税理士法の一部を改正する法律

法律第三十八号(平一三・六・一)

 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第六章 税理士会及び日本税理士会連合会(第四十九条―第四十九条の十九)」を

第五章の二 税理士法人(第四十八条の二―第四十八条の二十一)

 
 

第六章 税理士会及び日本税理士会連合会(第四十九条―第四十九条の二十一)

に改める。

 第二条に次の一項を加える。

3 前二項の規定は、税理士が他の税理士又は税理士法人(第四十八条の二に規定する税理士法人をいう。次章、第四章及び第五章において同じ。)の補助者としてこれらの項の業務に従事することを妨げない。

 第二条の次に次の一条を加える。

第二条の二 税理士は、租税に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

2 前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

 第四条第四号中「、この法律又は旧税務代理士法(昭和十七年法律第四十六号)」を「又はこの法律」に改め、同条第五号中「、この法律若しくは旧税務代理士法」を「若しくはこの法律」に改め、同条第六号中「、この法律及び旧税務代理士法」を「及びこの法律」に改め、同条第十号中「第二十五条第一項」を「第二十五条第一項第一号」に改める。

 第五条第一項中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同項第二号から第五号までを次のように改める。

 二 次に掲げる事務又は業務に従事した期間が通算して三年以上になる者

  イ 税務官公署における事務又はその他の官公署における国税(関税、とん税及び特別とん税を除く。第二十四条、第三十六条、第四十一条の三及び第四十六条を除き、以下同じ。)若しくは地方税に関する事務

  ロ 行政機関における政令で定める会計検査、金融検査又は会社その他の団体の経理に関する行政事務

  ハ 銀行、信託会社、保険会社又は特別の法律により設立された金融業務を営む法人における政令で定める貸付けその他資金の運用(貸付先の経理についての審査を含む。)に関する事務

  ニ 法人(国又は地方公共団体の特別会計を含む。)又は事業を営む個人の会計に関する事務で政令で定めるもの

  ホ 税理士若しくは税理士法人、弁護士若しくは弁護士法人又は公認会計士、会計士補若しくは監査法人の業務の補助の事務

  ヘ 弁理士、司法書士、行政書士その他の政令で定める法律上資格を有する者の業務

 三 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の規定による大学若しくは高等専門学校を卒業した者でこれらの学校において法律学又は経済学を修めたもの又は同法第五十七条第二項の規定により同法による大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で財務省令で定める学校において法律学又は経済学を修めたもの

 四 司法試験第二次試験に合格した者

 五 国税審議会が法律学又は経済学に関し前二号に掲げる者と同等以上の学力を有するものと認定した者

 第五条第一項第六号から第十一号までを削り、同条第二項中「前項第二号から第八号までに規定する」を「前項第二号に掲げる」に改め、「それぞれ当該事務又は業務についてこれらの号に規定する年数を十年とする割合により年数を換算して」を削り、「十年以上」を「三年以上」に改め、同条第三項中「第一項第二号から第八号までに規定する」を「第一項第二号に掲げる」に、「それぞれ同項第二号から第八号までに規定する」を「同号に掲げる」に改め、同条第四項中「第一項第十一号」を「第一項第五号」に改める。

 第七条の見出しを「(試験科目の一部の免除等)」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

2 税法に属する科目その他財務省令で定めるもの(以下この項及び次条第一項第一号において「税法に属する科目等」という。)に関する研究により修士の学位(学校教育法第六十八条の二に規定する学位をいう。次項及び次条第一項において同じ。)を授与された者で税理士試験において税法に属する科目のいずれか一科目について政令で定める基準以上の成績を得た者が、当該研究が税法に属する科目等に関するものであるとの国税審議会の認定を受けた場合には、試験科目のうちの当該一科目以外の税法に属する科目について、前項に規定する政令で定める基準以上の成績を得たものとみなす。

