防衛庁設置法等の一部を改正する法律

法律第四十三号(平九・五・九)

 (防衛庁設置法の一部改正)

第一条 防衛庁設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。

  第八条中「十七万九千四百三十人」を「十七万八千七人」に、「二十七万三千七百五十一人」を「二十七万二千三百五十八人」に改める。

 (自衛隊法の一部改正)

第二条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第五節 予備自衛官(第六十六条―第七十五条)」を

第五節 予備自衛官及び即応予備自衛官

 
 

 第一款 予備自衛官(第六十六条―第七十五条)

 
 

 第二款 即応予備自衛官(第七十五条の二―第七十五条の八)

 に改める。

  第二十四条第二項中「もののほか」の下に「、陸上自衛隊の機関として補給統制本部を」を加え、「、補給本部」を「補給本部」に改める。

  第二十六条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

 4 陸上自衛隊の補給処の処長がその処務を掌理するに当たつては、補給統制本部長の統制に従わなければならない。

  第二十七条の二を第二十七条の三とし、第二十七条の次に次の一条を加える。

  (補給統制本部)

 第二十七条の二 補給統制本部においては、陸上自衛隊における第二十六条第一項に規定する事務の実施の企画、総合調整及び統制業務並びに同項に規定する調達の事務のうち長官が定めるものを行う。

2 補給統制本部に、補給統制本部長を置き、自衛官をもつて充てる。

3 補給統制本部長は、長官の定めるところにより、部務を掌理する。

 第二十八条中「病院長」の下に「、補給統制本部長」を加える。

 第三十三条中「予備自衛官」の下に「、即応予備自衛官」を加える。

 第三十四条中「予備自衛官」の下に「及び即応予備自衛官」を加え、「基いて」を「基づいて」に改める。

 第五章第五節の節名を次のように改める。

    第五節 予備自衛官及び即応予備自衛官

 第五章第五節中第六十六条の前に次の款名を付する。

     第一款 予備自衛官

 第六十七条第一項中「(旧保安隊の保安官及び旧警察予備隊の警察官並びに旧警備隊の警備官及び旧海上警備隊の海上警備官を含む。)」を削り、「基き」を「基づき」に改める。

 第六十八条第三項中「一年以内」を「当該自衛官が第七十六条第一項の規定による防衛出動を命ぜられている場合にあつては一年以内の期間を限り、その他の場合にあつては六月以内」に改める。

 第七十条第一項中「に規定する」を「の規定による」に改め、「場合」の下に「又は事態が緊迫し、同項の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合」を加え、同条第六項中「長官は」の下に「、第一項の規定による防衛招集命令を受け、第三項の規定により自衛官となった者について」を加え、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第七項中「防衛招集を」を「前二項の規定により防衛招集を」に改める。

 第七十一条第一項中「、年に二回以内」を削る。

 第七十二条中「事項、」の下に「予備自衛官に対する」を、「その他」の下に「予備自衛官の」を加える。

 第五章第五節中第七十五条の次に次の一款を加える。

     第二款 即応予備自衛官

 (即応予備自衛官)

第七十五条の二 即応予備自衛官は、第七十五条の四第一項各号に規定する招集命令により招集された場合において同条第三項の規定により自衛官となつてあらかじめ指定された陸上自衛隊の部隊において勤務し、第七十五条の五第一項に規定する訓練招集命令により招集された場合において訓練に従事するものとする。

2 即応予備自衛官の員数は、千三百七十三人とし、防衛庁の職員の定員外とする。

 (部隊の指定)

第七十五条の三 長官又はその委任を受けた者は、即応予備自衛官に対し、次条第一項各号に規定する招集命令により招集された場合において同条第三項の規定により自衛官となつて勤務する陸上自衛隊の部隊を指定するものとする。

 (防衛招集、治安招集及び災害等招集)

第七十五条の四 長官は、次の各号に掲げる場合において、必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、即応予備自衛官に対し、当該各号に定める招集命令書による招集命令を発することができる。

