特殊法人等改革基本法

法律第五十八号(平一三・六・二一)

目次

 第一章 総則(第一条―第四条)

 第二章 特殊法人等整理合理化計画(第五条・第六条)

 第三章 特殊法人等改革推進本部(第七条―第十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、今次の中央省庁等改革の趣旨を踏まえ、特殊法人等の改革に関し、基本理念を定め、国の責務を明らかにし、及び特殊法人等整理合理化計画の策定について定めるとともに、特殊法人等改革推進本部を設置することにより、集中改革期間(この法律の施行の日から平成十八年三月三十一日までの期間をいう。以下同じ。)における特殊法人等の集中的かつ抜本的な改革を推進することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「特殊法人等」とは、別表に掲げる法人をいう。

 (基本理念)

第三条 特殊法人等の改革は、特殊法人等の事業が現在及び将来にわたる国民の負担又は法律により与えられた事業独占等の特別の地位に基づいて実施されていることにかんがみ、各特殊法人等の組織及び事業について、その事業の本来の目的の達成の程度、その事業を民間にゆだねることの適否、その事業の便益を直接又は間接に受ける国民の範囲及び当該便益の内容の妥当性、その事業に要する費用と当該事業により国民が受ける便益との比較等の観点から、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた抜本的な見直しを行い、国の事業との関連において合理的かつ適切な位置付けを与えることを基本として行われるものとする。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、特殊法人等の改革に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

   第二章 特殊法人等整理合理化計画

 (特殊法人等整理合理化計画の策定等)

第五条 特殊法人等改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、基本理念にのっとり、各特殊法人等について、その事業及び組織形態の在り方を抜本的に見直し、その結果に基づき、特殊法人等整理合理化計画を定めなければならない。

2 特殊法人等整理合理化計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 廃止、整理縮小又は合理化、他の実施主体への移管その他各特殊法人等の事業について講ずべき措置

 二 廃止、民営化、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人のうち、同条第二項に規定する特定独立行政法人以外のものをいう。)への移行その他各特殊法人等の組織形態について講ずべき措置

 三 前二号に掲げるもののほか、各特殊法人等の改革のために講ずべき措置その他の必要な事項

3 特殊法人等改革推進本部は、特殊法人等整理合理化計画を定めたときは、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による報告があったときは、特殊法人等整理合理化計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、特殊法人等整理合理化計画の変更について準用する。

 (特殊法人等整理合理化計画の実施)

第六条 政府は、特殊法人等整理合理化計画を実施するため、できる限り速やかに、遅くとも集中改革期間内に、法制上の措置その他の必要な措置を講じなければならない。

   第三章 特殊法人等改革推進本部

 (設置)

第七条 特殊法人等の改革の推進に必要な事務を集中的かつ一体的に処理するため、内閣に、特殊法人等改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。

 (所掌事務)

第八条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 特殊法人等整理合理化計画を策定し、及びその実施を推進すること。

 二 前号に掲げるもののほか、特殊法人等の改革に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。

 (組織)

第九条 本部は、特殊法人等改革推進本部長、特殊法人等改革推進副本部長及び特殊法人等改革推進本部員をもって組織する。

 (特殊法人等改革推進本部長)

第十条 本部の長は、特殊法人等改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

 (特殊法人等改革推進副本部長)

第十一条 本部に、特殊法人等改革推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2 副本部長は、本部長の職務を助ける。

 (特殊法人等改革推進本部員)

第十二条 本部に、特殊法人等改革推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。

2 本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。

 (資料の提出その他の協力)

第十三条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人等の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

 (事務局)

第十四条 本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。

2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。

3 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。

 (主任の大臣)

第十五条 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

 (政令への委任)

第十六条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (この法律の失効)

2 この法律は、平成十八年三月三十一日限り、その効力を失う。

別表 特殊法人等の表(第二条関係)

 一 特殊法人

名称

根拠法

奄美群島振興開発基金

奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)

宇宙開発事業団

宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)

運輸施設整備事業団

運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)

