地方税法
法律第二百二十六号(昭二五・七・三一)
目次
第一章 総則(第一条―第二十二条)
第二章 道府県の普通税
第一節 附加価値税
第一款 通則(第二十三条―第二十九条)
第二款 課税標準及び税率(第三十条―第三十四条)
第三款 申告納付並びに更生及び決定(第三十五条―第五十七条)
第四款 更生、決定等に関する救済(第五十八条)
第五款 督促及び滞納処分(第五十九条―第六十五条)
第六款 犯則取締(第六十六条―第六十九条)
第七款 経過措置(第七十条―第七十四条)
第二節 入場税
第一款 通則(第七十五条―第八十五条)
第二款 徴収(第八十六条―第九十八条)
第三款 更正、決定等に関する救済(第九十九条)
第四款 督促及び滞納処分(第百条―第百六条)
第五款 犯則取締(第百七条―第百十二条)
第三節 遊興飲食税
第一款 通則(第百十三条―第百十七条)
第二款 徴収(第百十八条―第百三十条)
第三款 更正、決定等に関する救済(第百三十一条)
第四款 督促及び滞納処分(第百三十二条―第百三十八条)
第五款 犯則取締(第百三十九条―第百四十四条)
第四節 自動車税(第百四十五条―第百七十七条)
第五節 鉱区税(第百七十八条―第二百八条)
第六節 漁業権税(第二百九条―第二百三十五条)
第七節 狩猟者税(第二百三十六条―第二百五十八条)
第八節 道府県法定外普通税(第二百五十九条―第二百九十一条)
第三章 市町村の普通税
第一節 市町村民税
第一款 通則(第二百九十二条―第三百二条)
第二款 申告義務(第三百三条―第三百十条)
第三款 課税標準及び税率(第三百十一条―第三百十七条)
第四款 賦課及び徴収(第三百十八条―第三百二十八条)
第五款 督促及び滞納処分(第三百二十九条―第三百三十五条)
第六款 犯則取締(第三百三十六条―第三百四十条)
第二節 固定資産税
第一款 通則(第三百四十一条―第三百五十八条)
第二款 賦課及び徴収(第三百五十九条―第三百七十条)
第三款 督促及び滞納処分(第三百七十一条―第三百七十九条)
第四款 固定資産課税台帳(第三百八十条―第三百八十七条)
第五款 固定資産の評価及び価格の決定(第三百八十八条―第四百三十六条)
第六款 犯則取締(第四百三十七条―第四百四十一条)
第三節 自転車税(第四百四十二条―第四百六十三条)
第四節 荷車税(第四百六十四条―第四百八十五条)
第五節 電気ガス税(第四百八十六条―第五百十八条)
第六節 鉱産税(第五百十九条―第五百五十条)
第七節 木材引取税(第五百五十一条―第五百八十四条)
第八節 広告税(第五百八十五条―第六百十八条)
第九節 入湯税(第六百十九条―第六百四十七条)
第十節 接客人税(第六百四十八条―第六百六十八条)
第十一節 市町村法定外普通税(第六百六十九条―第七百一条)
第四章 目的税(第七百二条―第七百三十三条)
第五章 都等の特例(第七百三十四条―第七百三十九条)
第六章 昭和二十五年度及び昭和二十六年度において課する事業税及び特別所得税
第一節 通則(第七百四十条)
第二節 事業税(第七百四十一条―第七百七十五条)
第三節 特別所得税(第七百七十六条―第八百六条)
附則
第一章 総則
(用語)
第一条 この法律において、左の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 地方団体 道府県又は市町村をいう。
二 地方団体の長 道府県知事又は市町村長をいう。
三 徴税吏員 道府県知事若しくはその委任を受けた道府県吏員又は市町村長若しくはその委任を受けた市町村吏員をいう。
四 地方税 道府県税又は市町村税をいう。
五 標準税率 地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上の特別の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいい、地方財政委員会が地方財政平衡交付金の額を定める際に基準財政収入額の算定の基礎として用いる税率とする。
六 徴税令書 納税者が納付すべき地方税について、その賦課の根拠となつた法律及び当該地方団体の条例の規定、納税者の住所及び氏名、課税標準額、税率、税額、納期、各納期における納付額並びに納期限までに税金を納付しなかつた場合において執られるべき措置及び賦課に違法又は錯誤があつた場合における救済の方法を記載した文書で当該地方団体が作成するものをいう。
七 普通徴収 徴税吏員が徴税令書を当該納税者に交付(郵便をもつてする送付を含む。以下同様とする。)することによつて地方税を徴収することをいう。
八 申告納付 納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、及びその申告した税金を納付することをいう。
九 特別徴収 地方税の徴収について便宜を有する者にこれを徴収させ、且つ、その徴収すべき税金を納入させることをいう。
十 特別徴収義務者 特別徴収によつて地方税を徴収し、且つ、納入する義務を負う者をいう。
十一 申告納入 特別徴収義務者がその徴収すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、及びその申告した税金を納入することをいう。
十二 納入金 特別徴収義務者が徴収し、且つ、納入すべき地方税をいう。
十三 証紙徴収 地方団体が徴税令書を交付しないでその発行する証紙をもつて地方税を払い込ませることをいう。
十四 地方団体の徴収金 地方税並びにその督促手数料、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金、延滞加算金及び滞納処分費をいう。
2 この法律中道府県に関する規定は、都及び特別市に準用する。この場合においては、「道府県」、「道府県税」、「道府県知事」又は「道府県吏員」とあるのは、それぞれ「都」若しくは「特別市」、「都税」若しくは「特別市税」、「都知事」若しくは「特別市長」又は「都吏員」若しくは「特別市吏員」と読み替えるものとする。
3 都の市町村に対するこの法律の適用については、「道府県知事」とあるのは、「都知事」と読み替えるものとする。
4 全部事務組合は、この法律の適用については、一町村とみなす。
(地方団体の課税権)
第二条 地方団体は、この法律の定めるところによつて、地方税を賦課徴収することができる。
(地方税の賦課徴収に関する規定の形式)
第三条 地方団体は、その地方税の税目、課税客体、課税標準、税率その他賦課徴収について定をするには、当該地方団体の条例によらなければならない。
2 地方団体の長は、前項の条例の実施のための手続その他その施行について必要な事項を規則で定めることができる。
(道府県が課することができる税目)
第四条 道府県税は、普通税及び目的税とする。
2 道府県は、普通税として、左に掲げるものを課するものとする。但し、徴収に要すべき経費が徴収すべき税額に比して多額であると認められるものはその他特別の事情があるものについては、この限りでない。
一 附加価値税
二 入場税
三 遊興飲食税
四 自動車税
五 鉱区税
六 漁業権税
七 狩猟者税
3 道府県は、前項に掲げるものを除く外、別に税目を起して、普通税を課することができる。
4 道府県は、目的税として、水利地益税を課することができる。
(市町村が課することができる税目)
第五条 市町村税は、普通税及び目的税とする。
2 市町村は、普通税として、左に掲げるものを課するものとする。但し、徴収に要すべき経費が徴収すべき税額に比して多額であると認められるものその他特別の事情があるものについては、この限りでない。
一 市町村民税
二 固定資産税
三 自転車税
四 荷車税
五 電気ガス税
六 鉱産税
七 木材引取税
八 広告税
九 入湯税
十 接客人税
3 市町村は、前項に掲げるものを除く外、別に税目を起して、普通税を課することができる。
4 市町村は、目的税として、左に掲げるものを課することができる。
一 水利地益税
二 共同施設税
(公益等に因る課税免除及び不均一課税)
第六条 地方団体は、公益上その他の事由に因り課税を不適当とする場合においては、課税をしないことができる。
2 地方団体は、公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる。
(受益に因る不均一課税及び一部課税)
第七条 地方団体は、その一部に対して特に利益がある事件に関しては、不均一の課税をし、又はその一部に課税をすることができる。
(関係地方団体の長の意見が異なる場合の措置)
第八条 課税権の帰属その他この法律の規定の適用について関係地方団体の長が意見を異にする場合において、そのいずれかの地方団体の長からその決定を求める旨の申出があつた場合においては、その申出によつて、道府県税については地方財政委員会が、市町村税については道府県知事(関係市町村が二以上の道府県に係るときは、地方財政委員会)が、その申出を受けた日から六十日以内に、その決定をしなければならない。
2 地方財政委員会又は道府県知事は、前項の決定をした場合においては、遅滞なく、その旨を関係地方団体の長に通知しなければならない。
3 第一項の規定による道府県知事の決定に不服がある市町村長は、前項の通知を受けた日から三十日以内に地方財政委員会に訴願することができる。
4 第二項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、市町村長が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とみなす。
5 第三項の訴願の提起に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、同項の期間に算入しない。
6 地方財政委員会は、第三項の訴願を受理した場合においては、その日から六十日以内にその裁決をしなければならない。
7 地方財政委員会は、前項の裁決をした場合においては、遅滞なく、その旨を関係地方団体の長に通知しなければならない。
8 第一項の規定による地方財政委員会の決定又は第六項の規定による地方財政委員会の裁決について違法又は錯誤があると認める関係地方団体の長は、その決定又は裁決の通知を受けた日から三十日以内に裁判所に出訴することができる。
(納税義務の承継)
第九条 法人が合併した場合において、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人は、合併に因り消滅した法人に課されるべき地方税又は合併に因り消滅した法人が納入すべき納入金を納める義務を負う。
2 法人が解散した場合において、その法人に課されるべき地方税又はその法人が納入すべき納入金を納めないで残余財産を分配し、又は引き渡したときは、清算人及び残余財産の分配又は引渡を受けた者は、連帯して、その法人に課されるべき地方税又はその法人が納入すべき納入金を納める義務を負う。但し、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額を限度として、その義務を負う。
3 相続の開始があつた場合においては、相続人又は相続財団は、相続開始前の事実について被相続人に課されるべき地方税又は被相続人が納入すべき納入金を納める義務を負う。但し、限定承認をした相続人は、相続に因つて得た財産の価額を限度として、その義務を負う。
(地方団体の徴収金の納付又は納入の義務の承継)
第十条 法人が合併した場合において、合併に因り消滅した法人の未納に係る地方団体の徴収金があるときは、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人が、これを納める義務を負う。
2 法人が解散した場合において、その法人の未納に係る地方団体の徴収金を納めないで残余財産を分配し、又は引き渡したときは、清算人及び残余財産の分配又は引渡を受けた者は、連帯して、これを納める義務を負う。但し、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額を限度として、その義務を負う。
3 相続の開始があつた場合において、相続開始前の事実について被相続人の未納に係る地方団体の徴収金があるときは、相続人又は相続財団が、これを納める義務を負う。但し、限定承認をした相続人は、相続に因つて得た財産の価額を限度として、その義務を負う。
(連帯納付義務又は連帯納入義務)
第十一条 共有物、共同使用物、共同事業、共同事業に因り生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。
2 共有物、共同使用物、共同事業又は共同行為に係る納入金は、特別徴収義務者である共有者、共同使用者、共同事業者又は共同行為者が連帯して納入する義務を負う。
(不納せん動に関する罪)
第十二条 納税義務者又は特別徴収義務者がすべき課税標準額の申告(これらの申告の修正を含む。以下本条において「申告」と総称する。)をしないこと、虚偽の申告をすること、税金の徴収若しくは納付をしないこと、又は納入金の納入をしないことをせん動した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 申告をさせないため、虚偽の申告をさせるため、税金の徴収若しくは納付をさせないため、又は納入金の納入をさせないために、暴行又は脅迫を加えた者も、また、前項の懲役又は罰金に処する。
(秘密漏えいに関する罪)
第十三条 地方税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密をもらし、又は窃用した場合においては、二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
(時効)
第十四条 地方団体の徴収金の徴収を目的とする地方団体の権利は、五年間行わない場合においては、時効に因り消滅する。
2 この法律の規定による地方団体の徴収金の納付又は納入の告知(徴税令書、納期限変更告知書、督促状、更正若しくは決定の通知書又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知書の交付をいう。)は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
(先取特権等)
第十五条 地方団体の徴収金は、他のすべての公課(国税並びにその督促手数料及び滞納処分費(以下本条において「国の徴収金」という。)を除く。)及び債権に先だつて徴収する。
2 地方団体の徴収金の滞納処分によつて財産を差し押えた場合においては、当該地方団体の徴収金は、当該財産の価額を限度として、国の徴収金及び他の地方団体に係る地方団体の徴収金に先だつものとする。
3 納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合において徴税吏員が交付を求めた地方団体の徴収金は、当該各号の場合における国の徴収金の外、第一号の場合における滞納処分に係る地方団体の徴収金並びに国税及び地方税以外の公課の督促手数料、延滞金及び滞納処分費、第二号の場合における強制執行の費用、第三号の場合における破産手続上の費用及び第四号の場合における競売費用に対しては、先取しない。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
4 地方税の督促手数料、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金、延滞加算金及び滞納処分費は、地方税に先だつて徴収する。
5 納税者又は特別徴収義務者の財産上に質権又は抵当権を有する者がその質権又は抵当権が地方税の納期限より一年前に設定されたことを公正証書で証明した場合においては、その財産の価額を限度として、当該質権又は抵当権が担保する債権に対しては、地方税は、先取しない。
(繰上徴収)
第十六条 地方団体は、納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、既に納付義務又は納入義務が確定した地方税については、納期に至つて税金又は納入金の徴収を完了することができないと認められるものに限り、納期前であつても、税金又は納入金の全額の繰上徴収をすることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者又は特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
七 納税者又は特別徴収義務者に税金又は納入金を免かれようとする行為があると認められるとき。
2 徴税吏員は、前項の規定によつて繰上徴収をする場合においては、納期限変更告知書を発しなければならない。
(過誤納に係る地方団体の徴収金の取扱)
第十七条 地方団体は、納税者又は特別徴収義務者の過納又は誤納に係る地方団体の徴収金がある場合においては、これを当該納税者又は特別徴収義務者に還付しなければならない。但し、当該納税者又は特別徴収義務者の未納に係る地方団体の徴収金がある場合においては、これに充当することができる。
(還付又は充当加算金)
第十八条 地方団体は、納税者又は特別徴収義務者の過納又は誤納に係る地方団体の徴収金を還付し、又はこれを当該納税者又は特別徴収義務者の未納に係る地方団体の徴収金に充当する場合においては、納付又は納入の日の翌日から地方団体が還付のために支出し、又は充当した日までの期間(過納又は誤納に係る地方団体の徴収金を還付すべきことを納税者又は特別徴収義務者に通知した日から三十日以内に納税者又は特別徴収義務者が当該地方団体の徴収金の還付の請求をしない場合においては、その通知をした日の後三十日を経過した日から還付の請求があつた日までの期間を除く。)に応じ、過納又は誤納に係る金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額を当該地方団体の徴収金の額に加算して還付し、又は充当しなければならない。但し、その過納又は誤納であることが納税者又は特別徴収義務者の責に帰すべき事由に因る場合においては、この限りでない。
2 前項の規定によつて加算すべき金額が十円未満である場合においては、これを加算しないことができる。
(書類の送達)
第十九条 徴税令書、納期限変更告知書、督促状、還付、更正及び決定の通知書、過少申告加算金額、不申告加算金額及び重加算金額の決定の通知書並びに滞納処分に関する書類は、納税者又は特別徴収義務者の住所、居所、事務所又は事業所に送達する。納税者又は特別徴収義務者が相続財団である場合においては、その財産管理人の住所又は居所に送達する。
2 前項の書類は、納税管理人がある場合においては、その住所、居所、事務所又は事業所に送達する。
(公示送達)
第二十条 前条の規定によつて書類の送達を受けるべき者がその住所、居所、事務所若しくは事業所において当該書類の受取を拒んだ場合又はその者の住所、居所、事務所及び事業所が不明であり、若しくは本邦内にない場合においては、当該地方団体の条例の定めるところによつて、当該書類の要旨を公告し、公告の初日から十四日を経過したときは、当該書類の送達があつたものとみなす。
(道府県税の賦課徴収の委任)
第二十一条 道府県は、道府県税の賦課徴収に関する事務を市町村に委任してはならない。但し、左の各号の一に該当する場合においては、市町村に委任することができる。
一 道府県税の納税義務者又は特別徴収義務者の住所、居所、家屋敷、事務所、事業所又は財産が当該道府県の徴税吏員による賦課徴収を著しく困難とする地域に在ること。
二 市町村が道府県税の賦課徴収に関する事務の一部を委任されることに進んで同意したこと。
三 前二号に掲げる場合を除く外、道府県から当該道府県税の賦課徴収に関する事務の一部を市町村に委任することについて申請があつた場合において、地方財政委員会がその必要を認めて許可をしたこと。
2 道府県は、前項但書の規定によつて道府県税の賦課徴収に関する事務の一部を市町村に委任した場合においては、当該市町村においてその事務を行うために要する費用を補償しなければならない。
3 前項の補償は、市町村の請求があつた日から、遅くとも、三十日以内にしなければならない。
(徴収の嘱託)
第二十二条 地方団体の徴収金を納付すべき者が当該地方団体外に住所、居所、家屋敷、事務所若しくは事業所を有し、又はその者の財産が当該地方団体外に在る場合においては、地方団体の徴税吏員は、その者の住所、居所、家屋敷、事務所若しくは事業所又はその者の財産の所在地の地方団体の徴税吏員にその徴収を嘱託することができる。
2 前項の場合における徴収は、嘱託を受けた徴税吏員の属する地方団体における徴収の例による。
3 第一項の規定によつて徴収を嘱託した場合においては、嘱託に係る事務及び送金に要する費用は、嘱託を受けた徴税吏員の属する地方団体の負担とし、嘱託に係る事務に伴う督促手数料及び滞納処分費は、嘱託を受けた徴税吏員の属する地方団体の収入とする。
第二章 道府県の普通税
第一節 附加価値税
第一款 通則
(附加価値税の納税義務者等)
第二十三条 附加価値税は、第一種事業から第三種事業までの事業の附加価値に対し、附加価値額を課税標準として、事務所又は事業所所在の道府県において、その事業を行う者に課する。
2 前項の第一種事業とは、左に掲げるものをいう。
一 物品販売業(動植物その他普通に物品といわないものの販売業を含む。)
二 銀行業(銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫その他政令で定める金融機関が行う金融事業をいう。以下附加価値税について同様とする。)
三 無尽業
四 信託業(担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)による信託事業を含む。以下附加価値税について同様とする。)
五 保険業(保険業法(昭和十四年法律第四十一号)又は外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)によつて主務大臣の免許を受けて行う保険事業に限る。以下附加価値税について同様とする。)
六 金銭貸付業
七 証券業
八 物品貸付業(動植物その他普通に物品といわないものの貸付業を含む。)
九 製造業(物品の加工修理業を含む。以下附加価値税について同様とする。)
十 電気供給業
十一 ガス供給業
十二 土石採取業
十三 無線通信放送事業
十四 運送業(運送取扱業を含む。以下附加価値税について同様とする。)
十五 自動車道事業
十六 運河業
十七 さん橋業
十八 船舶ていけい場業
十九 貨物陸揚場業
二十 倉庫業(物品の寄託を受け、これを保管する業を含む。)
二十一 請負業
二十二 印刷業
二十三 出版業(政令で定める新聞業を除く。)
二十四 写真業
二十五 席貸業
二十六 旅館業
二十七 料理店業
二十八 周旋業
二十九 代理業
三十 仲立業
三十一 問屋業
三十二 両替業
三十三 演劇興行業
三十四 遊技場業
三十五 遊覧所業
三十六 前各号に掲げるものを除く外、これらに類する事業で政令で定めるもの
3 第一項の第二種事業とは、左に掲げるものをいう。
一 畜産業(農業に附随して行うもの及び主として土地を利用して行うものを除く。)
二 水産業
三 前二号に掲げるものを除く外、これらに類する事業で政令で定めるもの
4 第一項の第三種事業とは、左に掲げるものをいう。
一 医業
二 歯科医業
三 薬剤師業
四 助産婦業
五 獣医業
六 弁護士業
七 司法書士業
八 行政書士業
九 公証人業
十 弁理士業
十一 税務代理士業
十二 公認会計士業
十三 計理士業
十四 設計監督士業
十五 理容業
十六 諸芸師匠業
十七 公衆浴場業
十八 新聞業(第二項第二十三号の政令で定めるものに限る。)
十九 前各号に掲げるものを除く外、これらに類する事業で政令で定めるもの
5 事務所又は事業所を設けないで行う事業の附加価値については、その事業を行う者の住所又は居所のうちその事業と最も関係の深いものをもつてその事務所又は事業所とみなして、第一項の規定を適用する。
6 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるものについては、本節中法人に関する規定を準用する。
(附加価値税の非課税の範囲)
第二十四条 道府県は、左の各号に掲げる事業の附加価値に対しては、附加価値税を課することができない。
一 国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区及びこれらの組合が行う事業
二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条及び第九十八条第一項の学校を設置する学校法人並びに私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第六十四条第四項の法人が行う第二種事業及び第三種事業
三 国民金融公庫、住宅金融公庫、復興金融金庫、法令による公団、商船管理委員会、特殊会社整理委員会、閉鎖機関整理委員会、証券処理調整協議会、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本放送協会が行う事業
四 農業
五 林業
六 鉱物の掘採及び砂鉱の採取の事業
七 主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるもの
(附加価値税に係る徴税吏員の質問検査権)
第二十五条 道府県の徴税吏員は、附加価値税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該附加価値税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 附加価値税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第六十一条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(附加価値税に係る検査拒否等に関する罪)
第二十六条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、防げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(附加価値税の納税管理人)
第二十七条 附加価値税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(附加価値税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第二十八条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(附加価値税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第二十九条 道府県は、附加価値税の納税義務者が第二十七条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第二款 課税標準及び税率
