塩事業法

法律第三十九号(平八・五・一五)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 塩需給見通し等(第三条・第四条)

 第三章 塩製造業(第五条―第十五条)

 第四章 塩特定販売業(第十六条―第十八条)

 第五章 塩卸売業(第十九条・第二十条)

 第六章 塩事業センター(第二十一条―第二十九条)

 第七章 雑則(第三十条―第三十五条)

 第八章 罰則(第三十六条―第四十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、塩専売制度の廃止に伴い、塩が国民生活に不可欠な代替性のない物資であることにかんがみ、塩事業の適切な運営による良質な塩の安定的な供給の確保と我が国塩産業の健全な発展を図るために必要な措置を講ずることとし、もって国民生活の安定に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「塩」とは、塩化ナトリウムの含有量が百分の四十以上の固形物をいう。ただし、チリ硝石、カイニット、シルビニットその他大蔵省令で定める鉱物を除く。

2 この法律において「塩製造業者」とは、第五条第一項の登録を受けて塩の製造(再製(塩の利用価値を高めるため塩を溶解しその溶解した物に操作を加えて、再び塩を製造することをいう。以下同じ。)及び加工(塩の利用価値を高めるため溶解以外の方法により塩の形状を変え、又は塩の不純物を除去し、若しくは塩を変質させることをいう。以下同じ。)を含む。以下同じ。)を業として行う者をいう。

3 この法律において「塩特定販売業者」とは、第十六条第一項の登録を受けて自ら又は他の者に委託して輸入(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二条第一項第一号に規定する輸入をいう。以下同じ。)をした塩を販売し、又は自ら使用すること(以下「塩の特定販売」という。)を業として行う者をいう。

4 この法律において「塩卸売業者」とは、第十九条第一項の登録を受けて塩の卸売(塩製造業者又は塩特定販売業者から買い受けた塩(塩製造業者に委託して製造した塩を含む。)を、その性質及び形状を変更しないで、他の事業者又は消費者に販売することをいう。以下同じ。)を業として行う者をいう。

   第二章 塩需給見通し等

 (塩需給見通し)

第三条 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、毎年度、塩需給見通しを策定しなければならない。

2 塩需給見通しにおいては、次に掲げる事項を示すものとする。

 一 塩の用途別需要見込数量

 二 前号の用途別需要見込数量に対応する塩の国内産又は外国産別供給見込数量

 三 その他塩の需給に関する重要事項

3 大蔵大臣は、塩の需給事情その他の経済事情に著しい変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、塩需給見通しを変更することができる。

4 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、塩製造業者、塩特定販売業者若しくは塩卸売業者又は第二十一条第二項に規定するセンターに対し、第一項の塩需給見通しを策定するため必要な報告をさせることができる。

5 大蔵大臣は、塩需給見通しを策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (国の助言等)

第四条 国は、塩産業の効率化の促進を図るため、塩の製造又は販売の事業を行う者に対し、必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとする。

   第三章 塩製造業

 (塩製造業の登録)

第五条 塩の製造を業として行おうとする者(用途若しくは性状が特殊な塩であって大蔵省令で定めるもの(以下「特殊用塩」という。)又は製造の方法が特殊な塩であって大蔵省令で定めるもの(特殊用塩を除く。以下「特殊製法塩」という。)のみの製造を業として行おうとする者を除く。)は、大蔵大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者(営業に関し成年者と同一の能力を有する者を除く。以下同じ。)又は禁治産者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所

 四 主たる事務所の所在地並びに製造場及び貯蔵所の所在地

 五 製造場ごとの塩の製造方法、塩の製造能力及び設備の構造

 六 事業開始の予定年月日

 七 その他大蔵省令で定める事項

3 前項の申請書には、第七条第一項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録の実施)

第六条 大蔵大臣は、前条第一項の登録の申請があった場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を塩製造業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第二項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 大蔵大臣は、前項の規定により登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否)

第七条 大蔵大臣は、第五条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

 二 第十三条第一項の規定により第五条第一項の登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

 三 破産者で復権を得ないもの

 四 法人であって、その代表者のうちに前三号のいずれかに該当する者があるもの

 五 未成年者又は禁治産者であって、その法定代理人が第一号から第三号までのいずれかに該当するもの

2 大蔵大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (塩製造業の承継)

第八条 塩製造業者について相続又は合併があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その選定された者。以下この条において同じ。)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人(以下この項において「相続人等」という。)は、その塩製造業者の地位を承継する。ただし、当該相続人等が前条第一項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

2 前項ただし書の規定に該当する相続人は、相続後六十日間に限り、引き続き塩の製造を業として行うことができる。この場合において、この法律の適用に関しては、当該相続人を塩製造業者とみなす。

3 第一項の規定により塩製造業者の地位を承継した者又は前項前段の規定により塩の製造を業として行う者は、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 (登録事項の変更の届出)

第九条 塩製造業者は、第五条第二項第一号から第三号まで又は第七号に掲げる事項に変更があったときは遅滞なく、同項第四号から第六号までに掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 (帳簿の記載等)

第十条 塩製造業者は、大蔵省令で定めるところにより、帳簿を備え、その業務に関し大蔵省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (業務改善命令)

第十一条 大蔵大臣は、塩製造業者の業務の運営に関し良質な塩の安定的な供給を確保するために改善が必要であると認めるときは、政令で定めるところにより、当該塩製造業者に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (塩製造業の廃止)

第十二条 塩製造業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

2 塩製造業者がその事業を廃止したときは、その者に係る第五条第一項の登録は、その効力を失う。

 (登録の取消し等)

第十三条 大蔵大臣は、塩製造業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第五条第一項の登録を取り消し、又は一月以内の期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。

 一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。

 二 第七条第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる者に該当することとなったとき。

 三 正当な理由がないのに、二年以内にその事業を開始せず、又は二年を超えて引き続きその事業を休止したとき。

 四 不正の手段により第五条第一項の登録を受けたとき。

2 大蔵大臣は、前項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を当該処分に係る者に通知しなければならない。

 (登録の抹消)

第十四条 大蔵大臣は、第十二条第二項の規定により塩製造業者の登録が効力を失ったとき、又は前条第一項の規定により塩製造業者の登録を取り消したときは、当該塩製造業者の登録を抹消しなければならない。

 (特殊用塩等製造業の届出)

第十五条 特殊用塩又は特殊製法塩のみの製造を業として行おうとする者は、次に掲げる事項を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 主たる事務所の所在地及び製造場の所在地

