公認会計士法の一部を改正する法律

法律第九十四号(昭二五・四・一)

 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「公認会計士審査会」を「公認会計士管理委員会」に、「業務の取締」を「雑則」に改める。

 第七条第三号中「高等試験予備試験」の下に「又は司法試験第一次試験」を加え、同条第四号中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改める。

 第九条第四号中「高等試験本試験」の下に「又は司法試験第二次試験」を加える。

 第十一条中「公認会計士を補助した期間」の下に「又は財務書類の監査、証明、検査若しくは調製に関する実務で公認会計士管理委員会規則で定めるものに従事した期間」を加える。

 第十二条第一項中「公認会計士の事務所」の下に「、その組織する団体」を加え、同項中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に改め、同条第二項中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改める。

 第十三条第一項中「二百円」を「五百円」に、「五百円」を「千円」に改める。

 第十五条第一項中「大蔵省」を「公認会計士管理委員会」に改める。

 第十六条中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改め、第二章中同条の次に次の一条を加える。

 (外国で資格を有する者の特例)

第十六条の二 外国において公認会計士の資格に相当する資格を有し、且つ、会計に関連する日本国の法令について相当の知識を有する者は、公認会計士管理委員会による資格の承認を受け、且つ、公認会計士管理委員会に備える外国公認会計士名簿に登録を受けて、第二条に規定する業務を行うことができる。但し、第四条各号の一に該当する者については、この限りでない。

2 公認会計士管理委員会は、前項の資格の承認をする場合には、試験又は選考をすることができる。

3 第一項の登録を受けた者(以下「外国公認会計士」 という。)が左の各号の一に該当する場合には、公認会計士管理委員会は、同項の登録を抹消しなければならない。

 一 第二十一条各号の一に該当するとき。

 二 外国において公認会計士の資格に相当する資格を失つたとき。

4 第十七条第二項及び第三項、第十九条、第二十条、第二十二条から第三十四条まで並びに第四十九条の規定は、外国公認会計士に準用する。

 第十七条第一項中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改める。

 第十八条中「大蔵省」を「公認会計士管理委員会」に改める。

 第十九条第一項及び第三項並びに第二十一条中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に改める。

 第二十二条中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改める。

 第二十三条を次のように改める。

第二十三条 削除

 第三十条中「大蔵大臣は、公認会計士審査会の議決を経て、」を「公認会計士管理委員会は、」に改め、同条第一項中「重大な」を削る。

 第三十一条中「この法律に基く大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に、「大蔵大臣は、公認会計士審査会の議決を経て、」を「公認会計士管理委員会は、」に改める。

 第三十二条第一項から第三項までの中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に改め、同条第四項中「前二条の懲戒事件の審査をしようとするときは、公認会計士審査会は、」を「前二条の規定による懲戒処分をしようとするときは、公認会計士管理委員会は、」に改め、同条第五項中「公認会計士審査会が」及び「、その旨を大蔵大臣に報告し」を削る。

 第三十三条中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に、同条第二項中「当該職員」を「事務局の職員」に改める。

 第三十四条中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に改める。

 第六章を次のように改める。

   第六章 公認会計士管理委員会

 (設置)

第三十五条 公認会計士及び会計士補並びに公認会計士試験に関する事項を管理し、公認会計士及び会計士補を監督するため、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基いて、大蔵省の外局として、公認会計士管理委員会を設置する。

 (所掌事務)

第三十六条 公認会計士管理委員会は、左に掲げる事務をつかさどる。

 一 公認会計士試験の管理に関すること。

 二 公認会計士及び会計士補の登録に関すること。

 三 公認会計士及び会計士補の監督及び懲戒に関すること。

 四 外国公認会計士の管理に関すること。

 五 公認会計士の業務に関連して、財務書類の監査又は証明に関する制度を調査し、及び企画すること。

 (権限)

第三十七条 公認会計士管理委員会は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。

 一 第三次試験の要件たる実務の種類を定め、実務補習を行う機関を認定し、実務補習について必要な事項を定めること。

 二 公認会計士試験の細目を定めること。

 三 公認会計士名簿及び会計士補名簿を管理し、公認会計士及び会計士補の登録をすること。

 四 公認会計士及び会計士補の登録の細目を定めること。

 五 公認会計士及び会計士補に対して懲戒を行うこと。

 六 公認会計士及び会計士補の懲戒事件について、一般の報告を受理し、必要な調査を行うこと。

 七 必要と認める場合に、公認会計士及び会計士補に対して、その行う業務について、報告を求め、勧告を行うこと。

 八 必要と認める場合に、公認会計士若しくは会計士補の組織する団体又はその連合体に対して、その行う事業について、報告を求め、勧告を行うこと。

 九 外国公認会計士について、資格を承認し、登録し、懲戒を行い、及びその業務について、報告を求め、勧告を行うこと。

 十 公認会計士の業務に関連して、財務書類の監査又は証明に関する制度について、必要な調整を図ること。

 十一 所掌事務の周知宣伝を行うこと。

 十二 前各号に掲げるものの外、法律(これに基く命令を含む。)に基き、公認会計士管理委員会に属させられた権限

 (組織)