(附加価値税の課税標準)
第三十条 第二十三条第一項の附加価値額は、法人については各事業年度の附加価値額とし、個人については当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの附加価値額とする。
2 前項の事業年度とは、法令、定款、寄附行為、規則又は規約に定める事業年度その他これに準ずる期間をいう。
3 法人が事業年度の中途において解散し、又は合併に因り消滅した場合においては、その事業年度開始の日から解散若しくは合併の日までの期間又は解散の日の翌日からその事業年度の末日までの期間をもつて一事業年度とみなす。清算を結了した場合においては、清算結了の日の属する事業年度の開始の日から清算結了の日までの期間をもつて一事業年度とみなす。
4 法人についての附加価値額は、各事業年度の総売上金額から特定の支出金額を控際した金額とする。
5 個人についての附加価値額は、当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの総売上金額から特定の支出金額を控除した金額とする。
6 前二項の総売上金額とは、第一種事業から第三種事業までの事業(「事業」という。以下附加価値税について同様とする。)に係る物品(土地、家屋、電気、ガス、動植物その他普通に物品といわないものを含む。)の売上金額又は役務の対価として収入すべき金額(金銭以外の物又は権利をもつて収入すべき場合においては、当該物又は権利の価額をいう。以下附加価値税について同様とする。)及び固定資産の売却額その他事業に附随して収入すべき金額で政令で定めるものの合計額をいい、利子及び株式配当金(銀行業、無尽業、信託業、保険業及び金銭貸付業を行う者が収入すべき利子及び株式配当金を除く。)並びに地代及び家賃の収入額を含まないものとする。
7 第四項及び第五項の特定の支出金額とは、事業に直接必要な外部に支出すべき金額(金銭以外の物又は権利をもつて支出すべき場合においては、当該物又は権利の価額をいう。以下附加価値税について同様とする。)のうち土地、家屋、家屋以外の減価償却が可能な固定資産(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、鉱業権(土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)、砂鉱権、漁業権、水利権及び営業権を含む。以下附加価値税について同様とする。)、商品、半製品、原材料、補助材料及び消耗品の購入代金並びに左の各号に掲げる金額の合計額をいう。
一 手数料、保管料、使用料(地代及び家賃を除く。)並びに銀行業、無尽業、信託業、保険業及び金銭貸付業を行う者が支出すべき利子
二 損害保険料(再保険料を含む。)
三 修繕料及び加工料
四 宣伝広告料
五 運送料及び通信料
六 動力料及び水道光熱料
七 公租公課(所得税、法人税、富裕税、市町村民税その他政令で定めるものを除く。)
八 国庫納金(価格差益金その他政令で定めるものに限る。)
九 前各号に掲げるものを除く外、これらに類するもので政令で定めるもの
8 民法第三十四条の法人、学校法人その他政令で定める法人がその事業に係る総売上金額の全部又は一部を社会事業その他の公益事業に支出する場合における当該支出金額は、政令の定めるところによつて、前項の特定の支出金額とみなす。
9 農業協同組合その他政令で定める特別法人が取り扱つた物の数量、価額その他事業の分量に応じて分配すべき金額は、第七項の特定の支出金額とする。
10 附加価値額の算定については、この法律に定めるものを除く外、政令で定める。
(総売上金額から控除すべき支出金額が総売上金額をこえた場合の措置)
第三十一条 個人にあつては前五年以内、法人にあつては各事業年度の開始の日前五年以内に開始した事業年度において前条の規定によつて総売上金額から控除すべき特定の支出金額が総売上金額をこえた場合においては、そのこえた部分の額は、同条の規定による附加価値額の計算上特定の支出金額に算入する。但し、算入する額は、算入する年の前の年又は算入する事業年度の前の事業年度までにおいて算入されなかつた額に限る。
(附加価値税の税率)
第三十二条 附加価値税の標準税率は、第一種事業の附加価値に対するものについては百分の四、第二種事業又は第三種事業の附加価値に対するものについては百分の三とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、それぞれ百分の八又は百分の六をこえることができない。
2 道府県は、前項の標準税率と異なる税率で課税しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会に対してその旨を届け出なければならない。
3 道府県は、附加価値税の課税については、同一年度内においては、同一の税率によらなければならない。
(附加価値税の税率の年度区分)
第三十三条 法人の行う事業の附加価値に対する附加価値税の税率は、法人の事業年度終了の日の属する年度の税率による。
(附加価値税の免税点)
第三十四条 道府県は、法人又は個人の行う事業の附加価値額の総額が十二月分として九万円に満たない場合においては、附加価値税を課することができない。但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、附加価値額が九万円に満たないときであつても、附加価値税を課することができる。
第三款 申告納付並びに更正及び決定
(法人の附加価値税の申告納付)
第三十五条 事業を行う法人は、各事業年度の附加価値額に係る附加価値税を、各事業年度終了の日から二月以内に申告納付しなければならない。
2 合併に因り消滅した法人の合併の日の属する事業年度の附加価値額に係る附加価値税については、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人が合併の日から二月以内に申告納付しなければならない。
3 前二項の場合において、事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出すべき申告書には、事業の種類、当該事業年度中に有していた事務所又は事務所の名称及びその所在地並びに附加価値額及び附加価値税額(第三十六条の規定によつて概算納付した法人にあつては、附加価値額、附加価値税額及びその概算納付した税額)を記載するとともに、これに財産目録、貸借対照表、損益計算書(貸借対照表若しくは損益計算書を作成することを要しない法人にあつては、これらに準ずるものをいう。)又は清算に関する計算書、当該事業年度の附加価値額に関する計算書、当該事業年度に係る法人税の課税標準とすべき所得、当該事業年度中における固定資産の減価償却額並びに当該事業年度中において支払つた給与、利子、地代及び家賃の額を記載した書類を添附しなければならない。
4 第三十六条の規定によつて概算納付した税額は、第一項の規定によつて申告納付すべき税額から控除する。
5 前条の規定に該当する法人は、道府県が当該道府県の条例で第一項から第三項までの規定による申告をしなければならない旨の規定を設けた場合においては、当該各項の規定による申告をしなければならない。
(法人の附加価値税の概算納付)
第三十六条 事業を行う法人で事業年度が六月をこえるもの(第五項の規定に該当する法人を除く。)は、事業年度開始の日から六月を経過した日の後一月以内に、前事業年度の附加価値額を同事業年度の月数で除して得た額の六倍の額を課税標準として算定した附加価値税額を概算納付しなければならない。但し、概算納付の期限前に当該事業年度の附加価値額の見込額が前事業年度の附加価値額を同事業年度の月数で除して得た額に当該事業年度の月数を乗じて得た額の二分の一以下に低下すべきことを証明するに足る証拠を提出して道府県知事の承認を得た法人は、事業年度開始の日から六月を経過した日までの間(「概算期間」という。以下附加価値税について同様とする。)の附加価値額を課税標準として算定した附加価値税額を概算納付することができる。
2 前項但書の承認を受けようとする法人は、当該道府県の条例で定める期限までに、当該事業年度の附加価値額の見込額及びその計算の方法を記載した書類並びにその計算の基礎となつた事実を証明する書類を添附した申請書を事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出しなければならない。
3 道府県知事は、前項の申請書を受理した場合において、申請書の添附書類を審査して当該申請に係る当該事業年度の附加価値額の見込額について第一項但書に規定する事由があると認めるときは、当該申請に対して承認を与えなければならない。
4 道府県知事は、前項の承認をした場合においては、遅滞なく、その旨を当該申請をした法人に通知しなければならない。当該申請の却下の決定をした場合においても、また、同様とする。
5 前事業年度の附加価値額に係る附加価値税を納付することを要しなかつたもの又は新たに設立した法人で事業年度が六月をこえるものは、事業年度開始の日から六月を経過した日の後一月以内に、概算期間の附加価値額を課税標準として算定した附加価値税額を概算納付しなければならない。但し、新たに設立した法人で設立した日の属する事業年度が九月をこえない場合においては、当該事業年度に限り、概算納付することを要しない。
6 第一項又は前項の規定によつて概算納付する法人は、事業の種類、概算期間において有していた事務所又は事業所の名称及びその所在地並びに第一項又は前項の規定によつて課税標準とした附加価値額及び附加価値税額を記載した概算納付書に当該附加価値額に関する計算書を添附して、これを事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出しなければならない。但し、第一項本文の規定によつて概算納付する場合においては、計算書を添附することを要しない。
(個人の附加価値税の概算納付)
第三十七条 事業を行う個人(第二項の規定に該当する者を除く。)は、毎年五月三十一日及び九月三十日までに、前年の附加価値額を同年中の事業を行つていた月数で除して得た額の十二倍の額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の一に相当する額を、それぞれ概算納付しなければならない。但し、概算納付の期限前に、当該年の附加価値額の見込額が前年の附加価値額を同年中の事業を行つていた月数で除して得た額の十二倍の額の二分の一以下に低下すべきことを証明するに足る証拠を提出して道府県知事の承認を得た個人は、当該年の附加価値額の見込額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の一に相当する額を概算納付することができる。
2 当該年中(九月一日以後を除く。)において新たに事業を開始した個人又は前年の附加価値額に係る附加価値税を納付することを要しなかつた個人は、毎年五月三十一日までに、一月一日から四月三十日までの間の附加価値額の概算額の三倍の額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の一に相当する額を概算納付し、九月三十日までに、一月一日から八月三十一日までの間の附加価値額の概算額の二分の三倍の額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の二に相当する額から五月三十一日までの分として概算納付した額を控除した額を概算納付しなければならない。但し、五月三十一日までに概算納付すべき分については、同日前に、当該年の附加価値額の見込額がその概算納付すべき額についての課税標準額の二分の一以下に低下すべきことを証明するに足る証拠を提出して道府県知事の承認を得た個人は、当該年の附加価値額の見込額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の一に相当する額を概算納付し、九月三十日までに概算納付すべき分については、同日前に、当該年の附加価値額の見込額がその概算納付すべき額についての課税標準額の二分の一以下に低下すべきことを証明するに足る証拠を提出して道府県知事の承認を得た個人は、当該年の附加価値額の見込額を課税標準として算定した附加価値税額の三分の二に相当する額から五月三十一日までの分として概算納付した額を控除した額を概算納付することができる。
3 第一項但書又は前項但書の承認を受けようとする個人は、当該道府県の条例で定める期限までに、当該年の附加価値額の見込額及びその計算の方法を記載した書類並びにその計算の基礎となつた事実を証明する書類を添附した申請書を事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出しなければならない。
4 道府県知事は、前項の申請書を受理した場合において、申請書の添附書類を審査して当該申請に係る当該年の附加価値額の見込額について第一項但書又は第二項但書に規定する事由があると認めるときは、当該申請に対して承認を与えなければならない。
5 道府県知事は、前項の承認をした場合においては、遅滞なく、その旨を当該申請をした者に通知しなければならない。当該申請の却下の決定をした場合においても、また、同様とする。
6 第一項又は第二項の規定によつて概算納付する個人は、五月三十一日までに概算納付すべき分については一月一日から四月三十日までの間に、九月三十日までに概算納付すべき分については五月一日から八月三十一日までの間に有していた事務所又は事業所の名称及びその所在地、事業の種類並びに第一項又は第二項の規定によつて課税標準とした附加価値額及び附加価値税額を記載した概算納付書に当該附加価値額に関する計算書を添附して、これを事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出しなければならない。但し、第一項本文の規定によつて概算納付する場合においては、計算書を添附することを要しない。
(個人の附加価値税の申告納付)
第三十八条 事業を行う個人は、当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの附加価値額に係る附加価値税を、翌年の二月十日まで(事業を廃止した場合においては、事業廃止の日から二月以内とし、一月一日から三月三十一日までの間に事業を廃止した場合においては、四月三十日までとする。)に、申告納付しなければならない。
2 前項の場合において、事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出すべき申告書には、事業の種類、その年中(事業を廃止した場合においては、事業廃止の日までの間)に有していた事務所又は事業所の名称及びその所在地並びに附加価値額及び附加価値税額(前条の規定によつて概算納付した個人にあつては、附加価値額、附加価値税額及び概算納付した税額)を記載するとともに、当該附加価値額に関する計算書、その年に係る所得税の課税標準とすべき所得、その年中における固定資産の減価償却費並びにその年中において支払つた給与、利子、地代及び家賃の額を記載した書類を添附しなければならない。
3 前条の規定によつて概算納付した税額は、第一項の規定によつて申告納付すべき税額から控除する。
4 第三十四条の規定に該当する個人は、道府県が当該道府県の条例で第一項又は第二項の規定による申告をしなければならない旨の規定を設けた場合においては、当該各項の規定による申告をしなければならない。
(附加価値税の修正申告納付)
第三十九条 第三十五条又は前条の規定によつて申告書を提出した者は、当該申告書を提出した後においてその申告に係る課税標準額又は税額を修正しなければならない場合においては、遅滞なく、修正申告書を提出するとともに、修正に因り増加した税額があるときは、これを納付しなければならない。
(法人の代表者等の自署及び押印の義務)
第四十条 第三十五条の規定による申告書若しくは前条の規定によつて法人が提出する修正申告書又は第三十六条の規定による概算納付書(「申告書等」という。以下本条及び第四十一条において同様とする。)には、法人の代表者(二人以上の者が共同して法人を代表する場合においては、その全員)が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。但し、法人の代表者が二人以上ある場合(二人以上の者が共同して法人を代表する場合を除く。)においては、これらの者のうち、社長、理事長、事務取締役、常務取締役その他の者で申告書等の作成の時において法人の業務を主宰している者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。
2 前項の申告書等には、同項の代表者の外、法人の役員及び職員のうち申告書等の作成の時において当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。この場合において、その申告書等の記載が自己の意見に反するときは、その旨を申告書等に記載しなければならない。
3 前二項の規定によつて申告書等に自署し、且つ、自己の印を押すべき者は、外国法人にあつては、この法律の施行地にある資産又は事業の管理又は経営の責任者及び当該資産又は事業に係る経理に関する業務の上席の責任者とする。この場合においては、前項後段の規定は、当該資産又は事業の管理又は経営の責任者に対しても適用があるものとする。
4 前三項の規定による自署及び押印の有無は、第一項の申告書等による申告の効力に影響を及ぼすものではない。
(法人の代表者等の自署及び押印の義務違反に関する罪)
第四十一条 前条第一項から第三項までの規定に違反した者又はこれらの規定に違反する申告書等の提出があつた場合においてその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因り、その刑を免除することができる。
(附加価値税の脱税に関する罪)
第四十二条 詐偽その他不正の行為によつて第三十五条第三項の附加価値税額の全部又は一部を免かれた場合においては、法人の代表者又は代理人若しくは使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 詐偽その他不正の行為によつて第三十八条第二項の附加価値税額の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 前二項の免かれた税額が五百万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(附加価値税に係る虚偽の概算納付に関する罪)
第四十三条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 虚偽の証拠を提出して第三十六条第一項但書の規定による道府県知事の承認を受けた場合において、法人の代表者又は代理人若しくは使用人その他の従業者でその違反行為をした者
二 虚偽の証拠を提出して第三十七条第一項但書又は同条第二項但書の規定による道府県知事の承認を受けた者
三 第三十六条第六項の規定によつて提出すべき概算納付書に同条第一項又は第五項の規定によつて概算すべき事項について虚偽の記載をしてこれを提出した場合において、法人の代表者又は代理人若しくは使用人その他の従業者でその違反行為をした者
四 第三十七条第六項の規定によつて提出すべき概算納付書に同条第一項又は第二項の規定によつて概算すべき事項について虚偽の記載をしてこれを提出した者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(附加価値税に係る概算納付書の不提出に関する過料)
第四十四条 道府県は、附加価値税の納税義務者が第三十六条第六項又は第三十七条第六項の規定によつて提出すべき概算納付書を正当な事由がなくて提出しなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(附加価値税の納期限の延長)
第四十五条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、附加価値税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(附加価値税の減免)
第四十六条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において附加価値税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、附加価値税を減免することができる。
(附加価値税の更正及び決定)
第四十七条 道府県知事は、第三十五条若しくは第三十八条の規定による申告書(以下附加価値税について「申告書」と総称する。)又は第三十九条の規定による修正申告書の提出があつた場合において、当該申告又は修正申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 道府県知事は、納税者が申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 道府県知事は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが納税者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 道府県知事は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(附加価値税の不足税額及びその延滞金の徴収)
第四十八条 道府県の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足税額(更正に因る不足税額又は決定に因る税額をいう。以下附加価値税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足税額に第三十五条又は第三十八条の納期限(第四十五条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下附加価値税について同様とする。)の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該不足税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 道府県知事は、納税者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納付する附加価値税の延滞金)
第四十九条 附加価値税の納税者は、第三十五条若しくは第三十八条の納期限後にその税金を納付する場合若しくは第三十九条の規定による修正に因り増加した税額を申告納付する場合又は第三十六条若しくは第三十七条の納期限(第四十五条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下附加価値税について同様とする。)後に概算納付する場合においては、それぞれこれらの税額に当該税額に係る納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が第三十五条若しくは第三十八条の納期限までに税金を納付しなかつたこと若しくは第三十九条の規定による修正申告を必要としたこと又は第三十六条若しくは第三十七条の納期限までに概算納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(附加価値税の過少申告加算金及び不申告加算金)
第五十条 申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第四十七条第一項又は第三項の規定による更正があつたとき、又は修正申告書の提出があつたときは、道府県知事は、当該更正又は修正申告前の申告又は修正申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足税額又は当該修正申告に因つて増加した税額が二千円以上であるときは、その税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、道府県知事は、第一号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正又は修正申告前の申告又は修正申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該申告に係る税額について、その期限の翌日から当該申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第四十七条第一項若しくは第三項の規定による更正があつたとき、又は修正申告書の提出があつたときは、当該更正に因る不足税額又は当該修正申告に因り増加した税額について、前号に規定する期間
三 第四十七条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足税額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第四十七条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足税額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 道府県知事は、申告書の提出期限後にその提出があつた場合又は修正申告書の提出があつた場合において、その提出が当該納税者に係る附加価値税額について道府県知事の調査による決定又は更正があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該修正申告に係る過少申告加算金額を徴収せず、又は当該申告に係る税額若しくは当該修正申告に因り増加した税額にそれぞれ百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 道府県知事は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(附加価値税の重加算金)
