生物系特定産業技術研究推進機構法
法律第八十二号(昭六一・六・一〇)
目次
第一章 総則(第一条―第十条)
第二章 設立(第十一条―第十五条)
第三章 管理(第十六条―第二十八条)
第四章 業務(第二十九条・第三十条)
第五章 財務及び会計(第三十一条―第四十一条)
第六章 監督(第四十二条・第四十三条)
第七章 雑則(第四十四条―第四十七条)
第八章 罰則(第四十八条―第五十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 生物系特定産業技術研究推進機構は、民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究の促進に関する業務を行うことにより、生物系特定産業技術の高度化を推進し、もつて国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資することを目的とする。
2 生物系特定産業技術研究推進機構は、前項に規定するもののほか、農業機械化促進法(昭和二十八年法律第二百五十二号)に基づき、農業機械化の促進に資するための農機具の改良に関する試験研究等の業務を行うことを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「生物系特定産業技術」とは、その業務において生物の機能を維持増進し、若しくは利用し、又は生物の機能の発現の成果を獲得し、若しくは利用する事業で次に掲げる業種に属するものに関する技術(基盤技術研究円滑化法(昭和六十年法律第六十五号)第二条に規定する基盤技術に該当するものを除く。)のうち当該事業を所管する府省の所掌に係るものであつて、その開発に当たり生物の機能又はその発現の成果の特性に密接に関連する試験研究を必要とするものをいう。
一 農林漁業
二 飲食料品製造業及びたばこ製造業
三 前二号に掲げるもののほか、その業種に属する事業に関する技術の性格を勘案し、その技術の高度化を図ることが特に必要でかつ適切と認められる業種として政令で定めるもの
(法人格)
第三条 生物系特定産業技術研究推進機構(以下「機構」という。)は、法人とする。
(数)
第四条 機構は、一を限り、設立されるものとする。
(資本金)
第五条 機構の資本金は、その設立に際し政府及び政府以外の者が出資する金額並びに附則第二条第四項の規定により機構に出資があつたものとされた金額の合計額とする。
2 機構は、第二十九条第一項に規定する業務又は同条第二項に規定する業務に必要な資金に充てるため必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3 政府は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
4 政府及び政府以外の者は、機構の設立に際し、又は第二項の認可があつた場合において、機構に出資しようとするときは、第二十九条第一項に規定する業務又は同条第二項に規定する業務のそれぞれに必要な資金に充てるべき金額を示すものとする。
(持分の払戻し等の禁止)
第六条 機構は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
2 機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
(持分の譲渡し等)
第七条 出資者は、その持分を譲り渡すことができる。ただし、第二十九条第二項に規定する業務に係る出資に係る政府の持分については、この限りでない。
2 出資者の持分の移転は、取得者の氏名又は名称及びその住所を出資者原簿に記載した後でなければ、これをもつて機構その他の第三者に対抗することができない。
(名称)
第八条 機構は、その名称中に生物系特定産業技術研究推進機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に生物系特定産業技術研究推進機構という文字を用いてはならない。
(登記)
第九条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第十条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、機構について準用する。
第二章 設立
(発起人)
第十一条 機構を設立するには、生物系特定産業技術について学識経験を有する者十五人以上が発起人となることを必要とする。
2 発起人は、定款及び事業計画書を作成し、政府以外の者に対し機構に対する出資を募集しなければならない。
3 前項の出資の募集は、第二十九条第一項に規定する業務及び同条第二項に規定する業務ごとにしなければならない。
4 第二項の事業計画書に記載すべき事項は、農林水産省令、大蔵省令で定める。
(設立の認可等)
第十二条 発起人は、前条第二項の募集が終わつたときは、定款及び事業計画書を農林水産大臣及び大蔵大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
第十三条 農林水産大臣及び大蔵大臣は、設立の認可をしようとするときは、前条の規定による認可の申請が次の各号に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
一 設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合するものであること。
二 定款又は事業計画書に虚偽の記載がないこと。
三 事業の運営が健全に行われ、生物系特定産業技術に関する試験研究の促進及び農業機械化の促進に寄与することが確実であると認められること。
2 農林水産大臣は、前項の規定による認可があつたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、機構の理事長又は監事となるべき者を指名する。
3 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、機構の成立の時において、それぞれ第十九条第一項の規定により理事長又は監事に任命されたものとする。
(事務の引継ぎ)
第十四条 前条第二項の規定により理事長となるべき者が指名されたときは、発起人は、遅滞なく、その事務を理事長となるべき者に引き継がなければならない。
2 理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
(設立の登記)
第十五条 理事長となるべき者は、前条第二項の規定による出資金の払込みがあつたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2 機構は、設立の登記をすることによつて成立する。
第三章 管理
(定款記載事項)
第十六条 機構の定款には、次の事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 資本金、出資及び資産に関する事項
五 役員に関する事項
六 評議員会に関する事項
七 業務及びその執行に関する事項
八 財務及び会計に関する事項
九 定款の変更に関する事項
十 公告の方法
