国有財産特殊整理資金特別会計法
法律第百十六号(昭三二・五・二〇)
(設置)
第一条 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号。以下「法」という。)第五条の規定による特定庁舎等特殊整備計画の実施に伴い、これにより処分すべき特定庁舎等(法第二条第四項に規定する特定庁舎等をいう。以下同じ。)の処分による収入金を、これにより取得すべき特定庁舎等の取得に要する経費に充てるために、国有財産特殊整理資金(以下「資金」という。)を置き、資金に関する経理を一般会計と区分して行うため、特別会計を設置する。
(管理)
第二条 この会計は、大蔵大臣が、法令で定めるところに従い、管理する。
(資金)
第三条 資金は、特定庁舎等特殊整備計画の実施により処分すべき特定庁舎等の処分による収入金及び資金運用部預託金の利子をもつて充てる。
(資金の使用)
第四条 資金は、特定庁舎等特殊整備計画の実施により取得すべき特定庁舎等の取得に要する経費のうち、次に掲げるものに使用するものとする。
一 建物の建築若しくは模様替又はその附帯施設(法第二条第二項に規定する附帯施設をいう。以下この項において同じ。)の建設の工事代価
二 建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地(敷地となるべき土地を含む。以下次号において同じ。)の購入代価
三 建物若しくはその附帯施設又はこれらの敷地の買収に係る移転料その他の補償費
2 資金を使用しようとするときは、予算の定めるところにより、一般会計の歳入に繰り入れ、一般会計の歳出として経理するものとする。
(歳入及び歳出)
第五条 この会計においては、資金の受入をもつてその歳入とし、資金の払出をもつてその歳出とする。
(歳入歳出予定計算書の作成)
第六条 大蔵大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作成しなければならない。
(歳入歳出予算の区分)
第七条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第八条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、次に掲げる書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 前年度及び当該年度の資金受払額及び年度末現在額見込表
(余裕金の預託)
第九条 資金に余裕があるときは、当該余裕金を資金運用部に預託することができる。
(資金残額の繰越)
第十条 毎会計年度内に使用されなかつた資金の残額は、翌年度に繰り越し、歳入歳出の決算上の剰余として同年度の歳入に繰り入れるものとする。
(歳入歳出決定計算書の作成)
第十一条 大蔵大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十二条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、次に掲げる書類を添附しなければならない。
一 歳入歳出決定計算書
二 当該年度の資金受払額及び年度末現在額表
(支出残額の繰越)
第十三条 この会計の毎会計年度の歳出予算における支出残額は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 大蔵大臣は、前項の規定による繰越をしたときは、会計検査院に通知しなければならない。
3 第一項の規定による繰越をしたときは、当該経費については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一条第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。
(実施規定)
第十四条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和三十二年度分の予算については、第八条第二項第二号に掲げる書類の添附は、要しないものとする。
3 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条中第五十七号を第五十八号とし、第三十一号から第五十六号までを一号ずつ繰り下げ、第三十号の次に次の一号を加える。
三十一 国有財産特殊整理資金の管理に関すること。
第十一条中第八号以下を一号ずつ繰り下げ、第七号の次に次の一号を加える。
八 国有財産特殊整理資金の管理に関すること。
第十五条第二項中「第五十二号及び第五十三号」を「第五十三号及び第五十四号」に改める。
第十六条第二項中「第五十四号から第五十六号」を「第五十五号から第五十七号」に改める。
第二十九条中「第四十号」を「第四十一号」に改める。
(大蔵・内閣総理大臣署名)