 一 第七十六条第一項の規定による防衛出動命令が発せられた場合又は事態が緊迫し、同項の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合 防衛招集命令書による防衛招集命令

 二 第七十八条第一項若しくは第八十一条第二項の規定による治安出動命令が発せられた場合又は事態が緊迫し、第七十八条第一項の規定による治安出動命令が発せられることが予測される場合 治安招集命令書による治安招集命令

 三 第八十三条第二項の規定により部隊等を救援のため派遣する場合又は第八十三条の二の規定により部隊等を支援のため派遣する場合 災害等招集命令書による災害等招集命令

2 前項各号の招集命令を受けた即応予備自衛官は、指定の日時に、指定の場所に出頭して、招集に応じなければならない。

3 第一項各号の招集命令により招集された即応予備自衛官は、辞令を発せられることなく、招集に応じて出頭した日をもって、現に指定されている階級の自衛官となつて現に指定されている陸上自衛隊の部隊において勤務するものとする。この場合において、当該自衛官の員数は、防衛庁の職員の定員外とする。

4 長官は、第一項各号の規定による招集命令を受け、前項の規定により自衛官となった者について、招集の必要がなくなつた場合には、速やかに、招集を解除しなければならない。

5 前項の規定又は第七項において準用する第七十条第五項の規定により招集を解除された自衛官は、次項の規定による招集命令を受けた場合又は第七項において準用する同条第八項に該当する場合を除き、辞令を発せられることなく、招集の解除の日の翌日をもって即応予備自衛官となり、招集の解除の日の当該自衛官の階級を指定されたものとする。

6 長官は、第四項の規定により招集を解除する場合において、新たに第一項各号に掲げる場合に該当し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、当該自衛官に対し、当該各号に定める招集命令書による招集命令を発することができる。この場合において、当該招集命令を受けた自衛官は、同項各号の規定による招集命令を受け、第三項の規定により自衛官となつたものとする。

7 第七十条第四項、第五項及び第八項の規定は、第一項各号の規定による招集命令を受けた即応予備自衛官について準用する。この場合において、同条第四項中「前項本文」とあるのは「第七十五条の四第三項前段」と、同条第五項中「第一項」とあるのは「第七十五条の四第一項各号」と、「防衛招集命令」とあるのは「招集命令」と、「又は防衛招集」とあるのは「又は招集」と、同条第八項中「第六十八条第三項」とあるのは「第七十五条の八において準用する第六十八条第三項」と、「防衛招集」とあるのは「招集」と読み替えるものとする。

 (訓練招集)

第七十五条の五 長官は、所要の訓練を行うため、各回ごとに招集期間を定めて、即応予備自衛官に対し、訓練招集命令書によつて、訓練招集命令を発することができる。

2 前項の訓練招集命令を受けた即応予備自衛官は、指定の日時に、指定の場所に出頭して、訓練招集に応じなければならない。

3 第一項の招集期間は、一年を通じて、三十日を超えない範囲内で総理府令で定める期間とする。

4 第七十一条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による訓練招集命令を受けた即応予備自衛官について準用する。この場合において、これらの規定中「第一項」とあるのは、「第七十五条の五第一項」と読み替えるものとする。

 (委任規定)

第七十五条の六 前二条に規定するもののほか、第七十五条の四第一項各号に規定する防衛招集命令書、治安招集命令書及び災害等招集命令書並びに前条第一項に規定する訓練招集命令書に記載すべき事項、即応予備自衛官に対する防衛招集命令、治安招集命令及び災害等招集命令並びに訓練招集命令の手続その他即応予備自衛官の防衛招集、治安招集及び災害等招集並びに訓練招集に関し必要な事項は、政令で定める。

 (勤続報奨金)

