国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律

法律第四十六号(昭五八・五・二〇)

 (趣旨)

第一条 この法律は、国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れについて、その額が当面減少し、その後においては増加して推移することが見込まれることにかんがみ、その繰入れの平準化を図るため、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの間における同特別会計への一般会計からする国庫負担金の繰入れの特例に関する措置その他これに伴う必要な措置を定めるものとする。

 (国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの特例)

第二条 政府は、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの各年度に係る国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第八十五条第一項及び第二項の規定による国庫負担については、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度にあつては、当該各年度に係るこれらの規定による国庫負担金の額の合算額から、別表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額を控除して得た額に相当する金額を、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの各年度にあつては、当該各年度に係るこれらの規定による国庫負担金の額の合算額に同表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額を加算して得た額に相当する金額を一般会計から国民年金特別会計に繰り入れるものとする。

2 前項の規定による繰入れをする国民年金特別会計の勘定は、次の各号に掲げる勘定とし、当該勘定に繰り入れる金額は、当該各号に定める金額とする。

 一 国民年金勘定 前項の規定による各年度における繰入金の額(次号において「各年度繰入額」という。)から当該各年度に係る国民年金法第八十五条第二項の規定による国庫負担金の額を控除して得た額に相当する金額

 二 福祉年金勘定 各年度繰入額から当該各年度に係る前号に定める金額を控除して得た額に相当する金額

 (国庫負担金の繰入れの特例に係る控除額及び加算額の改定等)

第三条 昭和五十八年度から昭和六十三年度までの間において国民年金法による年金たる給付の額を改定する措置が講ぜられた場合には、当該措置が講ぜられた年度以降昭和六十三年度までの別表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額(当該金額がこの項の規定に基づく政令により改定されている場合にあつては、当該政令による改定後の金額)については、当該措置により同法第八十五条第一項及び第二項の規定による国庫負担金の額の合算額が増加し、又は減少する割合を勘案して、政令で、これを改定するものとする。

2 前項の政令により昭和五十八年度から昭和六十三年度までの別表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額が改定された場合には、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの同表の上欄に掲げる各年度に応ずる同表の下欄に定める金額については、当該金額に、当該政令による昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる同表の下欄に定める金額の改定後の金額(当該各年度のうち当該政令により同表の下欄に定める金額が改定されていない年度がある場合にあつては、当該年度については、同表の上欄に掲げる当該年度に応ずる同表の下欄に定める金額)の合計額(以下この項において「昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額」という。)を一兆二千二百九十億円で除して得た割合を乗じて得た額を基準として、政令で、これを改定するものとする。この場合において、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額は、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度に応ずる改定後の金額の合計額に等しくなるようにするものとする。

3 前二項の政令により別表の下欄に定める金額が改定された場合における前条の規定の適用については、同条第一項中「別表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額」とあるのは「次条第一項の政令による当該各年度に応ずる別表の下欄に定める金額の改定後の金額」と、「同表の上欄に掲げる当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額」とあるのは「同条第二項の政令による当該各年度に応ずる同表の下欄に定める金額の改定後の金額」とする。

 (国民年金特別会計への運用収入相当額の繰入れ)

第四条 政府は、第二条の規定による国庫負担金の繰入れの平準化のための措置がとられたことにより国民年金特別会計において生じないこととなつたと見込まれる運用収入に相当する金額を、昭和七十二年度以降において、当該措置に係る平準化の趣旨にのつとり、予算の定めるところにより、一般会計から同特別会計に繰り入れるものとする。

2 前項の規定による一般会計からの繰入金は、国民年金特別会計国民年金勘定の歳入とする。

 (国民年金特別会計法の規定の読替え)

第五条 国民年金特別会計の国民年金勘定又は福祉年金勘定において次の表の上欄に掲げる各年度に一般会計から受け入れた金額に係る国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)第十六条第一項の規定の適用については、同欄に掲げる年度の区分に応じ、同項の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。

 

年度

読み替えられる字句

読み替える字句

昭和五十七年度

法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金として

国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)第二条(同法第三条第三項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により

昭和五十八年度から昭和七十一年度までの各年度

法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金の額

国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号。以下この項において「繰入特例法」という。)第二条(繰入特例法第三条第三項において読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により一般会計から受け入れるべき金額

法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金として

繰入特例法第二条の規定により

昭和七十二年度

一般会計から受け入れた金額

一般会計から受け入れた金額(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号。以下この項において「繰入特例法」という。)第四条第一項の規定により受け入れた金額を除く。)

法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金の額

繰入特例法第二条(繰入特例法第三条第三項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により一般会計から受け入れるべき金額

昭和七十三年度以降において前条第一項の規定による繰入れがされた年度

一般会計から受け入れた金額

一般会計から受け入れた金額(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)第四条第一項の規定により受け入れた金額を除く。)

2 前項の規定により国民年金特別会計法第十六条第一項の規定が読み替えられた場合における同法第十二条第一項の規定の適用については、同項中「第十六条第一項第一号」とあるのは、「国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)第五条第一項において読み替えて適用する第十六条第一項第一号」とする。


   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

別表(第二条、第三条関係)

年度

金額

昭和五十八年度

三千百八十億円

昭和五十九年度

三千百八十億円

昭和六十年度

二千四百五十億円

昭和六十一年度

千七百八十億円

昭和六十二年度

千百五十億円

昭和六十三年度

五百五十億円

昭和六十四年度

〇円

昭和六十五年度

五百十億円

昭和六十六年度

九百六十億円

昭和六十七年度

千三百六十億円

昭和六十八年度

千七百十億円

昭和六十九年度

二千十億円

昭和七十年度

二千二百九十億円

昭和七十一年度

二千五百三十億円

昭和七十二年度

九百二十億円

 (大蔵・厚生・内閣総理大臣署名) 

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