郵便法の一部を改正する法律

法律第四十九号(平四・五・二〇)

 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

 題名の次に次の目次を付する。

目次

 第一章 総則(第一条―第十三条)

 第二章 郵便物及びその料金

  第一節 通則(第十四条―第二十条)

  第二節 通常郵便物(第二十一条―第二十九条)

  第三節 小包郵便物(第三十条・第三十一条)

 第三章 郵便に関する料金の納付及び還付(第三十二条―第三十九条)

 第四章 郵便物の取扱い(第四十条―第五十六条)

 第五章 郵便物の特殊取扱等(第五十七条―第六十七条)

 第六章 損害賠償(第六十八条―第七十五条)

 第六章の二 指定調査機関(第七十五条の二―第七十五条の十六)

 第七章 罰則(第七十六条―第八十五条の四)

 附則

 第十九条の三の見出し中「郵便物」を「郵便物等」に改め、同条に次の一項を加える。

  郵政大臣は、省令の定めるところにより、社会福祉の増進を目的とする事業を行う法人又は団体であつて省令で定めるものにあてた当該事業の実施に必要な費用に充てることを目的とする寄附金を内容とする郵便物の料金(特殊取扱の料金を含む。)を免除することができる。

 第二十三条の次に次の二条を加える。

第二十三条の二(定期刊行物の提出) 前条第二項の認可を受けた定期刊行物の発行人は、省令の定めるところにより、郵政大臣に当該認可を受けた日以後に発行する当該認可に係る定期刊行物を提出しなければならない。

第二十三条の三(監査) 郵政大臣は、省令の定めるところにより、定期に、第二十三条第二項の認可を受けた定期刊行物が同条第三項各号の条件を具備しているかどうかの監査を行うものとする。

  郵政大臣は、前項の監査のほか、特に必要があると認めるときは、第二十三条第二項の認可を受けた定期刊行物が同条第三項各号の条件を具備しているかどうかの監査を行うことができる。

  郵政大臣は、省令の定めるところにより、第二十三条第二項の認可を受けた定期刊行物の発行人に対し、前二項の監査に必要な報告又は資料の提出を求めることができる。

 第二十四条の見出し中「取消」を「取消し」に改め、同条中「前条第二項の認可をした」を「第二十三条第二項の認可を受けた」に、「同条第三項の条件を具備しなくなつた」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 第二十三条第三項各号の条件を具備しなくなつたとき。

 二 定期刊行物の発行人から、正当な理由がなく、第二十三条の二の規定による定期刊行物の提出がなかつたとき。

 三 定期刊行物の発行人から、正当な理由がなく、当該定期刊行物に関する前条第三項の規定による報告又は資料の提出がなかつたとき。

 第四章の章名中「取扱」を「取扱い」に改める。

 第六章の次に次の一章を加える。

   第六章の二 指定調査機関

 (指定調査機関の指定)

第七十五条の二 郵政大臣は、その指定する者(以下「指定調査機関」という。)に、第二十三条第二項の認可の申請又は第二十三条の三第一項若しくは第二項の監査に係る定期刊行物が第二十三条第三項各号の条件を具備するかどうかの判断に必要な調査であつて省令で定めるもの(以下「調査業務」という。)を行わせることができる。

2 前項の規定による指定は、調査業務を行おうとする者の申請により行う。

 (指定の基準)

第七十五条の三 郵政大臣は、前条第二項の申請が次に掲げる要件に適合していると認めるときでなければ、指定調査機関の指定をしてはならない。

 一 職員、調査業務の実施の方法その他の事項についての調査業務の実施に関する計画が、調査業務の適正かつ確実な実施に適合したものであること。

 二 前号の調査業務の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる財政的基礎を有するものであること。

 三 調査業務以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて調査業務が不公正になるおそれがないこと。

 四 その指定をすることによつて調査業務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと。

2 郵政大臣は、前条第二項の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、指定調査機関の指定をしてはならない。

 一 民法第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。

 二 この法律に規定する罪により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 三 第七十五条の十四第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 四 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

  イ 第二号に該当する者

  ロ 第七十五条の六第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者

 (指定の公示等)

第七十五条の四 郵政大臣は、第七十五条の二第一項の規定による指定をしたときは、指定調査機関の名称及び住所、調査業務を行う事務所の所在地並びに当該指定をした日を公示しなければならない。

2 指定調査機関は、その名称若しくは住所又は調査業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。

3 郵政大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。

 (調査業務の実施義務)

第七十五条の五 指定調査機関は、郵政大臣から調査業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、その調査業務を行わなければならない。

 (役員の選任及び解任)

第七十五条の六 指定調査機関の役員の選任及び解任は、郵政大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 郵政大臣は、指定調査機関の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又は第七十五条の八第一項の業務規程によらないで調査業務を行つたときは、その指定調査機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (秘密保持義務等)

第七十五条の七 指定調査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、調査業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 調査業務に従事する指定調査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (業務規程)

第七十五条の八 指定調査機関は、調査業務の実施に関する事項について業務規程を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規程で定めるべき事項は、省令で定める。

3 郵政大臣は、第一項の認可をした業務規程が調査業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定調査機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

 (事業計画等)

第七十五条の九 指定調査機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第七十五条の二第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、郵政大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定調査機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、郵政大臣に提出しなければならない。

 (帳簿の備付け等)

第七十五条の十 指定調査機関は、帳簿を備え、調査業務に関し省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、帳簿の備付け及び保存に関し必要な事項は、省令で定める。

 (監督命令)

第七十五条の十一 郵政大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定調査機関に対し、調査業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び立入検査)

第七十五条の十二 郵政大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定調査機関に対し、調査業務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、指定調査機関の事務所に立ち入り、調査業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3 第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (業務の休廃止)

第七十五条の十三 指定調査機関は、郵政大臣の許可を受けなければ、調査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2 郵政大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定の取消し等)

第七十五条の十四 郵政大臣は、指定調査機関が第七十五条の三第二項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 郵政大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて調査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 この章の規定に違反したとき。

 二 第七十五条の三第一項第一号から第三号までのいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

 三 第七十五条の六第二項、第七十五条の八第三項又は第七十五条の十一の規定による命令に違反したとき。

 四 第七十五条の八第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで調査業務を行つたとき。

 五 不正な手段により指定を受けたとき。

3 郵政大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により調査業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 (聴聞)

第七十五条の十五 郵政大臣は、第七十五条の六第二項又は前条第一項若しくは第二項の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、相当な期間を置いて予告した上、聴聞を行わなければならない。

2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。

3 第一項の聴聞に際しては、当該処分に係る者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 (省令への委任)

第七十五条の十六 この章に規定するもののほか、指定調査機関及び調査業務に関し必要な事項は、省令で定める。

 第七章中第八十五条の次に次の三条を加える。

第八十五条の二(指定調査機関の役員等の罪) 第七十五条の七第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第八十五条の三 第七十五条の十四第二項の規定による調査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第八十五条の四 次の各号の一に該当するときは、その行為をした指定調査機関の役員又は職員は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第七十五条の十の規定に違反し、又は同条の帳簿に虚偽の記載をしたとき。

 二 第七十五条の十二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

 三 第七十五条の十三第一項の許可を受けないで調査業務の全部を廃止したとき。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十九条の三の改正規定は、公布の日から施行する。

 (郵政・内閣総理大臣署名)

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