3 会計学に属する科目その他財務省令で定めるもの(以下この項及び次条第一項第二号において「会計学に属する科目等」という。)に関する研究により修士の学位を授与された者で税理士試験において会計学に属する科目のいずれか一科目について政令で定める基準以上の成績を得た者が、当該研究が会計学に属する科目等に関するものであるとの国税審議会の認定を受けた場合には、試験科目のうちの当該一科目以外の会計学に属する科目について、第一項に規定する政令で定める基準以上の成績を得たものとみなす。

 第七条に次の一項を加える。

5 第二項及び第三項に規定する国税審議会の認定の手続については、財務省令で定める。

 第八条第一項中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同項第一号中「大学等」の下に「(学校教育法の規定による大学若しくは高等専門学校又は同法第六十八条の二第三項第二号に規定する大学若しくは大学院に相当する教育を行う課程が置かれる教育施設をいう。次号において同じ。)」を加え、「法律学又は財政学に属する科目」を「税法に属する科目等」に、「学位」を「博士の学位」に改め、同項第二号中「商学に属する科目」を「会計学に属する科目等」に、「学位」を「博士の学位」に改め、同項第十号中「研修(」の下に「財務省令で定める要件を満たす研修のうち、」を加え、「研修をいう」を「ものをいう」に改める。

 第九条の見出しを「(受験手数料等)」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 第七条第二項又は第三項の規定による認定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の認定手数料を納付しなければならない。

 第十条の見出しを「(合格の取消し等)」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 国税審議会は、第七条第二項若しくは第三項の規定による認定又は第八条第一項各号の規定による免除を決定した後、当該認定又は免除を受けた者が虚偽又は不正の事実に基づいてその認定又は免除を受けた者であることが判明したときは、その認定又は免除を取り消すことができる。

 第十八条を次のように改める。

 (登録)

第十八条 税理士となる資格を有する者が、税理士となるには、税理士名簿に、財務省令で定めるところにより、氏名、生年月日、事務所の名称及び所在地その他の事項の登録を受けなければならない。

 第十九条に次の一項を加える。

3 日本税理士会連合会は、財務省令で定めるところにより、第一項の税理士名簿を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第四十一条及び第四十八条の十において同じ。)をもつて調製することができる。

 第二十一条第一項中「その他財務省令」を「その他の財務省令」に、「第三条第一項各号の一」を「第三条第一項各号のいずれか」に改め、同条第二項中「添附する」を「添付する」に改める。

 第二十二条第一項中「第四十九条の十五」を「第四十九条の十六」に改め、同条第三項中「附記した」を「付記した」に改める。

 第二十五条第一項を次のように改める。

  日本税理士会連合会は、税理士の登録を受けた者が、次の各号のいずれかに該当するときは、第四十九条の十六に規定する資格審査会の議決に基づき、当該登録を取り消すことができる。

 一 税理士となる資格又は第二十四条各号に規定する登録拒否事由に関する事項について、記載すべき事項を記載せず若しくは虚偽の記載をして第二十一条第一項の規定による登録申請書を提出し、その申請に基づき当該登録を受けた者であることが判明したとき。

 二 第二十四条第六号に規定する者に該当するに至つたとき。

 三 二年以上継続して所在が不明であるとき。

 第二十五条第二項中「前項」を「前項第一号又は第二号のいずれかに該当することとなつたことにより同項」に改める。

 第三十条中「場合においては」の下に「、財務省令で定めるところにより」を加える。

 第三十二条の見出しを「(税理士証票の提示)」に改め、同条中「税理士は、」を「税理士又は税理士法人が」に、「税務官公署」を「当該税務代理に係る税理士が税務官公署」に、「税理士証票を呈示し」を「当該税理士は、税理士証票を提示し」に改める。

 第三十三条第一項中「税理士は、」を「税理士又は税理士法人が」に、「提出するときは」を「提出するときは、当該税務代理に係る税理士は」に改め、同条第二項中「税理士は、」を「税理士又は税理士法人が」に、「当該書類」を「当該税務書類の作成に係る税理士は、当該書類」に改め、同条第三項中「税理士である旨」の下に「その他財務省令で定める事項」を加える。

