輸出検査法
法律第九十七号(昭三二・五・二)
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 検査(第二条―第十三条)
第三章 指定検査機関(第十四条―第二十九条)
第四章 輸出検査審議会(第三十条―第三十七条)
第五章 雑則(第三十八条―第四十六条)
第六章 罰則(第四十七条―第五十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、輸出検査を行うことによつて、輸出品の声価の維持及び向上を図り、もつて輸出貿易の健全な発達に寄与することを目的とする。
第二章 検査
(品質に関する基準)
第二条 主務大臣は、品質(包装条件を含む。以下同じ。)の維持又は向上を図ることが特に必要である貨物であつて、政令で定める品目に属するもの(以下「指定貨物」という。)について、主務省令で、その品質の検査の基準を定めなければならない。
2 主務大臣は、指定貨物の特定の地域における声価を維持するため必要があると認めるときは、主務省令で、その品目及び地域を定めて、前項の主務省令で定める基準より高い基準を定めることができる。
(検査)
第三条 指定貨物(第十条第一項の主務省令で定める品目に属するものを除く。)は、その品質が前条第一項の主務省令で定める基準に適合しているかどうかについて主務省令で定める区分に従い政府機関若しくは主務大臣が指定した者の行う主務省令で定める方法による検査を受け、第七条の規定によりその検査に合格した旨の表示(主務大臣が指定する貨物にあつては、表示の日の後主務大臣が定める期間を経過しないものに限る。)を附されたもの又は次項に規定する検査を受け、同項に規定する表示を附されたものでなければ、輸出してはならない。
2 前条第二項の主務省令で定める品目に属する指定貨物(第十条第一項の主務省令で定める品目に属するものを除く。)は、その品質が前条第二項の主務省令で定める基準に適合しているかどうかについて前項の主務省令で定める区分に従い政府機関又は同項の規定により主務大臣が指定した者の行う同項の主務省令で定める方法による検査を受け、第七条の規定によりその検査に合格した旨の表示(前項の規定により主務大臣が指定する貨物にあつては、表示の日の後同項の規定により主務大臣が定める期間を経過しないものに限る。)を附されたものでなければ、前条第二項の主務省令で定める地域に輸出してはならない。
(材料検査及び製造検査)
第四条 材料の品質の検査を行わなければ前条の検査を適確に行うことができない指定貨物であつて、政令で定める品目に属するものは、政令で定める材料であつて、その品質が主務省令で定める基準に適合しているかどうかについて主務省令で定める区分に従い政府機関又は主務大臣が指定した者の行う主務省令で定める方法による検査を受け、第七条の規定によりその検査に合格した旨の表示(主務大臣が指定する材料にあつては、表示の日の後主務大臣が定める期間を経過しないものに限る。)を附されたものを材料とするものでなければ、前条の検査を受けることができない。
2 設計の検査及び製造中の検査を行わなければ前条の検査を適確に行うことができない指定貨物であつて、政令で定める品目に属するものは、その設計及び製造中の品質が主務省令で定める基準に適合しているかどうかについて主務省令で定める区分に従い政府機関又は主務大臣が指定した者の行う主務省令で定める方法による検査に合格したものでなければ、同条の検査を受けることができない。
(包装条件の検査)
第五条 包装条件について特別の検査を行わなければ品質の維持を図ることができない指定貨物であつて、政令で定める品目に属するものは、第三条の検査を受けた後その包装条件が主務省令で定める基準に適合しているかどうかについて主務省令で定める区分に従い政府機関又は主務大臣が指定した者の行う主務省令で定める方法による検査を受け、第七条の規定によりその検査に合格した旨の表示を附されたものでなければ、輸出してはならない。
(合格)
第六条 前三条の検査(以下「輸出検査」という。)においては、その指定貨物若しくは第四条第一項の政令で定める材料の品質、同条第二項の政令で定める品目に属する指定貨物の設計若しくは製造中の品質又は前条の政令で定める品目に属する指定貨物の包装条件がそれぞれ前三条に掲げる基準に適合しているときは、合格とする。
(合格の表示)
第七条 政府機関又は第三条第一項、第四条若しくは第五条の規定により主務大臣が指定した者(以下「指定検査機関」という。)は、主務省令で定める方法により、第三条の検査に合格した指定貨物若しくはその包装、第四条第一項の検査に合格した材料又は第五条の検査に合格した指定貨物の包装に、その検査に合格した旨、その検査をした者の名称その他主務省令で定める事項の表示を附さなければならない。
(等級の表示)
第八条 主務大臣は、品質を識別するため特に必要がある指定貨物について、主務省令で、その品目並びにその品質を識別するための等級及びその基準を定めることができる。
2 政府機関又は指定検査機関は、前項の主務省令で定める品目に属する指定貨物が第三条の検査に合格したときは、その指定貨物について、主務省令で定める方法により、前項の主務省令で定める基準による等級を定め、その指定貨物又はその包装に、主務省令で定める方法により、その等級の表示を附さなければならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
3 主務省令で定める品目に属する指定貨物に前項の規定により等級の表示を附したときは、その等級の表示をもつて前条に規定する検査に合格した旨の表示とみなす。
(封)