第三十八条 公認会計士管理委員会は、委員五人をもつて組織する。

 (委員)

第三十九条 委員は、公認会計士に関する事項について理解と識見とを有する年令三十五年以上の者で、公認会計士又は公認会計士の資格を有する者のうちから、大蔵大臣が任命する。

2 大蔵大臣は、左の各号の一に該当する者を、委員に任命してはならない。

 一 この法律の規定に違反して刑に処せられた者

 二 公認会計士の登録の抹消の処分を受けた者

 三 公認会計士又は会計士補の業務について一年以内の業務の停止の処分を受けた者

第四十条 委員の任期は、三年とする、但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 委員は、非常勤とする。

 (委員の罷免)

第四十一条 大蔵大臣は、委員が左の各号の一に該当する場合には、その任期満了前であつても、これを罷免しなければならない。

 一 公認会計士の資格を失つた場合

 二 第三十九条第二項各号の一に該当する場合

 三 公認会計士管理委員会により、心身の故障のため職務の遂行に堪えないと決定された場合

 四 公認会計士管理委員会により、職務上の義務に違反したと決定された場合

 (委員長)

第四十二条 委員長は、委員の互選に基き、大蔵大臣が命ずる。

2 委員長は、公認会計士管理委員会の会務を総理し、公認会計士管理委員会を代表する。

3 公認会計士管理委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に故障がある場合に委員長を代理する者を定めておかなければならない。

 (議事)

第四十三条 公認会計士管理委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 公認会計士管理委員会の議事は、委員の過半数をもつて決する。

3 委員は、自己に関係のある議事については、議決に加わることができない。

4 公認会計士管理委員会が第四十一条第三号又は第四号の規定による決定をするには、第一項及び第二項の規定にかかわらず、本人を除く全委員の一致がなければならない。

 (公認会計士管理委員会規則)

第四十四条 公認会計士管理委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基いて、公認会計士管理委員会規則を制定することができる。

2 公認会計士管理委員会規則は、官報をもつて公布する。

 (事務局)

第四十五条 公認会計士管理委員会に公認会計士管理委員会事務局を置く。

 (職員)

第四十六条 公認会計士管理委員会に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法の定めるところによる。

2 公認会計士管理委員会に置かれる職員の定員については、行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十七号)の定めるところによる。

 「第七章 業務の取締」を「第七章 雑則」に改める。

 第四十七条を削る。

 第四十八条中「財務書類の全部又は一部が」の下に「公認会計士の」を加え、同条但書を削り、同条を第四十七条とする。

 第四十九条第一項中「又は監査士、計理士その他」及び同条第二項中「又は監査士補、計理士補その他」を「の名称又は」に改め、同条第三項中「使用すること」の下に「又は外国公認会計士がその資格を示す適当な名称を使用すること」を加え、同条を第四十八条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (公認会計士の業務上調製した書類)

第四十九条 公認会計士が他人の求めに応じて監査又は証明を行うに際して調製した資料その他の書類は、特約のある場合を除く外、公認会計士の所有に属するものとする。

 第五十条中「公認会計士となる資格を有しない者で第四十七条の規定に違反したもの又は」を削り、「第四十八条」を「第四十七条」に改める。

 第五十二条中「第二十七条」の下に「(第十六条の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。

 第五十三条中「第四十九条」を「第四十八条」に改める。

 第五十四条中「公認会計士」の下に「又は外国公認会計士」を、「第十七条」の下に「又は第十六条の二第一項を加える。

 第五十五条中「第二項の規定」の下に「(第十六条の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。

 第五十六条中但書を削る。

第五十七条第一項から第三項までの中「大蔵大臣」を「公認会計士管理委員会」に改め、同条第五項中「五百円」を「千円」に改め、同条第七項及び第八項を削る。

第五十七条の二第二項及び第五十九条中「大蔵省令」を「公認会計士管理委員会規則」に改める。

 第六十三条を次のように改める。

第六十三条 計理士法廃止の際計理士である者は、昭和二十六年三月三十一日までに、公認会計士管理委員会規則の定めるところにより、公認会計士管理委員会に備える計理士名簿に登録を受けたときは、計理士の名称を用いて、旧計理士法第一条に規定する業務を営むことができる。