第五十一条 前条第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書又は修正申告書を提出したときは、道府県知事は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足税額又は修正に因り増加した税額が二百円以上であるときは、その不足税額又は修正に因り増加した税額に、百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、道府県知事は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 道府県知事は、前二項の規定に該当する場合において申告書又は修正申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該申告に係る税額又は当該修正申告に因り増加した税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 道府県知事は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(青色申告書による申告手続)
第五十二条 事業を行う者は、附加価値額の計算に関し地方財政委員会規則で定める記載事項を記載する帳簿書類を備え附ける場合において、道府県知事(二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う者にあつては、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事とする。以下本条において同様とする。)の承認を受けたときは、申告書又は修正申告書を青色申告用紙によつて提出することができる。この場合において、当該申告書又は修正申告書を青色申告書という。
2 前項の規定による青色申告書の提出について道府県知事の承認を受けようとする者は、当該申告に係る事業年度、概算期間又はこれらに相当する期間の初日の前日までに、当該道府県の条例の定めるところによつて、道府県知事にその申請をしなければならない。
3 道府県知事は、前項の申請があつた場合において、当該申請をした者の備え附ける帳簿書類が第一項の地方財政委員会規則の規定に準拠していないと認められるとき、若しくはその帳簿書類に虚偽の記載があると認められる事実を発見したとき、又はその申請が第六項の規定による取消の通知を受けた日から一年以内に提出されたものであるときに限り、当該申請を却下することができる。
4 道府県知事は、第二項の申請に対して承認を与える場合において、必要があると認めるときは、その申請をした者の備え附ける第一項の帳簿書類について必要な指示をすることができる。
5 道府県知事は、青色申告書を提出することについてその承認を受けた者が地方財政委員会規則で定める事項に準拠していないと認めるべき事実又は帳簿書類に虚偽の記載があると認めるべき事実を発見した場合においては、その事実が生じたと認められる時までさかのぼつて、その承認を取り消すことができる。この場合においては、その事実が生じた時以後に提出した青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなす。
6 道府県知事は、第二項の申請を承認し、若しくはこれを却下した場合又は前項の規定による承認の取消をした場合においては、遅滞なく、その旨を当該申請をした者又は承認を受けている者に通知しなければならない。
(青色申告書による申告に関する更正及び決定)
第五十三条 道府県知事は、青色申告書の提出を認められている者のその提出を認められている期間に係る附加価値額について第四十七条の規定による更正又は決定をしようとする場合においては、あらかじめ、その帳簿書類を調査して地方財政委員会規則で定める記載事項が正確に記載されていないことを指摘し、その指摘したところに基かなければ、これをすることができない。但し、第三十条の規定に従つて附加価値額が計算されていないことが青色申告書の記載によつて明らかである場合においては、その附加価値額を第四十七条の規定によつて更正することを妨げない。
(二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う場合の申告納付等)
第五十四条 二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う者が第三十五条、第三十八条若しくは第三十九条の規定によつて附加価値税を申告納付する場合又は第三十六条若しくは第三十七条の規定によつて附加価値税を概算納付する場合においては、当該事業に係る附加価値額の総額を関係道府県に分割し、その分割した額を課税標準とし、関係道府県ごとに附加価値税額を算定して、これを申告納付し、又は概算納付するとともに、附加価値額の総額に関する計算書及び分割に関する明細書を関係道府県知事に提出しなければならない。この場合においては、附加価値額の総額及びこれを関係道府県に分割した額を申告書、修正申告書又は概算納付書に記載しなければならない。
2 前項の場合においては、当該事業を行う者は、同項の規定によつて主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出した書類の写を、当該道府県知事を経由して地方財政委員会に提出しなければならない。
3 第一項の規定による分割は、法人にあつては第三十五条又は第三十六条に規定する申告書又は概算納付書に記載された事務所又は事業所について、個人にあつては第三十七号又は第三十八条に規定する概算納付書又は申告書に記載された事務所又は事業所について、製造業、電気供給業、ガス供給業、自動車道事業、運河業、さん橋業、船舶ていけい場業及び貨物陸揚場業にあつては附加価値額の総額の二分の一を当該事務所又は事業所の固定資産の価額に、他の二分の一を当該事務所又は事業所の従業者の給与額にあん分して行い、その他の事業にあつては附加価値額の総額を当該事務所又は事業所の従業者の給与額にあん分して行うものとする。但し、第三十六条第一項本文又は第三十七条第一項本文の規定によつて、前事業年度又は前年の附加価値額を基礎として概算納付する場合においては、関係道府県知事の承認を受けた場合を除く外、それぞれ前事業年度又は前年の附加価値額の分割に用いた基準によらなければならない。
4 前項の場合において、固定資産の価額は、課税標準の算定期間の末日現在における価額とし、従業者の給与額は、課税標準の算定期間中において従業者に支払われた給与額の総額とする。
5 第三項の場合において、固定資産の価額は、課税標準の算定期間中に固定資産の全部又は一部が地震、水火災その他の事由に因り滅失し、又はその所在が他の道府県に移動したときは、前項の規定にかかわらず、課税標準の算定期間の各月の末日現在における価額の合計額とする。
(二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う場合の申告納付に関する更正又は決定)
第五十五条 前条第一項の附加価値額の総額又は関係道府県ごとに分割された若しくは分割されるべき附加価値額について第四十七条第一項から第三項までの規定によつてすべき更正又は決定は、地方財政委員会の指示に基いて主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事が行う。
2 関係道府県知事は、前条第一項の附加価値額の総額又は関係道府県ごとに分割された若しくは分割されるべき附加価値額の更正又は決定の必要があると認めた場合においては、その事由を記載した書類を添えて、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事を経由して地方財政委員会に対し、その指示を請求しなければならない。この場合において、附加価値額の更正に関する指示の請求は、更正されるべき附加価値額に係る附加価値税の申告書又は修正申告書を受理した日から三十日以内にしなければならない。
3 主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事は、前項の請求に係る書類を受け取つた場合においては、その書類を受け取つた日から三十日以内に、その意見を附けて、これを地方財政委員会に送付しなければならない。
4 地方財政委員会は、前項の書類及び意見の送付を受けた場合において、前条第一項の附加価値額の総額又は関係道府県ごとに分割された若しくは分割されるべき附加価値額の更正又は決定の必要があると認めた場合においては、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事に対し、その更正又は決定の指示をしなければならない。この場合において、更正又は決定の必要がないと認めたときは、その旨を通知しなければならない。
5 前項の指示又は通知は、第三項の書類及び意見の送付を受けた日から二月以内にしなければならない。但し、特別の事情がある場合においては、この限りでない。
6 主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事は、第一項又は第四項の指示を受けた場合においては、前条第一項の附加価値額の総額又は関係道府県ごとに分割された若しくは分割されるべき附加価値額を更正し、又は決定してその旨を関係道府県知事に通知するとともに、地方財政委員会に報告しなければならない。この場合において、関係道府県が課すべき附加価値税に係る更正又は決定は、それぞれ関係道府県知事がした更正又は決定とみなす。
(附加価値税に係る地方財政委員会事務局の職員の質問検査権)
第五十六条 前条の場合において、地方財政委員会事務局の職員で地方財政委員会委員長が指定する者は、附加価値税の課税標準の分割の調査のために必要があるときは、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該附加価値税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該職員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(地方財政委員会事務局の職員の行う検査拒否等に関する罪)
第五十七条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条第一項の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載したものを呈示した者
三 前条の規定による地方財政委員会事務局の職員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第四款 更正、決定等に関する救済
(違法又は錯誤に係る附加価値税に関する更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定等の救済)
第五十八条 第四十七条第四項又は第五十条第四項若しくは第五十一条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の場合において、二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う者の事業の附加価値額の更正又は決定に係る異議の申立は、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事にするものとする。
3 第三十六条第四項、第三十七条第五項又は第五十二条第六項の規定による道府県知事の通知を受けた者は、その通知に係る事項について不服がある場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
4 第一項又は前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて当該各項の通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
5 第二項の規定によつて主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事にすべき第一項の規定による異議の申立に対する当該道府県知事の決定は、地方財政委員会の指示に従つてしなければならない。
6 第一項又は第三項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
7 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
8 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項又は第三項の期間に算入しない。
3 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
10 第一項若しくは第三項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、附加価値税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第五款 督促及び滞納処分
(附加価値税に係る督促)
第五十九条 納税者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足税額の納期限をいう。以下附加価値税について同様とする。)までに附加価値税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(附加価値税に係る督促手数料)
第六十条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(附加価値税に係る滞納処分)
第六十一条 第五十九条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに附加価値税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
9 道府県の徴税吏員は、納税者が第三十六条又は第三十七条の規定によつて概算納付すべき附加価値税については、第一項の規定による滞納処分を行う場合においても、それぞれ第三十五条又は第三十八条の規定による申告書の提出期限までは、公売をすることができない。
(附加価値税に係る滞納処分に関する罪)
第六十二条 附加価値税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞税処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による附加価値税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第六十三条 第六十一条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(附加価値税に係る交付要求)
第六十四条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、附加価値税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(附加価値税に係る延滞加算金)
第六十五条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、附加価値税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
第六款 犯則取締
(附加価値税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第六十六条 附加価値税に関する犯則事件については、国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第六十七条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、附加価値税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第六十八条 第六十六条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても附加価値税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第六十九条 第六十六条の場合において、附加価値税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第七款 経過措置
(附加価値税に関する規定の適用の始期)
第七十条 本節の規定は、法人が行う事業の附加価値に対する附加価値税については、昭和二十七年一月一日の属する事業年度分から、個人が行う事業の附加価値に対する附加価値税については、同日から、それぞれ適用する。
(昭和二十七年一月一日の属する事業年度に係る附加価値税の特例)
第七十一条 前条の場合において、昭和二十七年一月一日の属する事業年度分の附加価値税は、同年一月一日から当該事業年度終了の日までの間における附加価値額を課税標準として算定した税額と当該事業年度開始の日から昭和二十六年十二月三十一日までの間における所得(電気供給業等(電気供給業及びガス供給業並びに運送業のうち地方鉄道事業及び軌道事業で第六章第二節の規定によつて当該事業に対する事業税の算定について収入金額を課税標準とすべきであつたものをいう。)にあつては、収入金額とする。以下本条において同様とする。)を課税標準として第六章第二節の規定によつて算定した事業税に相当する税額との合算額とする。
2 前項の附加価値額は、昭和二十七年一月一日の属する事業年度の附加価値額を当該事業年度の総日数で除して得た額に同年一月一日から当該事業年度終了の日までの日数を乗じて得た額とする。
3 第一項の所得は、昭和二十七年一月一日の属する事業年度の所得を当該事業年度の総日数で除して得た額に、当該事業年度開始の日から昭和二十六年十二月三十一日までの日数を乗じて得た額とする。
第七十二条 昭和二十七年一月一日から同年三月三十一日までの間において事業年度が終了する法人の当該事業年度の附加価値額に係る附加価値税に限り、第三十三条中「法人の事業年度終了の日の属する年度」とあるのは「昭和二十七年度」と読み替えるものとする。
2 昭和二十七年一月一日から同年三月三十一日までの間において事業年度が終了する法人の当該事業年度の附加価値額に係る附加価値税に限り、第三十五条第一項中「各事業年度終了の日から二月以内」とあるのは「昭和二十七年五月三十一日まで」と、同条第二項中「合併の日から二月以内」とあるのは「昭和二十七年五月三十一日まで」とそれぞれ読み替えるものとする。
3 事業を行う法人で昭和二十七年一月一日の属する事業年度が六月をこえるものは、当該事業年度の附加価値額に係る附加価値税について第三十六条の規定による概算納付をすることを要しない。但し、当該事業年度開始の日が昭和二十七年一月一日から同月三十一日までに係るものは、第三十六条第五項の新たに設立した法人で事業年度が六月をこえるものの例によつて概算納付をしなければならない。
(昭和二十七年度分の個人の附加価値税の特例)
第七十三条 昭和二十七年度分の個人の行う事業の附加価値に対する附加価値税に限り、事業を行う個人は、第三十七条第二項の個人で当該年中に新たに事業を開始した者の例によつて、当該年の附加価値額に係る附加価値税を概算納付しなければならない。この場合において、当該個人が昭和二十六年度分の事業税又は特別所得税を賦課された者であるときは、その者が概算納付すべき附加価値税額は、昭和二十六年度分として賦課された事業税額又は特別所得税額をそれぞれ当該事業税又は特別所得税に係る事業又は業務を行つていた月数で除して得た額の四倍の額とすることができる。
2 前項の規定による概算納付については、第四十七条の規定に準じてその課税標準額又は税額を更正し、又は決定することができる。
(附加価値税に係る課税標準の特例)
第七十四条 昭和二十七年度分(法人にあつては、昭和二十八年三月三十一日までに終了する事業年度分)の銀行業、無尽業、信託業、保険業、運送業及び倉庫業の附加価値に対する附加価値税の課税標準とすべき附加価値額に限り、第三十条第四項から第九項までの規定にかかわらず、法人の行うものについては各事業年度の、個人の行うものについては当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの、総売上金額に、銀行業及び無尽業にあつては百分の四十五、信託業にあつては百分の百、生命保険業にあつては百分の十五、損害保険業にあつては百分の十七、地方鉄道事業及び軌道事業を除く運送業及び倉庫業にあつては百分の五十、地方鉄道事業及び軌道事業にあつては百分の四十をそれぞれ乗じて得た額とすることができる。
2 前項の総売上金額とは、左に掲げるものとする。
一 銀行業にあつては、貸付金利息、有価証券利息、預金利息、株式配当金、手形割引料、手数料、有価証券貸付料、債務保証料及び保護預り料の合計額
二 無尽業にあつては、無尽利益金、入札差益金、給付差金、貸付金利息、有価証券利息、預金利息、株式配当金、手数料及び解約手数料の合計額
三 信託業にあつては、信託報酬の合計額
四 保険業にあつては、正味保険料(収入保険料から再保険契約に基いて支払う保険料を控除したものをいう。)、貸付金利息、有価証券利息、預金利息及び株式配当金の合計額
五 運送業にあつては、運賃及び手数料の合計額
六 倉庫業にあつては、保管料、手数料及び荷役賃の合計額
第二節 入場税
第一款 通則
(入場税の納税義務者等)
第七十五条 入場税は、第一種若しくは第二種の場所への入場又は第三種の施設の利用に対し、入場料金又は利用料金を課税標準として、その場所又は施設所在の道府県において、その入場者又は利用者に課する。
2 前項の第一種の場所とは、左に掲げるものをいう。
一 映画、演劇、演芸、演奏(歌唱を含む。以下入場税について同様とする。)又は観物(すもう、野球その他の競技で公衆の観覧に供することを目的とするものを含む。以下入場税について同様とする。)を催す場所
二 競馬場及び競輪場
三 前二号に掲げる場所に類する場所
3 第一項の第二種の場所とは、博覧会場、展覧会場、遊園地その他これらに類する場所をいう。
4 第一項の第三種の施設とは、左に掲げるものをいう。
一 舞踏場、まあじやん場及びたまつき場
二 ゴルフ場及びスケート場
三 つりぼり及び貸船場
四 前三号に掲げる施設に類する施設
5 第一項の入場料金又は利用料金とは、何らの名義をもつてするを問わず、第一種若しくは第二種の場所への入場又は第三種の施設の利用について、その対価又は負担として支払うべき金品をいう。
(入場税のみなす課税)
第七十六条 第一種若しくは第二種の場所への入場又は第三種の施設の利用について入場料又は利用料の定がある場合において、その入場料金又は利用料金の全部又は一部を支払わないで入場し、又は利用したときは、公務又は業務による場合を除く外、その入場料金又は利用料金の全額を支払つたものとみなして入場税を課することができる。
2 第一種若しくは第二種の場所における催物(映画、演劇、演芸、演奏、観物、競馬、競輪、展覧会その他これらに類するものをいい、第七十八条に規定する催しを含む。以下入場税について同様とする。)の主催者若しくはこれらの場所の経営者又は第三種の施設の経営者若しくはその施設を借り受けた者その他何らの名義をもつてするを問わずこれらの者とみなすべき者(以下「主催者等」という。)が第一種若しくは第二種の場所への入場又は第三種の施設の利用について、入場料又は利用料の定を設けず、且つ、入場料金又は利用料金を徴収しないで入場させ、又は利用させた場合においては、主催者等を入場者又は利用者と、催物の経費、第三種の施設の借受料金その他主催者等がこれらの場所へ入場させ、又はこれらの施設を利用させるために要した経費を入場料金又は利用料金とみなして、入場税を課することができる。
(入場税の税率)
第七十七条 入場税の税率は、百分の百とする。但し、第二種の場所へ入場する者、もつぱら交響楽、器楽、声楽等の純音楽を研究発表する会場に鑑賞のため入場する者又は学生、生徒若しくは当該競技をすることを業としない者が行う運動競技の観覧のため競技場へ入場する者から料金を徴収する場合においては、百分の四十とする。
(入場税の課税免除)
第七十八条 道府県は、児童、生徒、学生若しくは卒業生の団体、学校(学校教育法第一条及び第九十八条第一項の学校並びに私立学校法第六十四条第四項の法人の設置する学校をいう。以下本条において同様とする。)の後援団体、学校、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第十条の社会教育関係団体又は社会事業法(昭和十三年法律第五十九号)第二条の規定による事業開始の届出をした社会事業(以下「社会事業」という。)若しくは更生緊急保護法(昭和二十五年法律第二百三号)による更生保護事業(以下「更生保護事業」という。)を経営する者又は生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護施設(以下「保護施設」という。)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による児童福祉施設(以下「児童福祉施設」という。)若しくは身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)による身体障害者更生援護施設(以下「身体障害者更生援後施設」という。)を設置する者が主催する学生、生徒、児童又当該催しに参加することを業としない者が行う演劇、演芸、演奏、運動競技、展覧会その他これらに類する催しが行われる場所への入場に対しては、その催しに係る純益の全部が学校、社会教育関係団体が行う社会教育、社会事業若しくは更生保護事業又は保護施設、児童福祉施設若しくは身体障害者更生援護施設のために支出され、且つ、その催しに参加し、又は関係する者が何らの報酬を受けない場合に限り、当該道府県の条例の定めるところによつて、入場税を課さないことができる。
(入場税に係る徴税吏員の質問検査権)
第七十九条 道府県の徴税吏員は、入場税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 特別徴収義務者
二 納税義務者又は納税義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該入場税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 入場税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第百二条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(入場税に係る検査拒否等に関する罪)
