狩猟法の一部を改正する法律

法律第五十一号(昭三三・四・一)

 狩猟法(大正七年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条第四項及び第五項を次のように改める。

 農林大臣第二項ノ規定ニ依リ狩猟鳥獣ノ種類ヲ定メ、又ハ前項ノ規定ニ依リ狩猟鳥獣ノ捕獲ヲ禁止若ハ制限セントスルトキハ、公聴会ヲ開キ利害関係人ノ意見ヲ聞キ、且鳥獣審議会ニ諮問スルコトヲ要ス

 都道府県知事第三項ノ規定ニ依リ狩猟鳥獣ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限セントスルトキハ、公聴会ヲ開キ利害関係人及学識経験者ノ意見ヲ聞キ、且農林大臣ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス

 第三条中「農林大臣ノ定ムル銃器(空気銃ヲ除ク)」を「都道府県知事ノ狩猟免許ヲ受クルニ非ザレバ農林大臣ノ定ムル銃器」に、「使用スル場合ニ在リテハ都道府県知事ノ狩猟免許、農林大臣ノ定ムル空気銃ヲ使用スル場合ニ在リテハ都道府県知事ノ狩猟登録ヲ受クルニ非ザレバ」を「使用シテ」に改める。

 第四条を削り、第五条第一項中「甲乙ノ二種」を「甲乙丙ノ三種」に、「下付ス」を「交付ス」に改め、同条第二項中「銃器(空気銃ヲ除ク)ノ使用」を「銃器ノ使用」に、「之ヲ下付ス」を「、丙種狩猟免状ハ空気銃ヲ使用シテ狩猟ヲ為ス者ニ之ヲ交付ス」に改め、同条第四項中「及狩猟登録票」を削り、同条第三項を削り、同条を第四条とする。

 第六条中「省令」の下に「若ハ都道府県規則」を加え、「及狩猟登録」を削り、同条に次の一項を加え、同条を第五条とする。

 第八条第一項ノ規定ニ依リ狩猟免許ヲ取消サレタル者ハ其ノ取消後二年ヲ経過スルニ非ザレバ狩猟免許ヲ受クルコトヲ得ズ

 第七条第一項中「乙種狩猟免許」を「狩猟免許」に改め、同条第三項中「乙種狩猟免許又ハ狩猟登録」を「狩猟免許」に改め、「又ハ登録」を削り、同条第二項を削り、同条を第六条とし、同条の次に次の二条を加える。

第七条 都道府県知事ハ次条第一項ノ講習会ニ於ケル講習ヲ受ケザル者ニシテ同項各号ニ掲グル事項ニ関シ必要ナル知識ヲ有セザルモノト認メラルルモノニ対シテハ狩猟免許ヲ為サザルモノトス

第七条ノ二 都道府県知事ハ毎年政令ノ定ムル所ニ依リ狩猟免許ヲ受ケントスル者ヲ受講者トシ左ニ掲グル事項ニ関シ必要ナル知識ノ普及及向上ヲ目的トスル講習会ヲ開催スルモノトス

 一 狩猟ニ関スル法令

 二 狩猟鳥獣ノ判別

 三 猟具ノ取扱

 都道府県知事必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依ル講習会ノ開催ニ関スル事務ノ一部ヲ農林大臣ガ鳥獣審議会ノ意見ヲ聞キ指定スル者ヲシテ行ハシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ予メ其ノ事務ヲ行ハシメントスル者ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス

 第八条を次のように改める。

第八条 狩猟免許ヲ受ケタル者本法又ハ本法ニ基キテ発スル省令若ハ都道府県規則ニ違反シタルトキハ都道府県知事ハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得

 前項ノ規定ニ依ル都道府県知事ノ処分ニ対シ不服アル者ハ当該処分アリタルコトヲ知リタル日ヨリ三十日以内ニ其ノ旨ヲ記載シタル文書ヲ以テ都道府県知事ニ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得

