租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律
法律第百九十七号(昭二六・六・四)
(目的)
第一条 この法律は、租税債権及び貸付金債権以外の国の債権で、その債務者が無資力のため当該債権に係る収入金を納付することが著しく困難であると認められるものの処理を適切ならしめることを目的とする。
(定期貸又はすえ置貸としての整理)
第二条 各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)又はその委任を受けた官吏(以下「各省各庁の長等」という。)は、租税債権及び貸付金債権以外の国の債権で、その債務者が無資力のため当該債権に係る収入金を納付することが著しく困難であると認められるものがあるときは、当該債権を分割して定期に返済させる貸付金債権(以下「定期貸債権」という。)又は債務者の資力が回復した時に返済させる貸付金債権(以下「すえ置貸債権」という。)とすることができる。
(引継)
第三条 各省各庁の長等は、前条の規定により国の債権を定期貸債権又はすえ置貸債権としたときは、政令で定めるところにより、当該債権を大蔵大臣に引き継がなければならない。
2 前項の場合において、当該債権が特別会計に属するものであるときは、各省各庁の長等は、前項の規定にかかわらず、当該債権を大蔵大臣に引き継がないことができる。
(管理)
第四条 大蔵大臣は、前条第一項の規定により定期貸債権又はすえ置貸債権を各省各庁の長等から引き継いだときは、政令で定めるところにより、当該債権を管理しなければならない。
2 前条第二項の規定により引継をしない特別会計に属する定期貸債権又はすえ置貸債権は、当該特別会計を管理する各省各庁の長が管理しなければならない。
(管理の事務の委任)
第五条 前条の規定により定期貸債権又はすえ置貸債権を管理する者(以下「管理者」という。)は、当該債権の管理に関する事務の一部を他の官吏に委任することができる。
(条件の変更)
第六条 管理者は、その管理に係る定期貸債権又はすえ置貸債権について、債務者の資力が回復し、又はその資力の状況が悪化した場合において、当該債権を保全し、及び当該債権に係る収入金の納付を容易ならしめるため必要があると認められるときは、その貸付の条件を変更することができる。
(債務の免除)
第七条 管理者は、その管理に係る定期貸債権又はすえ置貸債権が、左の各号に掲げる場合に該当し、且つ、その債務者の資力が回復の見込がないと認められるときは、当該債権について、その債務者の債務を免除することができる。
一 定期貸債権にあつては、最後の返済の期日から十年を経過した場合
二 すえ置貸債権にあつては、すえ置貸にした日から二十年を経過した場合
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 租税外諸収入金整理に関する法律(明治四十四年法律第五十八号)は、廃止する。
3 この法律施行の際現に旧租税外諸収入金整理に関する法律(以下「旧法」という。)の規定により定期貸又はすえ置貸とされている債権は、第二条の規定により定期貸債権又はすえ置貸債権にされたものとし、第七条の規定の適用については、当該債権が旧法の規定により定期貸又はすえ置貸とされた日において、第二条の規定により定期貸債権又はすえ置貸債権とされたものとみなす。
4 この法律施行の際現に旧法の規定により都道府県知事が管理している定期貸又はすえ置貸の債権は、第三条第一項の規定により大蔵大臣に引き継がれたものとする。
5 経済安定本部設置法(昭和二十四年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二項中
「 |
政府契約の支払遅延防止等に開する法律(昭和二十四年法律第二百五十六号) |
」 |
を
「 |
政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十六号) |
」 |
租税債権及び貸付金債権以外の国の債権の整理に関する法律(昭和二十六年法律第百九十七号) |
に改める。
(内閣総理大臣・法務総裁・各省大臣・経済安定本部総裁署名)