第九条 政府機関又は指定検査機関は、主務省令で定める品目に属する指定貨物又はその包装に第七条の規定により表示を附したときは、主務省令で定める方法により、その包装に封を施さなければならない。
2 前項の主務省令で定める品目に属する指定貨物であつて、同項の封を施してないものは、輸出してはならない。ただし、政府機関が主務省令で定める方法により同項の封に代るべき封を施したものを輸出するとき、その他主務省令で定める場合は、この限りでない。
(検査の特例)
第十条 指定貨物のうち、政府機関又は指定検査機関がその品質の検査を行わなければ品質の維持又は向上を図ることができないと認められる貨物以外の貨物であつて、主務省令で定める品目に属するものは、主務省令で定める方法により、その品質が第二条第一項の主務省令で定める基準に適合している旨、その表示を附する者の氏名若しくは名称その他主務省令で定める事項の表示(主務大臣が指定する貨物にあつては、表示の日の後主務大臣が定める期間を経過しないものに限る。)を附したもの又は次項に規定する表示を附したものでなければ、輸出してはならない。
2 第二条第二項の主務省令で定める品目に属する指定貨物であつて、前項の主務省令で定める品目に属するものは、主務省令で定める方法により、その品質が第二条第二項の主務省令で定める基準に適合している旨、その表示を附する者の氏名又は名称その他主務省令で定める事項の表示(前項の規定により主務大臣が指定する貨物にあつては、表示の日の後同項の規定により主務大臣が定める期間を経過しないものに限る。)を附したものでなければ、第二条第二項の主務省令で定める地域に輸出してはならない。
第十一条 前条の規定により指定貨物に表示を附そうとする者は、その指定貨物の品質がそれぞれ同条に掲げる基準に適合しているときでなければ、その表示を附してはならない。
第十二条 第十条の規定により指定貨物に表示を附する者は、その指定貨物が第八条第一項の主務省令で定める品目に属するときは、その指定貨物又はその包装に、主務省令で定める方法により、同項の主務省令で定める基準による等級の表示を附さなければならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
2 主務省令で定める品目に属する指定貨物に前項の規定により等級の表示を附したときは、その等級の表示をもつて第十条に規定する基準に適合している旨の表示とみなす。
(適用除外)
第十三条 第三条、第五条、第九条第二項又は第十条の規定は、次に掲げる場合は、適用しない。
一 その指定貨物の輸出が輸出品の声価を害するおそれがないと認められる場合において、主務大臣が許可したとき。
二 本邦にある外国公館が送付する指定貨物を輸出するとき、その他主務省令で定める場合
第三章 指定検査機関
(指定)
第十四条 第三条第一項、第四条又は第五条の指定は、主務省令で定める区分ごとに、輸出検査を行おうとする者の申請により行う。
(欠格事由)
第十五条 次の各号の一に該当する者は、第三条第一項、第四条又は第五条の指定を受けることができない。
一 この法律又は外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)若しくは輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)に規定する罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者
二 第二十八条第一項の規定により指定を取り消され、取消の日から一年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに、次の各号の一に該当する者がある者
イ 第一号に該当する者
ロ 第二十四条の規定による命令により解任され、解任の日から一年を経過しない者
(指定基準)
第十六条 主務大臣は、第三条第一項、第四条又は第五条の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 主務省令で定める機械器具その他の設備を用いて輸出検査を行うものであること。
二 主務省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が輸出検査を実施し、その数が主務省令で定める数以上であること。
三 輸出検査を行うため主務省令で定める地域ごとに一以上の事業所を有すること。
四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、その役員又は社員の構成が輸出検査の公正な運営に支障を及ぼすおそれがないものであること。
五 輸出検査の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて輸出検査の運営が不公正になるおそれがないものであること。
六 輸出検査の運営を適確かつ円滑に行うに十分な経理的基礎を有するものであること。
七 その指定をすることによつて申請に係る指定貨物の輸出検査の能力が著しく過剰とならないこと。
(指定の公示)
第十七条 主務大臣は、第三条第一項、第四条又は第五条の指定をしたときは、その指定検査機関の名称、住所、輸出検査の区分及び輸出検査を行う事業所の所在地を官報に公示しなければならない。
(検査の義務)
第十八条 指定検査機関は、輸出検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、輸出検査を行わなければならない。
2 指定検査機関は、輸出検査を行うときは、第十六条第一号に規定する機械器具その他の設備を使用し、かつ、同条第二号に規定する者に輸出検査を実施させなければならない。
(事業所の変更)
第十九条 指定検査機関は、輸出検査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