 第三十三条の二第一項及び第二項中「税理士」を「税理士又は税理士法人」に改め、同条第三項中「税理士は、」を「税理士又は税理士法人が」に、「当該書面」を「当該書面の作成に係る税理士は、当該書面」に改め、「税理士である旨」の下に「その他財務省令で定める事項」を加える。

 第三十五条第三項中「前二項」を「前三項」に、「更正」を「調査に係る処分、更正」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項中「第三十三条の二第一項又は第二項に規定する書面」を「添付書面」に、「当該書面」を「当該添付書面」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  税務官公署の当該職員は、第三十三条の二第一項又は第二項に規定する書面(以下この項及び次項において「添付書面」という。)が添付されている申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類を調査する場合において、当該租税に関し第三十条の規定による書面を提出している税理士があるときは、当該通知をする前に、当該税理士に対し、当該添付書面に記載された事項に関し意見を述べる機会を与えなければならない。

 第三十九条の次に次の一条を加える。

 (研修)

第三十九条の二 税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。

 第四十条の見出しを「(事務所の設置)」に改め、同条第一項中「税理士は」を「税理士(税理士法人の社員(財務省令で定める者を含む。第四項において同じ。)を除く。次項及び第三項において同じ。)及び税理士法人は」に改め、同条第二項中「前項の」を「税理士が設けなければならない」に改め、同条に次の一項を加える。

4 税理士法人の社員は、税理士業務を行うための事務所を設けてはならない。

 第四十一条に次の一項を加える。

3 税理士は、財務省令で定めるところにより、第一項の帳簿を磁気ディスクをもつて調製することができる。

 第四十七条第一項及び第二項中「税理士事務所」を「税理士事務所又は税理士法人の事務所」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (登録抹消の制限)

第四十七条の二 日本税理士会連合会は、税理士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、第二十六条第一項第一号の規定による当該税理士の登録の抹消をすることができない。

 第五章の次に次の一章を加える。

   第五章の二 税理士法人

 (設立)

第四十八条の二 税理士は、この章の定めるところにより、税理士法人(税理士業務を組織的に行うことを目的として、税理士が共同して設立した法人をいう。以下同じ。)を設立することができる。

 (名称)

第四十八条の三 税理士法人は、その名称中に税理士法人という文字を使用しなければならない。

 (社員の資格)

第四十八条の四 税理士法人の社員は、税理士でなければならない。

2 次に掲げる者は、社員となることができない。

 一 第四十三条の規定に該当することとなつた場合又は第四十五条若しくは第四十六条の規定による税理士業務の停止の処分を受けた場合において、当該業務の停止の期間を経過しない者

 二 第四十八条の二十第一項の規定により税理士法人が解散又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前三十日内にその社員であつた者でその処分の日から三年(業務の停止を命ぜられた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

 (業務の範囲)

第四十八条の五 税理士法人は、税理士業務を行うほか、定款で定めるところにより、第二条第二項の業務その他これに準ずるものとして財務省令で定める業務の全部又は一部を行うことができる。

第四十八条の六 前条に規定するもののほか、税理士法人は、第二条の二第一項の規定により税理士が処理することができる事務を当該税理士法人の社員又は使用人である税理士(以下この条及び第四十八条の二十第四項において「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けることができる。この場合において、当該税理士法人は、委託者に、当該税理士法人の社員等のうちからその補佐人を選任させなければならない。

 (登記)

第四十八条の七 税理士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (設立の手続)

第四十八条の八 税理士法人を設立するには、その社員になろうとする税理士が、共同して定款を定めなければならない。

2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第百六十七条の規定は、税理士法人の定款について準用する。

3 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 社員の氏名及び住所

 五 社員の出資に関する事項

 六 業務の執行に関する事項

 (成立の時期)