2 機構の定款の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員)
第十七条 機構に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事五人以内及び監事一人を置く。
2 機構に、役員として、前項の理事及び監事のほか、非常勤の理事三人以内及び監事一人を置くことができる。
(役員の職務及び権限)
第十八条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、機構を代表し、定款で定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、定款で定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、機構の業務を監査する。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は主務大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十九条 理事長及び監事は、農林水産大臣が任命する。
2 副理事長及び理事は、農林水産大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
(役員の任期)
第二十条 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第二十一条 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
(役員の解任)
第二十二条 農林水産大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 農林水産大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により副理事長又は理事を解任しようとするときは、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第二十三条 役員(非常勤の理事及び監事を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、農林水産大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第二十四条 機構と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、理事長及び副理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が機構を代表する。
(評議員会)
第二十五条 機構に、その運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置く。
2 評議員会は、評議員二十五人以内で組織する。
3 評議員は、機構の業務に関し学識経験を有する者のうちから、農林水産大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
4 第二十条並びに第二十二条第二項及び第三項の規定は、評議員について準用する。
(職員の任命)
第二十六条 機構の職員は、理事長が任命する。
(役員等の秘密保持義務)
第二十七条 機構の役員若しくは職員若しくは評議員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第二十八条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四章 業務
(業務)
第二十九条 機構は、第一条第一項に掲げる目的を達成するため、次の業務(次項の業務に該当するものを除く。)を行う。
一 民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究に必要な資金の出資及び貸付けを行うこと。
二 政府以外の者に対し、生物系特定産業技術に関する試験研究を国の試験研究機関と共同して行うことについてあつせんすること。
三 政府以外の者の委託を受けて、生物系特定産業技術に関する試験研究を行うこと。
四 生物系特定産業技術に関する試験研究を行う政府以外の者に対し、国から当該試験研究の素材として生物の個体又はその一部の配布を受けることについてあつせんすること。
五 海外から生物系特定産業技術に関する研究者を招へいすること。
六 生物系特定産業技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
七 生物系特定産業技術に関し調査すること。
八 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
九 前各号に掲げるもののほか、第一条第一項に掲げる目的を達成するために必要な業務を行うこと。
2 機構は、第一条第二項に掲げる目的を達成するため、農業機械化促進法第十六条に規定する業務を行う。
3 機構は、第一項第九号に掲げる業務を行おうとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
(業務方法等)
第三十条 機構は、業務の開始前に、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、主務省令で定める。
第五章 財務及び会計
(区分経理)
第三十一条 機構は、次の各号に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第二十九条第一項に規定する業務(以下「民間研究促進業務」という。)
二 第二十九条第二項に規定する業務(以下「農業機械化促進業務」という。)
(事業年度)
第三十二条 機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(予算等の認可)
第三十三条 機構は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表)
第三十四条 機構は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、主務大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表を主務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
(書類の送付)
第三十五条 機構は、第三十三条の認可又は前条第一項の承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る予算、事業計画及び資金計画に関する書類又は財務諸表を政府以外の出資者に送付しなければならない。
(利益及び損失の処理)
第三十六条 機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額(民間研究促進業務に係る勘定にあつては、当該勘定に係る残余の額に政令で定める率を乗じて得た額以上の額)は、積立金として整理しなければならない。
