戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律
法律第七十四号(昭三八・四・一)
(戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正)
第一条 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第二号中「取得した者」の下に「及び第三項第六号に掲げる者」を加え、同項に次の一号を加える。
四 もとの陸軍又は海軍の指揮監督のもとに前三号に掲げる者の業務と同様の業務にもつぱら従事中の南満洲鉄道株式会社(南満洲鉄道株式会社に関する件(明治三十九年勅令第百四十二号)に基づいて設立された会社をいう。)の職員及び政令で定めるこれに準ずる者
第二条第二項中「みなす」を「みなし、同項第四号に掲げる者で、同号に規定する勤務に就いていたことにより昭和二十年九月二日以後引き続き海外において抑留されていたものは、その抑留されていた間に限り、同号に該当するものとみなす」に改め、同条第三項に次の一号を加える。
六 戦地に準ずる地域(以下「準戦地」という。)における勤務(政令で定める勤務を除く。)に従事中のもとの陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、傭人、工員又は鉱員
第二条に次の一項を加える。
5 第三項第六号に規定する準戦地の区域及びその区域が準戦地であつた期間は、政令で定める。
第三条第一項に次の一号を加える。
四 前条第一項第四号に掲げる者については、昭和十二年七月七日以後期間を定めないで、又は一箇月以上の期間を定めて事変地又は戦地における同号に規定する勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び当該勤務に就いていたことにより昭和二十年九月二日以後引き続き海外において抑留されていた期間(以下「抑留期間」という。)
第三条第二項中「第二号及び第三号」を「第二号から第四号まで」に改める。
第四条第二項中「第二十三条第一号」を「第二十三条第一項第一号」に改め、同条第三項中「軍人軍属」の下に「(第二条第一項第四号に掲げる者を除く。)」を、「復員」の下に「(帰還を含む。)」を加え、同条第四項第一号中「第三号」を「第三号又は第四号」に改め、同号の次に次の一号を加える。
一の二 第二条第二項の規定により同条第一項第四号に掲げる者とみなされる者が抑留期間内に自己の責に帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかつた場合。ただし、厚生大臣が業務上負傷し、又は疾病にかかつたものと同視することを相当と認めたときに限る。
第四条第四項第二号中「疾病にかかつた場合。」を「疾病にかかつた場合」に改め、ただし書を削る。
第二十三条第一項第三号中「第二号及び第三号」を「第二号から第四号まで」に改め、同条第二項中「通じて五年間に限り、」を削る。
第二十五条第三項中「次の各号」を「第一項各号」に改め、各号を削る。
第二十九条第三号中「第三項各号」を「第一項各号」に改める。
第三十条第三項中「始める」を「始め、権利が消滅した日の属する月で終わる」に改め、同条第五項を削る。
第三十一条第四号中「(これらの者が準軍属又は準軍属であつた者の遺族であるときは、同条第三項各号)」を削る。
第三十四条第二項ただし書及び第三項ただし書中「一年」を「二年」に、「三年」を「六年」に改め、同条第五項を次のように改める。
5 昭和十二年七月七日以後に公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより、昭和十六年十二月八日以後において死亡した準軍属又は準軍属であつた者(昭和十六年十二月八日前に死亡したことが、昭和二十年九月二日以後において認定された者を含む。)の遺族には、弔慰のため、弔慰金を支給する。
第三十四条中第六項から第八項までを削る。
第三十七条第一項中「第五項から第七項まで」を「第五項」に改める。
第四十九条の次に次の一条を加える。
(政令への委任)
第四十九条の二 第二条第一項第四号、第三項第六号若しくは第五項、第三条第二項、第四条第五項又は第三十四条第二項第一号の規定に基づく政令の改正により新たに障害年金、障害一時金、遺族年金、遺族給与金又は弔慰金(以下本条において「障害年金等」という。)を受ける権利を有する者があることとなる場合においては、政令で、当該障害年金等の支給の始期及び支給条件、同一の事由により現に受けている障害年金等との支給の調整等について必要な定めをすることができる。
