預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律
法律第七十二号(昭六一・五・二七)
(預金保険法の一部改正)
第一条 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第一条・第二条」を「第一条―第二条」に、「第三章 預金保険(第四十九条―第五十九条)」を
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第三章 預金保険 |
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第一節 保険関係(第四十九条) |
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第二節 保険料の納付(第五十条―第五十二条) |
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第三節 保険金等の支払(第五十三条―第五十八条) |
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第四節 資金援助 |
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第一款 資金援助(第五十九条―第六十七条) |
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第二款 緊急手続(第六十八条―第八十一条) |
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第五節 補則(第八十二条・第八十三条) |
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に、「第六十条―第六十六条」を「第八十四条―第九十二条」に改める。
第一条を次のように改める。
(目的)
第一条 預金保険は、預金者等の保護を図るため、金融機関が預金等の払戻しを停止した場合に必要な保険金等の支払を行うほか、破 綻金融機関に係る合併等に対し適切な資金援助を行い、もつて信用秩序の維持に資することを目的とする。
第一条の次に次の一条を加える。
(金融機関の自主性の尊重)
第一条の二 この法律の運用に当たつては、金融機関の自主性を尊重するよう配慮しなければならない。
第二条第一項に次の一号を加える。
七 労働金庫
第二条に次の一項を加える。
4 この法律において「破 綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関をいう。
第十六条第一項中「七人」を「八人」に改める。
第二十一条第一項中「四人」を「五人」に改める。
第二十七条第一項中「三年」を「二年」に改める。
第三十四条中「行なう」を「行う」に改め、同条第一号中「次章」を「次章第二節」に、「保険」を「保険料の収納」に改め、同条第二号中「前号」を「前三号」に改め、同号を同条第四号とし、同条第一号の次に次の二号を加える。
二 次章第三節の規定による保険金及び仮払金の支払
三 次章第四節の規定による資金援助及び損失の補てん
第三十五条第一項中「及び中小企業等協同組合法」を「、中小企業等協同組合法」に、「行なう協同組合連合会」を「行う協同組合連合会及び労働金庫連合会」に改め、同条第二項中「行なう」を「行う」に改める。
第四十二条第一項中「保険金の支払に関し」を「第三十四条第二号又は第三号に掲げる業務を行うため」に改め、同条に次の一項を加える。
3 機構は、第一項の資金の借入をしたときは、その借入金を返済するため、大蔵大臣の認可を受けて、金融機関等から資金の借入れをすることができる。
第三章中第四十九条の前に次の節名を付する。
第一節 保険関係
第四十九条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同条第二項第二号中「信用金庫にあつては、」を「信用金庫又は労働金庫にあつては」に、「、解散」を「解散」に改める。
第四十九条の次に次の節名を付する。
第二節 保険料の納付
第五十条第一項中「及び信用協同組合」を「、信用協同組合又は労働金庫(以下「信用金庫等」という。)」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 機構は、次の各号に掲げる場合には、前項の規定にかかわらず、定款で定めるところにより、当該各号に定める金融機関の保険料を免除することができる。
一 保険事故が発生したとき。 当該保険事故に係る金融機関
二 第六十五条に規定する適格性の認定等が行われたとき。 当該適格性の認定等に係る破 綻金融機関
第五十一条第二項中「長期的に保険料収入が保険金を償う」を「保険金の支払、資金援助その他の機構の業務に要する費用の予想額に照らし、長期的に機構の財政が均衡する」に改め、同条第三項中「第四十二条第一項」の下に「又は第三項」を加え、「すみやかに」を「速やかに」に改める。
第五十二条の次に次の節名を付する。
第三節 保険金等の支払
第五十三条の見出しを「(保険金等の支払)」に改め、同条第三項中「第一項の」を「第一項又は前項の」に、「第五十七条第一項又は第三項」を「第五十七条第一項、第二項又は第四項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 機構は、保険事故が発生したときは、当該保険事故に係る預金者等に対し、その請求に基づいて、政令で定める金額の範囲内で政令で定めるところにより、仮払金の支払をすることができる。
