国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律

法律第百六十四号(昭三四・五・一五)

 国家公務員等退職手当暫定措置法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   国家公務員等退職手当法

 第一条及び第二条を次のように改める。

 (趣旨)

第一条 この法律は、国家公務員等が退職した場合に支給する退職手当の基準を定めるものとする。

 (適用範囲)

第二条 この法律の規定による退職手当は、次に掲げる者で常時勤務に服することを要するものが退職した場合に、その者(死亡による退職の場合には、その遺族)に支給する。

 一 国家公務員

 二 日本専売公社、日本国有鉄道又は日本電信電話公社の職員(これらの法人の役員を除く。)

2 前項各号に掲げる者のうち常時勤務に服することを要するもの(以下「職員」という。)以外のもので、その勤務形態が職員に準ずる者は、政令で定めるところにより、それぞれ同項各号の職員とみなして、この法律(第五条中公務上の負傷若しくは病気以下「傷病」という。)又は死亡による退職に係る部分以外の部分を除く。)の規定を適用する。

 第三条第一項各号列記以外の部分中「次条又は第五条」を「次条第一項若しくは第二項又は第五条第一項」に改め、同項各号を次のように改める。

 一 一年以上十年以下の期間については、一年につき百分の百

 二 十一年以上二十年以下の期間については、一年につき百分の百十

 三 二十一年以上二十四年以下の期間については、一年につき百分の百二十

 第三条第二項中「前項に規定する者」の下に「のうち、傷病又は死亡によらず、その者の都合により退職した者」を加え、同項第一号中「百分の五十」を「百分の六十」に改める。

 第四条の見出しを「(長期勤続後の退職等の場合の退職手当)」に改め、同条第一項各号列記以外の部分中「政令で定める程度の傷い疾病、死亡若しくは二十年以上勤続し停年に達したことに因り」を「二十五年以上勤続して退職した者(次条第一項の規定に該当する者を除く。)、二十年以上二十五年末満の期間勤続し定年に達したことにより」に、「これらの事由に準ずる事由に因り」を「これに準ずる理由その他その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により」に改め、同項各号を次のように改める。

 一 一年以上十年以下の期間については、一年につき百分の百二十五

 二 十一年以上二十年以下の期間については、一年につき百分の百三十七・五

 三 二十一年以上三十年以下の期間については、一年につき百分の百五十

 四 三十一年以上の期間については、一年につき百分の百三十七・五

 第四条第二項及び第三項を次のように改める。

2 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第七十二条第二項の規定に該当する者(同項第二号に掲げる者については、政令で定める者を除く。)のうち、職員で前項又は次条第一項の規定に該当しないものに対する退職手当の額は、前項の規定の例により計算した額とする。

3 第一項の場合において、二十五年以上三十年以下の期間勤続して退職した者(その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により退職した者で政令で定めるものを除く。)の退職手当を計算するときは、その者の俸給月額に乗ずる割合は、同項各号の規定にかかわらず、その者の勤続期間のうち二十五年未満の期間については、前条第一項各号に規定する期間の区分に応じ当該各号に掲げる割合とし、二十五年以上三十年以下の期間については、一年につき百分の二百五十七・五とする。

 第五条第一項中「又は二十五年以上勤続して退職した者」を「、公務上の傷病若しくは死亡により退職した者、二十五年以上勤続し定年に達したことにより退職した者又はこれに準ずる理由その他その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により退職した者」に、「日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の職員」、を「第二条第一項第二号の職員」に、「やむを得ない事由」を「やむを得ない理由」に、「第三条第一項の規定により計算した額に百分の二百を乗じて得た額とする。」を「退職の日におけるその者の俸給月額に、その者の勤続期間を次の各号に区分して、当該各号に掲げる割合を乗じて得た額の合計額とする。」に改め、同項に第一号から第四号までとして次のように加える。

 一 一年以上十年以下の期間については、一年につき百分の百五十

 二 十一年以上二十年以下の期間については、一年につき百分の百六十五

 三 二十一年以上三十年以下の期間については、一年につき百分の百八十

 四 三十一年以上の期間については、一年につき百分の百六十五

 第五条第二項中「前条第三項の」を削り、「乗じて得た額をもつて」を「乗じて得た額をその者の」に改め、同条に次の二項を加える。

3 前項の基本給月額は、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の適用を受ける職員(以下「一般職の職員」という。)については、同法に規定する俸給及び扶養手当の月額の合計額とし、その他の職員については、一般職の職員の基本給月額に準じて政令で定める額とする。

4 第一項及び第二項の規定は、過去の退職につき既にこれらの規定の適用を受け、かつ、その退職の日の翌日から一年内に再び職員となつた者が、その再び職員となつた日から起算して一年内に退職した場合には、適用しない。

 第五条の次に次の一条を加える。

 (二十年以上勤続して退職した公社職員の退職手当)

第五条の二 第二条第一項第二号の職員で二十年以上勤続して退職したものに対する退職手当の額を計算する場合には、第三条第一項各号、第四条第一項各号若しくは第三項又は第五条第一項各号に規定する割合に百分の九十七を乗じて得た割合をこれらの規定に規定する割合としてこれらの規定を適用する。

 第六条を次のように改める。

 (退職手当の最高限度額)