(未帰還者留守家族等援護法の一部改正)
第二条 未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
第二十四条の次に次の一条を加える。
(療養手当の支給)
第二十四条の二 厚生大臣は、引き続き一年以上病院又は診療所に収容されて第十八条の規定による療養の給付(前条の規定による療養費の支給を含む。以下同じ。)を受けている者(以下「長期入院患者」という。)に対し、その者の申請により、療養手当を支給する。
2 療養手当の月額は、二千円とし、毎月、その月分を支払うものとする。
3 療養手当の支給は、長期入院患者が、療養手当の支給の申請をした日の属する月の翌月から始め、その者が長期入院患者でなくなつた日の属する月で終わる。
4 長期入院患者が、同一の事由について、療養の給付と恩給法の規定による増加恩給、傷病年金その他これらに相当する年金たる給付を受けることができる場合には、当該年金たる給付を受けることができる期間、その支給額の限度において、療養手当は、支給しない。
第二十五条中「(前条の規定による療養費の支給を含む。以下同じ。)」を削る。
第二十八条中「及び障害一時金」を「並びに療養手当及び障害一時金」に改める。
第三十条中「療養の給付等」を「療養の給付及び障害一時金の支給」に改める。
(未帰還者に関する特別措置法の一部改正)
第三条 未帰還者に関する特別措置法(昭和三十四年法律第七号)の一部を次のように改正する。
第十三条の次に次の一条を加える。
(未帰還者とみなす者)
第十三条の二 次に掲げる者であつて未帰還者でないものは、この法律(前条を除く。)の適用については、未帰還者とみなす。ただし、日本の国籍を有しない者は、この限りでない。
一 中国本土、フイリピン諸島その他の政令で定める地域内においてそれぞれ当該地域ごとに政令で定める日以後生存していたと認められる資料があるが、諸般の事情からみてすでに死亡していると推測される者(昭和二十年九月二日以後自己の意思により帰還しなかつたと認められる者及び同日以後において自己の意思により本邦に在つた者を除く。)
二 未帰還者留守家族等援護法第二条第一項第二号に規定する地域(中国本土の地域を除く。)又は前号の政令で定める地域内においてそれぞれ昭和二十年八月九日又は同号の政令で定める日前に生存していたと認められる資料があるが、それぞれこれらの日以後生存していたと認められる資料がない者で、諸般の事情からみて同日以後に死亡したと推測されるもの
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十八年十月一日から施行する。ただし、第二条、第三条及び附則第六条の規定は、公布の日から施行する。
(遺族援護法第二条等の改正に伴う経過措置)
第二条 この法律による戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「遺族援護法」という。)第二条第一項及び第二項、第三条、第四条第四項、第二十三条第一項第三号並びに第三十四条第二項及び第三項の規定の改正により軍人軍属たるによる障害年金、遺族年金又は軍人軍属若しくは軍人軍属であつた者の遺族たるによる弔慰金を受ける権利を有するに至つた者に関し、この法律による改正後の遺族援護法を適用する場合においては、同法第七条第一項及び第二項、第二十三条第一項第三号、第二十五条第一項、第三十条第一項、第三十六条第一項第二号、第四号及び第六号並びに第二項並びに第三十八条第三号中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和三十八年十月一日」と、同法第十一条第二号、第二十九条第二号、第三十六条第一項第一号及び第三十八条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和三十八年九月三十日」と、同法第十三条第一項及び第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和三十八年十月」と、同法第二十五条第一項、第三十六条第二項及び第三十八条第三号中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」と、同法第三十六条第一項第二号中「同年四月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」とする。
