少年院法の一部を改正する法律
法律第九十九号(昭二五・四・一五)
少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第四項中「十八歳」を「十六歳」に改め、同条第五項中「おおむね」を削る。
第八条第一項第三号中「但し、十六歳以上のものに限る。」を削る。
第十条中「承認を経て、地方少年保護委員会に対し、移送の認可を求めなければならない。」を「認可を得て、これを移送することができる。」に改め、但書を削り、同条に次の二項を加える。
2 前項の規定により在院者を他の少年院に移送した場合においては、移送した少年院の長は、すみやかに、本人を送致した裁判所にその旨を通知しなければならない。
3 第一項の規定により在院六月以上の在院者を他の少年院に移送した場合においては、移送した少年院の長は、すみやかに、その少年院所在地の地方少年保護委員会にもその旨を通知しなければならない。但し、在院者が二十三歳以上の場合には、地方成人保護委員会に通知しなければならない。
第十六条を次のように改める。
第十六条 少年保護鑑別所は、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条第一項第二号の規定により送致された者を収容するとともに、家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判並びに保護処分の執行に資するため、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基いて、少年の資質の鑑別を行う施設とする。
第十六条の次に次の一条を加える。
第十六条の二 少年保護鑑別所は、家庭裁判所、少年院の長及び地方少年保護委員会以外の者から少年の資質の鑑別を求められたときは、前条の業務に支障をきたさない範囲において、これに応ずることができる。
2 前項の鑑別については、法務府令の定めるところにより、実費を徴収するものとする。
第十七条を次のように改める。
第十七条 少年保護鑑別所は、国立とし、法務総裁がこれを管理する。
2 第九条、第十三条第二項、第三項、第十四条及び第十五条の規定は、少年法第十七条第一項第二号の規定により送致された者に関し、少年保護鑑別所にこれを準用する。
第十七条の次に次の三条を加える。
第十七条の二 少年院から退院し、若しくは仮退院し、又は少年保護鑑別所から退所する者が、帰住旅費又は相当の衣類を持たないときは、予算の範囲内において、これに旅費又は衣類を給与することができる。
第十七条の三 少年院又は少年保護鑑別所の長は、収容中に死亡した者の遺留金品について、親権者、後見人又は親族から請求があつたときは、請求者にこれを交付しなければならない。
2 前項の遺留金品は、死亡の日から一年以内に同項の請求がないときは、国庫に帰属する。
第十七条の四 少年院又は少年保護鑑別所に収容中に逃走した者の遺留金品は、逃走の日から一年以内に本人の居所が分明しないときは、国庫に帰属する。
第二十一条第一項中「少年観護所」を「少年保護鑑別所」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 法務府設置法(昭和二十二年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項第二号中「少年観護所、少年鑑別所」を「少年保護鑑別所」に改める。
第十三条の四第一項及び第三項中「、少年観護所及び少年鑑別所」を「及び少年保護鑑別所」に、同条第二項中「並びに少年観護所及び少年鑑別所」を「及び少年保護鑑別所」に改める。
第十三条の五第一項中「、少年観護所及び少年鑑別所」を「及び少年保護鑑別所」に改める。
別表五中東京少年鑑別所の項から松山少年鑑別所の項までを削り、東京少年観護所の項から松山少年観護所の項までのうち「少年観護所」を「少年保護鑑別所」に改める。
(法務総裁・大蔵・内閣総理大臣署名)