2 主務大臣は、前項の認可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(業務規程)
第二十条 指定検査機関は、輸出検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務規程で定めるべき事項は、主務省令で定める。
3 主務大臣は、第一項の認可をした業務規程が輸出検査の公正な運営上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第二十一条 指定検査機関は、主務大臣の許可を受けなければ、輸出検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 主務大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(事業計画等)
第二十二条 指定検査機関は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
(役員等の選任及び解任)
第二十三条 指定検査機関の役員又は輸出検査を実施する者(以下「輸出検査員」という。)の選任及び解任は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(解任命令)
第二十四条 主務大臣は、指定検査機関の役員又は輸出検査員がこの法律若しくはこの法律に基く命令又は業務規程に違反したときは、その指定検査機関に対し、その役員又は輸出検査員を解任すべきことを命ずることができる。
(輸出検査員の登録)
第二十五条 主務省に輸出検査員登録を備え、輸出検査員に関する事項を登録する。
2 前項の規定により登録すべき事項及びその登録の手続は、主務省令で定める。
(罰則の適用)
第二十六条 輸出検査の業務に従事する指定検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(適合命令)
第二十七条 主務大臣は、指定検査機関が第十六条第一号から第六号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(指定の取消等)
第二十八条 主務大臣は、指定検査機関が次の各号の一に該当するときは、第三条第一項、第四条若しくは第五条の指定を取り消し、又は期間を定めて輸出検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この法律の規定に違反したとき。
二 第二十条第一項の認可を受けた業務規程によらないで輸出検査を行つたとき。
三 第二十条第三項、第二十四条又は前条の規定による命令に違反したとき。
四 不正の手段により指定を受けたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は輸出検査の業務の停止を命じたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(帳簿の記載)
第二十九条 指定検査機関は、帳簿を備え、輸出検査に関し主務省令で定める事項を記載しなければならない。
第四章 輸出検査審議会
(設置)
第三十条 通商産業省に、輸出検査審議会を置く。
(権限)
第三十一条 輸出検査審議会(以下「審議会」という。)は、関係各大臣の諮問に応じ、輸出検査に関する重要事項を調査審議する。
(組織)
第三十二条 審議会は、委員六十人以内で組織する。
2 専門の事項を調査させるため、審議会に、専門委員を置くことができる。
第三十三条 委員及び専門委員は、関係行政機関の職員及び輸出検査に関し学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。
2 通商産業大臣は、委員のうち一人を会長として指名し、会務を総理させる。
(任期)
第三十四条 学識経験のある者のうちから任命された委員の任期は、二年とする。
(勤務)
第三十五条 委員及び専門委員は、非常勤とする。
(部会)
第三十六条 審議会に、部会を置くことができる。
2 部会に部会長を置き、会長の指名する委員がこれに当る。
3 部会に属すべき委員は、会長が指名する。
4 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもつて審議会の決議とすることができる。
(省令への委任)
第三十七条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
第五章 雑則
(審議会への諮問)
第三十八条 主務大臣は、第二条第一項、第四条若しくは第五条の政令の制定若しくは改廃の立案をしようとするとき、又は第二条若しくは第八条第一項の主務省令、第四条若しくは第五条の基準を定める主務省令若しくは第十条第一項の品目を定める主務省令の制定若しくは改廃をしようとするときは、審議会に諮問しなければならない。
(報告の徴収)
第三十九条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、輸出検査を受ける者、第十条の規定により表示を附する者又は輸出業者に対し、その指定貨物の品目、数量、仕向地、所在の場所若しくは輸出の時期又は輸出検査若しくは同条の規定による表示に関し、報告をさせることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定検査機関に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第四十条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、輸出検査を受ける者、第十条の規定により表示を附する者若しくは指定貨物の輸出業者の事務所、事業所若しくは倉庫又はこれらの者の所有する指定貨物の保管の場所に立ち入り、指定貨物、第四条第一項の政令で定める材料、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定検査機関の事務所、事業所又は倉庫に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(表示の除去等)