第八十条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入場税の納税管理人)
第八十一条 入場税の特別徴収義務者又は申告納付すべき納税義務者は、納入義務又は納付義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納入又は納付に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(入場税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第八十二条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入場税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第八十三条 道府県は、入場税の特別徴収義務者又は申告納付すべき納税義務者が第八十一条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(入場券又は利用券の交付及び切取の義務)
第八十四条 主催者等は、第七十六条第一項に規定する公務又は業務に因り入場する場合、同条第二項に規定する場合及び当該道府県の条例で定める場合を除く外、第一種若しくは第二種の場所への入場又は第三種の施設の利用に対し、その入場又は利用前に、道府県が作成する用紙をもつて入場券又は利用券を発行し、これを入場者又は利用者に交付しなければならない。
2 道府県は、前項の規定によつて作成する用紙に一連の番号を附けなければならない。
3 第一項の場合において、主催者等は、入場者又は利用者が第一種若しくは第二種の場所へ入場し、又は第三種の施設を利用する際、入場券又は利用券の呈示を求め、その一半を切り取つて、他の一半を当該入場者又は利用者に返さなければならない。
(入場券又は利用券の切取等の義務違反に関する罪)
第八十五条 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条第一項の規定に違反して入場券若しくは利用券を交付しなかつた者又は同項の規定に違反して道府県の作成する用紙を用いない入場券若しくは利用券を発行した者
二 前条第三項の規定によつて切り取るべき入場券の一半若しくは利用券の一半を切り取らず、又は他の一半を入場者若しくは利用者に返さなかつた者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第二款 徴収
(入場税の徴収の方法)
第八十六条 入場税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。但し、第七十六条第二項の規定によつて入場税を徴収する場合その他特別の必要がある場合においては、申告納付の方法によるものとする。
(入場税の特別徴収の手続)
第八十七条 入場税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、催物の主催者その他徴収の便宜を有する者を当該道府県の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、第八十四条第一項の規定によつて入場券又は利用券を交付する際に入場税を徴収しなければならない。
3 第一項の特別徴収義務者は、当該道府県の条例で定める納期限までにその徴収すべき入場税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を道府県知事に提出し、及びその納入金を当該道府県に納入する義務を負う。
4 前項の規定によつて納入した納入金のうち入場税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
5 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、道府県の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(臨時の催物に係る入場税の納入金に関する特例)
第八十八条 道府県は、主催者等が臨時に場所を設けて催物を行う場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、その主催者等が徴収すべき入場税を予納させることができる。
2 道府県は、第一種の場所の所有者がその場所における催物に係る入場税を徴収すべき義務を負わない場合において、当該場所における催物が臨時に行われ、且つ、その催物に係る入場税の特別徴収義務者がその納入すべき納入金を納入しなかつたときは、当該道府県の条例の定めるところによつて、その所有者に対し、特別徴収義務者が納入すべき納入金に相当する金額の支払を請求することができる。
3 前項の規定による支払があつた場合においては、特別徴収義務者がすべき当該入場税に係る納入金の納入があつたものとみなす。
4 第二項の請求を受けた第一種の場所の所有者は、その請求に係る金額を支払つた場合においては、その金額について、特別徴収義務者に対して求償権を有する。
5 前項の所有者が同項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、道府県の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(入場税の特別徴収義務者としての登録等)
第八十九条 第八十七条第一項の規定によつて入場税の特別徴収義務者として指定された者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、その特別徴収すべき入場税に係る第一種若しくは第二種の場所又は第三種の施設ごとに、これらの場所又は施設における入場税の特別徴収義務者としての登録を道府県知事に申請しなければならない。
2 道府県知事は、前項の登録の申請を受理した場合においては、その申請をした者に対し、当該道府県の条例の定めるところによつて、その者が入場税を徴収すべき義務を課せられた者であることを証する証票を交付しなければならない。
3 前項の証票の交付を受けた者は、これを第一項の場所又は施設の公衆に見易い箇所に掲示しなければならない。
4 第二項の証票は、他人に貸し付け、又は譲り渡してはならない。
5 第二項の証票の交付を受けた者は、第一項の場所又は施設に係る入場税の特別徴収の義務が消滅した場合においては、その消滅した日から十日以内にその証票を道府県知事に返さなければならない。
(入場税の特別徴収義務者の登録等に関する罪)
第九十条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 前条第一項の規定による登録の申請をしなかつた者
二 前条第三項から第五項までの規定の一に違反した者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入場税の申告納付の手続)
第九十一条 第八十六条の規定によつて入場税を申告納付すべき納税者(「納税者」という。以下入場税について同様とする。)は、当該道府県の条例の定める期間内における課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した申告書を同条例で定める納期限までに道府県知事に提出し、及びその申告した税金を当該道府県に納付しなければならない。
(入場税に係る脱税に関する罪)
第九十二条 第八十七条第三項の規定によつて徴収して納入すべき入場税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 詐偽その他不正の行為によつて前条の規定によつて納付すべき入場税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の納入しなかつた金額又は前項の免かれた税額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその納入しなかつた金額又は免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(入場税に係る納期限の延長)
第九十三条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、入場税の特別徴収義務者又は納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(入場税に係る更正及び決定)
第九十四条 道府県知事は、第八十七条第三項の規定による納入申告書又は第九十一条の規定による申告書(以下入場税について「申告書」と総称する。)の提出があつた場合においては、当該納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 道府県知事は、特別徴収義務者又は納税者が申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告し、又は申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 道府県知事は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者又は納税者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 道府県知事は、前三項の規定によつて更生し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
(入場税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第九十五条 道府県の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金若しくは税金の不足額又は決定に因る納入金額若しくは税額をいう。以下入場税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第八十七条第三項又は第九十一条の納期限(第九十三条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下入場税について同様とする。)の翌日から納入又は納付の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 道府県知事は、特別徴収義務者又は納税者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納入し、又は申告納付する入場税に係る延滞金)
第九十六条 入場税の特別徴収義務者又は納税者は、第八十七条第三項又は第九十一条の納期限後にその納入金を納入し、又はその税金を納付する場合においては、当該納入金額又は税額に、その納期限の翌日から納入又は納付の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納入し、又は納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、特別徴収義務者又は納税者が第八十七条第三項又は第九十一条の納期限までに納入金を納入しなかつたこと、又は税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(入場税に係る過少申告加算金及び不申告加算金)
第九十七条 申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第九十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、道府県知事は、当該更正前の納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過小申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、道府県知事は、第一号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告又は申告に係る税額について、その期限の翌日から当該申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第九十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第九十四条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第九十四条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 道府県知事は、申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者又は納税者に係る入場税額について道府県知事の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告又は申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 道府県知事は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
(入場税に係る重加算金)
第九十八条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したときは、道府県知事は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、道府県知事は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 道府県知事は、前項の規定に該当する場合において申告書の提出について前条第三項に規定する理由があるときは、当該納入申告又は申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 道府県知事は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
第三款 更正、決定等に関する救済
(違法又は錯誤に係る入場税に関する更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第九十九条 第九十四条第四項又は第九十七条第四項若しくは前条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、特別徴収義務者又は納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、入場税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第四款 督促及び滞納処分
(入場税に係る督促)
第百条 特別徴収義務者又は納税者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下入場税について同様とする。)までに入場税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納入又は納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(入場税に係る督促手数料)
第百一条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(入場税に係る滞納処分)
第百二条 第百条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに入場税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに納入金若しくは税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(入場税に係る滞納処分に関する罪)
第百三条 入場税の特別徴収義務者又は納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 特別徴収義務者又は納税者の財産を占有する第三者が特別徴収義務者又は納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、この特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併料する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による入場税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第百四条 第百二条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入場税に係る交付要求)
第百五条 特別徴収義務者又は納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、入場税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 特別徴収義務者又は納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(入場税に係る延滞加算金)
第百六条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、入場税に係る納入金額又は入場税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から納入金又は税金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに納入金又は税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、納入金額又は税額の百分の五をこえることができない。
第五款 犯則取締
(入場税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第百七条 入場税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第百八条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、入場税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第百九条 第百七条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても入場税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第百十条 第百七条の場合において、入場税に関する犯則事件は、間接国税に関する犯則事件とする。
第百十一条 第百七条の場合において、国税犯則取締法第十四条第一項の規定による通告処分に因つて納付された金銭その他の物品は、当該道府県の収入とする。
(国税犯則取締法を準用する入場税に係る犯則事件に関する検査拒否の罪)
第百十二条 第百七条の場合において、第百十条の規定によつて間接国税に関する犯則事件とされる入場税に関する犯則事件について、国税犯則取締法第一条第一項の収税官吏の職務を行う第百七条の道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第三節 遊興飲食税
第一款 通則
(遊興飲食税の納税義務者等)
第百十三条 遊興飲食税は、料理店、貸席、カフエー、バー、喫茶店、旅館その他これらに類する場所における遊興、飲食及び宿泊に対し、料金を課税標準として、その行為地所在の道府県において、その行為者に課する。
2 前項の料金とは、何らの名義をもつてするを問わず、遊興、飲食及び宿泊について、その対価又は負担として支払うべき金額をいう。
(遊興飲食税のみなす課税)
第百十四条 前条第一項の場所以外の場所において飲食する場合において、その飲食物が料理店、仕出屋、旅館等から供給を受けるものであるときは、その飲食は、同条同項の場所における飲食とみなして、これに対し、料理店、仕出屋、旅館等所在の道府県において遊興飲食税を課する。
(遊興飲食税の標準税率)
第百十五条 遊興飲食税の標準税率は、左の各号に掲げる遊興、飲食及び宿泊に対し、それぞれ当該各号に定めるものとする。
一 芸者その他これに類する者の花代 百分の百
二 料理店、貸席、カフエー、バーその他当該道府県の条例で定めるこれらに類する場所における遊興又は飲食の料金(前号の花代を除く。) 百分の四十
三 宿泊及び前号の飲食以外の飲食の料金 百分の二十
(遊興飲食税に係る徴税吏員の質問検査権)
第百十六条 道府県の徴税吏員は、遊興飲食税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 特別徴収義務者
二 特別徴収義務者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者(第三号の者を除く。)
三 納税義務者又は納税義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該遊興飲食税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 遊興飲食税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第百三十四条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(遊興飲食税に係る検査拒否等に関する罪)
第百十七条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第二款 徴収
(遊興飲食税の徴収の方法)
第百十八条 遊興飲食税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。この場合においては、特別徴収義務者に証紙徴収の方法によつて徴収させることができる。
(遊興飲食税の特別徴収の手続)
第百十九条 遊興飲食税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、料理店の経営者その他徴収の便宜を有する者を当該道府県の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該道府県の条例で定める納期限までにその徴収すべき遊興飲食税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を道府県知事に提出し、及びその納入金を当該道府県に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち遊興飲食税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、道府県の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(遊興飲食税の特別徴収義務者としての登録等)
第百二十条 前条第一項の規定によつて遊興飲食税の特別徴収義務者として指定された者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、その特別徴収すべき遊興飲食税に係る料理店、貸席、カフエー、バー、喫茶店、旅館等の場所ごとに、これらの場所における遊興飲食税の特別徴収義務者としての登録を道府県知事に申請しなければならない。
2 道府県知事は、前項の登録の申請を受理した場合においては、その申請をした者に対し、当該道府県の条例の定めるところによつて、その者が遊興飲食税を徴収すべき義務を課せられた者であることを証する証票を交付しなければならない。
3 前項の証票の交付を受けた者は、これを第一項の場所の公衆に見易い箇所に掲示しなければならない。
4 第二項の証票は、他人に貸し付け、又は譲り渡してはならない。
5 第二項の証票の交付を受けた者は、第一項の場所における遊興、飲食及び宿泊に係る遊興飲食税の特別徴収の義務が消滅した場合においては、その消滅した日から十日以内にその証票を道府県知事に返さなければならない。
(遊興飲食税の特別徴収義務者の登録等に関する罪)
第百二十一条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 前条第一項の規定による登録の申請をしなかつた者
二 前条第三項から第五項までの規定の一に違反した者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(遊興飲食税に係る脱税に関する罪)
第百二十二条 第百十九条第二項の規定によつて徴収して納入すべき遊興飲食税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の納入しなかつた金額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(遊興飲食税に係る納期限の延長)
第百二十三条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、遊興飲食税の特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、三十日をこえない限度において、納期限の延長をすることができる。
(遊興飲食税に係る更正及び決定)
第百二十四条 道府県知事は、第百十九条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 道府県知事は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 道府県知事は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 道府県知事は、前三項の規定によつて更生し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(遊興飲食税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第百二十五条 道府県の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下遊興飲食税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第百十九条第二項の納期限(第百二十三条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下遊興飲食税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 道府県知事は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納入する遊興飲食税に係る納入金の延滞金)