第五十四条の見出しを「(保険金の額等)」に改め、同条第三項中「こえる」を「超える」に改め、同条に次の二項を加える。
4 保険事故に係る預金者等が当該保険事故について前条第三項の仮払金の支払を受けている場合におけるその者の保険金の額は、前三項の規定にかかわらず、これらの規定による金額から当該仮払金の支払を受けた額を控除した金額に相当する金額とする。
5 保険事故について保険金の支払が行われる場合に、当該保険事故に係る預金者等について支払われた前条第三項の仮払金の額が、第一項から第三項までの規定により支払われるべき保険金の額を超えるときは、その者は、その超える金額を機構に払い戻さなければならない。
第五十五条第二項中「大蔵大臣」の下に「、労働大臣」を加える。
第五十六条第一項に次の二号を加える。
三 第一種保険事故の発生した金融機関を一部の当事者とする合併又は営業(信用金庫等にあつては、事業。以下同じ。)の全部の譲渡若しくは営業の全部若しくは一部の譲受け(以下「営業譲渡等」という。)に係る第六十六条第一項の決議が得られなかつた旨の同項又は第七十四条第十一項の規定による通知があつたとき。 その通知があつた日
四 前号に掲げる場合のほか、第一種保険事故の発生した金融機関を一部の当事者とする合併又は営業譲渡等に係る第六十六条第一項の決議が得られなかつたことを機構が知つたとき。 その知つた日
第五十六条第二項中「前項」を「第一項又は前項」に、「都道府県知事の監督に係る金融機関」を「信用協同組合(一の都道府県の区域を越えない区域を地区とする信用協同組合に限る。第五十九条第二項、第六十条第二項、第六十一条第四項、第六十三条、第六十四条第三項、第六十六条第一項及び第六十八条第三項において同じ。)」に、「、大蔵大臣及び都道府県知事」を「大蔵大臣及び都道府県知事とし、当該決定が労働金庫に関するものである場合には大蔵大臣及び労働大臣とする。」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える
2 大蔵大臣は、機構が、委員会の議決を経て、前項の期限の延長を申請した場合には、一月を超えない期間を限り、同項の期限を延長することができる。
3 機構は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる日から一週間以内に、委員会の議決を経て、当該各号の保険事故につき第五十三条第三項の仮払金の支払をするかどうかを決定しなければならない。
一 保険事故に関して前条の規定による通知があつたとき。 その通知があつた日
二 前号に掲げる場合のほか、保険事故が発生したことを機構が知つたとき。 その知つた日
三 第一種保険事故の発生した金融機関を一部の当事者とする合併又は営業譲渡等に係る第六十六条第一項の決議が得られなかつた旨の同項又は第七十四条第十一項の規定による通知があつたとき。 その通知があつた日
四 前号に掲げる場合のほか、第一種保険事故の発生した金融機関を一部の当事者とする合併又は営業譲渡等に係る第六十六条第一項の決議が得られなかつたことを機構が知つたとき。 その知つた日
第五十七条第一項中「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第四項中「前条第二項」を「前条第四項」に改め、「第一項」の下に「又は第二項」を加え、「及び第二項」を「及び第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 機構は、前条第三項の規定により第五十三条第三項の仮払金の支払をする旨の決定をしたときは、速やかに、委員会の議決を経て当該仮払金の支払期間、支払場所その他政令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。
第五十八条中「除く」の下に「。次項において同じ」を加え、同条に次の一項を加える。
2 機構は、第五十三条第三項の仮払金の支払をしたときは、その支払金額(第五十四条第五項の規定により機構に払い戻されるべき金額を除く。)に応じ、預金者等が金融機関に対して有する当該預金等に係る債権を取得する。
第六十六条中「一万円」を「十万円」に改め、同条を第九十二条とする。
第六十五条を削る。
第六十四条中「三万円」を「十万円」に改め、同条第三号中「行なつた」を「行つた」に改め、同条を第九十一条とする。
第六十三条を第八十九条とし、同条の次に次の一条を加える。
第九十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした金融機関等の取締役又は理事(第七十一条第一項ただし書の規定によりいまだ合併を行つていないものとみなされる存続金融機関の取締役又は理事及びなお存続しているものとみなされる消滅金融機関の取締役又は理事を含む。)は、百万円以下の過料に処する。
一 第七十条第一項の規定に違反して、緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等を行うことを拒み、又は妨げたとき。
二 第七十条第二項の規定又は同条第三項において準用する商法第四百十四条第二項の規定による登記を怠つたとき。
三 この法律に定める公告、報告、通知若しくは催告をすることを怠り、又は不正の公告、報告若しくは通知をしたとき。
四 第七十三条第四項の規定による弁済又は担保の提供若しくは財産の信託を怠つたとき。
五 第七十四条第九項の規定又は同条第十項において準用する商法第四百八条ノ二第二項の規定に違反して、第七十四条第九項に規定する書類を備えて置かず、正当な理由がないのにその閲覧を拒み、又はその謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき。