 四 特殊用塩の製造を行おうとする者である場合においては、当該特殊用塩の名称及び用途又は性状

 五 特殊製法塩の製造を行おうとする者である場合においては、当該特殊製法塩の名称及び製造の方法

 六 特殊用塩又は特殊製法塩の製造能力

 七 その他大蔵省令で定める事項

2 前項の届出をした者(以下「特殊用塩等製造業者」という。)は、同項第一号、第二号又は第七号に掲げる事項に変更があったときは遅滞なく、同項第三号から第六号までに掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

3 特殊用塩等製造業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

   第四章 塩特定販売業

 (塩特定販売業の登録)

第十六条 塩の特定販売を業として行おうとする者(特殊用塩のみに係る塩の特定販売を業として行おうとする者を除く。)は、大蔵大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者又は禁治産者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所

 四 主たる事務所の所在地及び貯蔵所の所在地

 五 事業開始の予定年月日

 六 その他大蔵省令で定める事項

3 前項の申請書には、次条において準用する第七条第一項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (準用)

第十七条 第六条及び第七条の規定は前条第一項の規定による登録の申請があった場合について、第八条から第十四条までの規定は塩特定販売業者について、それぞれ準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (特殊用塩特定販売業の届出)

第十八条 特殊用塩のみに係る塩の特定販売を業として行おうとする者は、次に掲げる事項を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 主たる事務所の所在地

 四 塩の特定販売を行おうとする特殊用塩の名称及び用途又は性状

 五 その他大蔵省令で定める事項

2 前項の届出をした者(以下「特殊用塩特定販売業者」という。)は、同項第一号、第二号又は第五号に掲げる事項に変更があったときは遅滞なく、同項第三号又は第四号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

3 特殊用塩特定販売業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

   第五章 塩卸売業

 (塩卸売業の登録)

第十九条 塩の卸売を業として行おうとする者(特殊用塩又は特殊製法塩のみに係る塩の卸売を業として行おうとする者を除く。)は、大蔵大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所

 三 未成年者又は禁治産者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所

 四 主たる事務所の所在地並びに営業所及び貯蔵所の所在地

 五 事業開始の予定年月日

 六 その他大蔵省令で定める事項

3 前項の申請書には、次条において準用する第七条第一項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (準用)

第二十条 第六条及び第七条の規定は前条第一項の規定による登録の申請があった場合について、第八条から第十四条までの規定は塩卸売業者について、それぞれ準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

   第六章 塩事業センター

 (指定等)

第二十一条 大蔵大臣は、塩の製造、輸入及び流通に関する調査研究等を行うことにより塩産業の健全な発展を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人であって、国民生活に不可欠である良質な塩の安定的な供給の確保を図るために次条第一項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、塩事業センターとして指定することができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定による指定をしたときは、同項の指定を受けた者(以下「センター」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。

3 センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

4 大蔵大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

 (業務)

第二十二条 センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 生活用に使用される塩(以下「生活用塩」という。)の供給を行うこと。

 二 塩の備蓄を行うこと。

 三 生活用塩の供給を行うほか、緊急時(塩の供給が大幅に不足し、又は不足するおそれがある場合において、塩の供給を緊急に増加する必要があると大蔵大臣が認めるときをいう。第三十一条において同じ。)において、同条第一項の大蔵大臣の命令に基づき、塩の供給(塩を原料とする化学製品であって政令で指定するもの(以下「指定化学製品」という。)の製造の用に供する塩の供給を除く。)を行うこと。

 四 塩産業の効率化を促進するために塩の製造又は販売の事業を行う者に対し、必要な助言、指導その他の援助を行うこと。

 五 塩の製造、輸入及び流通に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。

 六 塩の製造、輸入及び流通に関する調査研究を行うこと。

 七 塩の品質に関する検査を行うこと。

 八 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 センターについては、第三章から第五章までの規定は、適用しない。

 (販売店契約等)

第二十三条 センターは、生活用塩の供給に係る業務を行うに当たり、生活用塩の販売についての契約(以下「販売店契約」という。)をセンターと締結した者(次項及び第三十二条において「販売店契約者」という。)に生活用塩を販売させることができる。

2 センターは、生活用塩の供給に係る業務のうち、販売店契約に係るセンターの業務(販売店契約者に対する生活用塩の売渡しを除く。)の全部又は一部を塩卸売業者に委託することができる。

3 センターは、前項に規定するもののほか、大蔵省令で定めるところにより、その業務の一部を、大蔵大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。

 (業務規程の認可)

第二十四条 センターは、第二十二条第一項第一号から第四号までに掲げる業務(これらの業務に附帯する業務を含む。以下「生活用塩供給等業務」という。)の開始前に、生活用塩供給等業務の実施に関する規程(以下「生活用塩供給等業務規程」という。)を作成し、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 大蔵大臣は、前項の認可をした生活用塩供給等業務規程が生活用塩供給等業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、センターに対し、その生活用塩供給等業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

3 生活用塩供給等業務規程に記載すべき事項は、大蔵省令で定める。

 (生活用塩供給等業務特別勘定)

第二十五条 センターは、生活用塩供給等業務に係る経理については、その他の経理と区分し、別に生活用塩供給等業務特別勘定を設けて整理するものとし、生活用塩供給等業務に係る財産又は生活用塩供給等業務に要する費用に充てるものとして附則第六条第一項の規定により拠出される財産を、同勘定に帰属させるものとする。

2 生活用塩供給等業務特別勘定とその他の勘定の間においては、大蔵省令で定める場合を除き、資金の相互流用をすることができない。

 (事業計画等)

第二十六条 センターは、毎事業年度開始前に(第二十一条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後速やかに)、大蔵省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 センターは、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、大蔵大臣に提出しなければならない。

 (監督命令)

第二十七条 大蔵大臣は、この章の規定を施行するために必要な限度において、センターに対し、第二十二条第一項に規定する業務に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し等)

第二十八条 大蔵大臣は、センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第二十一条第一項の指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。

 一 生活用塩供給等業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この章の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくは処分又は第三条第四項、第三十条第一項若しくは第三十一条第一項の規定に基づく処分に違反したとき。

 四 第二十四条第一項の規定により認可を受けた生活用塩供給等業務規程によらないで生活用塩供給等業務を行ったとき。

2 大蔵大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定を取り消した場合における措置)

第二十九条 前条第一項の規定により第二十一条第一項の指定を取り消した場合における当該指定を取り消されたセンターであった者の生活用塩供給等業務に係る財産並びに権利及び義務の取扱いその他必要な措置については、別に法律で定める。

