安全保障会議設置法
法律第七十一号(昭六一・五・二七)
(設置)
第一条 国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項を審議する機関として、内閣に、安全保障会議(以下「会議」という。)を置く。
(内閣総理大臣の諮問等)
第二条 内閣総理大臣は、次の事項については、会議に諮らなければならない。
一 国防の基本方針
二 防衛計画の大綱
三 前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱
四 防衛出動の可否
五 その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項
2 内閣総理大臣は、重大緊急事態(前項の規定により国防に関する重要事項としてその対処措置につき諮るべき事態以外の緊急事態であつて、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、通常の緊急事態対処体制によつては適切に対処することが困難な事態をいう。以下同じ。)が発生した場合において、必要があると認めるときは、当該重大緊急事態への対処措置について会議に諮るものとする。
3 前二項に定める場合のほか、会議は、国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項につき、必要に応じ、内閣総理大臣に対し、意見を述べることができる。
(組織)
第三条 会議は、議長及び第五条各号に掲げる議員で組織する。
(議長)
第四条 議長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
2 議長は、会務を総理する。
3 議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、次条第一号に掲げる者である議員がその職務を代理する。
(議員)
第五条 議員は、次に掲げる者をもつて充てる。
一 内閣法(昭和二十二年法律第五号)第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣
二 外務大臣
三 大蔵大臣
四 内閣官房長官
五 国家公安委員会委員長
六 防衛庁長官
七 経済企画庁長官
(服務)
第六条 議長及び議員は、非常勤とする。
2 議長及び議員並びに議長又は議員であつた者は、その職務に関して知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない。
(関係国務大臣等の出席)
第七条 議長は、必要があると認めるときは、関係の国務大臣、統合幕僚会議議長その他の関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。
(議事)
第八条 会議の議事に関し必要な事項は、議長が会議の議を経て定める。
(事務)
第九条 会議に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣審議官がつかさどる。
(主任の大臣)
第十条 会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
(委任規定)
第十一条 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和六十一年七月一日から施行する。
(国防会議の構成等に関する法律の廃止)
2 国防会議の構成等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十六号)は、廃止する。
(防衛庁設置法の一部改正)
3 防衛庁設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 国防会議(第六十二条・第六十三条)」を削る。
第一条中「とともに、国防会議の設置について定める」を削る。
第三章を削る。
(行政機関の職員の定員に関する法律の一部改正)
4 行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「、内閣法制局及び国防会議事務局」を「及び内閣法制局」に改める。
(恩給法の一部改正)
5 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第二十条第二項第二号中「、国防会議事務局長」を削り、同項第三号中「、法制局事務官若ハ国防会議事務局事務官」を「若ハ法制局事務官」に改める。
(恩給法の一部改正に伴う経過措置)
6 従前の規定による国防会議事務局長及び国防会議事務局事務官については、前項の規定による改正後の恩給法第二十条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(内閣総理・法務・外務・大蔵・文部・厚生・農林水産・通商産業・
運輸・郵政・労働・建設・自治大臣署名)