気象業務法の一部を改正する法律

法律第四十七号(平一三・六・一三)

 気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

 第二十八条の見出しを「(合格基準等)」に改め、同条第一項中「左の」を「次の」に、「をする」を「をしなければならない」に改め、同項第一号を削り、同項第二号中「国土交通省令」を「その種類に応じて国土交通省令」に改め、同号を同項第一号とし、同項第三号中「こえない」を「超えない」に改め、同号を同項第二号とし、同条第二項中「同項第一号及び第二号」を「同項第一号」に改め、同条に次の一項を加える。

3 前項の規定により第一項第一号に適合するかどうかの検査を行わない場合における同項第二号に適合するかどうかの検査については、第三十二条の二第一項の認定を受けた者が国土交通省令で定めるところにより器差の測定を行つたときは、その測定の結果を記載した書類によりこれを行うことができる。

 第三十条及び第三十一条を次のように改める。

第三十条 削除

 (検定の有効期間)

第三十一条 構造、使用条件、使用状況等からみて検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして国土交通省令で定める気象測器の検定の有効期間は、その国土交通省令で定める期間とする。

 第三十二条第二項中「第二十八条第一項第一号及び第二号」を「第二十八条第一項第一号」に改め、同条の次に次の十三条を加える。

 (測定能力の認定)

第三十二条の二 気象庁長官は、申請により、気象測器の器差の測定を行う者について、国土交通省令で定める区分に従い、その事務所ごとに、次の各号に適合している旨の認定をすることができる。

 一 気象測器の器差の測定を行う者の能力が国土交通省令で定める基準を満たすものであること。

 二 気象測器の器差の測定に用いる国土交通省令で定める測定器その他の設備が、国土交通省令で定める期間内に気象庁長官による校正その他国土交通省令で定める校正を受けたものであること。

 三 気象測器の器差の測定に係る業務の実施の方法が適正なものであること。

2 気象庁長官は、前項の認定を受けた者(以下「認定測定者」という。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

 一 前項各号のいずれかに適合しなくなつたとき。

 二 不正な手段により前項の認定を受けたとき。

3 前二項に規定するもののほか、認定及びその取消しに関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

 (指定検定機関の指定等)

第三十二条の三 気象庁長官は、国土交通省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定検定機関」という。)に、第二十七条の検定の実施に関する事務(以下「検定事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。

2 指定検定機関の指定は、検定事務を行おうとする者の申請により行う。

3 気象庁長官は、指定検定機関の指定をしたときは、当該指定検定機関が行う検定事務を行わないものとする。

 (指定の基準)

第三十二条の四 気象庁長官は、前条第二項の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定検定機関の指定をしてはならない。

 一 職員、設備、検定事務の実施の方法その他の事項についての検定事務の実施に関する計画が検定事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

 二 前号の検定事務の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 三 法人にあつては、その役員又は法人の種類に応じて国土交通省令で定める構成員の構成が検定事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 四 前号に定めるもののほか、検定事務が不公正になるおそれがないものとして、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

 五 その指定をすることによつて当該申請に係る検定事務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと。

2 気象庁長官は、前条第二項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、指定検定機関の指定をしてはならない。

 一 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 二 第三十二条の十一第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 三 法人にあつては、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があること。

 (指定の公示)

第三十二条の五 気象庁長官は、指定検定機関の指定をしたときは、指定検定機関の名称及び住所、検定事務を行う事務所の所在地、検定事務の開始の日並びに指定検定機関の行う検定の範囲を公示しなければならない。

 (指定の更新)

第三十二条の六 指定検定機関の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2 第三十二条の三及び第三十二条の四の規定は、前項の指定の更新の場合について準用する。

 (検定の義務等)

第三十二条の七 指定検定機関は、検定の申請があつたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検定を行わなければならない。

2 指定検定機関は、検定を行うときは、第三十二条の二第一項第二号に規定する設備であつて同号に規定する校正を受けたものを使用し、かつ、国土交通省令で定める要件を備える者(以下「検定員」という。)にその検定を実施させなければならない。

 (検定員の選任及び解任)

第三十二条の八 指定検定機関は、検定員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。

2 気象庁長官は、指定検定機関の検定員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第三十二条の十三において準用する第二十四条の十一第一項の検定事務規程に違反したとき、又は検定事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定検定機関に対し、その検定員を解任すべきことを命ずることができる。

 (事業計画等)

第三十二条の九 指定検定機関は、毎事業年度、検定事務に係る事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、気象庁長官に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (検定事務の休廃止)

第三十二条の十 指定検定機関は、検定事務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。

2 前項の規定により検定事務の全部を廃止しようとする届出があつたときは、その届出に係る指定は、その効力を失う。

3 気象庁長官は、第一項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

 (指定の取消し等)