第百二十六条 遊興飲食税の特別徴収義務者は、第百十九条第二項の納期限後にその納入金を納入する場合においては、当該納入金額に、同項の納期限の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して、納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、特別徴収義務者が第百十九条第二項の納期限までに納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(遊興飲食税に係る納入金の過少申告加算金及び不申告加算金)
第百二十七条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第百二十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、道府県知事は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、道府県知事は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期限
二 前号の規定に該当する場合において第百二十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第百二十四条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第百二十四条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 道府県知事は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る遊興飲食税額について道府県知事の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 道府県知事は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(遊興飲食税に係る納入金の重加算金)
第百二十八条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、道府県知事は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、道府県知事は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告者の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 道府県知事は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 道府県知事は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(遊興飲食税の証紙徴収の手続等)
第百二十九条 道府県が当該道府県の条例で特別徴収義務者が遊興、飲食及び宿泊をする者から料金及び遊興飲食税を受け取つた際にその料金を受け取つたことを証する書類(以下「領収書」という。)を発行してこれをその者に交付しなければならない旨の規定を設けた場合においては、当該特別徴収義務者は、当該道府県の条例で定める領収証を発行してこれをその者に交付しなければならない。
2 道府県が当該道府県の条例で特別徴収義務者が領収証に遊興、飲食及び宿泊に対して課する遊興飲食税額に相当する道府県の発行する証紙をはらなければならない旨の規定を設けた場合においては、当該特別徴収義務者は、領収証に証紙をはつて、その証紙をはつた紙面と証紙の彩紋とにかけて、その特別徴収義務者の印又は署名で判明にこれを消さなければならない。
3 前項の証紙の取扱に関しては、当該道府県の条例で定めなければならない。
(領収証に証紙をはらなかつた者等の罪)
第百三十条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条第一項の規定に違反して領収証を交付しなかつた者
二 前条第二項の規定に違反して領収証に証紙をはらなかつた者又は証紙をはつた紙面と証紙の彩紋とにかけて押印又は署名をしなかつた者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第三款 更生、決定等に関する救済
(違法又は錯誤に係る遊興飲食税に関する更生、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第百三十一条 第百二十四条第四項又は第百二十七条第四項若しくは第百二十八条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、遊興飲食税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第四款 督促及び滞納処分
(遊興飲食税に係る督促)
第百三十二条 特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下遊興飲食税について同様とする。)までに遊興飲食税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(遊興飲食税に係る督促手数料)
第百三十三条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(遊興飲食税に係る滞納処分)
第百三十四条 第百三十二条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに遊興飲食税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに納入金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(遊興飲食税に係る滞納処分に関する罪)
第百三十五条 遊興飲食税の特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免がれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 特別徴収義務者の財産を占有する第三者が特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による遊興飲食税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第百三十六条 第百三十四条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(遊興飲食税に係る交付要求)
第百三十七条 特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、遊興飲食税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 特別徴収義務者についての相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(遊興飲食税に係る延滞加算金)
第百三十八条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、遊興飲食税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から納入金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、納入金額の百分の五をこえることができない。
第五款 犯則取締
(遊興飲食税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第百三十九条 遊興飲食税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第百四十条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、遊興飲食税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第百四十一条 第百三十九条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても遊興飲食税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第百四十二条 第百三十九条の場合において、遊興飲食税に関する犯則事件は、間接国税に関する犯則事件とする。
第百四十三条 第百三十九条の場合において、国税犯則取締法第十四条第一項の規定による通告処分に因つて納付された金銭その他の物品は、当該道府県の収入とする。
(国税犯則取締法を準用する遊興飲食税に係る犯則事件に関する検査拒否の罪)
第百四十四条 第百三十九条の場合において、第百四十二条の規定によつて間接国税に関する犯則事件とされる遊興飲食税に関する犯則事件について、国税犯則取締法第一条第一項の収税官吏の職務を行う第百三十九条の道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第四節 自動車税
(自動車税の納税義務者等)
第百四十五条 自動車税は、自動車に対し、主たる定置場所在の道府県において、その所有者に課する。
2 自動車の所有者が第百四十六条の規定によつて自動車税を課することができない者である場合においては、前項の規定にかかわらず、その使用者に対して、自動車税を課する。但し、公用又は公共の用に供するものについては、この限りでない。
(自動車税の非課税の範囲)
第百四十六条 道府県は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社及び日本国有鉄道に対しては、自動車税を課することができない。
(自動車税の標準税率)
第百四十七条 自動車税の標準税率は、左の各号に掲げる自動車に対し、一台について、それぞれ当該各号に定める額とする。
一 普通自動車
乗用車
自家用 年額 一万五千円
営業用 年額 一万円
トラツク及びバス 年額 一万円
二 小型自動車
四輪者
自家用乗用車 年額 四千五百円
その他 年額 三千円
三輪車 年額 二千円
二輪車 年額 千円
三 軽自動車 年額 五百円
(自動車税の賦課期日)
第百四十八条 自動車税の賦課期日は、四月一日とする。
(自動車税の納期)
第百四十九条 自動車税の納期は、四月及び十月中において、当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることできる。
2 昭和二十五年度の自動車税に限り、前項の規定中「四月及び十月中」とあるのは「八月及び十二月中」と読み替えるものとする。
(自動車税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課)
第百五十条 自動車税の賦課期日後に納税義務が発生した者には、その発生した月の翌月から、月割をもつて、自動車税を課する。
2 前項の賦課期日後に納税義務が消滅した者には、その消滅した月まで、月割をもつて、自動車税を課する。
3 自動車税の賦課後にその課税客体である自動車の承継があつた場合においては、前の納税者の納税をもつて後の納税義務者の納税とみなし、前二項の規定は、適用しない。
4 同一の自動車について一の道府県において納税義務が消滅し、他の道府県において納税義務が発生した場合においては、納税義務が発生した道府県は、納税義務が消滅した道府県において賦課した部分については、自動車税を課することができない。
(自動車税の徴収の方法)
第百五十一条 自動車税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 自動車税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(自動車税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第百五十二条 自動車税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、自動車税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(自動車税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第百五十三条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自動車税に係る不申告等に関する過料)
第百五十四条 道府県は、自動車税の納税義務者が第百五十二条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自動車税に係る徴税吏員の質問検査権)
第百五十五条 道府県の徴税吏員は、自動車税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該自動車税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 自動車税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第百六十七条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(自動車税に係る検査拒否等に関する罪)
第百五十六条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自動車税の納税管理人)
第百五十七条 自動車税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(自動車税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第百五十八条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自動車税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第百五十九条 道府県は、自動車税の納税義務者が第百五十七条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自動車税の脱税に関する罪)
第百六十条 詐偽その他不正の行為によつて自動車税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(自動車税の納期限の延長)
第百六十一条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、自動車税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(自動車税の減免)
第百六十二条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において自動車税の減免を必要とすると認める者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、自動車税を減免することができる。
(納期限後に納付する自動車税の延滞金)
第百六十三条 自動車税の納税者は、第百四十九条の納期限(第百六十一条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下自動車税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が第百四十九条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る自動車税の賦課の救済)
第百六十四条 自動車税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、自動車税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自動車税に係る督促)
第百六十五条 納税者が納期限までに自動車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(自動車税に係る督促手数料)
第百六十六条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(自動車税に係る滞納処分)
第百六十七条 第百六十五条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに自動車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(自動車税に係る滞納処分に関する罪)
第百六十八条 自動車税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による自動車税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第百六十九条 第百六十七条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自動車税に係る交付要求)
第百七十条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、自動車税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(自動車税に係る延滞加算金)
第百七十一条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、自動車税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(自動車税の完納の証票)
第百七十二条 道府県は、当該道府県の条例の定めるところによつて、納税者が自動車税に係る地方団体の徴収金を完納した場合においては、これを完納した時にその旨を証する証票を当該納税者に交付しなければならない。
2 前項の証票の交付を受けた者は、これを自動車の前部の窓ガラス(前部の窓ガラスがない場合においては、前部の見易い箇所)に附けて置かなければならない。
3 道府県は、第一項の証票に一連の番号を附けなければならない。
(自動車税の完納の証票を附けて置かなかつた者に対する過料)
第百七十三条 前条第二項の規定に違反した者に対しては、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けなければならない。
2 前項の規定による過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自動車税に係る犯罪事件に関する国税犯則取締法の準用)
第百七十四条 自動車税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第百七十五条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、自動車税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
百七十六条 第百七十四条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても自動車税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第百七十七条 第百七十四条の場合において、自動車税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第五節 鉱区税
(鉱区税の納税義務者等)
第百七十八条 鉱区税は、鉱区又は砂鉱区に対し、面積又は延長を課税標準として、鉱区又は砂鉱区所在の道府県において、その鉱業権者又は砂鉱権者に課する。
(鉱区税の非課税の範囲)
第百七十九条 道府県は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合及び日本国有鉄道に対しては、鉱区税を課することができない。
(鉱区税の税率)
第百八十条 鉱区税の税率は、左の各号に掲げる鉱区について、それぞれ当該各号に定める額とする。
一 試掘鉱区 面積千坪ごとに 年額 三十円
二 採掘鉱区 面積千坪ごとに 年額 六十円
三 砂鉱区
河床 延長一町ごとに 年額 三十円
河床でないもの 面積千坪ごとに 年額 三十円
2 前項の場合において、千坪未満又は一町未満の端数は、千坪又は一町とみなす。
(鉱区税の賦課期日)
第百八十一条 鉱区税の賦課期日は、十一月一日とする。
(鉱区税の納期)
第百八十二条 鉱区税の納期は、十二月中において、当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
(鉱区税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課)
第百八十三条 鉱区税の賦課期日後に納税義務が発生した者には、その発生した月の翌月から、月割をもつて、鉱区税を課する。
2 前項の賦課期日後に納税義務が消滅した者には、その消滅した月まで、月割をもつて、鉱区税を課する。
3 鉱区税の賦課後にその課税客体である鉱区又は砂鉱区の承継があつた場合においては、前の納税者の納税をもつて後の納税義務者の納税とみなし、前二項の規定は、適用しない。
(鉱区税の徴収の方法)
第百八十四条 鉱区税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 鉱区税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(鉱区税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第百八十五条 鉱区税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、鉱区税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(鉱区税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第百八十六条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱区税に係る不申告等に関する過料)
第百八十七条 道府県は、鉱区税の納税義務者が第百八十五条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(鉱区税に係る徴税吏員の質問検査権)
第百八十八条 道府県の徴税吏員は、鉱区税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、納税義務者又は納税義務があると認められる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 鉱区税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第二百条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(鉱区税に係る検査拒否等に関する罪)
第百八十九条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱区税の納税管理人)
第百九十条 鉱区税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(鉱区税の納税管理人に係る申告の義務違反に関する罪)
第百九十一条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について申告をせず、又は虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱区税の脱税に関する罪)
第百九十二条 詐偽その他不正の行為によつて鉱区税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(鉱区税の納期限の延長)
第百九十三条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、鉱区税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(鉱区税の減免)
第百九十四条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において鉱区税の減免を必要とすると認める者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、鉱区税を減免することができる。
(鉱区税の連帯納付義務)
第百九十五条 公売及び競売以外の事由に因る鉱業権又は砂鉱権の移転があつた場合において、旧鉱業権者又は旧砂鉱権者の未納の鉱区税に係る地方団体の徴収金があるときは、新鉱業権者又は新砂鉱権者は、旧鉱業権者又は旧砂鉱権者と連帯して、これを納付する義務を負う。
(納期限後に納付する鉱区税の延滞金)
第百九十六条 鉱区税の納税者は、第百八十二条の納期限(第百九十三条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下鉱区税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を助算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が第百八十二条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る鉱区税の賦課の救済)