第六十二条中「三万円」を「三十万円」に改め、同条を第八十八条とする。
第六十一条中「五万円」を「五十万円」に改め、同条第二号中「第五十六条第二項(第五十七条第四項」を「第五十六条第四項(第五十七条第五項」に改め、「含む。)」の下に「又は第六十四条第三項」を加え、同条を第八十七条とする。
第六十条中「五万円」を「五十万円」に改め、第四章中同条を第八十四条とし、同条の次に次の二条を加える。
第八十五条 次に掲げる事項に関し不正の請託を受けて財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第六十九条第六項に規定する異議の申出
二 銀行等の合併に係る第八十条第一項において準用する商法第百四条第一項に規定する訴えの提起
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。
第八十六条 前条第一項の場合において、収受した財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第五十九条中「保険」を「預金保険」に改め、同条を第八十二条とし、第三章中同条の次に次の一条を加える。
(権限の委任)
第八十三条 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、この章の規定による権限の一部を財務局長又は財務支局長に行わせることができる。
第五十八条の次に次の一節及び節名を加える。
第四節 資金援助
第一款 資金援助
(資金援助の申込み)
第五十九条 合併等を行う金融機関で破 綻金融機関でない者(以下「救済金融機関」という。)は、機構が、合併等を援助するため、金銭の贈与、資金の貸付け若しくは預入れ、資産の買取り又は債務の保証若しくは引受け(以下「資金援助」という。)を行うことを、横構に申し込むことができる。
2 前項の規定による申込みを行つた金融機関は、速やかに、その旨を大蔵大臣(信用協同組合にあつては大蔵大臣及び都道府県知事とし、労働金庫にあつては大蔵大臣及び労働大臣とする。)に報告しなければならない。
3 第一項の「合併等」とは、次に掲げるものをいう。
一 破 綻金融機関と合併する金融機関が存続する合併
二 営業譲渡等で破 綻金融機関がその営業の全部を他の金融機関に譲渡するもの
三 破 綻金融機関の株式の他の金融機関による取得で当該破 綻金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な事項として大蔵大臣が定めるものを実施するために行うもの
第六十条 大蔵大臣の指定する金融機関等で前条第三項に規定する合併等(以下「合併等」という。)を援助するため救済金融機関に対し資金の貸付けその他の政令で定める行為を行うものは、機構が資金援助(金銭の贈与、資産の買取り及び債務の引受けを除く。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の規定による申込みを行つた金融機関等は、速やかに、その旨を大蔵大臣(信用協同組合にあつては大蔵大臣及び都道府県知事とし、労働金庫又は労働金庫連合会にあつては大蔵大臣及び労働大臣とする。)に報告しなければならない。
(適格性の認定)
第六十一条 第五十九条第一項又は前条第一項の規定による申込みに係る合併等については、当該合併等に係る金融機関は、これらの規定による申込みが行われる時までに、当該合併等について、大蔵大臣の認定を受けなければならない。
2 前項の認定の申請は、同項の金融機関の連名で行わなければならない。
3 大蔵大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第一項の認定を行うことができる。
一 当該合併等が行われることが、預金者等の保護に資すること。
二 機構による資金援助が行われることが、当該合併等を行うために不可欠であること。
三 当該合併等に係る破 綻金融機関について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該破 綻金融機関が業務を行つている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
4 大蔵大臣は、信用協同組合に対し第一項の認定を行うときは、都道府県知事に協議し、労働金庫に対し同項の認定を行うときは、労働大臣の同意を得なければならない。
5 大蔵大臣は、第一項の認定を行うときは、当該認定に係る金融機関のうち、いずれが破 綻金融機関であるかを明らかにしなければならない。
6 大蔵大臣は、第一項の認定を行つたときは、その旨を機構に通知しなければならない。
(合併等のあつせん)
第六十二条 大蔵大臣は、前条第二項の申請が行われない場合においても、金融機関が破 綻金融機関に該当し、かつ、当該破 綻金融機関が同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該破 綻金融機関及び他の金融機関に対し、書面により、合併等(当該合併等が行われることが預金者等の保護に資するものであり、かつ、機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
2 前項のあつせんを受けた同項の他の金融機関は、前条第一項の規定にかかわらず、第五十九条第一項の規定による申込みを行うことができる。