第四十八条の九 税理士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。

 (成立の届出等)

第四十八条の十 税理士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記簿の謄本及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会(以下この章において「本店所在地の税理士会」という。)を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。

2 日本税理士会連合会は、財務省令で定めるところにより、税理士法人の名簿を作成し、これを国税庁長官に提出しなければならない。

3 日本税理士会連合会は、財務省令で定めるところにより、前項の名簿を磁気ディスクをもつて調製することができる。

 (業務を執行する権限)

第四十八条の十一 税理士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。

 (社員の常駐)

第四十八条の十二 税理士法人の事務所には、その事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会の会員である社員を常駐させなければならない。

 (定款の変更)

第四十八条の十三 税理士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。

 (社員の競業の禁止)

第四十八条の十四 税理士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその税理士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の税理士法人の社員となつてはならない。

 (業務の執行方法)

第四十八条の十五 税理士法人は、税理士でない者に税理士業務を行わせてはならない。

 (税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)

第四十八条の十六 第一条、第三十条、第三十一条、第三十四条から第三十七条まで、第三十九条及び第四十一条から第四十一条の三までの規定は、税理士法人について準用する。

 (法定脱退)

第四十八条の十七 税理士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。

 一 税理士の登録の抹消

 二 定款に定める理由の発生

 三 総社員の同意

 四 除名

 (解散)

第四十八条の十八 税理士法人は、次に掲げる理由によつて解散する。

 一 定款に定める理由の発生

 二 総社員の同意

 三 他の税理士法人との合併

 四 破産

 五 解散を命じる裁判

 六 第四十八条の二十第一項の規定による解散の命令

2 税理士法人は、前項の規定による場合のほか、社員が一人になり、そのなつた日から引き続き六月間その社員が二人以上にならなかつた場合においても、その六月を経過した時に解散する。

3 税理士法人は、第一項第三号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。

 (合併)

第四十八条の十九 税理士法人は、総社員の同意があるときは、他の税理士法人と合併することができる。

2 合併は、合併後存続する税理士法人又は合併によつて設立した税理士法人が、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。

3 税理士法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記簿の謄本(合併によつて設立した税理士法人にあつては、登記簿の謄本及び定款の写し)を添えて、その旨を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。

 (違法行為等についての処分)

第四十八条の二十 財務大臣は、税理士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その税理士法人に対し、戒告し、若しくは一年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。

2 第四十七条及び第四十八条の規定は、前項の処分について準用する。

3 第一項の規定による処分の手続に付された税理士法人は、清算が結了した後においても、この条の規定の適用については、当該手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。

4 第一項の規定は、同項の規定により税理士法人を処分する場合において、当該税理士法人の社員等につき第四十五条又は第四十六条に該当する事実があるときは、その社員等である税理士に対し、懲戒処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。

 (民法の準用等)

第四十八条の二十一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十条、第五十五条及び第八十一条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第百二十六条第一項、第百三十四条から第百三十五条ノ五まで、第百三十五条ノ八、第百三十六条ノ二、第百三十七条、第百三十八条及び第百三十八条ノ三の規定は、税理士法人について準用する。この場合において、民法第八十三条中「主務官庁」とあるのは、「日本税理士会連合会」と読み替えるものとする。

2 商法第三十二条から第三十六条までの規定は税理士法人の帳簿その他の書類について、同法第五十八条及び第五十九条の規定は税理士法人について、それぞれ準用する。この場合において、同法第五十八条及び第五十九条第一項中「株主」とあるのは、「社員」と読み替えるものとする。

3 商法第六十八条、第六十九条、第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項及び第三項並びに第七十五条の規定は、税理士法人の内部の関係について準用する。この場合において、同法第七十四条第二項中「前項」とあるのは、「税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十八条の十四」と読み替えるものとする。