2 機構は、民間研究促進業務に係る勘定において、前項の規定による積立てを行つた後、なお残余があるときは、主務大臣の認可を受けて、その残余の額を民間研究促進業務に係る出資者の出資に対しそれぞれの出資額に応じて分配することができる。
3 機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、第一項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(借入金)
第三十七条 機構は、資金の借入れ(借換えを含む。)をしようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第三十八条 機構は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他農林水産大臣の指定する有価証券の取得
二 資金運用部への預託
三 銀行その他農林水産大臣の指定する金融機関への預金
四 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
(財産の処分等の制限)
第三十九条 機構は、農林水産省令で定める重要な財産を貸し付け、譲り渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、農林水産省令で定める場合を除き、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第四十条 機構は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(主務省令への委任)
第四十一条 この法律に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第六章 監督
(監督)
第四十二条 機構は、主務大臣が監督する。
2 主務大臣は、この法律又は農業機械化促進法を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第四十三条 主務大臣は、この法律又は農業機械化促進法を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第七章 雑則
(出資者原簿)
第四十四条 機構は、出資者原簿を備えて置かなければならない。
2 出資者原簿には、民間研究促進業務に係る出資及び農業機械化促進業務に係る出資ごとに、各出資者について次の事項を記載しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 出資の引受け及び出資金の払込みの年月日
三 出資額
3 政府以外の出資者は、出資者原簿の閲覧を求めることができる。
(解散)
第四十五条 機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産の額のうち、民間研究促進業務に係る勘定に属する額に相当する額を民間研究促進業務に係る各出資者に対し、農業機械化促進業務に係る勘定に属する額に相当する額を農業機械化促進業務に係る各出資者に対し、それぞれ、その出資額に応じて分配するものとする。
2 前項の規定により農業機械化促進業務に係る各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。
3 前二項に規定するもののほか、機構の解散については、別に法律で定める。
(協議)
第四十六条 主務大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第五条第二項、第二十九条第三項、第三十条第一項、第三十三条、第三十六条第二項又は第三十七条の規定による認可をしようとするとき。
二 第三十四条第一項の規定による承認をしようとするとき。
三 第四十一条の規定により主務省令を定めようとするとき。
2 農林水産大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第三十八条第一号又は第三号の規定による指定をしようとするとき。
二 第三十九条の規定により農林水産省令を定めようとするとき。
三 第三十九条の規定による認可をしようとするとき。
四 第四十条の規定による承認をしようとするとき。
3 主務大臣は、次の場合(民間研究促進業務に係る部分に関する場合に限る。)には、他の主務大臣に協議しなければならない。
一 第三十条第一項の規定による認可をしようとするとき。
二 第三十条第二項の規定により主務省令を定めようとするとき。
4 主務大臣は、第三十条第一項の規定による認可(民間研究促進業務に係る部分に限る。)又は第三十三条の規定による認可(民間研究促進業務に係る事業計画の部分に限る。)をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
(主務大臣等)
第四十七条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。
一 役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務に関する事項(次号に掲げるものを除く。)については、農林水産大臣
二 民間研究促進業務に係る資本金の増加、定款の変更、予算(事業計画及び資金計画を含む。)、財務諸表、利益及び損失の処理並びに借入金に関する事項については、農林水産大臣、大蔵大臣及び第二条第三号の政令で定める業種に属する事業を所管する大臣
三 民間研究促進業務であつて、農林漁業及び飲食料品製造業(酒類製造業を除く。)に係るものに関する事項については、農林水産大臣
四 民間研究促進業務であつて、酒類製造業及びたばこ製造業に係るものに関する事項については、大蔵大臣
五 民間研究促進業務であつて、第二条第三号の政令で定める業種に属する事業に係るものに関する事項については、当該事業を所管する大臣
六 農業機械化促進業務に関する事項については、農林水産大臣
2 この法律における主務省令は、前項各号に掲げる事項に関し、それぞれ当該各号に定める主務大臣の発する命令とする。
第八章 罰則
第四十八条 第二十七条の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第四十九条 第四十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第五十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第九条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠つたとき。
三 第二十九条第一項及び第二項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第三十八条の規定に違反して、業務上の余裕金を運用したとき。
五 第四十二条第二項の規定による主務大臣の命令に違反したとき。
第五十一条 第八条第二項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(研究所の解散等)
第二条 農業機械化研究所(以下「研究所」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において機構が承継する。