2 前条第一項の規定により第二十一条第一項の指定を取り消した場合において、前項の法律に基づく必要な措置がとられるまでの間は、大蔵大臣が指定する者が、政令で定めるところにより、同項に規定する財産の管理その他の業務を行うものとする。

   第七章 雑則

 (報告及び検査)

第三十条 大蔵大臣は、この法律で別に定めるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、塩製造業者、特殊用塩等製造業者、塩特定販売業者、特殊用塩特定販売業者、塩卸売業者又はセンターに対し、その業務に関し報告をさせることができる。

2 大蔵大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、その職員に、塩製造業者、特殊用塩等製造業者、塩特定販売業者、特殊用塩特定販売業者、塩卸売業者又はセンターの事務所その他の事業場に立ち入り、塩、機械、帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、又は分析のため必要な最小限度の分量に限り塩を収去させることができる。

3 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (緊急時の措置)

第三十一条 大蔵大臣は、緊急時においては、センターに対し、センターの備蓄に係る塩の供給(指定化学製品の製造の用に供する塩の供給を除く。)その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

2 大蔵大臣は、緊急時において、特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、塩製造業者、塩特定販売業者又は塩卸売業者に対し、緊急時であることを示して塩の製造予定数量その他の必要な情報の報告をさせ、当該報告に基づき、塩の製造予定数量の増加その他の必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

3 大蔵大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が、正当な理由がなく、その勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

4 大蔵大臣は、緊急時においては、国民生活の安定に資するため、塩の製造、輸入、流通又は在庫の状況に関し、必要な情報を国民に提供するものとする。

 (標識の掲示)

第三十二条 販売店契約者は、その店舗の見やすい場所に、生活用塩を取り扱う販売店契約者であることが容易に識別できる標識としてセンターが定める様式のものを掲示するよう努めなければならない。

 (権限の委任)

第三十三条 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、この法律による権限の一部を財務局長若しくは財務支局長又は税関長に行わせることができる。

 (政令への委任)

第三十四条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。

 (経過措置)

第三十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第八章 罰則

第三十六条 第三十一条第一項の規定による大蔵大臣の命令に対する違反があった場合においては、その違反行為をしたセンターの役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第五条第一項の規定に違反して、塩の製造を業として行った者

 二 第十三条第一項(第十七条及び第二十条において準用する場合を含む。)の規定による大蔵大臣の命令に違反した者

 三 第十六条第一項の規定に違反して、塩の特定販売を業として行った者

 四 第十九条第一項の規定に違反して、塩の卸売を業として行った者

第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第十一条(第十七条及び第二十条において準用する場合を含む。)の規定による大蔵大臣の命令に違反した者

 二 第十五条第一項の規定に違反して、特殊用塩又は特殊製法塩の製造を業として行った者

 三 第十八条第一項の規定に違反して、特殊用塩に係る塩の特定販売を業として行った者

第三十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第三条第四項、第三十条第一項又は第三十一条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 二 第十条(第十七条及び第二十条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者

 三 第三十条第二項の規定による検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

第四十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十六条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第四十一条 第八条第三項、第九条若しくは第十二条第一項(これらの規定を第十七条及び第二十条において準用する場合を含む。)、第十五条第二項若しくは第三項又は第十八条第二項若しくは第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成九年四月一日から施行する。ただし、第二十一条及び第二十四条から第二十六条までの規定並びに附則第二条から第四条まで、第六条、第七条、第九条、第三十五条、第三十六条及び第五十四条(大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)第四条第五号の五の次に二号を加える改正規定中同条第五号の六に係る部分に限る。)の規定は、公布の日から施行する。

 (塩専売法の一部改正)

第二条 塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  附則に次の一条を加える。

  (塩専売事業に係る財産の拠出に関する経過措置)

 第三十五条 会社が、塩事業法(平成八年法律第三十九号)附則第一条ただし書に規定する日から平成九年三月三十一日までの間に、塩の製造、輸入及び流通に関する調査研究等を行うことにより塩産業の健全な発展を図ることを目的とする民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人(以下この条において「特定法人」という。)の設立に際して塩専売事業に係る財産の拠出をしようとするときは、当該財産の拠出についてあらかじめ大蔵大臣の承認を受けなければならない。

 2 会社が前項の規定による拠出(以下この条において「特定拠出」という。)をした場合において、当該特定拠出に係る資産が土地又は土地の上に存する権利(以下この項において「土地等」という。)であるときは、当該土地等の特定拠出は、会社に係る租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十二条の三から第六十三条の二までの規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。

 3 会社が特定拠出をした場合における会社に係る法人税法第三十七条の規定の適用については、同条第二項中「計算した金額(」とあるのは「計算した金額から塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)附則第三十五条第二項に規定する特定拠出の額に百分の一・二五の割合を乗じて計算した金額を控除した金額(当該金額がその内国法人の当該事業年度終了の時における資本等の金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額の千分の一・二五の割合を乗じて計算した金額に満たない場合には、当該計算した金額。」と、「という。)」とあるのは「という。)に当該特定拠出の額を加算した金額」とする。

 4 会社が行う特定拠出に伴い特定法人が受ける登記又は登録については、大蔵省令で定めるところにより登記又は登録を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

 5 特定法人の会社が行う特定拠出に係る不動産の取得に対しては、不動産取得税又は土地の取得に対して課する特別土地保有税を課することができない。

 6 特定法人の取得した会社が行う特定拠出に係る土地で特定法人が引き続き保有するもののうち、公社が昭和四十四年一月一日(沖縄県の区域内に所在する土地については、昭和四十七年四月一日)前に取得したもの及び地方税法第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域内に所在する土地以外の土地で同日において公社又は会社が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

 (センターによる支援措置)

第三条 センターは、次項の大蔵大臣の認可を受けた日から平成十四年三月三十一日までの間、第二十二条第一項に規定する業務のほか、第五項の規定により拠出された金銭の額及びその運用によって生じた収入金の額の合計額の範囲内で、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 特定製造者(この条の規定の施行の際現に塩専売法第五条第一項の指定を受けている者をいう。次号において同じ。)又は特定元売人(この条の規定の施行の際現に塩専売法第十九条第一項の元売人の指定を受けている者をいう。次号において同じ。)が塩に係るその事業の合理化を行うために要する費用に充てるための助成金の交付を行うこと。

 二 特定製造者が塩の製造を廃止し、又は特定元売人が塩に係る営業を廃止するための費用に充てるための助成金の交付を行うこと。

 三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 センターは、第二十一条第一項の指定を受けた後、前項に規定する業務(以下「助成業務」という。)の実施に関する規程を速やかに作成し、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