4 商法第七十六条から第八十三条までの規定は、税理士法人の外部の関係について準用する。

5 商法第八十四条、第八十六条第一項及び第二項(除名及び代表権の喪失に関する部分に限る。)並びに第八十七条から第九十三条までの規定は、税理士法人の社員の脱退について準用する。この場合において、同法第八十六条第一項第二号中「第七十四条第一項」とあるのは、「税理士法第四十八条の十四」と読み替えるものとする。

6 商法第百条、第百三条から第百六条まで及び第百九条から第百十一条までの規定は、税理士法人の合併について準用する。

7 商法第百十六条から第百十九条まで、第百二十条から第百二十二条まで、第百二十四条第一項及び第二項、第百二十五条、第百二十六条、第百二十八条から第百三十三条まで、第百三十四条ノ二から第百三十六条まで、第百三十八条並びに第百四十三条から第百四十五条までの規定は、税理士法人の清算について準用する。この場合において、同法第百十七条第二項及び第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは、「税理士法第四十八条の十八第一項第五号若ハ第六号又ハ第二項」と読み替えるものとする。

8 破産法(大正十一年法律第七十一号)第百二十七条の規定の適用については、税理士法人は、合名会社とみなす。

 第四十九条第二項中「会員」を「会員である税理士」に改め、同条第四項中「税理士事務所を有する」を「税理士事務所又は税理士法人の事務所の登録を受けた」に改め、同条第六項中「税理士の」を「税理士及び税理士法人の」に改める。

 第四十九条の二第二項中第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号を第九号とし、第七号を削り、第六号を第八号とし、第五号の次に次の二号を加える。

 六 会員の研修に関する規定

 七 会員の業務に関する紛議の調停に関する規定

 第四十九条の六第一項中「第二十二条第一項の規定による」を削り、「税理士事務所」を「その登録を受けた税理士事務所又は税理士法人の事務所」に改め、同条第四項中「税理士は、税理士事務所」を「税理士及び税理士法人は、税理士事務所又は税理士法人の事務所」に改め、同項を同条第九項とし、同条第三項中「第二十六条第一項各号の一」を「第二十六条第一項各号のいずれか」に改め、同項を同条第七項とし、同項の次に次の一項を加える。

8 税理士法人は、解散した時に、当然、所属税理士会を退会する。

 第四十九条の六第二項中「税理士は、税理士事務所を所属税理士会以外の税理士会が設立されている区域に移転したとき又は」を「税理士及び税理士法人は、」に、「税理士事務所の所在地」を「税理士事務所又は税理士法人の事務所の所在地」に、「これらの移転又は区域」を「その区域」に改め、同項を同条第六項とし、同条第一項の次に次の四項を加える。

2 税理士は、登録を受けた税理士事務所又は税理士法人の事務所を所属税理士会以外の税理士会が設立されている区域に所在地のある税理士事務所又は税理士法人の事務所に変更する旨の申請をしたときは、その変更の登録の申請をした時に、当然、従前の所属税理士会を退会し、変更後の税理士事務所又は税理士法人の事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会の会員となる。

3 税理士法人は、その成立の時に、当然、税理士法人の主たる事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会の会員となる。

4 税理士法人は、主たる事務所以外に事務所を設け、又は税理士法人の各事務所を各所属税理士会以外の税理士会が設立されている区域に移転したときは、税理士法人の事務所の新所在地においてその旨を登記した時に、当然、当該事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会の会員となる。

5 税理士法人は、その事務所の移転又は廃止により、所属税理士会の区域内に税理士法人の事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地においてその旨を登記した時に、当然、当該税理士会を退会する。

 第六章中第四十九条の十九を第四十九条の二十一とし、第四十九条の十八を第四十九条の二十とし、第四十九条の十七を第四十九条の十九とする。

 第四十九条の十六の見出しを「(総会の決議の取消し)」に改め、同条中「又は役員の行為」を削り、「総会の決議についてはこれ」を「その決議」に改め、「を命じ、役員についてはこれを解任すべきこと」を削り、同条を第四十九条の十七とし、同条の次に次の一条を加える。

