産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律
法律第百六十六号(昭三八・八・一)
(趣旨)
第一条 この法律は、産炭地域内に事業所を有する中小企業者及びその従業員に関し、当該事業所の移転等に必要な資金に係る中小企業信用保険に関する特別措置並びにこれらの者の職業及び生活の安定に資するための措置について定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「産炭地城」とは、石炭鉱業の整備による疲弊の著しい石炭産出地域及びこれに隣接し、当該整備による影響の著しい地域であつて、政令で定めるものをいう。
2 この法律において「産炭地域関係中小企業者」とは、産炭地域内に事業所を有する中小企業者であつて、次の各号の一に該当することについて当該事業所の所在地を管轄する市町村長の認定を受けたものをいう。
一 産炭地域内における石炭鉱山が次のイ又はロのいずれかに該当するものとなつたため、当該事業所において事業を継続することが困難となり、当該事業所を移転し、又は当該事業所における事業を転換する必要があると認められること。
イ 昭和三十五年四月一日以後において事業の全部又は一部が休止され、又は廃止された石炭鉱山であつて、その所在地を管轄する通商産業局長が指定したもの
ロ 昭和三十五年四月一日以後において石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)第三条第一項の石炭鉱業合理化基本計画に基づく事業の整備に伴つて鉱山労働者の数が著しく減少した石炭鉱山であつて、その所在地を管轄する通商産業局長が指定したもの
二 産炭地域内における石炭鉱山が前号イ又はロのいずれかに該当するものとなつたため、当該石炭鉱山に係る鉱業権者、租鉱権者、鉱業権者若しくは租鉱権者であつた者又はこれらの者と密接な関係がある消費生活協同組合その他通商産業省令で定める団体に対する売掛金債権その他通商産業省令で定める債権の回収が著しく困難となり、当該中小企業者の経営の安定に支障を生じていると認められること。
3 この法律において「産炭地域関係保証」とは、中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号。以下「法」という。)第三条第一項に規定する債務の保証であつて、産炭地域関係中小企業者の前項の認定に係る同項第一号に規定する事業所の移転若しくは事業の転換又は同項第二号に規定する支障の除去に必要な資金に係るものをいう。
(中小企業信用保険法の特例)
第三条 法第三条第一項の保険関係であつて、産炭地域関係保証を受けた産炭地域関係中小企業者に係るものについての同条第一項、第五項、第六項及び第七項の規定の適用については、同条第一項中「小企業者一人についての保険価額の合計額が」とあるのは「小企業者一人についての産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律第二条第三項に規定する産炭地域関係保証(以下この条において「産炭地域関係保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ」と、「中小企業者一人についての保険価額の合計額が」とあるのは「中小企業者一人についての産炭地域関係保証に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ」と、「その合計額が」とあるのは「産炭地域関係保証に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ」と、同条第五項中「債務の保証をしたときは」とあるのは「債務の保証をしたときは、産炭地域関係保証及びその他の保証ごとに」と、同条第六項中「当該保証をした」とあるのは「産炭地域関係保証及びその他の保証ごとに、それぞれ当該保証をした」と、同条第七項中「債務の保証をした場合において」とあるのは「債務の保証をした場合において、産炭地域関係保証及びその他の保証ごとに」とする。
第四条 法第三条第一項の保険関係であつて、産炭地域関係保証に係るものについての同条第二項及び法第五条の規定の適用については、これらの規定中「百分の七十」とあるのは、「百分の八十」とする。
第五条 法第三条第一項の保険関係であつて、産炭地域関係保証に係るものについての保険料の額は、法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。
(資料の提供等の依頼)
第六条 市町村長は、第二条第二項の認定をするため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長、商工会議所、商工会その他の関係者に対し、資料の提供その他必要な協力を依頼することができる。
(国等の責務)
第七条 国及び地方公共団体は、産炭地域関係保証が円滑に行なわれるよう努めるものとする。
第八条 国は、産炭地域内に事業所を有する中小企業者であつて当該事業所において事業を継続することが困難となつたもの及びその従業員に対して、これらの者の職業及び生活の安定に資するため、職業訓練の実施、就職のあつせんその他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律は、昭和四十四年三月三十一日までに廃止するものとする。
(大蔵・通商産業・労働・内閣総理大臣署名)