第百九十七条 鉱区税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の決定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、鉱区税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(鉱区税に係る督促)
第百九十八条 納税者が納期限までに鉱区税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(鉱区税に係る督促手数料)
第百九十九条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(鉱区税に係る滞納処分)
第二百条 第百九十八条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに鉱区税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(鉱区税に係る滞納処分に関する罪)
第二百一条 鉱区税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合において、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による鉱区税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第二百二条 第二百条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱区税に係る交付要求)
第二百三条 納税者が、左の各号の一に当該する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、鉱区税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(鉱区税に係る延滞加算金)
第二百四条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、鉱区税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(鉱区税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第二百五条 鉱区税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第二百六条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、鉱区税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第二百七条 第二百五条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても鉱区税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第二百八条 第二百五条の場合において、鉱区税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第六節 漁業権税
(漁業権税の納税義務者等)
第二百九条 漁業権税は、漁業権(共同漁業権及び入漁権を除く。以下漁業権税について同様とする。)に対し、賃貸料を課税標準として、漁場所在の道府県において、その漁業権者に課する。
2 前項の場合において、賃貸料の定がないときは、道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、評定賃貸料を定めて、これを課税標準としなければならない。
(漁業権税の非課税の範囲)
第二百十条 道府県は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合及び財産区に対しては、漁業権税を課することができない。
(漁業権税の標準税率)
第二百十一条 漁業権税の標準税率は、百分の十とする。
(漁業権税の賦課期日及び納期)
第二百十二条 漁業権税の賦課期日及び納期は、当該道府県の条例で定める。
(漁業権税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課)
第二百十三条 年税又は期税である漁業権税の賦課期日後に納税義務が発生した者には、その発生した月の翌月から、月割をもつて、漁業権税を課する。
2 前項の賦課期日後に納税義務が消滅した者には、その消滅した月まで、月割をもつて、漁業権税を課する。
3 第一項の漁業権税の賦課後にその課税客体である漁業権の承継があつた場合においては、前の納税者の納税をもつて後の納税義務者の納税とみなし、前二項の規定は、適用しない。
(漁業権税の徴収の方法)
第二百十四条 漁業権税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 漁業権税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(漁業権税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第二百十五条 漁業権税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、漁業権税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(漁業権税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第二百十六条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(漁業権税に係る不申告等に関する過料)
第二百十七条 道府県は、漁業権税の納税義務者が第二百十五条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(漁業権税に係る徴税吏員の質問検査権)
第二百十八条 道府県の徴税吏員は、漁業権税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、納税義務者又は納税義務があると認められる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 漁業権税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第二百三十条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(漁業権税に係る検査拒否等に関する罪)
第二百十九条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(漁業権税の納税管理人)
第二百二十条 漁業権税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(漁業権税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第二百二十一条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(漁業権税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第二百二十二条 道府県は、漁業権税の納税義務者が第二百二十条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(漁業権税の脱税に関する罪)
第二百二十三条 詐偽その他不正の行為によつて漁業権税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(漁業権税の納期限の延長)
第二百二十四条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、漁業権税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(漁業権税の減免)
第二百二十五条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において漁業権税の減免を必要とすると認める者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、漁業権税の減免をすることができる。
(納期限後に納付する漁業権税の延滞金)
第二百二十六条 漁業権税の納税者は、第二百十二条の納期限(第二百二十四条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下漁業権税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が第二百十二条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る漁業権税の賦課の救済)
第二百二十七条 漁業権税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、漁業権税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(漁業権税に係る督促)
第二百二十八条 納税者が納期限までに漁業権税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(漁業権税に係る督促手数料)
第二百二十九条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定むるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(漁業権税に係る滞納処分)
第二百三十条 第二百二十八条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに漁業権税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(漁業権税に係る滞納処分に関する罪)
第二百三十一条 漁業権税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による漁業権税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第二百三十二条 第二百三十条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(漁業権税に係る交付要求)
第二百三十三条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、漁業権税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(漁業権税に係る延滞加算金)
第二百三十四条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、漁業権税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(経過措置)
第二百三十五条 この法律施行の際現に存する専用漁業権で旧漁業法(明治四十三年法律第五十八号)に基くものは、第二百九条第一項の規定の適用については、共同漁業権とみなす。
第七節 狩猟者税
(狩猟者税の納税義務者等)
第二百三十六条 狩猟者税は、狩猟の免許を受ける者に対し、その住所所在の道府県において課する。
(狩猟者税の税率)
第二百三十七条 狩猟者税の税率は、三千六百円とする。
(狩猟者税の賦課期日及び納期)
第二百三十八条 狩猟者税の賦課期日及び納期は、当該道府県の条例で定める。
(狩猟者税の徴収の方法)
第二百三十九条 狩猟者税の徴収については、当該道府県の条例の定めるところによつて、普通徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。
(狩猟者税の普通徴収の手続)
第二百四十条 狩猟者税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(狩猟者税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第二百四十一条 狩猟者税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、狩猟者税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(狩猟者税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第二百四十二条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 人の代理人又は使用人がその人の狩猟に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(狩猟者税に係る不申告等に関する過料)
第二百四十三条 道府県は、狩猟者税の納税義務者が第二百四十一条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(狩猟者税に係る徴税吏員の質問検査権)
第二百四十四条 道府県の徴税吏員は、狩猟者税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、納税義務者又は納税義務があると認められる者に質問し、又はその者の書類若しくはその他の物件を検査することができる。
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 狩猟者税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第二百五十三条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(狩猟者税に係る検査拒告等に関する罪)
第二百四十五条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による書類又は物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 人の代理人又は使用人がその人の狩猟又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(狩猟者税の脱税に関する罪)
第二百四十六条 詐偽その他不正の行為によつて狩猟者税の全部又は一部を免かれた者は、一年以下の懲役若しくは一万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
3 人の代理人又は使用人がその人の狩猟に関して、第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(狩猟者税の納期限の延長)
第二百四十七条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、狩猟者税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(狩猟者税の減免)
第二百四十八条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において狩猟者税の減免を必要とすると認める者又は貧困に因り生活の為公私の扶助を受ける者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、狩猟者税を減免することができる。
(納期限後に納付する狩猟者税の延滞金)
第二百四十九条 狩猟者税の納税者は、第二百三十八条の納期限(第二百四十七条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下狩猟者税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が第二百三十八条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る狩猟者税の賦課の救済)
第二百五十条 狩猟者税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、狩猟者税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(狩猟者税に係る督促)
第二百五十一条 納税者が納期限までに狩猟者税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においてはこの限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(狩猟者税に係る督促手数料)
第二百五十二条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて手数料を徴収しなければならない。
(狩猟者税に係る滞納処分)
第二百五十三条 第二百五十一条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに狩猟者税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(狩猟者税に係る滞納処分に関する罪)
第二百五十四条 狩猟者税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について、納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは狩猟又は財産に関して前二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による狩猟者税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第二百五十五条 第二百五十三条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは狩猟又は財産に関して前項の違反行為をした場合に於ては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(狩猟者税に係る交付要求)
第二百五十六条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人又は限定承認をした相続人に対して、狩猟者税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産があるときは、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(狩猟者税に係る延滞加算金)
第二百五十七条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、狩猟者税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(狩猟者税の証紙徴収の手続)
第二百五十八条 道府県は、狩猟者税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該道府県が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、道府県は、狩猟者税を納付する義務が発生することを証する書類に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 道府県は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面と証紙の彩紋とにかけて当該道府県の印で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該道府県の条例で定めなければならない。
第八節 道府県法定外普通税
(道府県法定外普通税の新設変更)
第二百五十九条 道府県は、第四条第三項の規定による普通税(以下「道府県法定外普通税」という。)を新設し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会の許可を受けなければならない。
第二百六十条 地方財政委員会は、前条の規定による許可の申請があつた場合においては、その旨を大蔵大臣に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、前項の通知を受けた場合において、その許可の申請について異議があるときは、地方財政委員会に対してその旨を申し出ることができる。
(地方財政委員会の許可)
第二百六十一条 地方財政委員会は、第二百五十九条の規定による申請を受理した場合において、当該申請に係る道府県法定外普通税について当該道府県にその税収入を確保できる税源があること及びその税収入を必要とする当該道府県の財政需要があることが明らかであるときは、これを許可しなければならない。但し、左に掲げる事由があると認める場合においては、その許可をすることができない。
一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、且つ、住民の負担が著しく過重となること。
二 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
三 前二号に掲げるものを除く外、国の経済施策に照して適当でないこと。
2 地方財政委員会は、前条の許可の申請について、その申請の趣旨に適合する範囲で条件を附け、又は変更を加えて許可をすることができる。
(道府県法定外普通税の非課税の範囲)
第二百六十二条 道府県は、左に掲げるものに対しては、道府県法定外普通税を課することができない。
一 道府県外に所在する土地、家屋、物件及びこれらから生ずる収入
二 道府県外に所在する事務所及び事業所において行われる事業並びにこれらから生ずる収入
三 健康保険法(大正十一年法律第七十号)、国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、厚生年金保険法(昭和十六年法律第六十号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)及び失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)の規定によつて保険給付として支給を受ける金品
四 生活保護法の規定によつて給付を受ける保護金品及び身体障害者福祉法の規定によつて給付を受ける金品
五 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)及び船員法(昭和二十二年法律第百号)の規定によつて給付を受ける災害補償
六 未復員者給与法(昭和二十二年法律第百八十二号)及び特別未帰還者給与法(昭和二十三年法律第二百七十九号)の規定によつて支給を受ける療養、遺骨の埋葬に要する経費(未復員者給与法第八条の三の規定(特別未帰還者給与法第二条の規定によつて準用する場合を含む。)によるものに限る。)及び障害一時金
七 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)による放送を受信する受信設備
(道府県法定外普通税の徴収の方法)
第二百六十三条 道府県法定外普通税の徴収については、徴収の便宜に従い、当該道府県の条例の定めるところによつて、普通徴収、特別徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。
(道府県法定外普通税に係る徴税吏員の質問検査権)
第二百六十四条 道府県の徴税吏員は、道府県法定外普通税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 特別徴収義務者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該道府県法定外普通税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 道府県法定外普通税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第二百八十五条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(道府県法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪)
第二百六十五条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(道府県法定外普通税の納税管理人)
第二百六十六条 道府県法定外普通税の納税義務者(特別徴収に係る道府県法定外普通税の納税義務者を除く。第二百六十八条において同様とする。)又は特別徴収義務者は、納付義務又は納入義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事務所を有しない場合においては、納付又は納入に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(道府県法定外普通税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第二百六十七条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(道府県法定外普通税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第二百六十八条 道府県は、道府県法定外普通税の納税義務者又は特別徴収義務者が第二百六十六条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な理由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(道府県法定外普通税に係る納期限の延長)
第二百六十九条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、道府県法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(道府県法定外普通税の普通徴収の手続)