3 第六十条第一項に規定する大蔵大臣の指定する金融機関等で、第一項のあつせんを受けた同項の他の金融機関に対し合併等を援助するため同条第一項に規定する資金の貸付けその他の政令で定める行為を行うものは、前条第一項の規定にかかわらず、第六十条第一項の規定による申込みを行うことができる。
4 前条第四項から第六項までの規定は、第一項のあつせんを行う場合について準用する。
(破 綻金融機関が信用協同組合である場合の特例)
第六十三条 破 綻金融機関が信用協同組合である場合には、第六十一条第二項の申請は、都道府県知事を経由して行わなければならない。
2 都道府県知事は、前項の場合において、信用協同組合が同項の申請に係る合併又は事業の全部の譲渡を行うこと及び当該合併又は事業の全部の譲渡について機構による資金援助が行われることが適当であると認めるときは、大蔵大臣に対し、第六十一条第一項の認定を行うことを要請することができる。
3 都道府県知事は、信用協同組合が破 綻金融機関に該当し、かつ、当該信用協同組合が第五十九条第三項第一号に掲げる合併又は他の金融機関に対する事業の全部の譲渡を行うこと及び当該合併又は当該事業の全部の譲渡について機構による資金援助が行われることが適当であると認めるときは、大蔵大臣に対し、前条第一項のあつせんを行うことを要請することができる。
4 大蔵大臣は、前二項の規定による要請を受けた場合に限り、信用協同組合が破 綻金融機関である合併又は事業の全部の譲渡に係る第六十一条第一項の認定又は前条第一項のあつせんを行うことができる。
5 第二項又は第三項の規定による要請があつたときは、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第七条第一項に規定する都道府県知事の要請があつたものとみなす。
6 大蔵大臣は、第二項の規定による要請があつたときは、当該要請を行つた都道府県知事に係る第六十一条第四項の規定による都道府県知事との協議を行うことを要しない。
(資金援助)
第六十四条 機構は、第五十九条第一項又は第六十条第一項の規定による申込みがあつたときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みを行つた金融機関等に対する資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 委員会は、前項の議決を行う場合には、機構の財務の状況並びに当該議決に係る資金援助に要すると見込まれる費用及び当該資金援助に係る破 綻金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用を考慮し、機構の資産の効率的な利用に配意しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を大蔵大臣(当該決定が信用協同組合を当事者とする合併等に係るものである場合には大蔵大臣及び都道府県知事とし、当該決定が労働金庫を当事者とする合併等に係るものである場合には大蔵大臣及び労働大臣とする。)に報告しなければならない。
4 機構は、第一項の規定による資金援助を行う旨の決定をしたときは、同項に規定する金融機関等に対する資金援助に関する契約を締結するものとする。
(合併等の契約の報告等)
第六十五条 第六十一条第一項の認定又は第六十二条第一項のあつせん(以下「適格性の認定等」という。)を受けた金融機関は、当該適格性の認定等に係る合併等の契約を締結したときは、直ちに、大蔵大臣(労働金庫にあつては、大蔵大臣及び労働大臣。第六十八条、第六十九条第一項及び第六項、第七十条第一項、第七十三条第六項、第七十四条第四項並びに第七十九条第一項及び第三項において同じ。)に、その旨を報告し、かつ、当該合併等の契約書(救済金融機関にあつては、当該合併等の契約書及び当該合併等に係る資金援助に関する契約の内容を記載した書面)を提出しなければならない。
(株主総会等の決議の報告等)
第六十六条 適格性の認定等を受けた金融機関は、この法律若しくは商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の規定又は定款の定めに基づき合併又は営業譲渡等について株主総会等の決議を心要とする場合において、当該適格性の認定等に係る合併又は営業譲渡等についての決議を得たとき又は得られなかつたときは、直ちに、大蔵大臣(信用協同組合にあつては大蔵大臣及び都道府県知事とし、労働金庫にあつては大蔵大臣及び労働大臣とする。第七十四条第十一項において同じ。)に、その旨を報告し、かつ、当該株主総会等の議事録を提出し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
2 前項の「株主総会等」とは、第二条第一項第一号から第四号までに掲げる金融機関(以下「銀行等」という。)にあつては株主総会(金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号)第七条第三項に規定する場合にあつては、株主総会及び同項の特定株主総会)を、信用金庫等にあつては総会又は総代会をいう。
(業務の継続の特例)
第六十七条 適格性の認定等を受けた救済金融機関は、その営業に関する法令により行うことができない業務に属する契約又は制限されている契約に係る権利義務(金融機関の合併及び転換に関する法律第十七条の規定により継続することができる業務に係るものを除く。)を当該適格性の認定等に係る合併又は営業の全部若しくは一部の譲受けにより承継した場合には、これらの契約のうち、期限の定めのあるものについては期限満了まで、期限の定めのないものについては承継の日から一年以内の期間に限り、これらの契約に関する業務を継続することができる。