2 研究所の解散の日の前日を含む事業年度は、その日に終わるものとする。
3 研究所の解散の日の前日を含む事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
4 第一項の規定により機構が研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における研究所に対する政府及び政府以外の者の出資金に相当する金額は、それぞれ、機構の設立に際し政府及び当該政府以外の者から機構に農業機械化促進業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
5 研究所の解散については、附則第八条の規定による改正前の農業機械化促進法(以下「旧促進法」という。)第五十四条第一項の規定による残余財産の分配は、行わない。
6 第一項の規定により研究所が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
7 機構が成立し、研究所が解散したときは、農林水産大臣は、その日及び附則第八条の規定による改正後の農業機械化促進法(附則第九条において「新促進法」という。)第二章の規定により機構の業務に属させられた事項を処理する事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
(持分の払戻し)
第三条 前条第四項の規定により政府以外の者が機構に出資したものとされた金額については、当該政府以外の者は、機構に対し、その成立の日から一月以内に限り、当該持分の払戻しを請求することができる。
2 機構は、前項の規定による請求があつたときは、第六条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
(権利の承継に伴う経過措置)
第四条 附則第二条第一項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に伴う登記又は登録については、登録免許税を課さない。
2 附則第二条第一項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税若しくは土地の取得に対して課する特別土地保有税又は自動車取得税を課することができない。
3 機構が附則第二条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地のうち研究所が昭和四十四年一月一日前に取得したものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
4 機構が附則第二条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地(研究所が昭和五十七年四月一日以後に取得したものに限る。)のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、研究所が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
5 機構が附則第二条第一項の規定により権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地(研究所が昭和四十四年一月一日から昭和五十七年三月三十一日までの間に取得したものに限る。)のうち、地方税法第五百九十九条第一項の規定により申告納付すべき日の属する年の一月一日において、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化区域内に所在する土地以外の土地であり、かつ、研究所が当該土地を取得した日以後十年を経過しているものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
(名称の使用制限等に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に生物系特定産業技術研究推進機構という名称を使用している者については、第八条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第六条 機構の最初の事業年度は、第三十二条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わるものとする。
第七条 機構の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第三十三条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「機構の成立後遅滞なく」とする。
(農業機械化促進法の一部改正)
第八条 農業機械化促進法の一部を次のように改正する。
目次中
「 |
第四章 農業機械化研究所 |
」 |
第一節 総則(第十六条―第二十五条) |
||
第二節 役員等)第二十六条―第三十八条) |
||
第三節 業務(第三十九条・第四十条) |
||
第四節 財務及び会計(第四十一条―第五十条) |
||
第五節 監督(第五十一条・第五十二条) |
||
第六節 雑則(第五十三条―第五十五条) |
を「第四章 生物系特定産業技術研究推進機構の農機具の改良に関する試験研究等の業務(第十六条)」に、「第五十六条―第六十条」を「第十七条」に改める。
第六条第三項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に、「行なわせる」を「行わせる」に改める。
第八条及び第八条の二第一項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に改める。
第十条の二第一項中「附する」を「付する」に、「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に改め、同条第二項中「附する」を「付する」に、「若くは」を「若しくは」に、「農業機械化研究所」「生物系特定産業技術研究推進機構」に改め、同条第三項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に改め、同条第四項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第六項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に改める。
第四章を次のように改める。
第四章 生物系特定産業技術研究推進機構の農機具の改良に関する試験研究等の業務
(農機具の改良に関する試験研究等の業務)
第十六条 生物系特定産業技術研究推進機構は、農業機械化の促進に資するため農機具の改良に関する試験研究及び調査並びに農機具についての検査の業務を総合的かつ効率的に行い、その試験研究及び調査の成果の普及を図ることを目的として、次の業務を行う。
一 農業機械化の促進に資するためにする農機具の改良に関する試験研究及び調査を行うこと。
二 型式検査の実施等第二章の規定によりその業務に属させられた事項を処理すること。
三 農機具の鑑定を行うこと。
