中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律

法律第四十六号(平九・五・九)

 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

 第二条第三項第一号中「除く。」の下に「第三号において同じ。」を加え、同項に次の一号を加える。

 三 設立の日以後五年を経過していない法人若しくは事業を開始した日以後五年を経過していない個人であって、前事業年度若しくは前年において試験研究費その他政令で定める費用の合計額の政令で定める収入金額に対する割合が政令で定める割合を超えるもの又は設立の日以後一年を経過していない法人若しくは事業を開始した日以後一年を経過していない個人であって、常勤の研究者の数が政令で定める数以上であり、かつ、当該研究者の数の常勤の役員(個人にあっては、事業主)及び従業員の数の合計に対する割合が政令で定める割合以上であるもの

 第七条の次に次の一条を加える。

 (診断及び指導)

第七条の二 通商産業大臣は、特定中小企業者であって、その事業の将来における成長発展を図るために積極的に外部からの投資を受けて事業活動を行うことが特に必要かつ適切なものとして通商産業省令で定める要件に該当するものに対して、その投資による資金調達の円滑な実施に必要な経営状況に関する情報の提供について診断及び指導を行うものとする。

 第十条第一項中「特定中小企業者」を「第二条第三項第一号又は第二号に規定する特定中小企業者」に改め、同条に次の一項を加える。

6 第七条の二に規定する特定中小企業者の設立に際して発行する株式又は当該特定中小企業者の発行する新株を払込みにより個人が取得した場合で、当該株式について譲渡損失等が発生したときは、租税特別措置法で定めるところにより、当該譲渡損失等について繰越控除等の課税の特例の適用があるものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第四条の規定は、平成十年四月一日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (地方税法の一部改正)

第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  附則第三十五条の三を次のように改める。

  (特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)

 第三十五条の三 租税特別措置法第三十七条の十三第一項に規定する特定中小会社(以下本項において「特定中小会社」という。)の同条第一項に規定する特定株式(以下本条において「特定株式」という。)を払込みにより取得(同法第二十九条の二第一項本文の規定の適用を受けるものを除く。以下本条において同じ。)をした道府県民税の所得割の納税義務者(当該取得をした日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該特定中小会社が法人税法第二条第十号に規定する会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者であつたものを除く。以下本条において同じ。)について、租税特別措置法第三十七条の十三第一項に規定する適用期間(第四項において「適用期間」という。)内に、その有する当該払込みにより取得をした特定株式が株式としての価値を失つたことによる損失が生じた場合として同条第一項各号に掲げる事実が発生したときは、同項各号に掲げる事実が発生したことは当該特定株式の譲渡をしたことと、当該損失の金額として政令で定める金額は当該特定株式の譲渡をしたことにより生じた損失の金額とそれぞれみなして、本条及び前条第一項から第六項までの規定その他の道府県民税に関する規定を適用する。

 2 前項の規定は、政令で定めるところにより、同項に規定する事実が発生した年の末日の属する年度の翌年度分の第四十五条の二第一項又は第三項の規定による申告書(その提出期限後において道府県民税の納税通知書が送達される時までに提出されたもの及びその時までに提出された第四十五条の三第一項の確定申告書を含む。)に前項の規定の適用を受けようとする旨の記載があるとき(これらの申告書にその記載がないことについてやむを得ない理由があると市町村長が認めるときを含む。)に限り、適用する。

 3 道府県民税の所得割の納税義務者の前年前三年内の各年に生じた特定株式に係る譲渡損失の金額(本項の規定により前年前において控除されたものを除く。)は、当該特定株式に係る譲渡損失の金額の生じた年の末日の属する年度の翌年度の道府県民税について特定株式に係る譲渡損失の金額の控除に関する事項を記載した第四十五条の二第一項又は第三項の規定による申告書(第六項において準用する同条第四項の規定による申告書を含む。以下本項において同じ。)を提出した場合(市町村長においてやむを得ない事情があると認める場合には、これらの申告書をその提出期限後において道府県民税の納税通知書が送達される時までに提出した場合を含む。)において、その後の年度分の道府県民税について連続してこれらの申告書(その提出期限後において道府県民税の納税通知書が送達される時までに提出されたものを含む。)を提出しているときに限り、前条第一項後段の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該納税義務者の同項に規定する株式等に係る譲渡所得等の金額を限度として、当該株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除する。