2 外国為替業務又は信託業務を営む金融機関が破 綻金融機関である場合において、救済金融機関がこれらの業務を営むことができない金融機関であるときは、前項の規定は、当該外国為替業務又は信託業務(これらの付随業務を含む。)については適用しない。
第二款 緊急手続
(緊急性の認定)
第六十八条 大蔵大臣は、第六十五条の規定による報告を受けた場合において、当該報告に係る合併(金融機関の合併及び転換に関する法律第三条第二号から第四号までの規定によるものを除く。)又は営業譲渡等を緊急に行わなければ機構の資金援助による預金者等の保護に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該合併又は営業譲渡等を緊急に行う必要がある旨の認定(以下「緊急性の認定」という。)を行うとともに、当該合併又は営業譲渡等を行うべき期限を定めるものとする。
2 大蔵大臣は、緊急性の認定を行つた場合には、その旨及び当該緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等を行うべき期限を、当該合併又は営業譲渡等の当事者となる全部の金融機関に対し、通知するものとする。
3 大蔵大臣は、信用協同組合を当事者とする合併又は営業譲渡等について緊急性の認定を行うときは、都道府県知事に協議しなければならない。
(株主等の異議の申出等)
第六十九条 大蔵大臣は、緊急性の認定を行おうとするときは、あらかじめ、当認緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等の当事者となる金融機関(営業の一部を譲り受ける銀行等で定款に当該営業の一部の譲受けにつき株主総会の決議を要する旨の定めがないものを除く。)の株主(信用金庫にあつては会員とし、信用協同組合にあつては組合員とし、労働金庫にあつては労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第十三条第一項に規定する個人会員(第六項において「個人会員」という。)を除く会員とする。)は一定の期間内に当該合併又は営業譲渡等について異議を申し出ることができる旨を公告し、当該公告をした旨を当該金融機関に通知しなければならない。
2 前項の期間は、一週間を下つてはならない。
3 大蔵大臣は、銀行等の株主に対し第一項の規定による公告をするときは、法務大臣の同意を得なければならない。
4 第一項の規定による通知を受けた金融機関の取締役又は理事は、当該通知に係る合併又は営業譲渡等の当事者となる各金融機関の貸借対照表(救済金融機関にあつては、当該各金融機関の貸借対照表及び当該合併又は営業譲渡等に係る資金援助に関する契約の内容を記載した書面)及び当該合併又は営業譲渡等の契約書を本店又は主たる事務所に備えて置かなければならない。
5 商法第四百八条ノ二第二項の規定は、前項の場合について準用する。
6 大蔵大臣は、第一項の規定による公告に係る金融機関の発行済株式の総数の百分の二十以上に当たる株式の数を保有する株主又は総会員(信用協同組合にあつては総組合員とし、労働金庫にあつては個人会員を除く。)の百分の二十以上の会員(信用協同組合にあつては組合員とし、労働金庫にあつては個人会員を除く。)が、異議の申出をしたときは、緊急性の認定を行うことができない。
(合併又は営業譲渡等の実施)
第七十条 緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等の当事者である金融機関(以下「緊急性の認定に係る金融機関」という。)は、第六十八条第一項の規定により大蔵大臣が定める期限までに、当該合併又は営業譲渡等を行わなければならない。
2 緊急性の認定に係る金融機関が合併を行うときは、合併後存続する金融機関(以下「存続金融機関」という。)については変更の登記を、合併により消滅する金融機関(以下「消滅金融機関」という。)については解散の登記をしなければならない。
3 商法第四百十四条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
4 第二項の登記の申請書に添付すべき書類については、政令で定める。
(合併の効力発生及び効果)
第七十一条 緊急性の認定に係る金融機関の合併は、存続金融機関が、その本店又は主たる事務所の所在地において、合併による変更の登記をすることによつてその効力を生ずる。ただし、第七十四条及び第七十六条の規定に係る手続を行うために必要な範囲内において、存続金融機関はいまだ合併を行つていないものとみなし、消滅金融機関はなお存続しているものとみなす。この場合において、当該手続に必要な費用は、存続金融機関が負担しなければならない。
2 存続金融機関は、消滅金融機関の権利義務を承継する。
(信用金庫等の特例)
第七十二条 緊急性の認定に係る信用金庫等の合併が行われた場合には、消滅金融機関の地区、会員若しくは組合員又は事務所は、当該信用金庫等の定款の定めにかかわらず、政令で定める期間に限り、当該信用金庫等の地区、会員若しくは組合員又は事務所とみなす。
2 信用金庫等は、当該信用金庫等の定款の定めにより行うことができない業務を緊急性の認定に係る事業の全部又は一部の譲受けにより承継した場合には、当該定款の定めにかかわらず、政令で定める期間に限り、当該業務を継続することができる。
3 緊急性の認定に係る信用金庫等の合併が行われた場合には、当該合併後存続する信用金庫等の会員又は組合員は、政令で定める期間に限り、その持分を譲渡することができない。