第六条 前四条の規定により計算した退職手当の額が、職員の退職の日における俸給月額に六十(前条の規定により計算した退職手当については、五十八・二)を乗じて得た額をこえるときは、これらの規定にかかわらず、その乗じて得た額をその者の退職手当の額とする。

 第七条第三項中「第一号から第三号まで」を「各号」に改め、同条第六項中「第四条」を「第三条第一項(傷病又は死亡による退職に係る部分に限る。)、第四条」に改める。

 第八条第一項第四号を削り、同条第二項を次のように改め、同条第三項を削る。

2 職員が退職した場合において、その者が退職の日又はその翌日に再び職員となつたときは、その退職については、退職手当を支給しない。

 附則中第十項を削り、第十一項を第十項とし、第十二項以下を削る。


   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 改正後の国家公務員等退職手当法(以下「新法」という。)の規定は、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十三号)附則第一条第一号に掲げる日(改正前の国家公務員等退職手当暫定措置法(以下「旧法」という。)附則第十二項に規定する郵政職員等及び新法第二条第一項第二号の職員については、昭和三十四年一月一日。以下「適用日」という。)以後の退職に係る退職手当について適用し、適用日前の退職に係る退職手当については、なお従前の例による。

3 適用日の前日に在職する職員で新法第二条の職員に該当するものが適用日以後に次の各号に掲げる退職をした場合には、その者に支給すべき退職手当の額は、新法第三条から第六条まで、次項及び附則第六項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる額とする。

 一 新法第三条第一項又は第四条第三項の規定に該当する退職(傷病又は死亡による退職に限る。) その者につき旧法第四条(死亡により退職した者にあつては、旧法附則第十項を含む。以下この項において同じ。)の規定により計算した退職手当の額と新法第三条第一項又は第四条第三項(新法第五条の二に規定する職員については、同条及び次項を含む。)の規定により計算した退職手当の額とのいずれか多い額

 二 新法第五条第一項の規定に該当する退職 その者につき旧法第四条又は旧法附則第六項の規定により計算した退職手当の額と新法第五条(新法第五条の二に規定する職員については、同条及び次項を含む。)の規定により計算した退職手当の額とのいずれか多い額

 三 新法第六条の規定に該当する退職 その者につき旧法第三条、第四条又は第五条の規定により計算した退職手当の額と新法第六条(附則第六項に規定する者については、同項を含む。)の規定により計算した退職手当の額とのいずれか多い額

4 昭和三十四年一月一日において新法第二条第一項第二号の職員である者に対する新法第五条の二の規定の適用については、同条中「百分の九十七」とあるのは、「百分の九十七(昭和三十四年一月一日前の勤続期間及び同年中に退職した者の同日以後の勤続期間については百分の百、昭和三十五年中に退職した者の同日以後の勤続期間については百分の九十九、昭和三十六年中に退職した者の同日以後の勤続期間については百分の九十八)」とする。

5 前項の場合において、昭和三十四年一月一日前の勤続期間(以下「適用前の期間」という。)又は同日以後の勤続期間(以下「適用後の期間」という。)に一年未満の端数に相当する月数があるときは、適用後の期間の一年未満の端数に相当する月数は、適用前の期間に加算するものとする。この場合において、適用前の期間に一年未満の端数に相当する月数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。

6 附則第四項に規定する者に対する新法第六条の規定の適用については、同条中「五十八・二」とあるのは、「第三条から第五条までの規定により計算した退職手当の額に対する前条及び国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号)附則第四項の規定により計算した退職手当の額の割合を六十に乗じて得た数」とする。

7 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律附則第四条第一項の規定の適用を受ける職員に対する退職手当の支給については、なお従前の例による。

8 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律附則第四条第二項の規定の適用を受ける職員については、新法第四条第二項の規定は、適用しない。

9 裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。

  第八条を次のように改める。

 第八条 削除

  第九条中「及び退官手当」を削る。

10 日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)の一部を次のように改正する。

  第五十条(見出しを含む。)中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

11 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律(昭和二十五年法律第百四十二号)第十条又は国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

12 日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)の一部を次のように改正する。

  第七十九条(見出しを含む。)中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

13 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

  第五条の見出し中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改め、同条第一項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に、「第四条から第六条まで(第四条中傷い疾病又は死亡に因る退職に係る退職手当に関する部分を除く。)」を「第四条、第五条(公務上の傷病又は死亡による退職に係る退職手当に関する部分を除く。)」に改める。

  第八条第三項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

14 行政機関職員定員法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第二十九号)の一部を次のように改正する。

  附則第十三項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

15 住宅金融公庫法の一部を改正する法律(昭和三十一年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第五項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

  附則第六項及び附則第七項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「改正前の国家公務員等退職手当暫定措置法」に改める。

16 日本国有鉄道法の一部を改正する法律(昭和三十一年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

  附則第二十項中「改正後の国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

17 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百五十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第三十八項中「改正後の国家公務員等退職手当暫定措置法第四条第三項」を「国家公務員等退職手当法第五条第三項」に改める。

18 国家公務員等退職手当暫定措置法等の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第七十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第二項中「改正後の国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

19 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。

  第百一条第二項中「国家公務員等退職手当暫定措置法」を「国家公務員等退職手当法」に改める。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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