建築士法の一部を改正する法律

法律第百九十五号(昭二六・六・四)

 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)の一部を次のように改正する。

 第二条第四項中「「設計」とは、」の下に「その者の責任において、」を、同条第五項中「「工事監理」とは、」の下に「その者の責任において、」を加え、同条に次の二項を加える。

6 この法律で「大規模の修繕」又は「大規模の模様替」とは、それぞれ建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十二号又は第十三号に規定するものをいう。

7 この法律で「延べ面積」、「高さ」、「軒の高さ」又は「階数」とは、それぞれ建築基準法第九十二条の規定により定められた算定方法によるものをいう。

 第三条を次のように改める。

 (一級建築士でなければできない設計又は工事監理)

第三条 左の各号に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章中同様とする。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。

 一 学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーデイトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が五百平方メートルをこえるもの

 二 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロツク造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が三百平方メートル、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルをこえるもの

 三 延べ面積が千平方メートルをこえ、且つ、階数が二以上の建築物

2 建築物を増築し、改築し、又は建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をする場合においては、当該増築、改築、修繕又は模様替に係る部分を新築するものとみなして前項の規定を適用する。

 第三条の次に次の一条を加える。

 (一級建築士又は二級建築士でなければできない設計又は工事監理)

第三条の二 前条第一項各号に掲げる建築物以外の建築物で、左の各号に掲げるものを新築する場合においては、一級建築士又は二級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。

 一 前条第一項第二号に掲げる構造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が三十平方メートルをこえるもの

 二 延べ面積が百五十平方メートルをこえ、又は階数が三以上の建築物

2 前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

3 都道府県は、土地の状況により必要と認める場合においては、第一項の規定にかかわらず、条例で、区域又は建築物の用途を限り、同項各号に規定する延べ面積を別に定めることができる。

 第十条に次の一項を加える。

4 建設大臣又は都道府県知事は、第二項の規定により、出頭を求めた参考人に対して、政令の定めるところにより、旅費、日当その他の費用を支給しなければならない。

 第二十六条第一項に次の三号を加える。

 四 建築士事務所を管理する二級建築士が、第三条の規定に違反して、同条各号に掲げる建築物について、その設計又は工事監理をしたとき

 五 建築士事務所に属する二級建築士が、その属する建築士事務所の業として、第三条の規定に違反して、同条各号に掲げる建築物について、その設計又は工事監理をしたとき

 六 建築士事務所に属する者で、一級建築士又は二級建築士でないものが、その属する建築士事務所の業として、第三条又は第三条の二の規定に違反して、これらの各号に掲げる建築物について、その設計又は工事監理をしたとき

 第二十六条第二項中「第二項及び第三項」を「第二項から第四項まで」に改める。

 第二十六条の次に次の一条を加える。

(報告)

第二十六条の二 都道府県知事は、建築士事務所を管理する建築士に対して、この法律の施行に関して必要な報告を求めることができる。

 第三十五条中第三号を第四号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。

 三 第三条又は第三条の二の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をした者

   附 則

1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。

2 建築基準法の一部を次のように改正する。

  第二条中第十号を第十二号とし、以下二号ずつ繰り下げ、第九号の次に次の二号を加える。

  十 設計 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第四項に規定する設計をいう。

  十一 工事監理者 建築士法第二条第五項に規定する工事監理をする者をいう。

  第五条の次に次の一条を加える。

 (建築物の設計及び工事監理)

第五条の二 建築士法第三条又は第三条の二に規定する建築物の工事は、それぞれ当該各条に規定する建築士の設計によらなければ、することができない。

2 建築主は、前項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第三条又は第三条の二に規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。

3 前項の規定に違反した工事は、することができない。

  第六条中第二項を第三項とし、以下一項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の一項を加える。

2 建築主事は、前項の申請書が提出された場合において、その計画が建築士法第三条又は第三条の二の規定に違反するときは、当該申請書を受理することができない。

  第六条第三項中「前項」を「第一項」に、同条第七項中「第二項及び第三項」を「第三項及び第四項」に改める。

  第十二条第二項中「第六条第二項」を「第六条第三項」に改める。

  第十八条第三項中「第二項」を「第三項」に改める。

  第九十九条第一項中第一号を第二号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第二号の前に次の一号を加える。

  一 第五条の二第一項又は第三項の規定に違反した場合における当該建築物の工事施工者

  第九十九条第一項第四号中「第四項」を「第五項」に改める。

3 土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 建築士となる資格を有する者

  第四条第五号の次に次の一号を加える。

  六 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十条の規定により免許の取消の処分を受け、その処分の日から二年を経過しない者

  第八条第四号中「又は第五号」を「、第五号又は第六号」に改める。

(建設・内閣総理大臣署名) 

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