(債権者の異議)
第七十三条 存続金融機関又は緊急性の認定に係る営業の全部若しくは一部の譲受けを行つた金融機関は、合併又は営業の全部若しくは一部の譲受けを行つたときは、直ちに、合併又は営業譲渡等に異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月以上四十五日以内としなければならない。
3 債権者が第一項の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該合併又は営業譲渡等を承認したものとみなす。
4 債権者が第一項の期間内に異議を述べたときは、当該金融機関は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む他の金融機関若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。
5 第一項の規定により行う公告は、官報及び時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載してしなければならない。
6 第一項の金融機関は、同項及び第四項の手続を終了したときは、政令で定めるところにより、速やかに、その旨を大蔵大臣に報告しなければならない。
(株主総会等の承認)
第七十四条 緊急性の認定に係る金融機関(営業の一部を譲り受けた銀行等及び事業の全部又は一部を譲り受けた信用協同組合で定款に当該営業の譲受けにつき第六十六条第二項に規定する株主総会等(以下この項において「株主総会等」という。)の決議を要する旨の定めがないものを除く。以下この条において同じ。)は、合併又は営業譲渡等を行つた日から四十五日以内に合併又は営業譲渡等について株主総会等の承認の決議を得なければならない。
2 銀行等における前項の承認の決議については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める決議の場合の例による。
一 合併又は営業の全部の譲渡若しくは譲受けについての承認(次号に掲げる場合を除く。)商法第三百四十三条の決議
二 存続金融機関の定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めがあり消滅金融機関の定款にその定めがない場合における当該消滅金融機関の合併についての承認 商法第三百四十八条第一項の決議
三 営業の一部の譲受けについての承認 定款の定めによる決議
3 信用金庫等における第一項の承認の決議については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める決議の場合の例による。
一 合併又は事業の全部の譲渡についての承認 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第四十八条、中小企業等協同組合法第五十三条又は労働金庫法第五十三条の決議
二 信用金庫又は労働金庫の事業の全部又は一部の譲受けについての承認(次号に掲げる場合を除く。)信用金庫法第四十七条第一項又は労働金庫法第五十二条第一項の決議
三 信用金庫若しくは労働金庫の定款に事業の全部若しくは一部の譲受けの決議につき特別の定めがある場合又は信用協同組合の定款に事業の全部若しくは一部の譲受けにつき総会若しくは総代会の決議を要する旨の定めがある場合における当該信用金庫等の事業の全部又は一部の譲受けについての承認 当該定款の定めによる決議
4 大蔵大臣は、災害その他やむを得ない理由により、金融機関が第一項に規定する期限までに同項の承認の決議を得ることができないと認めるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から四十五日以内に限り、当該期限を延長することができる。
5 銀行等は、第一項の承認の決議を行う場合には、商法第二百三十二条の規定による通知及び公告において、合併又は営業譲渡等の契約書(存続金融機関又は営業の全部若しくは一部を譲り受けた銀行等にあつては、合併又は営業譲渡等の契約書及び資金援助に関する契約書)の要領をも示さなければならない。
6 商法第三百五十条及び第四百八条第五項の規定は、第二項第二号に掲げる場合について準用する。
7 信用金庫等が第一項の承認の決議を行う場合には、同項の総会又は総代会の招集は、合併又は営業譲渡等の契約書(存続金融機関又は事業の全部若しくは一部を譲り受けた信用金庫等にあつては、合併又は営業譲渡等の契約書及び資金援助に関する契約書)の要領をも示してしなければならない。
8 合併後存続する信用金庫等は、当該合併について第一項の承認の決議を得たときは、併せて、総会又は総代会において当該合併に必要な事項に関し定款を変更することができる。
9 緊急性の認定に係る金融機関の取締役又は理事は、第一項の株主総会等の会日の二週間前から、合併又は営業譲渡等を行つた各金融機関の貸借対照表(存続金融機関又は営業の全部若しくは一部を譲り受けた金融機関にあつては、当該各金融機関の貸借対照表及び資金援助に関する契約の内容を記載した書面)を本店又は主たる事務所に備えて置かなければならない。
10 商法第四百八条ノ二第二項の規定は、前項の場合について準用する。
11 緊急性の認定に係る金融機関は、第一項に規定する期限(当該期限が第四項の規定により延長された場合には、その延長後の期限)までに、第一項の承認の決議を得られなかつたときは、直ちに、その旨を大蔵大臣に報告し、かつ、機構に通知しなければならない。
(事業の全部の譲渡を行つた信用金庫又は労働金庫の解散)