3 センターは、助成業務に係る経理については、その他の経理と区分し、別に助成業務特別勘定を設けて整理しなければならない。

4 助成業務特別勘定とその他の勘定の間においては、大蔵省令で定める場合を除き、資金の相互流用をすることができない。

5 助成業務特別勘定に助成業務に要する費用に充てるための基金を置き、次条第一項の規定により拠出される金銭をもってこれに充てるものとする。

6 大蔵大臣は、第二十七条の規定によるもののほか、この条の規定を施行するために必要な限度において、センターに対し、助成業務に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

7 大蔵大臣は、センターが前項の規定による処分に違反したときは、第二十一条第一項の指定を取り消すことができる。

8 前項の規定により第二十一条第一項の指定を取り消した場合における当該指定を取り消されたセンターであった者の助成業務に係る財産並びに権利及び義務の取扱いその他必要な措置については、別に法律で定める。

9 第七項の規定により第二十一条第一項の指定を取り消した場合において、前項の法律に基づく必要な措置がとられるまでの間は、大蔵大臣が指定する者が、政令で定めるところにより、同項に規定する財産の管理その他の業務を行うものとする。

 (助成業務特別勘定への拠出)

第四条 日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)は、センターが前条第二項の認可を受けた後速やかに、センターに対し、会社の塩専売事業(塩専売法第三十八条第一項に規定する塩専売事業をいう。以下同じ。)に係る財産のうち政令で定める額の金銭を、前条第一項に規定する期間に実施する助成業務に要する費用に充てるものとして拠出するものとする。

2 前項の規定による会社の拠出は、塩専売法第五十三条第三項本文の規定にかかわらず、同条第一項に規定する塩専売価格安定準備金を取り崩して行うものとする。

3 第一項の規定により会社がセンターに拠出した金銭は、政府からセンターに対し拠出されたものとみなす。

 (助成業務特別勘定の残余財産の国庫納付)

第五条 センターは、助成業務を終えたときは助成業務特別勘定を廃止するものとする。

2 センターは、前項の規定により助成業務特別勘定を廃止した場合において同勘定に残余財産(基金の残高を含む。)があるときは、政令で定めるところにより、当該残余財産の額に相当する金額を国庫に納付するものとする。

 (塩専売事業に係る財産の処分等)

第六条 会社は、塩専売法第五十七条の規定にかかわらず、この法律の施行の時において、センターに対し、会社の同条に規定する塩専売事業に係る財産としてあらかじめ大蔵大臣の認可を受けたものを、生活用塩供給等業務に係る財産又は生活用塩供給等業務に要する費用に充てるものとして拠出するものとする。

2 前項の規定により拠出する財産の価額の決定の方法その他財産の拠出に関し必要な事項は、政令で定める。

3 第一項の規定により会社がセンターに拠出した財産は、政府からセンターに対し拠出されたものとする。

4 会社の塩専売事業に係る一切の権利及び義務(この附則に別段の定めがあるもの及び政令で定めるものを除く。)は、この法律の施行の時においてセンターが承継する。

 (会社による拠出に係る国税の課税の特例)

第七条 会社が前条第一項の規定による拠出をした場合において、当該拠出に係る資産のうちに土地又は土地の上に存する権利(以下この項において「土地等」という。)があるときは、当該土地等の拠出は、会社に係る租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十二条の三から第六十三条の二までの規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。

2 会社が附則第四条第一項又は前条第一項の規定による拠出(以下この項において「特定拠出」という。)をした場合における会社に係る法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第三十七条の規定の適用については、同条第二項中「計算した金額(」とあるのは「計算した金額から塩事業法(平成八年法律第三十九号)附則第七条第二項に規定する特定拠出の額に百分の一・二五の割合を乗じて計算した金額を控除した金額(当該金額がその内国法人の当該事業年度終了の時における資本等の金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額の千分の一・二五の割合を乗じて計算した金額に満たない場合には、当該計算した金額。」と、「という。)」とあるのは「という。)に当該特定拠出の額を加算した金額」とする。

3 前条第一項の規定により会社が行う財産の拠出に伴いセンターが受ける登記又は登録については、大蔵省令で定めるところにより登記又は登録を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

 (会社による拠出に係る地方税の課税の特例)

第八条 センターの附則第六条第一項の規定により会社が行う拠出に係る不動産の取得に対しては、不動産取得税又は土地の取得に対して課する特別土地保有税を課することができない。

2 センターの取得した附則第六条第一項の規定により会社が行う拠出に係る土地でセンターが引き続き保有するもののうち、日本たばこ産業株式会社法(昭和五十九年法律第六十九号)附則第十二条第一項の規定による解散前の日本専売公社(以下「公社」という。)が昭和四十四年一月一日(沖縄県の区域内に所在する土地については、昭和四十七年四月一日)前に取得したもの及び地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化区域内に所在する土地以外の土地で同日において公社又は会社が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。

 (生活用塩供給等業務の準備行為)

第九条 センターは、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、生活用塩供給等業務の実施に必要な準備行為をすることができる。

 (塩専売法の廃止)

第十条 塩専売法は、廃止する。

 (貸借対照表等に関する経過措置)

第十一条 施行日の前日を含む営業年度に係る会社の塩専売事業に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書については、なお従前の例による。ただし、前条の規定による廃止前の塩専売法(以下「旧法」という。)第四十三条第三項の規定は、適用しない。

2 会社の施行日前に終了した営業年度分の法人税については、なお従前の例による。

 (製造の指定を受けた者に関する経過措置)

第十二条 この法律の施行の際現に旧法第五条第一項の規定により製造者の指定を受けている者(以下「指定製造者」という。)は、次項に規定する者を除き、施行日に第五条第一項の規定により大蔵大臣の登録を受けた者とみなす。

2 指定製造者で特殊用塩又は特殊製法塩のみの製造を行っているものは、施行日に第十五条第一項の規定により大蔵大臣に届出をした者とみなす。

 (製造の指定の申請に関する経過措置)

第十三条 施行日前に旧法第六条第一項の規定により会社に対しされた指定の申請は、次項に規定するものを除き、施行日に第五条第二項の規定により大蔵大臣に対しされた登録の申請とみなす。

2 施行日前に特殊用塩又は特殊製法塩のみの製造を行おうとする者が旧法第六条第一項の規定により会社に対してした指定の申請は、施行日に第十五条第一項の規定により大蔵大臣に対してした届出とみなす。

 (塩製造業の登録の拒否に関する経過措置)