第二百七十条 道府県法定外普通税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(道府県法定外普通税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第二百七十一条 道府県法定外普通税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、当該道府県法定外普通税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(道府県法定外普通税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第二百七十二条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(道府県法定外普通税に係る不申告等に関する過料)
第二百七十三条 道府県は、道府県法定外普通税の納税義務者が第二百七十一条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(道府県法定外普通税の減免)
第二百七十四条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において道府県法定外普通税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、当該道府県法定外普通税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
(道府県法定外普通税の特別徴収の手続)
第二百七十五条 道府県法定外普通税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該道府県法定外普通税の徴収の便宜を有する者を当該道府県の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該道府県法定外普通税の納期限までにその徴収すべき道府県法定外普通税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を道府県知事に提出し、及びその納入金を当該道府県に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち道府県法定外普通税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、道府県の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(道府県法定外普通税に係る更正及び決定)
第二百七十六条 道府県知事は、前条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 道府県知事は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 道府県知事は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 道府県知事は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(道府県法定外普通税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第二百七十七条 道府県の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下道府県法定外普通税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第二百七十五条第二項の納期限(第二百六十九条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下道府県法定外普通税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 道府県知事は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(道府県法定外普通税に係る過少申告加算金及び不申告加算金)
第二百七十八条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第二百七十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、道府県知事は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、道府県知事は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第二百七十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第二百七十六条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第二百七十六条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 道府県知事は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る道府県法定外普通税額について道府県知事の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 道府県知事は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(道府県法定外普通税に係る重加算金)
第二百七十九条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課納標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、道府県知事は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、道府県知事は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課納標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事定を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納人申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納人申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 道府県知事は、前項の規定に該当する場合において納人申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 道府県知事は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(納期限後に納付し、又は申告納入する道府県法定外普通税の延滞金)
第二百八十条 道府県法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者は、納期限(第二百六十九条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下道府県法定外普通税について同様とする。)後にその税金を納付し、又は納入金を納入する場合においては、当該税額又は納入金額に、その納期限の翌日から納付又は納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付し、又は納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者又は特別徴収義務者が納期限までに税金を納付しなかつたこと、又は納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(道府県法定外普通税の脱税等に関する罪)
第二百八十一条 詐偽その他不正の行為によつて道府県法定外普通税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 第二百七十五条第二項の規定によつて徴収して納入すべき道府県法定外普通税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の免かれた税額又は前項の納入しなかつた金額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額又は納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(違法又は錯誤に係る道府県法定外普通税に関する賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第二百八十二条 道府県法定外普通税の賦課を受けた者又は第二百七十六条第四項、第二百七十八条第四項若しくは第二百七十九条第四項の規定によつて更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けたものについては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた日から三十日以内に、道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書又は通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付又は通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者又は特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付又は通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、道府県法定外普通税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(道府県法定外普通税に係る督促)
第二百八十三条 納税者又は特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下道府県法定外普通税について同様とする。)までに道府県法定外普通税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付又は納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(道府県法定外普通税に係る督促手数料)
第二百八十四条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(道府県法定外普通税に係る滞納処分)
第二百八十五条 第二百八十三条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに道府県法定外普通税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金又は納入金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に、道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(道府県法定外普通税に係る滞納処分に関する罪)
第二百八十六条 道府県法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による道府県法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第二百八十七条 第二百八十五条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(道府県法定外普通税に係る交付要求)
第二百八十八条 納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、当該道府県法定外普通税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者又は特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(道府県法定外普通税に係る延滞加算金)
第二百八十九条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、道府県法定外普通税額又は道府県法定外普通税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金又は納入金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金又は納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額又は納入金額の百分の五をこえることができない。
(道府県法定外普通税の証紙徴収の手続)
第二百九十条 道府県は、道府県法定外普通税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該道府県が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、道府県は、当該道府県法定外普通税を納付する義務が発生することを証する書類その他の物件に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 道府県又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面その他の物件と証紙の彩紋とにかけて当該道府県の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該道府県の条例で定めなければならない。
(旧地方税法に基く道府県の法定外独立税に関する経過措置)
第二百九十一条 旧地方税法(昭和二十三年法律第百十号)第四十六条第二項の規定に基く道府県の独立税でこの法律施行の際現に存するものは、地方財政委員会規則で定める税目を除き、第二百五十九条の規定による地方財政委員会の許可を得て新設した道府県法定外普通税とみなす。
第三章 市町村の普通税
第一節 市町村民税
第一款 通則
(市町村民税に関する用語の意義)
第二百九十二条 市町村民税について、左の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 総所得金額 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)第九条の規定によつて計算した同条第一項各号の所得金額の合計金額をいう。
二 資産所得 所得税法第九条第一項第一号に規定する利子所得、同条同項第二号に規定する配当所得及び同条同項第三号に規定する不動産所得をいう。
三 事業所得 所得税法第九条第一項第四号に規定する事業所得をいう。
四 課税総所得金額 所得税法第十三条に規定する課税総所得金額をいう。但し、総所得金額のうちに変動所得があるために同法第十四条の規定によつて所得税の税額を計算する場合においてはその年分の調整所得金額及び特別所得金額の合計金額を、同法第十四条の二の規定によつてその翌年から四年間における各年の所得税の税額を計算する場合においては第二次調整所得金額(当該各年において同法第十四条第一項の規定によつて所得税の税額を計算する場合においては、第二次調整所得金額とその年の特別所得金額との合計金額)から特別所得金額の四分の一に相当する金額(当該各年の前年以前四年間に同法第十四条第一項の規定によつて所得税の税額を計算する他の年がある場合においては、特別所得金額の四分の一に相当する金額と当該他の年の特別所得金額の四分の一に相当する金額との合計金額)を控除した金額をいうものとする。
五 所得税額 所得税法の規定によつて納付すべき所得税額をいい、同法第五十五条第一項の規定によつてあわせて納付しなければならない利子税額、同条第六項の規定によつてあわせて徴収される利子税額、同法第五十七条第一項の規定によつて徴収される過少申告加算税額、同条第二項の規定によつて徴収される過少申告加算税額、同条第三項の規定によつて徴収される無申告加算税額、同法第五十七条の二第一項の規定によつて徴収される重加算税額、同条第二項の規定によつて徴収される重加算税額、同条第三項の規定によつて徴収される重加算税額及び同法第六十二条の四第一項の規定によつて徴収される加算税額並びに国税徴収法第九条第三項の規定によつて徴収する延滞加算税額を含まないものとする。
六 同族会社 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第七条の二に規定する同族会社をいう。
七 扶養親族 所得税の納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族で、総所得金額が一万二千円以下である所得税法第八条第一項に規定する扶養親族をいう。
八 不具者 心身喪失の常況にある者及びめくらその他の身体障害者である所得税法第八条第二項に規定する不具者をいう。
九 同居の妻 夫と生計を一にする妻をいう。
(昭和二十五年度分の市町村民税に関する用語の意義の特例)
第二百九十三条 昭和二十五年度分の市町村民税に限り、左の各号に掲げる用語の意義は、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 総所得金額 所得税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十一号)による改正前の所得税法(以下「改正前の所得税法」といい、市町村民税について同様とする。)第九条の規定によつて計算した同条第一項各号の所得の金額の合計金額をいう。
二 資産所得 改正前の所得税法第九条第一項第一号に規定する利子所得及び同条同項第二号に規定する配当所得並びに不動産、不動産の上に存する権利及び船舶の貸付(永小作権又は地上権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利及び船舶を使用させる一切の場合を含むものとする。)に因る所得(第三号の事業所得を除く)をいう。
三 事業所得 改正前の所得税法第九条第一項第九号に規定する事業等所得から所得税法第九条第一項第三号に規定する不動産所得及び同条同項第十号に規定する雑所得を除いたものをいう。
四 所得税額 改正前の所得税法の規定によつて納付すべき税額をいい、同法第五十五条第一項の規定によつて加算して納付しなければならない金額に相当する税額及び同法第五十七条第一項の規定によつて追徴する所得税額を含まないものとする。
五 同族会社 法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)による改正前の法人税法第三十四条第二項に規定する同族会社をいう。
六 扶養親族 改正前の所得税法第八条第三項に規定する扶養親族をいう。
七 不具者 改正前の所得税法第八条第三項に規定する不具廃疾の者をいう。
(市町村民税の納税義務者等)
第二百九十四条 市町村民税は、第一号の者に対しては均等割による額(以下「均等割額」という。)及び所得税額、課税総所得金額又は課税総所得金額から所得税額を控除した金額(以下「所得税額等」と総称する)を課税標準とした額の合計額によつて、第二号又は第三号の者に対しては均等割額によつて課する。
一 市町村内に住所を有する個人(前年において所得を有しなかつた者及び生活保護法の規定による生活扶助を受ける者を除く。)
二 市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
三 市町村内に事務所又は事業所を有する法人又は法人でない社団若しくは財団で代表者若しくは管理人の定のあるもの
2 市町村民税は、前項第三号の者に対しては、その事務所又は事業所ごとに課する。
(個人の市町村民税の非課税の範囲)
第二百九十五条 市町村は、不具者及び未成年者(不具者又は未成年者が独立の生計を営み、且つ、前年において十万円をこえる資産所得又は事業所得を有した場合を除く。)、寡婦(十八年以上の子女を有する場合又は前年において十万円をこえる所得を有した場合を除く。)並びに同居の妻(夫が市町村民税の納税義務を負わない場合を除く。)に対しては、均等割額によつて課する市町村民税を課することができない。
2 市町村は、前条第一項第一号の者のうち不具者及び未成年者(前年において資産所得又は事業所得を有した場合を除く。)並びに寡婦(十八年以上の子女を有する場合又は前年において十万円をこえる所得を有した場合を除く。)に対しては、所得税額等を課税標準として課する市町村民税を課することができない。
(個人以外の者の市町村民税の非課税の範囲)
第二百九十六条 市町村は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社、日本国有鉄道、土地改良区、土地改良区連合、普通水利組合、普通水利組合連合、北海道土功組合、耕地整理組合、耕地整理組合連合会、水害予防組合、水害予防組合連合、土地区画整理組合、学校教育法第一条若しくは第九十八条第一項の学校を設置する学校法人又は私立学校法第六十四条第四項の法人、宗教法人、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)による労働組合及び国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第九十八条の規定に基く国家公務員の組合その他の団体に対しては、市町村民税を課することができない。
(所得税額等の意義)
第二百九十七条 市町村民税の課税標準である所得税額等は、前年の所得について算定したものとする。
(市町村民税に係る徴税吏員の質問検査権)
第二百九十八条 市町村の徴税吏員は、市町村民税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該市町村民税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 市町村民税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第三百三十一条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(市町村民税に係る検査拒否等に関する罪)
第二百九十九条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村民税の納税管理人)
第三百条 市町村民税の納税義務者は、納税義務を負う市町村内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該市町村の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを市町村長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(市町村民税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第三百一条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村民税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第三百二条 市町村は、市町村民税の納税義務者が第三百条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第二款 申告義務
(市町村民税の申告義務)
第三百三条 市町村民税の納税義務者は、六月十日までに、当該市町村の条例の定めるところによつて、第二百九十四条第一項第一号の者にあつては前年の総所得金額(不具者及び未成年者にあつては総所得金額、資産所得及び事業所得とする。以下本条及び第三百四条において同様とする。)、課税総所得金額及び所得税額並びに扶養親族及び不具者の氏名その他同条例で定める事項を、第二百九十四条第一項第二号又は第三号の者にあつてはその事務所、事業所又は家屋敷の所在を、六月一日現在の住所、事務所、事業所又は家屋敷所在地の市町村長に申告しなければならない。
2 前項の場合において、第二百九十四条第一項第一号の者について源泉において徴収された所得税額があるときは、当該納税者は、その税額、徴収の時期、徴収地及び徴収者の氏名又は名称をあわせて申告しなければならない。この場合において、徴収者が二以上あるときは、各徴収者について、これらの事項を申告しなければならない。
(所得税に係る更正又は決定事項の申告義務)
第三百四条 第二百九十四条第一項第一号の者は、前条第一項の規定による申告をした後に、又は同項の申告期限までに申告しなかつた場合においてはその申告期限後に、その総所得金額、課税総所得金額又は所得税額について所得税法第四十六条第七項の規定によつて更正若しくは決定の通知を受け、又は同法第四十八条第五項若しくは同法第四十九条第五項の規定によつて決定の通知を受けた場合においては、第三百十五条又は第三百十六条の規定を適用して市町村民税を課していた場合を除き、その通知を受けた日から十日以内にその旨を前条第一項の市町村長に申告しなければならない。
(市町村民税に係る虚偽の申告に関する罪)
第三百五条 前二条の規定によつて申告すべき事項について虚偽の申告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村民税に係る不申告に関する過料)
第三百六条 市町村は、市町村民税の納税義務者が第三百三条又は第三百四条の規定によつて申告すべき事項について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(源泉徴収票等の写の提出義務)
第三百七条 所得税法第六十一条第一項に規定する支払調書、同条第二項に規定する計算書又は同法第六十二条第一項に規定する源泉徴収票(以下「源泉徴収票等」という。)を作成する義務がある者は、当該源泉徴収票等を政府に提出すべき期限までに、その写各一通を徴収地の市町村長に提出しなければならない。所得税法第六十二条第二項の規定によつて提出及び交付を要しない源泉徴収票についても、また、同様とし、その提出すべき期限は、同法同条第一項に定める期限とする。
(昭和二十四年中の源泉徴収票等の写の提出期限の特例)
第三百八条 前条中「政府に提出すべき期限までに」とあるのは、昭和二十四年中の所得に係る源泉徴収票等の写の提出については、「昭和二十五年八月二十日までに」と読み替えるものとする。