第七十五条 緊急性の認定に係る事業の全部の譲渡を行つた信用金庫又は労働金庫は、第七十三条の手続が終了し、かつ、当該事業の全部の譲渡に係る当事者である金融機関の全部の前条第一項の承認の決議が得られることにより解散する。
(株券の提出等)
第七十六条 緊急性の認定に係る合併で当該合併により株式の併合があつたものを行つた銀行等は、当該合併の当事者である銀行等の全部の第七十四条第一項の承認の決議が得られたときは、直ちに、株式の併合があつた旨、一定の期間内に株券及び端株券を当該銀行等に提出すべき旨並びに第三項において準用する商法第二百九十三条ノ三ノ三第二項の規定による定めがあるときはその内容を公告し、かつ、株主及び株主名簿に記載のある質権者には各別にこれを通知しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 商法第二百九十三条ノ三ノ三第二項の規定は、第一項の手続について準用する。
(合併に反対する株主の株式買取請求権)
第七十七条 緊急性の認定に係る合併で当該合併の当事者である銀行等の全部の第七十四条第一項の承認の決議が得られたものを行つた銀行等の株主で、同項の株主総会に先だつて当該銀行等に対し書面をもつて合併に反対の意思を通知し、かつ、当該株主総会において合併の承認に反対したものは、存続金融機関に対し、その者の所有する株式を、合併がなかつたならばその株式又はその者の所有していた消滅金融機関の株式の有していたであろう公正な価格で買い取るべき旨の請求をすることができる。
2 商法第二百四十五条ノ三及び第二百四十五条ノ四後段並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百二十六条第一項及び第百三十二条ノ六の規定は、前項の請求について準用する。
3 第一項の規定による株式の買取りは、商法第二百十条第四号の買取りとみなす。
(営業譲渡等に反対する株主の株式買取請求権)
第七十八条 緊急性の認定に係る営業譲渡等で当該営業譲渡等の当事者である銀行等の全部の第七十四条第一項の承認の決議が得られたものを行つた銀行等(営業の一部を譲り受けたものを除く。)の株主で、同項の株主総会に先だつて当該銀行等に対し書面をもつて営業譲渡等に反対の意思を通知し、かつ、当該株主総会において営業譲渡等の承認に反対したものは、当該銀行等に対し、その者の所有する株式を、営業譲渡等がなかつたならばその株式の有していたであろう公正な価格で買い取るべき旨の請求をすることができる。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
(承認の決議を得られなかつた場合の合併又は営業譲渡等の効力等)
第七十九条 大蔵大臣は、緊急性の認定に係る金融機関から第六十六条第一項の決議が得られなかつた旨の同項若しくは第七十四条第十一項の規定による報告があつたとき又は同項に規定する期限までに同条第一項の承認の決議が得られなかつたことを知つたときは、当該決議が得られなかつた旨を公告しなければならない。
2 合併についての前項の規定による公告がされたときは、当該合併は合併の時にさかのぼつて効力を失う。ただし、存続金融機関、その株主(信用金庫又は労働金庫にあつては会員とし、信用協同組合にあつては組合員とする。)及び第三者の間に生じた権利義務に影響を及ぼさない。
3 大蔵大臣は、合併についての第一項の規定による公告をしたときは、存続金融機関については変更の登記を、消滅金融機関については回復の登記を各金融機関の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地の登記所に嘱託するものとする。
4 営業譲渡等についての第一項の規定による公告がされたときは、当該営業譲渡等は営業譲渡等の時にさかのぼつて効力を失う。ただし、営業の全部又は一部を譲り受けた金融機関及び第三者の間に生じた権利義務に影響を及ぼさない。
5 第二項又は前項の規定により合併又は営業譲渡等が効力を失つたときは、破 綻金融機関の債務及び財産については、当該合併又は営業譲渡等が行われた時における当該破 綻金融機関の債務及び財産の状況に回復するものとする。ただし、合併又は営業譲渡等の時において破 綻金融機関が負担していた債務の額が第一項の規定による公告がされるまでの間に減少したときは、その減少した額について、救済金融機関は破 綻金融機関に対し債権を取得する。
6 機構は、第二項又は第四項の規定により合併又は営業譲渡等が効力を失つたときは、これにより救済金融機関が被つた損失を補てんするものとする。
(商法等の準用)
第八十条 緊急性の認定に係る合併については、商法第百四条(銀行等にあつては、同条第一項及び第三項に限る。)、第百五条、第百六条及び第百八条から第百十一条まで並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項、第百三十五条ノ七、第百三十五条ノ八及び第百四十条の規定を準用する。この場合において、商法第百五条第一項中「合併ノ日」とあるのは、「預金保険法第七十四条第一項ニ規定スル期限(当該期限ガ同条第四項ノ規定ニ依リ延長セラレタル場合ニハ其ノ延長後ノ期限)」と読み替えるものとする。
2 緊急性の認定に係る合併で存続金融機関が銀行等であるものについては、商法第二百九十三条ノ三ノ四第三項及び第四項、第二百九十三条ノ三ノ五、第二百九十三条ノ三ノ六並びに第四百十二条第一項並びに非訟事件手続法第百三十二条ノ三の規定を準用する。この場合において、同項中「第百条」とあるのは「預金保険法第七十三条」と、「第二百九十三条ノ三ノ六」とあるのは「同法第八十条第二項ニ於テ準用スル商法第二百九十三条ノ三ノ六」と、「第三百五十条第一項」とあるのは「預金保険法第七十四条第六項ニ於テ準用スル商法第三百五十条第一項」と読み替えるものとする。