第四十一条 主務大臣は、前条第一項又は第二項の規定によりその職員に指定貨物又は第四条第一項の政令で定める材料を検査させた場合において、その指定貨物又は材料が次の各号の一に該当するときは、その表示を除去し、又はこれに消印を附することができる。
一 その指定貨物若しくは包装又は材料にこの法律の規定に違反して表示が附されているとき。
二 前号の場合のほか、第七条、第八条第二項、第十条又は第十二条第一項の規定により表示が附されている場合において、その指定貨物又は材料の品質がそれぞれ第二条、第四条第一項、第五条又は第八条第一項の主務省令で定める基準に適合していないとき。
三 第三条第一項若しくは第十条第一項の規定により主務大臣が指定する貨物若しくはその包装又は第四条第一項の規定により主務大臣が指定する材料に第七条又は第十条の規定により表示が附されている場合において、その表示の日の後それぞれ第三条第一項、第四条第一項又は第十条第一項の規定により主務大臣が定める期間を経過しているとき。
(輸出停止命令)
第四十二条 主務大臣は、第三条、第五条、第九条第二項又は第十条の規定に違反してなした指定貨物の輸出が輸出品の声価を著しく害するものと認めるときは、その指定貨物を輸出した者に対し、一年以内の期間を限り、指定貨物の品目を定め、その輸出の停止を命ずることができる。
(聴聞)
第四十三条 主務大臣は、第二十四条又は第二十八条第一項の規定による処分をしようとするときは、その処分に係る指定検査機関に対し、また、前条の規定による処分をしようとするときは、その処分に係る指定貨物を輸出した者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行わなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 聴聞に際しては、その処分に係る者及び利害関係人に対し、その事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(異議の申立)
第四十四条 この法律の規定による行政庁又は指定検査機関の処分に対し不服のある者は、その処分のあつたことを知つた日から三十日以内に、その旨を記載した書面をもつて、主務大臣に異議の申立をすることができる。ただし、処分の日から六十日を経過したときは、異議の申立をすることができない。
2 主務大臣は、異議の申立を受理したときは、前条の例により公開による聴聞を行つた後、文書をもつて決定をし、その写を異議の申立をした者に送付しなければならない。
(手数料)
第四十五条 輸出検査を受けようとする者は、政令で定める額の手数料を納めなければならない。
2 前項の政令で定める手数料の額(一の指定貨物について二以上の輸出検査を要する場合においては、その二以上の検査の手数料の額の合計額)は、指定貨物の輸出価格の百分の一をこえてはならない。
(この法律の適用)
第四十六条 次の各号に掲げる機関に納入する指定貨物のうち、輸出品の声価を維持するためその品質を規律する必要があると認められるものであつて、政令で定める品目に属するもののその機関に対する納入は、輸出となみして、この法律の規定を適用する。
一 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴い設置された海軍販売所若しくはピー・エックス又はこれらが販売する貨物を調達するアメリカ合衆国軍隊の機関
二 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴い設置された機関であつて、前号の機関に準ずるもの又はこれらが販売する貨物を調達する国際連合の軍隊の機関
第六章 罰則
第四十七条 第三条、第五条、第九条第二項若しくは第十条の規定に違反し、又は第四十二条の規定による命令に違反して指定貨物を輸出した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
第四十八条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第十一条の規定に違反して表示を附した者
二 第十二条第一項の規定に違反して、同項の規定による等級の表示を附さなかつた者
第四十九条 第二十八条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した場合は、その行為をした指定検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第五十条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第三十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第四十条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第五十一条 次の各号の一に掲げる違反があつた場合は、その行為をした指定検査機関の役員又は職員は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第二十九条の規定による記載をせず、又は虚偽の記載をしたとき。