2 この法律による遺族援護法第二条、第四条第四項第二号、第二十五条第三項及び第三十四条の規定の改正により準軍属たるによる障害年金、遺族給与金又は準軍属若しくは準軍属であつた者の遺族たるによる弔慰金を受ける権利を有するに至つた者に関し、この法律による改正後の遺族援護法を適用する場合においては、同法第七条第三項及び第四項、第二十三条第二項第三号並びに第二十五条第三項中「昭和三十四年一月一日」とあるのは「昭和三十八年十月一日」と、同法第十一条第三号及び第二十九条第三号中「昭和三十三年十二月三十一日」とあるのは「昭和三十八年九月三十日」と、同法第十三条第二項及び第三十条第三項中「昭和三十四年一月」とあるのは「昭和三十八年十月」と、同法第二十五条第三項中「昭和三十四年一月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」と、同法第三十六条第一項第一号及び第三十八条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和三十八年九月三十日」と、同法第三十六条第一項第二号、第四号及び第六号並びに第二項並びに第三十八条第三号中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和三十八年十月一日」と、同法第三十六条第一項第二号中「同年四月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」と、同法第三十六条第二項及び第三十八条第三号中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」とする。
3 第一条の規定の施行の際現に準軍属たるによる障害年金又は遺族給与金を受ける権利を有する者で、この法律による遺族援護法第二条の規定の改正により同一の事由による軍人軍属たるによる障害年金又は遺族年金を受ける権利を有するに至つたものは、第一条の規定の施行の際、準軍属たるによる障害年金又は遺族給与金を受ける権利を失う。ただし、その遺族年金が後順位者として受ける遺族年金であるときは、その者は、すべての先順位者が遺族年金を受ける権利を失つた時に遺族給与金を受ける権利を失う。
4 前項の者には、その者が遺族給与金の支給を受けることができる間、同一の事由による後順位者としての遺族年金は、支給しない。
5 第三項の者が準軍属たるによる障害年金又は遺族給与金を受ける権利を失うと同時に、軍人軍属たるによる障害年金又は遺族年金を受ける権利を取得した場合においては、その取得した権利の裁定がある日の属する月分までの分として支給された準軍属たるによる障害年金又は遺族給与金は、軍人軍属たるによる障害年金又は遺族年金の内払とみなす。
6 この法律による遺族援護法第二条の規定の改正により先順位者としての遺族年金を受ける権利を有するに至つた者で、他に同一の事由による遺族給与金を受ける権利を有する者があるものに支給する遺族年金の額を算出する場合には、同法第二十六条第一項第一号及び第二号中「七万一千円」とあるのは「七万一千円から遺族給与金の額に相当する額を控除した額」と、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第百十五号)附則第四項中「六万一千円」とあるのは「六万一千円から遺族給与金の額に相当する額を控除した額」と、同法附則第六項中「五万一千円」とあるのは「五万一千円から遺族給与金の額に相当する額を控除した額」と読み替えるものとする。
7 死亡した者の死亡に関しその遺族がこの法律による改正前の遺族援護法第三十四条第五項から第七項までの規定の適用により弔慰金を受ける権利を取得した場合における当該死亡した者に係る軍人軍属又は軍人軍属であつた者の遺族たるによる弔慰金については、同法第三十七条第一項中「五万円」とあるのは、「二万円」と読み替えるものとする。
8 この法律による遺族援護法第二条の規定の改正により戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第百四十四号)附則第十一項に規定する者の遺族として遺族年金又は弔慰金を受ける権利を有するに至つた者に関し、同法附則第十三項の規定を適用する場合においては、同項中「昭和二十八年四月一日」とあるのは「昭和三十八年十月一日」と、「昭和二十八年三月三十一日」とあるのは「昭和三十八年九月三十日」と、「昭和二十八年四月」とあるのは「昭和三十八年十月」と、「昭和二十八年四月二日」とあるのは「昭和三十八年十月二日」とする。
(遺族援護法第二十三条第二項の改正に伴う経過措置)
第三条 次の各号に掲げる者に支給する遺族給与金については、この法律による改正後の遺族援護法第二十三条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
