水質汚濁防止法の一部を改正する法律
法律第五十八号(平八・六・五)
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十四条の二」を「第十四条の三」に、「第十四条の三」を「第十四条の四」に、「第十四条の九」を「第十四条の十」に改める。
第二条中第七項を第八項とし、第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、第三項の次に次の一項を加える。
4 この法律において「貯油施設等」とは、重油その他の政令で定める油(以下単に「油」という。)を貯蔵し、又は油を含む水を処理する施設(特定施設を除く。)で政令で定めるものをいう。
第十四条の二第一項中「有害物質」の下に「又は油」を加え、同条第二項中「設置者」の下に「又は貯油事業場等の設置者」を加え、「前項」を「前二項」に、「その者」を「これらの者」に、「同項の」を「これらの規定に定める」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 特定事業場以外の工場又は事業場で貯油施設等を設置するもの(以下この条において「貯油事業場等」という。)の設置者は、当該貯油事業場等において、貯油施設等の破損その他の事故が発生し、油を含む水が当該貯油事業場等から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く油を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければならない。
第二章の二中第十四条の九を第十四条の十とし、第十四条の三から第十四条の八までを一条ずつ繰り下げ、第二章中第十四条の二の次に次の一条を加える。
(地下水の水質の浄化に係る措置命令等)
第十四条の三 都道府県知事は、特定事業場において有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があつたことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、総理府令で定めるところにより、その被害を防止するため必要な限度において、当該特定事業場の設置者(相続又は合併によりその地位を承継した者を含む。)に対し、相当の期限を定めて、地下水の水質の浄化のための措置をとることを命ずることができる。ただし、その者が、当該浸透があつた時において当該特定事業場の設置者であつた者と異なる場合は、この限りでない。
2 前項本文に規定する場合において、都道府県知事は、同項の浸透があつた時において当該特定事業場の設置者であつた者(相続又は合併によりその地位を承継した者を含む。)に対しても、同項の措置をとることを命ずることができる。
3 特定事業場の設置者(特定事業場又はその敷地を譲り受け、若しくは借り受け、又は相続若しくは合併により取得した者を含む。)は、当該特定事業場について前項の規定による命令があつたときは、当該命令に係る措置に協力しなければならない。
第二十二条第一項中「排出水を排出する者又は第十二条の三に規定する者」を「特定事業場の設置者又は設置者であつた者」に改める。
第二十三条第二項を次のように改める。
2 次の表の上欄に掲げる者に関しては、同表の中欄に掲げる事業場又は施設について、同表の下欄に定める規定は適用せず、鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)又は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)の相当規定の定めるところによる。
一 鉱山保安法第八条第一項に規定する建設物、工作物その他の施設(以下「鉱山施設」という。)である特定施設を設置する同法第二条第二項本文に規定する鉱山から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者 |
当該鉱山 |
第五条から第十一条まで、第十三条第一項及び第三項、第十三条の二第一項、第十四条第三項、第十四条の二第一項及び第三項並びに第十四条の三第一項及び第二項 |
二 鉱山施設である貯油施設等を設置する鉱山保安法第二条第二項本文に規定する鉱山(前号の鉱山を除く。)の設置者 |
当該鉱山 |
第十四条の二 |
三 電気事業法第二条第一項第十二号に規定する電気工作物(以下「電気工作物」という。)である特定施設を設置する工場又は事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者 |
当該特定施設 |
第五条から第十一条まで、第十三条第一項及び第三項、第十三条の二第一項、第十四条第三項、第十四条の二第一項及び第三項並びに第十四条の三第一項及び第二項 |
四 電気工作物である貯油施設等を設置する工場又は事業場の設置者 |
当該貯油施設等 |
第十四条の二 |
五 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第三条第十四号に規定する廃油処理施設(以下「廃油処理施設」という。)である特定施設を設置する工場又は事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者 |
当該特定施設 |
第五条から第十一条まで、第十三条第一項及び第三項、第十三条の二第一項、第十四条第三項並びに第十四条の二第一項及び第三項 |
六 廃油処理施設である貯油施設等を設置する工場又は事業場の設置者 |
当該貯油施設等 |
第十四条の二 |
七 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第三十八条第三項に規定する海洋施設等(廃油処理施設を除く。以下単に「海洋施設等」という。)である特定施設を設置する工場又は事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者 |
当該特定施設 |
第十四条の二第一項及び第三項(同条第一項の規定については、油を含む水に関する部分に限る。) |
八 海洋施設等である貯油施設等を設置する工場又は事業場の設置者 |
当該貯油施設等 |
第十四条の二 |
第二十三条第四項中「又は第十三条の二第一項」を「、第十三条の二第一項又は第十四条の三第一項若しくは第二項」に改める。
第二十八条第一項中「第十四条の六第一項」を「第十四条の七第一項」に、「第十四条の七第五項」を「第十四条の八第五項」に改める。
第三十条中「又は第十三条の二第一項」を「、第十三条の二第一項又は第十四条の三第一項若しくは第二項」に、「五十万円」を「百万円」に改める。
第三十一条第一項中「一に」を「いずれかに」に、「三十万円」を「五十万円」に改め、同項第二号中「第十四条の二第二項」を「第十四条の二第三項」に改め、同条第二項中「二十万円」を「三十万円」に改める。
第三十二条中「二十万円」を「三十万円」に改める。
第三十三条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円」を「二十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成九年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 特定事業場における有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透のうちこの法律の公布の日前にあったものについては、当該浸透の時における当該特定事業場の設置者(相続又は合併によりその地位を承継した者を含む。)がこの法律の公布の日まで引き続き当該特定事業場の設置者である場合を除き、改正後の第十四条の三第一項及び第二項の規定は、適用しない。
(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の一部改正)
第三条 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(昭和四十六年法律第百七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第二号ロ中「第二条第六項」を「第二条第七項」に改める。
(瀬戸内海環境保全特別措置法の一部改正)
第四条 瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項中「第二条第六項」を「第二条第七項」に改める。
(湖沼水質保全特別措置法の一部改正)
第五条 湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第二十三条第六項中「第二条第四項」を「第二条第五項」に改める。
(特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法の一部改正)
第六条 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号)の一部を次のように改正する。
第二十条中「第十四条の六第一項」を「第十四条の七第一項」に改める。
(内閣総理大臣署名)