二 第三十九条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第五十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十七条、第四十八条又は第五十条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。ただし、第四章及び第三十八条並びに附則第十一条の規定は、公布の日から施行する。
(輸出品取締法の廃止)
第二条 輸出品取締法(昭和二十三年法律第百五十三号。以下「旧法」という。)は、廃止する。
(経過的措置)
第三条 この法律(以下「新法」という。)の施行の際現に旧法第四条第一項の規定により指定されている品目(同条第二項の規定により指定されているものを除く。)に属する指定貨物であつて、新法の施行前に政府機関又は旧法第七条の二第一項の登録を受けた者が同項の規定による表示を附したものは、新法の施行の日から起算して三月間は、新法第三条第一項の規定にかかわらず、輸出することを妨げない。
第四条 新法の施行の際現に旧法第七条の二第一項又は第二項の登録を受けている者は、新法の施行の日から起算して一月間は、それぞれ新法第三条第一項又は第五条の指定を受けた者とみなす。その者がその期間内に新法第三条第一項又は第五条の指定の申請をした場合において、その申請について指定又は指定の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
2 前項の規定により新法第三条第一項又は第五条の指定を受けた者とみなされた者が新法の施行前に旧法第七条の七第四項の規定により認可を受けた表示の業務に関する規程は、新法第二十条第一項の認可を受けた業務規程とみなす。
3 第一項の規定により新法第三条第一項又は第五条の指定を受けた者とみなされた者の新法の施行の日の属する事業年度の事業計画及び収支予算については、新法第二十二条第一項中「毎事業年度開始前に」とあるのは、「この法律の施行後遅滞なく」とする。
第五条 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第六条 前三条に定めるもののほか、新法の施行に関し必要な経過的措置は、政令で定める。
(大蔵省設置法の一部改正)
第七条 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第二十三条第一号中「輸出品取締法(昭和二十三年法律第百五十三号)」を「輸出検査法(昭和三十二年法律第九十七号)」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第八条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第三十三号を次のように改める。
三十三 輸出検査法(昭和三十二年法律第九十七号)の定めるところにより、所掌事務に係る指定貨物について、輸出検査の基準を定め、輸出検査を行い、指定検査機関を指定し及び監督し、並びに検査の特例となる品目を定めること。
第二十四条第一項第二号中「輸出品取締法」を「輸出検査法」に改める。
(農林省設置法の一部改正)
第九条 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十九号を次のように改める。
十九 所掌事務に係る指定貨物について、輸出検査の基準を定め、輸出検査を行い、指定検査機関を指定し及び監督し、並びに検査の特例となる品目を定めること。
第八条第一項第二十一号を次のように改める。
二十一 農林畜水産物の輸出検査の基準及び輸出検査に関すること。
(通商産業省設置法の一部改正)
第十条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十二号を次のように改める。
二十二 輸出検査の基準を定め、指定検査機関を指定し及び監督し、並びに検査の特例となる品目を定めること。
第十一条 通商産業省設置法の一部を次のように改正する。
第二十五条第一項の表中
「 |
輸出品の等級、標準及び包装その他輸出検査に伴う重要事項を調査審議すること。 |
」 |
を
「 |
輸出検査に関する重要事項を調査審議すること。 |
」 |
に改める。
(運輸省設置法の一部改正)
第十二条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十四号の六を次のように改める。
十四の六 所掌事務に係る指定貨物について、輸出検査の基準を定め、輸出検査を行い、指定検査機関を指定し及び監督し、並びに検査の特例となる品目を定めること。
第二十四条第一項第五号の三を次のように改める。
五の三 所掌事務に係る指定貨物の輸出検査の基準及び輸出検査に関すること。
第二十七条第一項第十四号の三を次のように改める。
十四の三 所掌事務に係る指定貨物の輸出検査の基準及び輸出検査に関すること。
第二十八条第一項第十三号の三を次のように改める。
十三の三 所掌事務に係る指定貨物の輸出検査の基準及び輸出検査に関すること。
(農林物資規格法の一部改正)
第十三条 農林物資規格法(昭和二十五年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第十四条ただし書を次のように改める。
但し、輸出検査法(昭和三十二年法律第九十七号)第二条又は第八条第一項の省令で定める基準によつて格付を行う場合は、この限りでない。
(大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・内閣総理大臣署名)