 都道府県知事前項ノ異議ノ申立ヲ受理シタルトキハ異議ノ申立ヲ為シタル者ニ対シ相当ノ期間ヲ置キ予告ヲ為シタル上公開ニ依ル聴聞ヲ行フベシ

 前項ノ予告ニ於テハ期日、場所及事案ノ内容ヲ示スコトヲ要ス

 第三項ノ聴聞ニ際シテハ異議ノ申立ヲ為シタル者ニ対シ当該事案ニ付証拠ヲ提示シ意見ヲ述ブル機会ヲ与フルコトヲ要ス

 都道府県知事ハ第三項ノ聴聞ヲ行ヒタル後文書ヲ以テ決定ヲ為シ其ノ写ヲ異議ノ申立ヲ為シタル者ニ送付スベシ

 第十二条第二項中「下付ス」を「交付ス」に改める。

 第十四条第六項の次に次の一項を加える。

 猟区設定者猟区内ニ於ケル鳥獣ノ保護蕃殖上必要アリト認ムルトキハ猟区ノ維持管理ニ関スル事務ノ一部ヲ農林大臣ガ鳥獣審議会ノ意見ヲ聞キ指定スル者ニ委託スルコトヲ得

 第十九条中「若ハ狩猟登録」及び「、狩猟登録票」を削る。

 第二十条中「省令」の下に「若ハ都道府県規則」を加え、「鳥獣」の下に「(其ノ加工品ニシテ省令ヲ以テ定ムルモノヲ含ム)」を加える。

 第二十条ノ二第一項中「其ノ加工品」を「其ノ加工品ニシテ省令ヲ以テ定ムルモノ」に改め、「本法ニ基キテ発スル省令」の下に「若ハ都道府県規則」を加える。

 第二十条ノ三中「若ハ狩猟登録」を削り、「輸出」を「販売、輸出」に改め、同条の次に次の二条を加える。

第二十条ノ四 狩猟ニ関スル取締ノ事務ヲ担当スル都道府県ノ吏員ニシテ都道府県知事ガ其ノ吏員ノ主タル勤務地ヲ管轄スル地方裁判所ニ対応スル検察庁ノ検事正ト協議シテ指名シタルモノハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル省令若ハ都道府県規則ニ違反スル罪ニ付刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)ノ規定ニ依ル司法警察員トシテ職務ヲ行フ

第二十条ノ五 農林省ニ鳥獣審議会(以下審議会ト称ス)ヲ置ク

 審議会ハ第一条第四項(第八条ノ二第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第七条ノ二第二項及第十四条第七項ノ規定ニ依リ其ノ権限ニ属セシメラレタル事項ヲ行フノ外農林大臣ノ諮問ニ応ジ鳥獣ノ保護蕃殖及狩猟ニ関スル重要事項ヲ調査審議ス

 審議会ハ鳥獣ノ保護蕃殖及狩猟ニ関スル重要事項ニ付関係行政庁ニ建議スルコトヲ得

 審議会ハ委員二十五人以内ヲ以テ之ヲ組織ス

 委員ハ関係行政庁ノ職員及第二項ニ規定スル事項ニ関シ学識経験ヲ有スル者ノ中ヨリ農林大臣之ヲ任命ス

 委員ノ任期ハ二年トシ之ニ欠員ヲ生ジタル場合ノ補欠委員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス

 審議会ニ会長ヲ置ク

 会長ハ委員ノ中ヨリ之ヲ互選ス

 会長ハ会務ヲ総理ス

 前各項ニ規定スルモノノ外審議会ノ組織及運営ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

 第二十一条第一項第三号中「、狩猟登録」を削る。

 第二十二条第一号中「第五条第六項」を「第四条第五項」に改め、同条第三号及び第四号中「、狩猟登録票」を削る。

 第二十四条中「、狩猟登録」を削り、「省令」の下に「若ハ都道府県規則」を加える。


   附 則

1 この法律は、昭和三十三年七月一日から施行する。

2 この法律の施行の際現に狩猟鳥獣として定められているものは、第一条第二項及び改正後の同条第四項の規定により定められたものとみなす。

3 この法律の施行前に農林大臣がした第一条第三項の規定による狩猟鳥獣の捕獲の禁止又は制限であつてこの法律の施行の際現に効力を有するものは、同項及び改正後の同条第四項の規定により農林大臣がした禁止又は制限とみなす。

4 この法律の施行の際現に農林大臣が設定している鳥獣保護区は、第八条ノ二第一項及び同条第二項において準用する改正後の第一条第四項の規定により設定された鳥獣保護区とみなす。

5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

6 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

 第六十五条第一項の表中

中央森林審議会

森林に関する重要事項を調査審議すること。

中央森林審議会

森林法の規定によりその権限に属させられた事項を行うこと。

鳥獣審議会

狩猟法(大正七年法律第三十二号)の規定によりその権限に属させられた事項を行うこと。

に改め、同条第二項中「及び中央森林審議会」を「、中央森林審議会及び鳥獣審議会」に、「及び森林法」を「、森林法及び狩猟法」に改める。

7 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二百三十七条各号を次のように改める。

  一 甲種狩猟免許を受ける者及び乙種狩猟免許を受ける者のうち、次号に規定する者以外のもの 三千六百円

  二 甲種狩猟免許を受ける者及び乙種狩猟免許を受ける者のうち、当該年度の初日の属する年の前年分の所得について所得税法第九条に規定する総所得金額が同法第十一条の四から第十二条までに規定する控除額の合計額に満たないもの又は農業を主たる生業とする者でもつぱら自家労力によつてこれを行うもの 千八百円

  三 丙種狩猟免許を受ける者 九百円

(内閣総理・農林大臣署名) 

昭和33年前半に戻る

昭和33年後半に戻る