2 計理士法廃止の際計理士である者で昭和二十六年三月三十一日において公認会計士管理委員会規則に定める業務に従事する者は、前項の規定にかかわらず、その業務を離れた日から一月以内に同項の規定に準じて登録を受けたときは、計理士の名称を用いて、旧計理士法第一条に規定する業務を営むことができる。

3 第十七条第二項及び第三項、第十九条から第三十四条まで並びに第四十九条の規定は、前二項の規定により旧計理士法第一条に規定する業務を営む者(以下「計理士」という。)に準用する。この場合において、第二十一条第三号中「第四条」とあるのは、「旧計理士法第四条」と読み替えるものとする。

4 前項において準用する第二十七条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

5 前項の罪は、告訴を待つて論ずる。

6 計理士法廃止の際計理士である者が、第一項又は第二項の登録を受けないで、計理士の名称を用いて、旧計理士法第一条に規定する業務を行つたときは、一万円以下の過料に処する。

7 左の各号の一に該当する者は、千円以下の過料に処する。

 一 第三項において準用する第三十三条第一項第一号又は第二項の規定による事件関係人又は参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述せず、虚偽の陳述をし、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 二 第三項において準用する第三十三条第一項第二号又は第二項の規定による鑑定人に対する処分に違反して、出頭せず、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者

 三 第三項において準用する第三十三条第一項第三号又は第二項の規定による物件の所持者に対する処分に違反して物件を提出しない者

 第六十四条中「前条の規定により、計理士法第一条に規定する業務を営む者」を「計理士」に改め、「、第五条第二項、第七条、第八条、第九条第一項、第十条第一項及び第十一条」を削り、同条後段を次のように改める。

  この場合において、同条中「主務大臣」とあるのは、「公認会計士管理委員会」と読み替えるものとする。

 第六十四条の次に次の二条を加える。

第六十四条の二 公認会計士管理委員会は、第三十六条に掲げるものの外、左に掲げる事務をつかさどる。

 一 特別公認会計士試験の管理に関すること。

 二 計理士の登録及び監督に関すること。

第六十四条の三 公認会計士管理委員会は、第三十七条に掲げるものの外、左に掲げる権限を有する。

 一 特別公認会計士試験の時期、場所、試験科目、試験の方法その他その細目を定めること。

 二 計理士名簿を管理し、計理士の登録をすること。

 三 計理士の登録の細目を定めること。

 四 計理士に対して懲戒を行うこと。

 五 計理士の懲戒事件について、一般の報告を受理し、必要な調査を行うこと。

 六 必要と認める場合に、計理士に対して、その行う業務について、報告を求め、勧告を行うこと。

 七 必要と認める場合に、計理士の組織する団体又はその連合体に対して、その行う事業について、報告を求め、勧告を行うこと。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 計理士法廃止の際計理士であつた者は、公認会計士法(以下「法」という。)第六十三条第一項又は第二項の改正規定にかかわらず、この法律施行後一年間に限り、同条第一項又は第二項の登録を受けないで、旧計理士法第一条に規定する業務を営むことができる。

3 大蔵大臣は、この法律施行後最初に任命する公認会計士管理委員会の委員については、改正後の法第三十九条第一項の規定にかかわらず、公認会計士に関する事項について理解と識見とを有する年令三十五年以上の者のうちから、任命することができる。

4 この法律施行後最初に任命される公認会計士管理委員会の委員の任期は、改正後の法第四十条第一項の規定にかかわらず、大蔵大臣の定めるところにより、そのうち一人については一年、二人については二年、二人については三年とする。

5 改正前の法の規定に基く大蔵省令は、当該大蔵省令に規定された事項に関して改正後の法の規定に基き公認会計士管理委員会規則が施行されるまでは、なおその効力を有する。

6 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第七条ノ二中「公認会計士名簿又ハ会計士補名簿ニ」を削り、同条第二号を次のように改める。

  二 公認会計士法第十六条ノ二第一項ノ規定ニ依ル登録       金三千円

  三 公認会計士法第六十三条第一項又ハ第二項ノ規定に依ル登録   金千五百円

  四 公認会計士法第二十条(同法第十六条ノ二第四項及第六十三条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル登録

     公認会計士                        金百二十円

     会計士補                         金六十円

     公認会計士法第十六条ノ二ニ規定スル外国公認会計士     金百二十円

     公認会計士法第六十三条ニ規定スル計理士          金六十円

     (大蔵・内閣総理大臣署名) 

法令一覧(年度別)に戻る