第十四条 施行日前に旧法第七章の規定により処罰をされた者又は旧法第十五条第一項各号のいずれかに該当して旧法第五条第一項の規定による製造者の指定を取り消された者は、当該処罰又は取消しのあった日に第八章の規定により処罰され、又は第十三条第一項の規定により塩製造業者の登録を取り消された者とみなして、第七条第一項の規定を適用する。

 (塩製造業者の登録の取消し等に関する経過措置)

第十五条 施行日前に旧法第十五条第一項各号のいずれかに該当するに至った指定製造者で附則第十二条第一項の規定により大蔵大臣の登録を受けた者とみなされるものに対して、この法律の施行の際会社が旧法第十五条第一項の規定による処分を行っていない場合においては、当該登録を受けた者とみなされる者を第十三条第一項各号のいずれかに該当する者とみなして、同項の規定を適用する。

 (施行日前に廃業した者に関する経過措置)

第十六条 施行日前に旧法第十五条第一項の規定により指定を取り消され、又は塩の製造を廃止した者が、この法律の施行の際現に塩を所有するときは、その塩に係る附則第三十七条第一項の規定の適用については、その者を塩製造業者とみなす。

 (再製又は加工の委託を受けた者に関する経過措置)

第十七条 この法律の施行の際現に旧法第十七条第一項の規定により会社から塩の再製又は加工の委託を受けている者は、施行日に第五条第一項の規定により大蔵大臣の登録を受けた者とみなす。

2 前項の規定により第五条第一項の登録を受けた者とみなされる者は、施行日から起算して三十日以内に、同条第二項に掲げる事項を記載した書類及び同条第三項に規定する書類を大蔵大臣に提出しなければならない。

 (再製又は加工の届出に関する経過措置)

第十八条 この法律の施行の際現に旧法第十七条第二項の規定により会社に届出をしている者は、施行日に第十五条第一項の規定により大蔵大臣に届出をした者とみなす。

 (元売人の指定を受けた者に関する経過措置)

第十九条 この法律の施行の際現に旧法第十九条第一項の規定により元売人の指定を受けている者(以下「指定元売人」という。)は、施行日に第十九条第一項の規定により大蔵大臣の登録を受けた者とみなす。

 (元売人の指定の申請に関する経過措置)

第二十条 施行日前に旧法第二十一条の規定により会社に対しされた元売人の指定の申請は、施行日に第十九条第二項の規定により大蔵大臣に対しされた登録の申請とみなす。

2 前項の規定により第十九条第二項の規定による登録の申請とみなされた旧法第二十一条の規定による指定の申請をした者は、施行日から起算して三十日以内に附則第四十条第二項に規定する大蔵省令で定める書類を大蔵大臣に提出しなければならない。

 (塩卸売業の登録の拒否に関する経過措置)

第二十一条 施行日前に旧法第七章の規定により処罰をされた者又は旧法第三十五条第一項各号のいずれかに該当して旧法第十九条第一項の規定による元売人の指定を取り消された者は、当該処罰又は取消しのあった日に第八章の規定により処罰され、又は第二十条において準用する第十三条第一項の規定により塩卸売業者の登録を取り消された者とみなして、第二十条において準用する第七条第一項の規定を適用する。

 (塩卸売業者の登録の取消し等に関する経過措置)

第二十二条 施行日前に旧法第三十五条第一項各号のいずれかに該当するに至った指定元売人で附則第十九条の規定により大蔵大臣の登録を受けた者とみなされるものに対して、この法律の施行の際会社が旧法第三十五条第一項又は第二項の規定による処分を行っていない場合においては、当該登録を受けた者とみなされる者を第二十条において準用する第十三条第一項各号のいずれかに該当する者とみなして、同項の規定を適用する。

 (指定元売人の販売の停止に関する経過措置)

第二十三条 施行日前に旧法第三十五条第二項の規定により会社が指定元売人に対して施行日以後の日を終期とする期間を定めてした販売の停止の命令は、施行日に第二十条において準用する第十三条第一項の規定により大蔵大臣がその者に対して当該期間の満了の日を終期とする期間を定めてした事業の停止の命令とみなす。

 (承認の申請に関する経過措置)

第二十四条 施行日前に旧法の規定により会社にされた承認の申請で次の表の上欄に掲げるものは、それぞれ施行日にこの法律の規定に基づき大蔵大臣に対しされた同表の下欄に定める届出とみなす。

旧法第八条第一項の規定による製造方法の変更等の承認の申請(附則第十二条第一項の規定により第五条第一項の登録を受けた者とみなされる者がしたものに限る。)

第九条の規定による登録事項の変更の届出

旧法第八条第一項の規定による製造方法の変更等の承認の申請(附則第十二条第二項の規定により第十五条第一項の届出をした者とみなされる者がしたものに限る。)

第十五条第二項の規定による届出事項の変更の届出

旧法第十一条第二項の規定による製造の引継ぎの承認の申請(附則第十二条第一項の規定により第五条第一項の登録を受けた者とみなされる者がしたもので、かつ、法人の合併に係るものに限る。)

第八条第三項の規定による塩製造業の承継の届出

旧法第十三条第一項の規定による製造の廃止の承認の申請(附則第十二条第一項の規定により第五条第一項の登録を受けた者とみなされる者がしたものに限る。)

第十二条第一項の規定による塩製造業の廃止の届出

旧法第十三条第一項の規定による製造の廃止の承認の申請(附則第十二条第二項の規定により第十五条第一項の届出をした者とみなされる者がしたものに限る。)

第十五条第三項の規定による事業の廃止の届出

旧法第二十四条第一項の規定による営業所の移転等の承認の申請(附則第十九条の規定により第十九条第一項の登録を受けた者とみなされる者がしたものに限る。)

第二十条において準用する第九条の規定による登録事項の変更の届出

旧法第二十五条第二項の規定による販売の引継ぎの承認の申請(附則第十九条の規定により第十九条第一項の登録を受けた者とみなされる者がしたもので、かつ、法人の合併に係るものに限る。)

第二十条において準用する第八条第三項の規定による塩卸売業の承継の届出

 (施行日前に輸入の委託をした塩に関する経過措置)

第二十五条 センターは、施行日前において会社が輸入を委託した旧法第二十七条第一項に規定する化学製品の製造の用に供するための塩で施行日後において輸入がされたものについては、第二十二条第一項第一号及び附則第四十一条第一項の規定にかかわらず、当該化学製品の製造の用に供する者に売り渡すことができる。この場合において、その売渡しの価格は、この法律の施行の際現に会社が旧法第二十七条第二項の規定により大蔵大臣の認可を受けて定めている価格とし、当該価格は、附則第二十七条の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される旧法第二十七条第三項から第六項まで及び第六十二条(第三項を除く。)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、これらの規定に規定する特別価格とみなす。

