補償法第百五十条の二第一項の規定による交付金で昭和四十一年度以前の年度に係るものについては、なお従前の例による。

9 新法第百十一条第一項の肉用牛に係る附則第二項の包括共済関係に関し組合員等(新法第十二条第一項の組合員等をいう。)の支払うべき共済掛金(新法第十三条の二第三項第二号に規定するものを除く。)については、国庫は、当分の間、新法第十三条の二第一項及び第二項の規定にかかわらず、その五分の二に相当する金額(その金額が主務大臣の定める金額をこえる場合にあつては、その主務大臣の定める金額)を負担する。

10 新法第十二条第五項及び第十三条の規定は、前項の規定による負担金について準用する。この場合において、新法第十三条第一項中「政令の定めるところにより当該組合等に」とあるのは、「当該組合等に」と読み替えるものとする。

11 新法第百十五条第四項の標準率の昭和四十二年における設定後最初に行なう一般の改訂は、同条第五項の規定にかかわらず、昭和四十四年において行なうものとする。

12 前項の改訂が行なわれるまでの間における新法第百十五条第三項の規定の適用については、同項中「第五項の規定による改訂」とあるのは、「農業災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第百二十五号)附則第十一項の改訂」とする。

13 農業共済再保険特別会計法(昭和十九年法律第十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条の次に次の一条を加える。

 第二十二条 農業災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第百二十五号)附則第十項ニ於テ準用スル農業災害補償法第十三条ノ規定ニ依ル交付金ハ第四条ノ規定ニ拘ラズ当分ノ間家畜勘定ノ歳出トス

(大蔵・農林・内閣総理大臣署名) 

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