沖縄振興開発金融公庫

沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)

科学技術振興事業団

科学技術振興事業団法(平成八年法律第二十七号)

核燃料サイクル開発機構

核燃料サイクル開発機構法(昭和四十二年法律第七十三号)

簡易保険福祉事業団

簡易保険福祉事業団法(昭和三十七年法律第六十四号)

環境事業団

環境事業団法(昭和四十年法律第九十五号)

関西国際空港株式会社

関西国際空港株式会社法(昭和五十九年法律第五十三号)

九州旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)

金属鉱業事業団

金属鉱業事業団法(昭和三十八年法律第七十八号)

勤労者退職金共済機構

中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)

公営企業金融公庫

公営企業金融公庫法(昭和三十二年法律第八十三号)

公害健康被害補償予防協会

公害健康被害の補償等に関する法律(昭和四十八年法律第百十一号)

国際観光振興会

国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号)

国際協力銀行

国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)

国際協力事業団

国際協力事業団法(昭和四十九年法律第六十二号)

国際交流基金

国際交流基金法(昭和四十七年法律第四十八号)

国民生活金融公庫

国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)

国民生活センター

国民生活センター法(昭和四十五年法律第九十四号)

雇用・能力開発機構

雇用・能力開発機構法(平成十一年法律第二十号)

四国旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

社会福祉・医療事業団

社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)

社会保険診療報酬支払基金

社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)

住宅金融公庫

住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)

首都高速道路公団

首都高速道路公団法(昭和三十四年法律第百三十三号)

商工組合中央金庫

商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)

新エネルギー・産業技術総合開発機構

石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和五十五年法律第七十一号)

心身障害者福祉協会

心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)

新東京国際空港公団

新東京国際空港公団法(昭和四十年法律第百十五号)

石油公団

石油公団法(昭和四十二年法律第九十九号)

地域振興整備公団

地域振興整備公団法(昭和三十七年法律第九十五号)

地方競馬全国協会

競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)

中小企業金融公庫

中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)

中小企業総合事業団

中小企業総合事業団法(平成十一年法律第十九号)

帝都高速度交通営団

帝都高速度交通営団法(昭和十六年法律第五十一号)

電源開発株式会社

電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)

東海旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

都市基盤整備公団

都市基盤整備公団法(平成十一年法律第七十六号)

西日本電信電話株式会社

日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和五十九年法律第八十五号)

西日本旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

日本育英会

日本育英会法(昭和五十九年法律第六十四号)

日本学術振興会

日本学術振興会法(昭和四十二年法律第百二十三号)

日本貨物鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

日本勤労者住宅協会

日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)

日本芸術文化振興会

日本芸術文化振興会法(昭和四十一年法律第八十八号)

日本原子力研究所

日本原子力研究所法(昭和三十一年法律第九十二号)

日本小型自動車振興会

小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)

日本自転車振興会

自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)

日本私立学校振興・共済事業団

日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)

日本政策投資銀行

日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)

日本船舶振興会

モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)

日本体育・学校健康センター

日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)

日本たばこ産業株式会社

日本たばこ産業株式会社法(昭和五十九年法律第六十九号)

日本中央競馬会

日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号)

日本鉄道建設公団

日本鉄道建設公団法(昭和三十九年法律第三号)

日本電信電話株式会社

日本電信電話株式会社等に関する法律

日本道路公団

日本道路公団法(昭和三十一年法律第六号)

日本貿易振興会

日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号)

日本放送協会

放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)

日本労働研究機構

日本労働研究機構法(昭和三十三年法律第百三十二号)

年金資金運用基金

年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号)

農業者年金基金

農業者年金基金法(昭和四十五年法律第七十八号)

農畜産業振興事業団

農畜産業振興事業団法(平成八年法律第五十三号)

農林漁業金融公庫

農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)

農林漁業団体職員共済組合

農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)

阪神高速道路公団

阪神高速道路公団法(昭和三十七年法律第四十三号)

東日本電信電話株式会社

日本電信電話株式会社等に関する法律

東日本旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

放送大学学園

放送大学学園法(昭和五十六年法律第八十号)