第七十五条の七 長官又はその委任を受けた者は、即応予備自衛官(第七十五条の四第一項各号の規定による招集命令を受け、同条第三項の規定により自衛官となつている者を含む。)がその任用期間のうち総理府令で定める期間以上在職し、かつ、良好な成績で勤務したときは、総理府令で定めるところにより、その者に対し、勤続報奨金を支給することができる。

 (準用)

第七十五条の八 第六十七条から第六十九条の二まで及び第七十三条から第七十五条までの規定は、即応予備自衛官について準用する。この場合において、第六十八条第二項、第三項及び第四項中「第七十条第一項の規定による防衛招集命令」とあるのは「第七十五条の四第一項各号の規定による招集命令」と、同条第二項中「予備自衛官に」とあるのは「即応予備自衛官に」と、第六十九条の二第一項中「予備の」とあるのは「即応予備の」と、同条第二項中「第七十一条」とあるのは「第七十五条の五」と、第七十四条第二項中「防衛招集」とあるのは「防衛招集、治安招集若しくは災害等招集」と、第七十五条第一項ただし書中「第七十一条第一項」とあるのは「第七十五条の五第一項」と、同条第二項中「第七十条第三項」とあるのは「第七十五条の四第三項」と読み替えるものとする。

 第九十六条第一項第一号中「学生及び」を「学生並びに」に改め、「予備自衛官」の下に「及び即応予備自衛官」を加える。

 第百十九条第一項第四号中「予備自衛官」の下に「又は第七十五条の四第一項第一号若しくは第二号の規定による防衛招集命令若しくは治安招集命令を受けた即応予備自衛官」を加える。

 (防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正)

第三条 防衛庁の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項中「別段の定」を「別段の定め」に改め、「予備自衛官」の下に「及び即応予備自衛官(以下「予備自衛官等」という。)」を加え、「本条」を「この条」に、「但し」を「ただし」に改める。

  第四条第二項、第十二条第一項、第十八条の二及び第二十二条第一項中「予備自衛官」を「予備自衛官等」に改める。

  第二十四条の二の見出しを削り、同条第三項に次のただし書を加える。

   ただし、これらの月のうちに次条の規定により即応予備自衛官手当が支給される月があるときは、その月の予備自衛官手当は、支給しない。

  第二十四条の二第五項及び第六項を削る。

  第二十四条の二の前に見出しとして「(予備自衛官等の給与)」を付し、同条の次に次の三条を加える。

第二十四条の三 即応予備自衛官には、即応予備自衛官手当を支給する。

2 前項の即応予備自衛官手当の月額は、一万六千円とする。

3 前条第三項本文及び第四項の規定は、即応予備自衛官手当の支給について準用する。この場合において、これらの規定中「予備自衛官」とあるのは、「即応予備自衛官」と読み替えるものとする。

第二十四条の四 訓練招集に応じた予備自衛官等には、訓練招集に応じた期間一日につき、政令で定める額の訓練招集手当を支給する。

第二十四条の五 前三条に規定するもののほか、予備自衛官手当、即応予備自衛官手当及び訓練招集手当の支給について必要な事項は、政令で定める。

 第二十八条の三中「予備自衛官」を「予備自衛官等」に改め、「第六十七条第二項」の下に「(同法第七十五条の八において準用する場合を含む。)」を加え、「(昭和三十四年三月三十一日以前に自衛官又は旧保安隊の保安官、旧警察予備隊の警察官、旧警備隊の警備官若しくは旧海上警備隊の海上警備官として退職し、予備自衛官に採用された者にあつては、その者が自衛官又は旧保安隊の保安官、旧警察予備隊の警察官、旧警備隊の警備官若しくは旧海上警備隊の海上警備官として受けていた最終の俸給日額に三十を乗じて得た額をいう。以下この項において同じ。)」を削る。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、平成十年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。

 (政治資金規正法の一部改正)

2 政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十二条の九第一項第四号中「予備自衛官」の下に「及び同法第七十五条の五第一項の規定による訓練招集命令により招集されている者以外の即応予備自衛官」を加える。

(内閣総理大臣署名) 

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