 (貸借対照表等)

第四十九条の十八 日本税理士会連合会は、毎事業年度、第四十九条の十五の規定において準用する第四十九条の八第三項に規定する総会の決議を経た後、遅滞なく、貸借対照表及び収支計算書を官報に公告し、かつ、財産目録、貸借対照表、収支計算書及び附属明細書並びに会則で定める事業報告書及び監事の意見書を、事務所に備えて置き、財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

 第四十九条の十五を第四十九条の十六とする。

 第四十九条の十四中「及び第四十九条の七から第四十九条の十まで」を「、第四十九条の七から第四十九条の九まで及び第四十九条の十一」に改め、同条を第四十九条の十五とする。

 第四十九条の十三第一項第一号中「第九号及び第十号」を「第十号及び第十一号」に改め、同項第三号中「第四十九条の十五」を「第四十九条の十六」に改め、同項第六号中「第四十九条の二第二項第八号」を「第四十九条の二第二項第九号」に改め、同条を第四十九条の十四とする。

 第四十九条の十二第二項中「、税理士の」を「、税理士及び税理士法人の」に改め、同条を第四十九条の十三とする。

 第四十九条の十一第二項中「(明治三十二年法律第四十八号)」及び「(明治二十九年法律第八十九号)」を削り、同条を第四十九条の十二とする。

 第四十九条の十を第四十九条の十一とし、第四十九条の九の次に次の一条を加える。

 (紛議の調停)

第四十九条の十 税理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

 第五十条第一項中「税理士」を「税理士又は税理士法人」に改める。

 第五十一条の見出しを「(税理士業務を行う弁護士等)」に改め、同条第二項中「税理士である旨」の下に「その他財務省令で定める事項」を、「弁護士である旨」の下に「及び同条第三項の規定による通知をした弁護士法人の業務として同項の業務を行う場合にはその法人の名称」を加え、同条に次の二項を加える。

3 弁護士法人(弁護士法に規定する社員の全員が、第一項の規定により国税局長に通知している法人に限る。)は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができる。

4 前項の規定により税理士業務を行う弁護士法人は、税理士業務を行う範囲において、第三十三条、第三十三条の二、第四十八条の十六(第三十九条の規定を準用する部分を除く。)、第四十八条の二十(税理士法人に対する解散の命令に関する部分を除く。)、第五十四条及び第五十五条の規定の適用については、税理士法人とみなす。

 第五十二条中「税理士でない」を「税理士又は税理士法人でない」に改める。

 第五十三条第三項中「前二項」を「前三項」に、「税理士でない」を「税理士又は税理士法人でない」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 税理士法人でない者は、税理士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。

 第五十四条中「税理士の使用人」を「税理士又は税理士法人の使用人」に、「洩らし、又は窃用」を「漏らし、又は盗用」に改める。

 第五十五条第一項中「税理士から」を「税理士又は税理士法人から」に、「税理士に」を「税理士又は税理士法人に」に改める。

 第五十八条中「第三十六条(」の下に「第四十八条の十六又は」を加え、「百万円」を「二百万円」に改める。

 第五十九条を次のように改める。

第五十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一 税理士となる資格を有しない者で、日本税理士会連合会に対し、その資格につき虚偽の申請をして税理士名簿に登録させたもの 二 第三十八条(第五十条第二項において準用する場合を含む。)又は第五十四条の規定に違反した者

 三 第五十二条の規定に違反した者

2 前項第二号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 第六十条を削る。

 第六十一条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「二十万円」を「百万円」に改め、同条第三号中「又は第四十六条」を「若しくは第四十六条又は第四十八条の二十第一項」に改め、同条を第六十条とする。