 (輸出のための販売の特例に関する経過措置)

第二十六条 施行日前に旧法第二十条第一項又は第三項の規定による承認について会社に対しされた申請(輸出のため買い受けようとする者に対する販売に係るものに限る。)は、施行日に附則第三十七条第一項の規定による承認について大蔵大臣に対しされた申請とみなす。

2 施行日前に旧法第二十条第一項又は第三項の規定による承認(輸出のため買い受けようとする者に対する販売に係るものに限る。)を受けていた者が、施行日において当該承認に係る塩の販売を行っていない場合には、当該承認に係る塩については、その者を附則第三十七条第一項の規定により大蔵大臣の承認を受けた者とみなす。

 (特別価格で売り渡された塩に関する経過措置)

第二十七条 施行日前に、旧法第二十七条第一項の規定により会社から塩の売渡しを受けた者(附則第二十五条の規定により施行日後にセンターから塩の売渡しを受けた者を含む。)及び旧法第二十七条第三項の規定による会社の承認を受けて当該売渡しを受けた者から当該塩を譲り受けた者並びに同条第五項の規定により会社の承認を受けた者については、同条第三項から第六項までの規定及び旧法第六十二条(第三項を除く。)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定のうち次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。

旧法第二十七条第三項

第一項の用

政令で定める用途

買い受けた塩

買い受けた塩(塩事業法(平成八年法律第三十九号)附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから買い受けた塩を含む。)

会社

大蔵大臣

旧法第二十七条第四項各号列記以外の部分

会社

塩事業法第二十一条第二項に規定するセンター

旧法第二十七条第四項第一号

買い受けた塩

買い受けた塩(塩事業法附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから買い受けた塩を含む。)

第一項の用

政令で定める用途

同項の用

政令で定める用途

売渡価格

同法施行の際の売渡価格

旧法第二十七条第四項第二号

第一項の化学製品

政令で定める化学製品

買い受けた塩

買い受けた塩(塩事業法附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから買い受けた塩を含む。)

同項の漁獲物

政令で定める漁獲物

同項の化学製品

政令で定める化学製品

特別価格と

同法施行の際の特別価格と

旧法第二十七条第四項第三号

買い受けた塩

買い受けた塩(塩事業法附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから買い受けた塩を含む。)

売渡価格

同法施行の際の売渡価格

旧法第二十七条第五項

第一項の用

政令で定める用途

会社は

塩事業法第二十一条第二項に規定するセンターは

特別価格と売渡価格

同法施行の際の特別価格と同法施行の際の売渡価格

旧法第二十七条第六項

会社

大蔵大臣

第一項の規定により

塩事業法附則第十条の規定により廃止された塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)第二十七条第一項の規定により、又は塩事業法附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから、

この法律

同法附則第二十七条の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される第三項から第五項までの規定

売り渡された塩

売り渡された塩(同法附則第二十五条の規定により同法第二十一条第二項に規定するセンターから売り渡された塩を含む。)

第一項の用

政令で定める用途

旧法第六十二条第一項

会社は

大蔵大臣は

この法律

塩事業法附則第二十七条の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される第二十七条第三項から第六項までの規定

第二十七条第五項

同条第五項

旧法第六十二条第二項

会社

大蔵大臣

 (輸出前の譲渡等に関する経過措置)

第二十八条 施行日前に会社又は旧法第八条第一項に規定する製造者から輸出のため塩を買い受けた者及び当該買い受けた塩については、旧法第三十七条の規定(同条に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、同条第一項中「会社の承認」とあるのは「大蔵大臣の承認」と、同条第二項中「会社は、この法津の施行に必要な限度において」とあるのは「大蔵大臣は、必要があると認めるときは」とする。

 (会社の売り渡した塩に関する経過措置)

第二十九条 施行日前に会社の売り渡した塩は、前二条の規定によりなおその効力を有するものとされる旧法の規定が適用される場合を除き、この法律の規定によりセンターが売り渡したものとみなす。

 (届出等に関する経過措置)

第三十条 この法律の施行の際、旧法第十一条第一項、第十二条、第二十五条第一項若しくは第三十四条第一項若しくは第二項の規定による届出がされていない場合(旧法第十九条第一項に規定する販売人については、同項に規定する元売人に係る場合に限る。)又は旧法第十四条第一項(旧法第三十二条第二項において準用する場合を含む。)、第十四条第二項若しくは第十七条第三項の規定により報告をしなければならない者が報告をしていない場合については、これらの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、この法律の施行後においても、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定による届出又は報告は、大蔵大臣に対してするものとする。

 (秘密保持の義務等に関する経過措置)

第三十一条 塩専売法の廃止後においても、会社の塩専売事業に係る業務に従事する取締役、監査役若しくは職員であった者又は旧法第四十三条第一項の規定による塩専売事業運営委員会の委員であった者のその職務に関して知り得た秘密については、旧法第四十八条第一項の規定(同項に係る罰則を含む。)は、なおその効力を有する。

 (特別土地保有税に関する経過措置)

第三十二条 旧法附則第三十五条第六項に規定する土地に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。

 (審査請求に関する経過措置)

第三十三条 旧法の規定に基づき会社が行った処分又は旧法の規定に基づく申請に係る会社の不作為(以下この条及び次条において「旧法の処分等」という。)について施行日前にされた行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求であって、この法律の施行の際大蔵大臣が裁決をしていないものについては、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際旧法の処分等についてすることができる行政不服審査法による審査請求については、なお従前の例による。

 (訴訟に関する経過措置)

第三十四条 旧法の処分等について提起された行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)による訴訟であって、この法律の施行の際現に係属しているものは、政令で定めるところにより、施行日に大蔵大臣(第三十三条の規定により権限の委任を受けた者を含む。次項において同じ。)が受け継ぐ。

2 この法律の施行の際旧法の処分等について提起することができる行政事件訴訟法による訴訟は、政令で定めるところにより、大蔵大臣を相手方として提起するものとする。

 (販売店契約に関する経過措置)

第三十五条 センターは、この法律の施行の際現に旧法第十九条第一項の規定により販売人の指定を受けている者(以下この項において「指定販売人」という。)から販売店契約の締結の申出がされたときは、その者と販売店契約を締結しなければならない。ただし、指定販売人が、旧法第三十五条第一項各号のいずれかに該当する者である場合又は施行日から起算して三十日を経過する日後に申出をした場合には、この限りでない。