一 次順位者として遺族給与金を受けるべき者で、第一条の規定の施行の際現に遺族援護法第二十五条第五項の規定により先順位者としての遺族給与金の支給を受けているもの
二 第一条の規定の施行の際現に遺族給与金を受ける権利を有する者で、この法律による遺族援護法第二条の規定の改正により他に同一の事由による先順位者としての遺族年金の支給を受ける権利を有する者があるに至つたもの
三 第一条の規定の施行の際現に遺族給与金を受ける権利を有する者で、この法律による遺族援護法第二十五条第三項の規定の改正により他に同順位者としての遺族給与金の支給を受ける権利を有する者があるに至つたもの
(遺族援護法第二十五条第三項の改正に伴う経過措置)
第四条 この法律による遺族援護法第二十五条第三項の規定の改正により遺族給与金を受ける権利を有するに至つた者で、他に同順位者として現に遺族給与金を受ける権利を有する者があるものは、当該現に遺族給与金を受ける権利を有する者がその権利を有する間は、その者の後順位者とみなす。
(遺族援護法第三十四条の改正に伴う経過措置)
第五条 死亡した者の死亡に関しこの法律による改正前の遺族援護法第三十四条第五項から第七項までの規定の適用により弔慰金を受ける権利を取得した者がある場合における当該死亡した者に係る準軍属又は準軍属であつた者の遺族たるによる弔慰金の支給については、なお従前の例による。
(未帰還者留守家族等援護法の一部改正に伴う経過措置)
第六条 第二条の規定の施行の際この法律による改正後の未帰還者留守家族等援護法第二十四条の二第一項に規定する長期入院患者(以下「長期入院患者」という。)に該当する者又は第二条の規定の施行の日から起算して三箇月以内に長期入院患者に該当するに至つた者が、同条の規定の施行の日から起算して四箇月以内に同項の規定により療養手当の支給の申請をしたときは、これらの者に対する療養手当の支給は、この法律による改正後の同法第二十四条の二第三項の規定にかかわらず、それぞれ第二条の規定の施行の日の属する月又はその者が長期入院患者に該当するに至つた日の属する月の翌月から始める。
(戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律の一部改正)
第七条 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
附則第二十三項中「第三十六条第二号」を「第三十六条第一項第二号」に改め、「第六号」の下に「並びに第二項」を加え、「第三十六条第一号」を「第三十六条第一項第一号」に、「及び第三十八条第三号」を「、第三十六条第二項及び第三十八条第三号」に改める。
第八条 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
附則第十一項中「第三十四条第五項から第七項まで」を「第三十四条第五項」に改める。
附則第十三項中「第三十六条第二号」を「第三十六条第一項第二号」に改め、「第六号」の下に「並びに第二項」を加え、「第三十六条第一号」を「第三十六条第一項第一号」に、「及び第三十八条第三号」を「、第三十六条第二項及び第三十八条第三号」に改め、「「昭和二十八年四月二日」と」の下に「、第三十六条第一項第二号中「同年四月二日」とあるのは「昭和二十八年四月二日」と」を加える。
(戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の適用)
第九条 この法律による遺族援護法第二条、第三条、第四条第四項及び第二十三条第一項第三号の規定の改正により昭和十二年七月七日以後に死亡した者(同日前の負傷又は疾病により死亡した者を除く。)の妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)であつたことによる同法第二十三条第一項第一号に規定する遺族年金若しくは同条第二項第一号に規定する遺族給与金又は戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第百四十四号)附則第十一項に規定する遺族年金を受ける権利を有するに至つた者は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和三十八年法律第六十一号)の適用については同法第二条に規定する戦没者等の妻とみなす。ただし、死亡した者の死亡の日が昭和三十八年四月一日前である場合に限る。
(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名)