著作権法の一部を改正する法律
法律第六十四号(昭六一・五・二三)
著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第九条」を「第九条の二」に、
「 |
第五節 保護期間(第百一条) |
|
第六節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録(第百二条─第百四条) |
」 |
を
「 |
第五節 有線放送事業者の権利(第百条の二―第百条の四) |
|
第六節 保護期間(第百一条) |
||
第七節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録(第百二条─第百四条) |
」 |
に改める。
第一条中「及び放送」を「、放送及び有線放送」に改める。
第二条第一項第九号の次に次の二号を加える。
九の二 有線放送 有線送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行うものをいう。
九の三 有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。
第二条第一項第十号の二の次に次の一号を加える。
十の三 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
第二条第一項第十五号中「又は放送」を「、放送又は有線放送」に改め、同項第十七号中「有線放送」を「有線送信」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第七項中「有線放送」を「有線送信」に改め、同条第九項中「第一項第八号」の下に「、第九号の二」を加える。
第四条第一項及び第二項中「有線放送」を「有線送信」に改め、同条第四項中「若しくは第二項」を「、第二項若しくは前項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 第十二条の二第一項に規定する著作物は、第二十三条第一項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて、公衆からの求めに応じ有線送信の方法で公衆に提示される状態に置かれた場合には、公表されたものとみなす。
第七条に次の一号を加える。
四 第九条の二各号に掲げる有線放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
第一章第二節中第九条の次に次の一条を加える。
(保護を受ける有線放送)
第九条の二 有線放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一 日本国民である有線放送事業者の有線放送(放送を受信して行うものを除く。次号において同じ。)
二 国内にある有線放送設備から行われる有線放送
第十二条第一項中「編集物」の下に「(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(データベースの著作物)
第十二条の二 データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
2 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
第二十三条の見出し中「有線放送権等」を「有線送信権等」に改め、同条第一項中「有線放送する」を「有線送信する」に改め、同条第二項中「有線放送される」を「有線送信される」に改める。
第二十九条第一項中「又は次項」を「、次項又は第三項」に改め、同条に次の一項を加える。
3 専ら有線放送事業者が有線放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該有線放送事業者に帰属する。
一 その著作物を有線放送する権利及び有線放送されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利
二 その著作物を複製し、又はその複製物により有線放送事業者に頒布する権利
第三十四条の見出し中「放送」を「放送等」に改め、同条第一項中「学校向けの放送番組」の下に「又は有線放送番組」を、「放送し」の下に「、又は有線放送し」を、「当該放送番組用」の下に「又は有線放送番組用」を加える。
第三十八条第一項中「若しくは上映し、又は有線放送する」を「又は上映する」に、「、上映又は有線放送」を「又は上映」に改め、同条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送することができる。
第四十四条の見出し中「放送事業者」を「放送事業者等」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「放送」を「放送又は有線放送」に、「こえて」を「超えて」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 有線放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
第四十九条第一項第一号中「第四十四条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同項第二号中「第四十四条第二項」を「第四十四条第三項」に改め、「放送事業者」の下に「又は有線放送事業者」を加える。
第六十三条第四項中「放送」の下に「又は有線放送」を加える。
第六十八条第二項中「第三十八条第一項及び第二項」を「第三十八条第二項及び第三項」に改める。
第八十九条第五項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 有線放送事業者は、第百条の二から第百条の四までに規定する権利を享有する。
第九十二条の見出し中「有線放送権」を「有線送信権」に改め、同条第一項及び第二項第二号中「有線放送する」を「有線送信する」に改める。
第九十五条第一項中「音楽の提供を主たる目的とする有線放送を業として行なう者」を「有線放送事業者」に、「行なつた」を「行つた」に、「当該放送を受信して再放送」を「当該放送又は有線放送を受信して放送」に改める。
第九十七条第一項中「当該放送を受信して再放送」を「当該放送又は有線放送を受信して放送」に改める。
第百二条第一項中「第三十八条第一項及び第三項」を「第三十八条第二項及び第四項」に、「第四十四条」を「第四十四条(第二項を除く。)」に、「又は放送」を「、放送又は有線放送」に、「準用する」を「準用し、同条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する」に、「同条」を「同条第一項」に、「、「第九十二条第一項又は第九十九条第一項」を「「第九十二条第一項、第九十九条第一項又は第百条の三」と、第四十四条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項又は第百条の三」に改め、同条第二項中「放送」の下に「若しくは有線放送」を加え、同条第三項中「放送する」を「放送し、又は有線放送する」に改め、「の放送」の下に「又は有線放送」を加え、同条第四項中「又は第九十八条」を「、第九十八条又は第百条の二」に改め、同項第一号中「第四十四条第一項」の下に「若しくは第二項」を、「放送」の下に「若しくは有線放送」を加え、同項第二号中「第四十四条第二項」を「第四十四条第三項」に改め、「放送事業者」の下に「又は有線放送事業者」を加える。
第百三条中「又は放送」を「、放送又は有線放送」に改める。
第四章第六節を同章第七節とする。
第百一条の見出し中「又は放送」を「、放送又は有線放送」に改め、同条中「行なわれた」を「行われた」に改め、同条に次の一号を加える。
四 有線放送に関しては、その有線放送を行つた時
第四章中第五節を第六節とし、第四節の次に次の一節を加える。
第五節 有線放送事業者の権利
(複製権)
第百条の二 有線放送事業者は、その有線放送を受信して、その有線放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。
(放送権及び再有線放送権)
第百条の三 有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを放送し、又は再有線放送する権利を専有する。
(有線テレビジョン放送の伝達権)
第百条の四 有線放送事業者は、その有線テレビジョン放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその有線放送を公に伝達する権利を専有する。
附則第十四条中「有線放送」を「有線送信」に、「行なわれる」を「行われる」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和六十二年一月一日から施行する。
(有線放送のための映画の著作物の著作権の帰属についての経過措置)
2 この法律の施行前に創作された改正後の著作権法第二十九条第三項に規定する映画の著作物の著作権の帰属については、なお従前の例による。
(有線放送事業者又は実演家に係る著作隣接権についての経過措置)
3 改正後の著作権法中有線放送事業者又は実演家に係る著作隣接権に関する規定(第九十五条並びに第九十五条の二第三項及び第四項の規定を含む。)は、この法律の施行前に行われた有線放送又はその有線放送において送信された実演(同法第七条第一号から第三号までに規定する実演に該当するものを除く。)については、適用しない。
(罰則についての経過措置)
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(文部・内閣総理大臣署名)