2 前項に規定する販売店契約の締結の申出の受付は、施行日前においてもすることができる。

 (業務の委託に関する経過措置)

第三十六条 センターは、指定元売人から第二十三条第二項に規定する業務の委託を受けたい旨の申出がされたときは、その者に当該業務の委託をしなければならない。ただし、指定元売人が、旧法第三十五条第一項各号のいずれかに該当する者である場合又は施行日から起算して三十日を経過する日後に申出をした場合には、この限りでない。

2 前項に規定する業務の委託を受けたい旨の申出の受付は、施行日前においてもすることができる。

 (塩製造業者が売渡しを行う者に関する経過措置)

第三十七条 平成十四年三月三十一日までは、塩製造業者は、政令で定めるところにより大蔵大臣の承認を受けた場合を除き、センター及び塩卸売業者以外の者に塩を売り渡してはならない。

2 平成十四年三月三十一日までは、塩製造業者がその登録を取り消され、又はその事業を廃止した場合において塩を所有するときは、その塩に係る前項の規定の適用については、その者を引き続き塩製造業者とみなす。

 (塩の特定販売に関する経過措置)

第三十八条 平成十四年三月三十一日までは、次項の規定により第十六条第一項の登録を受けて特定化学製品用塩(指定化学製品のうち政令で定めるもの(以下この条において「特定化学製品」という。)の製造の用に供するための塩をいう。以下同じ。)に係る塩の特定販売を業として行う者(以下「特例塩特定販売業者」という。)が特定化学製品用塩に係る塩の特定販売(特定化学製品の製造を行う者以外の者に販売することを除く。次項において同じ。)を行う場合を除くほか、センター以外の者は、塩の特定販売(旅行者が自己の用に供するため携帯して輸入をした塩その他の塩であって大蔵省令で定めるもの及び特殊用塩に係るものを除く。)を行ってはならない。

2 平成十四年三月三十一日までは、第十六条第一項の規定は、特定化学製品用塩に係る塩の特定販売を業として行おうとする者に限り適用する。

3 平成十四年三月三十一日までは、特例塩特定販売業者及び特例塩特定販売業者の委託を受けて特定化学製品用塩の輸入をする者並びに特例塩特定販売業者の輸入に係る特定化学製品用塩を譲り受けた者は、その輸入又は譲受けに係る特定化学製品用塩に関して、政令で定める手続をしなければならない。

4 平成十四年三月三十一日までは、特例塩特定販売業者及び特例塩特定販売業者の輸入に係る特定化学製品用塩を譲り受けた者は、その輸入又は譲受けに係る特定化学製品用塩を、特定化学製品の製造以外の用に供し、又は特定化学製品の製造以外の用に供するため他人に譲り渡してはならない。

5 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第一項の規定に違反して、塩の特定販売を行った者

 二 前項の規定に違反して、特定化学製品用塩を、特定化学製品の製造以外の用に供し、又は特定化学製品の製造以外の用に供するため他人に譲り渡した者

6 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。

7 第三項の規定に違反して手続をしなかった者は、十万円以下の過料に処する。

 (塩の特定販売に関する経過措置の検討)

第三十九条 政府は、この法律の施行後において、本邦通貨の外国為替相場の変動その他の塩製造業者(再製又は加工を業として行う者を除く。)の努力の限界を超えると認められる経済情勢の変化があった場合には、当該変化によってもたらされる国内産塩と外国産塩との価格競争力の状況を踏まえて、前条に規定する塩の特定販売に関する経過措置(経過措置の期限を含む。)について検討を加え、必要があると認めるときは、平成十四年三月三十一日までに所要の措置を講ずるものとする。

 (塩卸売業の登録に関する経過措置)

第四十条 大蔵大臣は、平成十四年三月三十一日までは、第十九条第一項の規定による登録を受けようとする者が、第二十条第一項において準用する第七条第一項各号のいずれにも該当しない場合においても、その者が塩の卸売を業として行うに足る経験を有するものとして大蔵省令で定める要件を満たさないときは、その登録を拒否することができる。

2 第十九条第一項の規定による登録を受けようとする者は、平成十四年三月三十一日までは、同条第二項の規定により提出する申請書に、同条第三項に規定する書類のほか、大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (センターの供給する塩に関する経過措置)

第四十一条 センターは、第二十二条第一項第一号の規定により生活用塩の供給を行うほか、平成十四年三月三十一日までは、生活用以外の用途に使用される塩(特定化学製品用塩を除く。)の供給を行うことができる。

2 センターが前項に規定する業務を行う場合においては、第二十二条第一項第三号及び第二十三条中「生活用塩」とあるのは「生活用塩及び生活用以外の用途に使用される塩(附則第三十八条第一項に規定する特定化学製品用塩を除く。)」と、第二十四条第一項中「第二十二条第一項第一号から第四号までに掲げる業務」とあるのは「第二十二条第一項第一号から第四号までに掲げる業務及び附則第四十一条第一項に規定する業務」とする。

 (地価税の課税の特例)

第四十二条 地価税法(平成三年法律第六十九号)第二条第一号に規定する土地等(以下この項において「土地等」という。)で、同条第四号に規定する課税時期(以下この条において「課税時期」という。)において指定製造者若しくは附則第十七条第一項の規定により第五条第一項の登録を受けた者とみなされる者(以下この項において「指定製造者等」という。)の同条第二項第四号の製造場若しくは貯蔵所(施行日において指定製造者等が当該製造場又は貯蔵所の用に供していたものに限る。以下この項において「製造場等」という。)又は指定元売人の第十九条第二項第四号の貯蔵所(施行日において当該指定元売人が当該貯蔵所の用に供していたものに限る。)の用に供されているもの(当該土地等が当該製造場等又は当該貯蔵所の用以外の用にも供されているときは当該土地等のうち当該製造場等又は当該貯蔵所の用以外の用に供されている部分として政令で定める部分を除くものとし、当該製造場等又は当該貯蔵所として使用されている建物その他の工作物(以下この項において「建物等」という。)が貸し付けられているものであるときは専ら当該製造場等又は当該貯蔵所として使用されている建物等で政令で定めるものの用に供されている土地等に限る。)については、同法第六条から第八条までの規定及び租税特別措置法第七十一条の二から第七十一条の六までの規定により地価税が非課税とされるもの並びに同法第七十一条の七の規定に該当するものを除き、平成十年から平成十四年までの各年の課税時期に係る地価税法第十六条に規定する地価税の課税価格に算入すべき価額は、当該土地等の価額の二分の一に相当する金額とする。