第三十二条の十一 気象庁長官は、指定検定機関が第三十二条の四第二項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2 気象庁長官は、指定検定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて検定事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第三十二条の四第一項第一号から第四号までのいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

 二 第三十二条の八第二項又は第三十二条の十三において準用する第二十四条の十一第二項若しくは第二十四条の十四の規定による命令に違反したとき。

 三 第三十二条の十三において準用する第二十四条の十一第一項の規定により認可を受けた検定事務規程によらないで検定事務を行つたとき。

 四 不正な手段により指定を受けたとき。

3 気象庁長官は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により検定事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

 (気象庁長官による検定事務の実施)

第三十二条の十二 気象庁長官は、指定検定機関から第三十二条の十第一項の規定による検定事務の全部若しくは一部の休止の届出があつたとき、前条第二項の規定により指定検定機関に対し検定事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定検定機関が天災その他の事由により検定事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、第三十二条の三第三項の規定にかかわらず、検定事務の全部又は一部を自ら行うものとする。

2 気象庁長官は、前項の規定により検定事務を行うこととし、又は同項の規定により行つている検定事務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 気象庁長官が、第一項の規定により検定事務の全部若しくは一部を行うこととし、指定検定機関から第三十二条の十第一項の規定による検定事務の全部若しくは一部の廃止の届出があり、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における検定事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

 (準用規定)

第三十二条の十三 第二十四条の七第二項及び第三項、第二十四条の十第二項、第二十四条の十一、第二十四条の十二第二項、第二十四条の十三並びに第二十四条の十四の規定は、指定検定機関について準用する。この場合において、第二十四条の七第二項、第二十四条の十第二項、第二十四条の十一、第二十四条の十二第二項、第二十四条の十三及び第二十四条の十四中「試験事務」とあるのは「検定事務」と、第二十四条の十第二項中「試験員」とあるのは「検定員」と、第二十四条の十一(見出しを含む。)中「試験事務規程」とあるのは「検定事務規程」と読み替えるものとする。

 (不服申立ての制限等)

第三十二条の十四 気象測器の検定の結果については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

2 指定検定機関が行う検定事務に係る処分(検定の結果を除く。)又はその不作為については、気象庁長官に対し、行政不服審査法による審査請求をすることができる。

 第三十三条中「又は前条の型式証明を申請する」を「、第三十二条第一項の型式証明、第三十二条の二第一項の認定又は同項第二号の気象庁長官による校正を受けようとする」に改め、「手数料を」の下に「国(指定検定機関が行う検定を受けようとする者にあつては、指定検定機関)に」を加え、同条に次の一項を加える。

2 前項の規定により指定検定機関に納められた手数料は、指定検定機関の収入とする。

 第三十四条中「検定及び型式証明」の下に「並びに認定測定者及び指定検定機関」を加える。

 第四十一条第二項中「又はセンター」を「、センター又は指定検定機関」に改め、同条第五項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第四項中「又はセンター」を「、センター又は指定検定機関」に改め、同項を同条第五項とし、同項の次に次の一項を加える。

6 気象庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定測定者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

 第四十一条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 気象庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、認定測定者に対し、その業務に関し、報告させることができる。

 第四十二条中「前条第三項若しくは第四項」を「前条第四項から第六項まで」に改める。

 第四十五条中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同条に次の一号を加える。

 四 指定検定機関が第三十二条の十一第二項の規定による検定事務の停止の命令に違反した場合におけるその違反行為をした指定検定機関の役員又は職員

 第四十七条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「二十万円」を「三十万円」に改め、同条第三号中「第四十一条第一項」の下に「又は第三項」を加え、同条第四号中「第四十一条第三項」を「第四十一条第四項又は第六項」に改める。

 第四十八条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「又はセンター」を「、センター又は指定検定機関」に、「二十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第二十四条の十三」の下に「(第三十二条の十三において準用する場合を含む。)」を加え、同条第四号中「第四十一条第四項」を「第四十一条第五項」に改め、同号を同条第五号とし、同条中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 第三十二条の十第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の気象業務法第二十七条の検定に合格している気象測器の当該検定の有効期間については、なお従前の例による。

3 この法律による改正後の気象業務法第三十二条の三第一項の指定の際現に気象庁長官に対してされているこの法律による改正前又は改正後の気象業務法第二十八条第一項の規定による検定の申請についての合格又は不合格の処分は、この法律による改正後の気象業務法第三十二条の三第三項の規定にかかわらず、気象庁長官が行う。

(国土交通・内閣総理大臣署名) 

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