3 緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等で信用金庫又は労働金庫を当事者とするものについては、信用金庫法第五十八条第三項又は労働金庫法第六十二条第三項の規定を準用する。
(商法等の適用除外)
第八十一条 緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等については、緊急性の認定を受けた後は、商法第二百四十五条から第二百四十五条ノ三まで、第二百四十五条ノ四後段、第四百八条から第四百八条ノ三まで、第四百十二条、第四百十四条並びに第四百十六条第一項から第三項まで及び第五項、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第九十条、銀行法第三十三条(相互銀行法第十四条において準用する場合を含む。)、第三十四条(長期信用銀行法第十七条、外国為替銀行法第十一条及び相互銀行法第十四条において準用する場合を含む。)及び第三十五条(長期信用銀行法第十七条、外国為替銀行法第十一条、相互銀行法第十四条、信用金庫法第八十九条及び労働金庫法第九十四条において準用する場合を含む。)、長期信用銀行法第十四条、外国為替銀行法第九条の八、信用金庫法第五十条第六項、第五十条の二、第五十八条第一項から第三項まで及び第五項、第六十条、第六十一条、第六十三条(第五号に係る部分に限る。)、第七十一条、第七十七条第二項及び第三項並びに第八十三条、中小企業等協同組合法第五十七条の三第一項及び第四項、第六十三条第一項及び第二項、第六十五条、第六十六条、第八十九条、第九十五条第二項及び第三項並びに第百一条並びに労働金庫法第六十二条第一項から第三項まで及び第五項、第六十四条、第六十五条、第六十七条(第五号に係る部分に限る。)、第七十五条、第八十一条第二項及び第三項並びに第八十七条の規定は、適用しない。
第五節 補則
(準備預金制度に関する法律の一部改正)
第二条 準備預金制度に関する法律(昭和三十二年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第五項中「残高」の下に「、指定勘定区分額」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項中「こえる」を「超える」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 この法律において「指定勘定区分額」とは、指定金融機関の各指定勘定の残高を政令で定めるところにより区分したそれぞれの金額をいう。
第五条に次の一項を加える。
2 日本銀行は、一の指定金融機関の一の指定勘定につき指定勘定の残高に係る準備率と指定勘定区分額に係る準備率とをともに設定することはできない。
第七条第一項中「残高」の下に「、指定勘定区分額」を加え、同条第二項中「つき指定勘定の残高」の下に「又は指定勘定区分額」を、「除いた金額」の下に「とし、当該指定勘定区分額に係る準備率を乗ずべき金額は、政令で定めるところにより、同項に規定する毎日の終業時における当該指定勘定に係る指定勘定区分額から指定勘定増加額を除いた金額」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して、三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(労働金庫に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に現に第一条の規定による改正後の預金保険法(以下「改正後の預金保険法」という。)第四十九条第二項に規定する保険事故が発生している労働金庫その他これに準ずるものとして政令で定める労働金庫については、改正後の預金保険法の規定は、適用しない。
2 前項に規定する労働金庫のうち、この法律の施行後にその業務及び財産の状況が再び正常になつたと認められるもので、大蔵大臣が指定するものについては、その指定の日から、改正後の預金保険法の規定を適用する。
第三条 労働金庫は、改正後の預金保険法第五十条第一項の規定にかかわらず、施行日から起算して一月以内に、施行日を含む事業年度において納付すべき保険料を納付しなければならない。
第四条 預金保険機構(以下この条及び次条において「機構」という。)は、施行日を含む事業年度から施行日から起算して四年を経過する日を含む事業年度までの間については、改正後の預金保険法第五十一条の規定にかかわらず、各労働金庫が納付すべき保険料の額を運営委員会の議決を経て定めることができる。
2 前項の保険料の額は、特定の労働金庫に対し差別的取扱いをしないように定められなければならない。
3 機構は、第一項の保険料の額を定めようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
4 機構は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、その認可に係る保険料の額を各労働金庫に通知しなければならない。
(理事又は監事の任期に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に機構の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(法務・大蔵・労働・内閣総理大臣署名)