2 前項の規定の適用がある場合における地価税法の規定の適用については、同法第十八条第一項第二号中「前条」とあり、及び同法第二十九条中「第十七条」とあるのは「塩事業法(平成八年法律第三十九号)附則第四十二条第一項(地価税の課税の特例)」と、同法第三十三条中「第十七条」とあるのは「第十七条及び塩事業法附則第四十二条第一項(地価税の課税の特例)」とする。

3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする課税時期に係る地価税法第二十五条第一項の規定による申告書(当該申告書に係る国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項に規定する期限後申告書及びこれらの申告書に係る同法第十九条第三項に規定する修正申告書を含む。次項において「地価税の申告書」という。)に第一項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定に該当する旨を証する書類として大蔵省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。

4 税務署長は、地価税の申告書の提出がなかった場合又は前項の記載若しくは添付がない地価税の申告書の提出があった場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の大蔵省令で定める書類の提出があった場合に限り、第一項の規定を適用することができる。

5 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (罰則に関する経過措置)

第四十三条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第四十四条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (地方税法の一部改正)

第四十五条 地方税法の一部を次のように改正する。

  第七十三条の四第一項中第一号の二を削り、第一号の三を第一号の二とする。

  第三百四十九条の三第二十一項中「第三十七項」を「第三十六項」に改め、同条第二十九項を削り、同条第三十項を同条第二十九項とし、同条第三十一項から第三十七項までを一項ずつ繰り上げる。

  第五百八十六条第二項中第二十七号の二を削り、第二十七号の三を第二十七号の二とし、第二十七号の四を第二十七号の三とし、第二十七号の五を第二十七号の四とする。

  第七百二条第二項中「第三十三項」を「第三十二項」に、「第三十六項又は第三十七項」を「第三十五項又は第三十六項」に改める。

 (地方税法の一部改正に伴う経過措置)

第四十六条 施行日前にされた前条の規定による改正前の地方税法(以下この条において「旧地方税法」という。)第七十三条の四第一項第一号の二に規定する不動産の取得に対して課する不動産取得税については、なお従前の例による。

2 前条の規定による改正後の地方税法(以下この条において「新地方税法」という。)第三百四十九条の三の規定は、平成十年度以後の年度分の固定資産税について適用し、平成九年度分までの固定資産税については、なお従前の例による。

3 旧地方税法第五百八十六条第二項第二十七号の二に規定する土地に係る平成九年度分までの土地に対して課する特別土地保有税及び施行日前にされた同号に規定する土地の取得に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。

4 新地方税法第七百二条第二項の規定は、平成十年度以後の年度分の都市計画税について適用し、平成九年度分までの都市計画税については、なお従前の例による。

 (土地収用法の一部改正)

第四十七条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三十四号の四を削る。

 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴うたばこ事業法等の臨時特例に関する法律の一部改正)

第四十八条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴うたばこ事業法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)」を「塩事業法(平成八年法律第三十九号)」に改める。

  第二条第六項中「塩専売法第二条第一項」を「塩事業法第二条第一項」に改める。

  第三条を削る。

  第四条中「又は塩専売法第十九条」及び「又は前条の規定により輸入された塩」を削り、同条を第三条とする。

  本則に次の一条を加える。

 第四条 合衆国軍隊、軍人用販売機関等、合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族若しくは契約者等又はこれらの者であつた者は、塩事業法第十六条第一項、第十八条第一項及び附則第三十八条の規定にかかわらず、これらの者により輸入された塩を合衆国軍隊、軍人用販売機関等、合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族若しくは契約者等に販売し、又は自ら使用することができる。

 (日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の一部改正)

第四十九条 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)」を「塩事業法(平成八年法律第三十九号)」に改める。

  第六条中「塩専売法」を「塩事業法」に改める。

 (沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)

第五十条 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第七十条を次のように改める。

 第七十条 削除

 (日本たばこ産業株式会社法の一部改正)

第五十一条 日本たばこ産業株式会社法の一部を次のように改正する。

  附則第二十七条中「又は塩専売法(昭和五十九年法律第七十号)による改正前の塩専売法第五十五条第一項」を削る。

  附則第三十二条を削る。

 (地価税法の一部改正)

第五十二条 地価税法の一部を次のように改正する。

  別表第一第十七号を次のように改める。

  十七 アルコール専売法(昭和十二年法律第三十二号)第七条(アルコール製造者の許可)に規定するアルコール製造者の同条に規定する製造場若しくは蔵置場又は同法第二十八条第一項(売りさばき人以外の者の販売の禁止)に規定する売りさばき人(国からアルコールを買い受け、これを他の当該売りさばき人に販売する者で大蔵省令で定めるものに限る。)の同法第二十九条ノ四第二項(貯蔵設備の新設等)に規定する貯蔵設備その他同法第二条第一項(定義)に規定するアルコールの販売に直接必要な施設の用に供されている土地等

 (地価税法の一部改正に伴う経過措置)

第五十三条 前条の規定による改正後の地価税法の規定は、施行日以後の各年の地価税法第二条第四号に規定する課税時期(以下この条において「課税時期」という。)において個人又は法人(同法第二条第七号に規定する人格のない社団等を含む。以下この条において同じ。)が有する土地等(同法第二条第一号に規定する土地等をいう。以下この条において同じ。)に係る地価税について適用し、施行日前の各年の課税時期において個人又は法人が有していた土地等に係る地価税については、なお従前の例による。

 (大蔵省設置法の一部改正)

第五十四条 大蔵省設置法の一部を次のように改正する。

  第四条第四号中「及びたばこ事業制度」を「並びにたばこ事業制度及び塩事業制度」に改め、同条第五号中「専売品(アルコール及びあへんを除く。)の価格及び」を削り、同条第五号の五の次に次の二号を加える。

  五の六 塩事業センターの指定及び監督に関すること。

  五の七 塩製造業、塩特定販売業及び塩卸売業を営む者の登録並びにこれらの監督に関すること。

  第五条中第十九号を削り、第十九号の二を第十九号とし、同号の次に次の一号を加える。

  十九の二 塩製造業、塩特定販売業及び塩卸売業を営む者を登録し、これらを監督すること。

  第三十条第一項中「第四条第五号の四」の下に「(製造たばこの特定販売業を営む者に係るものに限る。)、第五号の七(塩特定販売業を営む者に係るものに限る。)」を加え、「(同条第五号の四に掲げるものにあつては、製造たばこの特定販売業を営む者に係るものに限る。)」を削る。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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