北海道旅客鉄道株式会社

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

北方領土問題対策協会

北方領土問題対策協会法(昭和四十四年法律第三十四号)

本州四国連絡橋公団

本州四国連絡橋公団法(昭和四十五年法律第八十一号)

水資源開発公団

水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号)

緑資源公団

緑資源公団法(昭和三十一年法律第八十五号)

理化学研究所

理化学研究所法(昭和三十三年法律第八十号)

労働福祉事業団

労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)

 二 認可法人

名称

根拠法

医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構

医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号)

海上災害防止センター

海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)

海洋科学技術センター

海洋科学技術センター法(昭和四十六年法律第六十三号)

海洋水産資源開発センター

海洋水産資源開発促進法(昭和四十六年法律第六十号)

基盤技術研究促進センター

基盤技術研究円滑化法(昭和六十年法律第六十五号)

漁業共済組合連合会

漁業災害補償法(昭和三十九年法律第百五十八号)

漁船保険中央会

漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)

空港周辺整備機構

公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和四十二年法律第百十号)

警察共済組合

地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)

厚生年金基金連合会

厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)

公立学校共済組合

地方公務員等共済組合法

国家公務員共済組合

国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)

国家公務員共済組合連合会

国家公務員共済組合法

産業基盤整備基金

民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(昭和六十一年法律第七十七号)

市議会議員共済会

地方公務員等共済組合法

指定都市職員共済組合

地方公務員等共済組合法

自動車安全運転センター

自動車安全運転センター法(昭和五十年法律第五十七号)

自動車事故対策センター

自動車事故対策センター法(昭和四十八年法律第六十五号)

情報処理振興事業協会

情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)

生物系特定産業技術研究推進機構

生物系特定産業技術研究推進機構法(昭和六十一年法律第八十二号)

石炭鉱業年金基金

石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)

全国市町村職員共済組合連合会

地方公務員等共済組合法

全国社会保険労務士会連合会

社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)

全国商工会連合会

商工会法(昭和三十五年法律第八十九号)

全国中小企業団体中央会

中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)

全国農業会議所

農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)

全国農業協同組合中央会

農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)

総合研究開発機構

総合研究開発機構法(昭和四十八年法律第五十一号)

地方公務員共済組合連合会

地方公務員等共済組合法

地方公務員災害補償基金

地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)

地方職員共済組合

地方公務員等共済組合法

町村議会議員共済会

地方公務員等共済組合法

通関情報処理センター

電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律(昭和五十二年法律第五十四号)

通信・放送機構

通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号)

都職員共済組合

地方公務員等共済組合法

都道府県議会議員共済会

地方公務員等共済組合法

日本行政書士会連合会

行政書士法(昭和二十六年法律第四号)

日本銀行

日本銀行法(平成九年法律第八十九号)

日本下水道事業団

日本下水道事業団法(昭和四十七年法律第四十一号)

日本公認会計士協会

公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)

日本司法書士会連合会

司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)

日本障害者雇用促進協会

障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)

日本商工会議所

商工会議所法(昭和二十八年法律第百四十三号)

日本税理士会連合会

税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)

日本赤十字社

日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号)

日本たばこ産業共済組合

厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成八年法律第八十二号)第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)

日本鉄道共済組合

厚生年金保険法等の一部を改正する法律第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法

日本土地家屋調査士会連合会

土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)

日本万国博覧会記念協会

日本万国博覧会記念協会法(昭和四十六年法律第九十四号)

日本弁理士会

弁理士法(平成十二年法律第四十九号)

農水産業協同組合貯金保険機構

農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)

農林漁業信用基金

農林漁業信用基金法(昭和六十二年法律第七十九号)

平和祈念事業特別基金

平和祈念事業特別基金等に関する法律(昭和六十三年法律第六十六号)

野菜供給安定基金

野菜生産出荷安定法(昭和四十一年法律第百三号)

預金保険機構

預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)

(内閣総理大臣署名)

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