高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法

法律第六十三号(平一一・五・二八)

 (目的)

第一条 この法律は、高度テレビジョン放送施設の整備を促進する措置を講ずることにより、デジタル信号による送信をするテレビジョン放送の早期の普及を図り、もって高度情報通信社会の構築に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「テレビジョン放送」とは、放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二号の五に規定するテレビジョン放送であって、電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第五条第四項に規定する人工衛星局により行われるもの以外のものをいう。

2 この法律において「高度テレビジョン放送施設」とは、テレビジョン放送の事業の用に供する施設であって、次に掲げる設備から構成されるものをいう。

 一 デジタル信号による送信をするテレビジョン放送を行うための電波法第二条第四号に規定する無線設備(これを設置するための建築物、鉄塔その他の工作物を含む。)

 二 デジタル信号による送信をするテレビジョン放送の放送番組を制作するための設備(前号に掲げる設備と一体的に設置されるものに限る。)

3 この法律において「高度テレビジョン放送施設整備事業」とは、高度テレビジョン放送施設の整備を行う事業をいう。

 (基本指針)

第三条 郵政大臣は、デジタル信号による送信をするテレビジョン放送の早期の普及を図るため、高度テレビジョン放送施設整備事業の実施に関する基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。

2 基本指針には、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 高度テレビジョン放送施設の整備の促進に関する基本的な方向

 二 高度テレビジョン放送施設整備事業の内容に関する事項

 三 高度テレビジョン放送施設整備事業の実施方法に関する事項

 四 その他高度テレビジョン放送施設整備事業の実施に際し配慮すべき重要事項

3 郵政大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (実施計画の認定)

第四条 高度テレビジョン放送施設整備事業を実施しようとする者(当該事業を実施する法人を設立しようとする者を含む。)は、当該事業の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、これを郵政大臣に提出して、その実施計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2 実施計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 高度テレビジョン放送施設整備事業の内容

 二 高度テレビジョン放送施設整備事業の実施方法

 三 高度テレビジョン放送施設整備事業の実施時期

 四 高度テレビジョン放送施設整備事業の実施に必要な資金の額及びその調達方法

3 郵政大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その実施計画が基本指針に照らし適切なものであり、かつ、当該実施計画が確実に実施される見込みがあると認めるときは、同項の認定をするものとする。

 (実施計画の変更等)

第五条 前条第一項の認定を受けた者(その者の設立に係る同項の法人を含む。)は、当該認定に係る実施計画を変更しようとするときは、郵政大臣の認定を受けなければならない。

2 前条第三項の規定は、前項の認定に準用する。

3 郵政大臣は、前条第一項の認定を受けた実施計画(第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に係る高度テレビジョン放送施設整備事業を実施する者(以下「認定事業者」という。)が当該認定計画に従って高度テレビジョン放送施設整備事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

 (通信・放送機構の業務の特例)

第六条 通信・放送機構(以下「機構」という。)は、通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号。以下「機構法」という。)第二十八条第一項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、次の業務を行う。

 一 認定計画に係る高度テレビジョン放送施設整備事業の実施に必要な資金を調達するために発行する社債及び当該資金の借入れに係る債務の保証を行うこと。

 二 前号の業務に附帯する業務を行うこと。

 (機構法の適用)

第七条 前条の規定により機構の業務が行われる場合には、機構法第十七条第二項中「又は」とあるのは「又は両債務保証業務(」と、「に係る」とあるのは「又は高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法(以下「高度放送施設整備法」という。)第六条に規定する業務をいう。以下同じ。)に係る」と、機構法第十九条第四項、第二十九条、第三十九条及び第四十条第一項中「研究開発債務保証業務」とあるのは「両債務保証業務」と、機構法第二十八条の二第二項中「に掲げる業務」とあるのは「又は高度放送施設整備法第六条第一号に掲げる業務」と、機構法第二十九条の二第一項中「研究開発債務保証業務」とあるのは「研究開発債務保証業務等(研究開発債務保証業務及び高度放送施設整備法第六条に規定する業務をいう。以下同じ。)」と、機構法第三十一条、第三十二条、第三十三条の二、第三十五条、第三十八条及び第四十三条第一項第二号中「研究開発債務保証業務」とあるのは「研究開発債務保証業務等」と、機構法第三十八条中「この法律」とあるのは「この法律及び高度放送施設整備法」と、機構法第三十九条、第四十条第一項及び第四十五条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は高度放送施設整備法」と、機構法第四十三条第一項第一号中「、第二十八条第二項、第二十九条第一項、第三十一条若しくは第三十五条の規定による認可(研究開発出資業務又は研究開発債務保証業務に係るものを除く。)」とあるのは「若しくは第二十九条第一項の規定による認可(研究開発出資業務又は両債務保証業務に係るものを除く。)、第二十八条第二項の規定による認可(研究開発出資業務又は研究開発債務保証業務に係るものを除く。)、第三十一条若しくは第三十五条の規定による認可(研究開発出資業務又は研究開発債務保証業務等に係るものを除く。)」と、同条第二項第一号中「又は第二十九条第一項の規定による認可」とあるのは「の規定による認可又は第二十九条第一項の規定による認可(高度放送施設整備法第六条に規定する業務に係るものを除く。)」と、同項第二号中「部分」とあるのは「部分(高度放送施設整備法第六条に規定する業務に係る部分を除く。)」と、機構法第四十五条第三号中「第二十八条第一項」とあるのは「第二十八条第一項及び高度放送施設整備法第六条」とする。

 (資金の融通のあっせん等)

第八条 政府は、認定計画に係る高度テレビジョン放送施設整備事業の実施に必要な資金の融通のあっせんに努めるものとする。

2 郵政大臣及び大蔵大臣は、第六条に規定する機構の業務の円滑な運営が図られるように、情報の提供その他の必要な配慮をするものとする。

 (報告の徴収)

第九条 郵政大臣は、認定事業者に対し、認定計画に係る高度テレビジョン放送施設整備事業の実施状況について報告を求めることができる。

 (罰則)

第十条 前条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (この法律の廃止)

第二条 この法律は、平成二十二年十二月三十一日までに廃止するものとする。

 (信用基金の持分の払戻しの禁止の特例)

第三条 日本開発銀行(日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)附則第六条第一項の規定により日本政策投資銀行が日本開発銀行の権利及び義務を承継したときは、日本政策投資銀行)以外の出資者は、機構に対し、この法律の施行の日から起算して一月を経過した日までの間に限り、機構法第二十九条の二第一項に規定する信用基金に係るその持分の払戻しを請求することができる。

2 機構は、前項の規定による請求があったときは、機構法第六条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。

 (郵政省設置法の一部改正)

第四条 郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条中第七十八号を第七十九号とし、第七十一号から第七十七号までを一号ずつ繰り下げ、第七十号の次に次の一号を加える。

  七十一 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法(平成十一年法律第六十三号)の施行に関すること。

  第五条第二十二号の二十二の次に次の一号を加える。

  二十二の二十二の二 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の定めるところに従い、基本指針を定め、及び実施計画の認定をすること。

  第六条第五項中「第七十七号」を「第七十八号」に改め、同条第六項中「第七十三号」を「第七十四号」に、「第七十五号から第七十七号まで」を「第七十六号から第七十八号まで」に改め、同条第八項中「第七十八号」を「第七十九号」に改める。

(大蔵・郵政・内閣総理大臣署名) 

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