 4 前項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額とは、当該道府県民税の所得割の納税義務者が、適用期間内に、その払込みにより取得をした特定株式の譲渡(租税特別措置法第三十七条の十三第五項に規定する譲渡をいう。)をしたことにより生じた損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額のうち、当該納税義務者の当該譲渡をした年の末日の属する年度の翌年度の道府県民税に係る前条第一項に規定する株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。

 5 第三項の規定の適用がある場合における前条第一項から第五項までの規定の適用については、同条第一項中「計算した金額(」とあるのは、「計算した金額(次条第三項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。」とする。

 6 第四十五条の二第四項の規定は、同条第一項ただし書に規定する者(同条第二項の規定によつて同条第一項の申告書を提出する義務を有する者を除く。)が、当該年度の翌年度以後の年度において第三項の規定の適用を受けようとする場合であつて、当該年度の道府県民税について同条第三項の規定による申告書を提出すべき場合及び同条第四項の規定によつて同条第一項の申告書を提出することができる場合のいずれにも該当しない場合について準用する。この場合において、同条第四項中「純損失又は雑損失の金額」とあるのは「附則第三十五条の三第四項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額」と、「三月十五日までに第一項の」とあるのは「三月十五日までに、自治省令の定めるところによって、同条第三項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額の控除に関する事項その他の政令で定める事項を記載した」と、「第三百十七条の二第四項」とあるのは「同条第九項において準用する同条第六項において準用する第三百十七条の二第四項」と読み替えるものとする。

 7 第三項の規定の適用がある場合における第四十五条の三の規定の適用については、同条第一項中「確定申告書(」とあるのは「確定申告書(租税特別措置法第三十七条の十三第八項において準用する所得税法第百二十三条第一項の規定による申告書を含む。」と、「前条第一項から第四項まで」とあるのは「前条第一項から第四項まで又は附則第三十五条の三第六項において準用する前条第四項」と、同条第二項中「同条第一項から第四項まで」とあるのは「同条第一項から第四項まで又は附則第三十五条の三第六項において準用する前条第四項」とする。

 8 払込みにより取得をした特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につき第一項に規定する事実が発生した場合における同項の規定の特例、当該特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につきこれらの株式の譲渡をしたことによる損失の金額が生じた場合における第四項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額の計算の特例その他第一項及び第三項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 9 前各項の規定は、個人の市町村民税について準用する。この場合において、第一項中「前条第一項から第六項まで」とあるのは「前条第七項において準用する同条第一項から第六項まで」と、第二項中「第四十五条の二第一項」とあるのは「第三百十七条の二第一項」と、「第四十五条の三第一項」とあるのは「第三百十七条の三第一項」と、第三項中「第四十五条の二第一項」とあるのは「第三百十七条の二第一項」と、「前条第一項後段」とあるのは「前条第七項において準用する同条第一項後段」と、第四項中「前条第一項」とあるのは「前条第七項において準用する同条第一項」と、第五項中「前条第一項から第五項まで」とあるのは「前条第七項において準用する同条第一項から第五項まで」と、「次条第三項」とあるのは「次条第九項において準用する同条第三項」と、第六項中「第四十五条の二第四項」とあるのは「第三百十七条の二第四項」と、「附則第三十五条の三第四項」とあるのは「附則第三十五条の三第九項において準用する同条第四項」と、「、「第三百十七条の二第四項」とあるのは「同条第九項において準用する同条第六項において準用する第三百十七条の二第四項」と読み替える」とあるのは「読み替える」と、第七項中「第四十五条の三」とあるのは「第三百十七条の三」と、「附則第三十五条の三第六項」とあるのは「附則第三十五条の三第九項において準用する同条第六項」と読み替えるものとする。

 (地方税法の一部改正に伴う経過措置)

第四条 前条の規定による改正後の地方税法(以下「新地方税法」という。)附則第三十五条の三の規定は、道府県民税及び市町村民税の所得割の納税義務者が、この法律の施行の日以後に払込みにより取得をする租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律(平成九年法律第二十二号)による改正後の租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第三十七条の十三第一項に規定する特定株式に係る新地方税法附則第三十五条の三第一項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する損失の金額として政令で定める金額及び同条第三項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額について適用する。

(大蔵・通商産業・自治・内閣総理大臣署名)

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