 第六十二条中「各号の一」を「各号のいずれか」に、「二十万円」を「百万円」に改め、同条に次の一号を加え、同条を第六十一条とする。

 三 第五十三条第三項の規定に違反した者

 第六十三条中「第四十九条の十七第一項」を「第四十九条の十九第一項」に、「五万円」を「三十万円」に改め、同条を第六十二条とする。

 第六十四条中「第五十九条、第六十二条第二号」を「第五十八条、第五十九条第一項第三号、第六十条第三号(第四十八条の二十第一項に係る部分に限る。)、第六十一条」に改め、ただし書を削り、同条を第六十三条とし、第八章中同条の次に次の一条を加える。

第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、税理士法人の社員若しくは清算人又は税理士会若しくは日本税理士会連合会の役員は、三十万円以下の過料に処する。

 一 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。

 二 第四十八条の二十一第一項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産の宣告の請求を怠つたとき。

 三 定款又は第四十八条の二十一第二項において準用する商法第三十二条第一項の会計帳簿若しくは貸借対照表に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

 四 第四十八条の二十一第六項において準用する商法第百条第一項又は第三項(同法第百十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して合併し、又は財産を処分したとき。

 五 第四十八条の二十一第七項において準用する商法第百三十一条の規定に違反して財産を分配したとき。

 附則第三十七項から第四十四項までを削る。

   附 則

1 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。

2 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に改正前の税理士法(以下「旧法」という。)第四条第四号及び第五号に規定する旧税務代理士法(昭和十七年法律第四十六号)の規定により刑に処せられた者に係る税理士の資格については、なお従前の例による。

3 施行日前に旧法第五条第一項第九号に規定する旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)、旧高等学校令(大正七年勅令第三百八十九号)若しくは旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)の規定による大学、高等専門学校、大学予科、高等学校高等科若しくは専門学校又は政令で定めるこれらの学校と同等以上の学校を卒業し、又は修了した者で、これらの学校において法律学又は経済学を修めたもの及び旧法第五条第一項第十号に規定する高等試験本試験に合格した者に係る税理士試験の受験資格については、なお従前の例による。

4 改正後の税理士法(以下「新法」という。)第七条第二項及び第三項の規定は、施行日以後にこれらの規定に規定する修士の学位を取得するために学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第六十八条の二第一項に規定する大学院の課程(同条第三項第二号に規定する大学院に相当する教育を行う課程を含む。以下同じ。)に進学する者について適用する。

5 新法第八条第一項第一号及び第二号の規定(これらの号に規定する博士の学位を授与された者に係る部分に限る。)は、施行日以後にこれらの規定に規定する博士の学位を取得するために大学院の課程に進学する者について適用し、施行日前に学位を取得するために大学院の課程に進学した者に係る税理士試験の試験科目の免除については、なお従前の例による。

6 施行日前に旧法第八条第一項第一号及び第二号の規定に規定する教授、助教授又は講師のいずれかの職に就いた者に係る税理士試験の試験科目の免除については、なお従前の例による。

7 施行日前に旧法第三十条の規定により税務官公署に提出された書面は、新法第三十条の規定により提出された書面とみなして、新法の規定を適用する。

8 新法第三十五条の規定は、施行日以後に同条第一項に規定する調査をする場合について適用する。

9 新法第四十九条の六の規定は、施行日以後に税理士事務所を所属税理士会以外の税理士会が設立されている区域に移転する場合について適用し、施行日前に税理士事務所を所属税理士会以外の税理士会が設立されている区域に移転した場合については、なお従前の例による。

10 新法第四十九条の十八の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る書類について適用する。

11 この法律の施行の際現に旧法附則第三十七項の許可を受けている公認会計士が施行日から引き続き行う税理士業務については、同項から旧法附則第四十四項までの規定は、なおその効力を有する。この場合において、旧法附則第三十七項中「当分の間」とあるのは、「平成十七年三月三十一日まで」と読み替えるものとする。

12 附則第二項から前項までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

(内閣総理・法務・財務大臣署名) 

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