四 第一号に掲げる業務に係る成果を普及すること。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第五十六条を削る。
第五十七条中「五万円」を「二十万円」に改め、同条を第十七条とする。
第五十八条から第六十条までを削る。
(農業機械化促進法の一部改正に伴う経過措置)
第九条 旧促進法(附則第十六条の規定によりなお効力を有する旧促進法を含む。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、新促進法の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第十条 附則第八条の規定の施行前(研究所については、附則第十六条の規定によりなお効力を有する旧促進法の失効前)にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(所得税法の一部改正)
第十一条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表農業機械化研究所の項を削る。
(法人税法の一部改正)
第十二条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表農業機械化研究所の項を削る。
(地方税法の一部改正)
第十三条 地方税法の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「、農業機械化研究所」を削る。
第七十三条の四第一項第六号の二中「農業機械化研究所が直接」を「生物系特定産業技術研究推進機構が直接農業機械化促進法(昭和二十八年法律第二百五十二号)第十六条第一号に規定する業務で」に改める。
第三百四十八条第二項第二十三号の四を削る。
第三百四十九条の三第二十七項中「農業機械化研究所」を「生物系特定産業技術研究推進機構」に、「第三十九条第二号」を「第十六条第一号又は第二号」に改め、「かかわらず、」の下に「同法第十六条第一号に規定する業務の用に供する固定資産にあつては」を加え、「とする」を「とし、同条第二号に規定する業務の用に供する固定資産にあつては当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の一の額とする」に改める。
第五百八十六条第二項第二十七号の四の次に次の一号を加える。
二十七の五 生物系特定産業技術研究推進機構が直接農業機械化促進法第十六条第一号に規定する業務の用に供する土地で政令で定めるもの
第七百一条の三十四第三項第十三号の次に次の一号を加える。
十三の二 生物系特定産業技術研究推進機構が直接農業機械化促進法第十六条第一号に規定する業務の用に供する施設
第七百一条の四十一第一項の表の第四号の次に次の一号を加える。
四の二 生物系特定産業技術研究推進機構が直接農業機械化促進法第十六条第二号に規定する業務の用に供する施設 |
二分の一 |
二分の一 |
二分の一 |
第七百二条第二項中「第十六項」の次に「、第二十七項」を加える。
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
第十四条 附則第二条第一項の規定により研究所が解散する時までに取得され、同項の規定により機構に承継された前条の規定による改正前の地方税法(以下この条において「旧地方税法」という。)第三百四十八条第二項第二十三号の四に規定する固定資産のうち家屋及び償却資産については、同号の規定は、なおその効力を有する。この場合において、当該家屋及び償却資産に係る同号の規定の適用については、同号中「農業機械化研究所」とあるのは「生物系特定産業技術研究推進機構」と、「第三十九条第一号」とあるのは「第十六条第一号」とする。
2 附則第二条第一項の規定により研究所が解散する時までに取得され、同項の規定により機構に承継された旧地方税法第三百四十九条の三第二十七項に規定する固定資産のうち家屋及び償却資産に対して課する固定資産税については、同項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、当該家屋及び償却資産に係る同項の規定の適用については、同項中「農業機械化研究所」とあるのは「生物系特定産業技術研究推進機構」と、「第三十九条第二号」とあるのは「第十六条第二号」とする。
3 附則第二条第一項の規定により研究所が解散する時までに取得され、同項の規定により機構に承継された旧地方税法第七百二条の二第二項に規定する家屋については、同項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、当該家屋に係る同項の規定の適用については、同項中「第三百四十八条第二項から第四項まで」とあるのは、「生物系特定産業技術研究推進機構法(昭和六十一年法律第八十二号)附則第十三条による改正前の地方税法第三百四十八条第二項及び第三項」とする。
(地方税法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十五条 地方税法等の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第十三号)の一部を次のように改正する。
附則第十条中第三項を削り、第四項を第三項とし、第五項から第十項までを一項ずつ繰り上げる。
(旧促進法等の暫定的効力等)
第十六条 研究所については、旧促進法、附則第十一条の規定による改正前の所得税法、附則第十二条の規定による改正前の法人税法、附則第十三条の規定による改正前の地方税法及び前条の規定による改正前の地方税法等の一部を改正する法律は、附則第二条第一項の規定により研究所が解散するまでの間は、なおその効力を有する。
第十七条 研究所の役員若しくは職員又は運営審議会の委員であつた者に係るその職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務については、前条の規定によりなお効力を有する旧促進法の失効後も、なお従前の例による。
2 前項の規定により従前の例によることとされる事項に係る前条の規定によりなおその効力を有する旧促進法の失効後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(大蔵省設置法の一部改正)
第十八条 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第五号の四の次に次の一号を加える。
五の五 生物系特定産業技術研究推進機構を監督すること。
第十八条中「第四条第一号」の下に「、第五号の五(酒類製造業に係る場合に限る。)」を加える。
(農林水産省設置法の一部改正)
第十九条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十三号中「及び国際協力事業団」を「、国際協力事業団及び生物系特定産業技術研究推進機構」に改める。
第十二条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。
七 生物系特定産業技術研究推進機構に関すること。(第四条第六十号に掲げるものを除く。)
(大蔵・農林水産・自治・内閣総理大臣署名)