中小漁業融資保証保険特別会計法
法律第三百四十七号(昭二七・一二・二七)(設置)
第一条 中小漁業融資保証法(昭和二十七 年法律第三百四十六号。以下「法」という。)による中小漁業融資保証保険に関する政府の経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
(管理)
第二条 この会計は、農林大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(基金)
第三条 この会計においては、第四条に規定する一般会計からの繰入金に相当する金額をもつて基金とする。
(歳入及び歳出)
第四条 この会計においては、保険料、法第七十四条の規定により代位した求償権に基く回収金、一般会計からの繰入金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、保険金、法第七十七条第一項又は第二項の規定による委託業務についての委託手数料、過誤納の保険料の返還金、事務取扱費その他の諸費をもつてその歳出とする。
2 前項に規定する一般会計からの繰入金は、予算で定めるところにより、この会計の基金に充てるため繰入れるものとする。
第五条 法第六十二条第三項の規定により国庫に帰属した残余財産に係る収入金は、この会計に所属するものとし、前条第一項の規定にかかわらず、この会計の歳入とする。
(歳入歳出予定計算書の作製及び送付)
第六条 農林大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書には、左の書類を添附しなければならい。
一 前前年度の貸借対照表及び損益計算書
二 前年度及び当該年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
(歳入歳出予算の区分)
第七条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第八条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第六条第一項に規定する歳入歳出予定計算書及び同条第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(損益の処理)
第九条 この会計において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。
2 この会計において、毎会計年度の損益計算上損失を生じたときは、その損失については、積立金を減額して整理するものとする。但し、その損失の額が積立金の額を超過するときはその超過額を、積立金がないときはその損失の額をそれぞれ損失の繰越として整理するものとする。
(剰余金の繰入)
第十条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、当該剰余金を翌年度の歳入に繰り入れなければならない。
(歳入歳出決定計算書の作製及び送付)
第十一条 農林大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十二条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前条第一項 に規定する歳入歳出決定計算書並びに同条第二項に規定する当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(余裕金の預託)
第十三条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、資金運用部に預託することができる。
(支出未済額の繰越)
第十四条 この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 農林大臣は、前項の規定による繰越をしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
3 第一項の規定により繰越をしたときは、当該経費については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一条第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。
(実施規定)
第十五条 この法律の実施のための手続その他の執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、法施行の日から施行し、附則第三項の規定は、昭和二十八年度から適用する。
2 水産庁設置法(昭和二十三年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第八号中「中小漁業融資保証保険」の下に「及び中小漁業融資保証保険特別会計」を加える。
3 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「糸価安定特別会計、」の下に、「中小漁業融資保証保険特別会計、」を加える。
(大蔵・農林・内閣総理大臣署名)