(源泉徴収票等の写の提出義務違反に関する罪)
第三百九条 第三百七条の規定によつて提出すべき源泉徴収票等の写を提出しなかつた者又は政府に提出した源泉徴収票等と異なつた内容の記載をした源泉徴収票等の写を提出した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(他の市町村の市町村民税の納税義務者に係る源泉徴収票等の写の送付義務)
第三百十条 第三百七条の規定によつて源泉徴収票等の写を受け取つた市町村長は、これらのうちに他の市町村の市町村民税の納税義務者に係るものがある場合においては、遅滞なく、これを当該市町村の長に送付しなければならない。
第三款 課税標準及び税率
(均等割額によつて課する市町村民税の税率)
第三百十一条 均等割額によつて課する市町村民税の標準税率は、第二百九十四条第一項第一号若しくは第二号の者又は同条同項第三号の者について、それぞれ左の表の上欄の各号に掲げる市町村において当該各号に定める額とする。
納税義務者 |
第二百九十四条第一項第一号又は第二号の者 |
第二百九十四条第一項第三号の者 |
|
市町村 |
|||
(一) |
人口五十万以上の市 |
八百円 |
二千四百円 |
(二) |
人口五万以上五十万未満の市 |
六百円 |
千八百円 |
(三) |
前二号の市以外の市及び町村 |
四百円 |
千二百円 |
2 市町村は、前項に掲げる表の各号に定める標準税率をこえて課する場合においては、同表の上欄に掲げる各号の市町村について、第二百九十四条第一項第一号又は第二号の者に対しては、それぞれ千円、七百五十円及び五百円を、同条同項第三号の者に対しては、それぞれ四千円、三千円及び二千円をこえて課することができない。
3 第一項の表を適用する場合における市町村の人口は、官報に公示された最近の人口によるものとする。但し、市町村の廃置分合又は境界変更があつた場合における関係市町村の人口は、地方財政委員会規則で定める。
(均等割額によつて課する市町村民税の税率の軽減)
第三百十二条 市町村は、市町村民税の納税義務者が左の各号の一に該当する場合においては、その者に対して均等割額によつて課する市町村民税の額を、当該市町村の条例の定めるところによつて、軽減することができる。
一 所得税法第二十六条第一項又は同法第二十六条の二第一項の規定による申告の際同法第十一条の五又は同法第十一条の六の規定による控除をして申告書を提出すべき者
二 所得税法第二十六条第一項又は同法第二十六条の二第一項の規定による総所得金額の計算上同法第十一条の五又は同法第十一条の六の規定による控除が行われる場合における扶養親族又は不具者で均等割額によつて課する市町村民税を納付すべきもの
三 市町村民税の納税義務者で、その者の配偶者その他の親族が経営する事業から生ずる所得以外の所得を有しないことに因り、所得税法第十一条の二の規定によつて所得がないものとみなされる者
四 第二百九十四条第一項第三号の者で、当該市町村内に二以上の事務所又は事業所を有するもの
(所得税額等を課税標準とする市町村民税の税率)
第三百十三条 所得税額を課税標準として課する市町村民税の標準税率は、百分の十八とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、百分の二十をこえることができない。
2 課税総所得金額を課税標準として課する市町村民税の税率は、百分の十をこえることができない。
3 課税総所得金額から所得税額を控除した金額を課税標準として課する市町村民税の税率は、百分の二十をこえることができない。
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の市町村民税に係るこの法律の規定の適用)
第三百十四条 昭和二十五年度分の市町村民税に限り、左の表の各項に掲げる条項の上欄に掲げる規定は、同表の下欄に掲げる規定にそれぞれ読み替えるものとする。
条項 |
読み替えられる規定 |
読み替える規定 |
第二百九十四条第一項 |
所得税額、課税総所得金額又は課税総所得金額から所得税額を控除した金額(以下「所得税額等」と総称する。) |
所得税額 |
第二百九十五条第二項 |
所得税額等 |
所得税額 |
第二百九十七条 |
所得税額等 |
所得税額 |
第三百三条第一項 |
六月十日 |
昭和二十五年八月二十日 |
課税総所得金額及び所得税額 |
所得税額 |
|
六月一日 |
昭和二十五年八月一日 |
|
第三百四条 |
所得税法第四十六条第七項 |
改正前の所得税法第四十六条第五項 |
同法第四十八条第五項若しくは同法第四十九条第五項 |
改正前の所得税法第五十条第一項 |
|
第三百七条 |
同法第六十二条第一項 |
改正前の所得税法第六十二条第一項 |
同法同条第一項に定める期限 |
昭和二十五年八月二十日 |
|
第三百十二条第一号 |
所得税法第二十六条第一項又は同法第二十六条の二第一項の規定による申告の際同法第十一条の五又は同法第十一条の六の規定による控除をして申告書を提出すべき者 |
改正前の所得税法第十四条の規定の適用を受ける者 |
第三百十二条第二号 |
所得税法第二十六条第一項又は同法第二十六条の二第一項の規定による総所得金額の計算上同法第十一条の五又は同法第十一条の六の規定による控除が行われる場合における扶養親族又は不具者で均等割額によつて課する市町村民税を納付すべきもの |
改正前の所得税法第十四条第一項の扶養親族 |
第三百十二条第三号 |
市町村民税の納税義務者で、その者の配偶者その他の親族が経営する事業から生ずる所得以外の所得を有しないことに因り、所得税法第十一条の二の規定によつて所得がないものとみなされる者 |
改正前の所得税法第二十六条第二項の規定の適用を受ける者で扶養親族を有するもの又は当該扶養親族で均等割額によつて課する市町村民税を納付すべき者 |
第三百十五条本文 |
所得税法 |
改正前の所得税法 |
所得税額等 |
所得税額 |
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第三百十五条第一号 |
所得税法第二十六条第一項の確定申告書又は同法第二十六条の二第一項の農業確定申告書 |
改正前の所得税法第二十六条第一項の確定申告書 |
課税総所得金額若しくは所得税額 |
所得税額 |
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第三百十五条第二号 |
所得税法第二十七条第一項の修正確定申告書若しくは農業修正確定申告書 |
改正前の所得税法第二十七条第一項の修正確定申告書 |
課税総所得金額若しくは所得税額 |
所得税額 |
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第三百十五条第三号 |
所得税法第六十七条 |
改正前の所得税法第六十七条 |
課税総所得金額又は所得税額 |
所得税額 |
|
課税総所得金額若しくは所得税額 |
所得税額 |
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第三百十六条 |
所得税法 |
改正前の所得税法 |
所得税額等 |
所得税額 |
|
第三百十七条 |
所得税額等 |
所得税額 |
第三百十八条 |
六月一日 |
昭和二十五年八月一日 |
第三百十九条 |
所得税額等 |
所得税額 |
七月、九月、十二月及び二月中において |
九月、十一月及び一月中において |
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七月中において |
九月中において |
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第三百二十条第二項 |
所得税額等 |
所得税額 |
2 昭和二十六年度分の市町村民税に限り、第三百十九条中「十二月」とあるのは「十一月」と読み替えるものとする。
(市町村による所得の計算)
第三百十五条 市町村は、左の各号に掲げる場合においては、市町村民税の納税義務者の所得を所得税法に規定する所得及び所得税額の計算の方法に従い自ら計算し、その計算したところに基いて所得税額等を算定して市町村民税を課することができる。
一 所得税法第二十六条第一項の確定申告書又は同法第二十六条の二第一項の農業確定申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を政府に提出しなかつた場合において、政府が課税総所得金額若しくは所得税額の決定をしなかつたとき、又は政府が決定した課税総所得金額若しくは所得税額が過少であると認められるとき。
二 前号の申告書又は所得税法第二十七条第一項の修正確定申告書若しくは農業修正確定申告書の提出があつた場合において、これらに記載された課税総所得金額若しくは所得税額が過少であると認められる場合において政府がこれを更正しなかつたとき、又は政府が更正した課税総所得金額若しくは所得税額が過少であると認められるとき。
三 同族会社の株主若しくは社員又はこれらと親族、使用人等の特殊の関係がある者の課税総所得金額又は所得税額の算定の基礎となつた所得の計算に、所得税の負担を不当に減少させるものがあると認められる場合において、政府が所得税法第六十七条の規定による計算をしなかつたとき、又は政府が同条の規定によつて計算した課税総所得金額若しくは所得税額が過少であると認められるとき。
第三百十六条 市町村は、当該市町村の市町村民税の納税義務者に係る所得税の基礎となつた所得の計算が当該市町村を通じて著しく適正を欠くと認められる場合においては、地方財政委員会の許可を得て、各納税義務者について所得税法に規定する所得及び所得税額の計算の方法に従い自らその所得を計算し、その計算したところに基いて市町村民税の課税標準としての所得税額等を算定して、市町村民税を課することができる。
(市町村による所得の計算の通知)
第三百十七条 市町村が前二条の規定によつて所得税額等を算定して市町村民税を課した場合においては、市町村長は、その算定に係る所得税額等を当該市町村の区域を管轄する税務署長に通知するものとする。
第四款 賦課及び徴収
(市町村民税の賦課期日)
第三百十八条 市町村民税の賦課期日は、六月一日とする。
(市町村民税の納期)
第三百十九条 市町村民税の納期は、所得税額等を課税標準として課する市町村民税を納付する義務がある者については七月、九月、十二月及び二月中において、均等割額によつて課する市町村民税のみを納付する義務がある者については七月中において、当該市町村の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
(市町村民税の徴収の方法)
第三百二十条 市町村民税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 市町村民税を徴収しようとする場合において納税者に交付する徴税令書に記載すべき税額は、均等割額及び所得税額等を課税標準として課する額の合計額とする。
3 前項の徴税令書は、遅くとも、納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(市町村民税の納期前の納付)
第三百二十一条 市町村民税の納税者は、徴税令書に記載された納付額のうち到来した納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付しようとする場合においては、当該納期後の納期に係る納付額に相当する金額の税金をあわせて納付することができる。
2 前項の規定によつて市町村民税の納税者が当該納期の後の納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付した場合においては、市町村は、当該市町村の条例で定める金額の報奨金をその納税者に交付することができる。但し、当該納税者の未納に係る地方団体の徴収金がある場合においては、この限りでない。
3 前項の報奨金の額は、第一項の規定によつて納期前に納付した税額の千分の五に、納期前に係る月数(一月未満の端数がある場合においては、十四日以下は切り捨て、十五日以上は一月とする)を乗じて得た額をこえることができない。
(市町村民税の納期限の延長)
第三百二十二条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、市町村民税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(市町村民税の減免)
第三百二十三条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、市町村民税を減免することができる。
(市町村民税の脱税に関する罪)
第三百二十四条 詐偽その他不正の行為によつて市町村民税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(所得税に関する書類の供覧等)
第三百二十五条 市町村長が市町村民税の賦課徴収について、政府に対し、所得税の納税義務者が政府に提出した申告書又は政府がした更正若しくは決定に関する書類を閲覧し、又は記録することを請求した場合においては、政府は、関係書類を市町村長又はその指定する吏員に閲覧させ、又は記録させるものとする。
(市町村民税の賦課額の変更又は決定及びこれらに係る延滞金の徴収)
第三百二十六条 市町村長は、市町村民税について第三百四条の規定による申告があつた場合又は前条の規定によつて所得税の更正若しくは決定に関する書類を閲覧し、その賦課した税額を変更し、若しくは賦課されるべきであつた市町村民税を賦課する必要を認めた場合においては、既に第三百十五条又は第三百十六条の規定を適用して市町村民税を賦課していた場合を除く外、直ちに不足税額(変更に因る不足税額又は賦課されるべきであつた税額をいう。以下本条において同様とする。)を追徴しなければならない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、不足税額をその決定があつた日までの納期の数で除して得た額に第三百十九条の各納期限(第三百二十二条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下市町村民税について同様とする。)の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該不足税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、納税者が第一項の規定によつて不足税額を追徴されたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に納付する市町村民税の延滞金)
第三百二十七条 市町村民税の納税者は、第三百十九条の各納期限後にその税金を納付する場合においては、その税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が前項の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、同項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る市町村民税の賦課の救済)
第三百二十八条 市町村民税の賦課を受けた者(第三百二十六条第一項の規定によつて不足税額を追徴されることとなつた者を含む。)は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、市町村民税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第五款 督促及び滞納処分
(市町村民税に係る督促)
第三百二十九条 納税者が納期限までに市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(市町村民税に係る督促手数料)
第三百三十条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(市町村民税に係る滞納処分)
第三百三十一条 第三百二十九条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(市町村民税に係る滞納処分に関する罪)
第三百三十二条 市町村民税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による市町村民税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第三百三十三条 第三百三十一条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村民税に係る交付要求)
第三百三十四条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、市町村民税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(市町村民税に係る延滞加算金)
第三百三十五条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、市町村民税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
第六款 犯則取締
(市町村民税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第三百三十六条 市町村民税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第三百三十七条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、市町村民税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第三百三十八条 第三百三十六条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の市町村民税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第三百三十九条 第三百三十六条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても市町村民税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第三百四十条 第三百三十六条の場合において、市町村民税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第二節 固定資産税
第一款 通則
(固定資産税に関する用語の意義)
第三百四十一条 固定資産税について、左の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 固定資産 土地、家屋及び償却資産を総称する。
二 土地 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう。
三 家屋 住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。
四 償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。但し、自動車税、自転車税及び荷車税の課税客体である自動車、自転車及び荷車を除くものとする。
五 価格 適正な時価をいう。
六 固定資産課税台帳 土地課税台帳、土地補充課税台帳、家屋課税台帳、家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称する。
七 土地課税台帳 土地台帳法(昭和二十二年法律第三十号)第三十七条の四の規定によつて市町村が備える土地台帳の副本にこれに記載された土地の価格を登録した帳簿をいう。
八 土地補充課税台帳 土地台帳に登録されていない土地でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものについて第三百八十一条第二項に規定する事項を登録した帳簿をいう。
九 家屋課税台帳 家屋台帳法(昭和二十二年法律第三十一号)第二十二条の規定によつて市町村が備える家屋台帳の副本にこれに記載された家屋の価格を登録した帳簿をいう。
十 家屋補充課税台帳 家屋台帳に登録されていない家屋でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものについて第三百八十一条第四項に規定する事項を登録した帳簿をいう。
十一 償却資産課税台帳 償却資産について第三百八十一条第五項に規定する事項を登録した帳簿をいう。
(固定資産税の課税客体、課税標準等)
第三百四十二条 固定資産税は、固定資産に対し、当該固定資産所在の市町村において課する。
2 固定資産税の課税標準は、当該年度の初日の属する年の一月一日現在における固定資産の価格で固定資産課税台帳に登録されたものとする。
3 償却資産のうち船舶、車輌その他これらに類する物件については、第三百八十九条第一項第一号の規定の適用がある場合を除き、その主たる定けい場又は定置場所在の市町村を第一項の市町村とし、船舶についてその主たる定けい場が不明である場合においては、定けい場所在の市町村で船籍港があるものを主たる定けい場所在の市町村とみなす。
(固定資産税の納税義務者等)
第三百四十三条 固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は百年より永い存続期間の定のある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。)に課する。
2 前項の所有者とは、土地又は家屋については、土地台帳若しくは土地補充課税台帳又は家屋台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登録されている者をいう。
3 第一項の所有者とは、償却資産については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいう。
4 市町村は、償却資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によつて不明である場合においては、その使用者を所有者とみなして、これを償却資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。
5 自作農創設特別措置法(昭和二十一年法律第四十三号)第三条の規定によつて国が買収した農地又は旧相続税法(昭和二十二年法律第八十七号)第五十二条若しくは財産税法(昭和二十一年法律第五十二号)第五十六条の規定によつて国が収納した農地については、買収し、又は収納した日から自作農創設特別措置法第二十一条の規定によつてその所有権が売渡の相手方に移転する日までの間は、その使用者をもつて、その日後当該売渡の相手方が土地台帳に所有者として登録される日までの間は、その売渡の相手方をもつて、それぞれ第一項の所有者とみなす。
(使用者に課する固定資産税)
第三百四十四条 市町村は、固定資産の所有者が第三百四十八条第一項の規定によつて固定資産税を課することができない者である場合においては、前条第一項の規定にかかわらず、その使用者に固定資産税を課する。但し、公用若しくは公共の用に供する部分又は公務上当該固定資産を使用すべき義務がある者が使用している部分については、この限りでない。
2 前項の使用者とは、地上権者(前条第一項の地上権者を除く。)、地役権者、永小作権者、又は当該固定資産の所有者との契約その他の権原に基いてその固定資産を使用する権利を有する者で固定資産課税台帳に使用者として登録されているものをいう。
(国等の所有に係る固定資産の使用者等の届出)
第三百四十五条 国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本放送協会の職員で固定資産を管理する責任がある者は、前条第一項但書の規定に該当する場合を除き、地方財政委員会規則の定めるところによつて、毎年一月一日現在における前条第一項の使用者その他固定資産税の賦課徴収に関し同規則で定める事項を同月十日までに当該固定資産の所在地の市町村長に届け出なければならない。毎年一月一日後において使用者に異動があつた場合又は新たな使用者に使用させるに至つた場合においても、また、同様とし、その届出の期限は、その事由が発生した日から十日を経過した日とする。
(昭和二十五年度分の固定資産税に係る国等が所有する固定資産の使用者等の届出の特例)
第三百四十六条 昭和二十五年度分の固定資産税に係る使用者等の届出に限り、前条の規定中「毎年一月一日」とあるのは「昭和二十五年四月一日」と、「同月十日」とあるのは「同年八月二十日」と、「その事由が発生した日から十日を経過した日とする。」とあるのは「その事由が同年八月十日までに発生した場合においては、同月二十日とし、その事由が同月十日後に発生した場合においては、その事由が発生した日から十日を経過した日とする。」とそれぞれ読み替えるものとする。
(使用者等に係る届出の義務違反に関する過料)
第三百四十七条 市町村は、第三百四十五条の規定による届出をすべき者が正当な事由がなくて届出をしなかつた場合又は虚偽の届出をした場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で一万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(固定資産税の非課税の範囲)
第三百四十八条 市町村は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本放送協会に対しては、固定資産税を課することができない。
2 固定資産税は、左の各号に掲げる固定資産に対しては課することができない。但し、固定資産(第十号の固定資産を除く。)を有料で借り受けた者がこれを左の各号に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。
一 国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用又は公共の用に供する固定資産
二 宗教法人がその用に供する家屋及びその境内地又は構内地
三 墓地
四 公共の用に供する道路、運河用地及び水道用地
五 公共の用に供する用悪水路、ため池、堤とう及び井溝
六 保安林
七 国宝保存法(昭和四年法律第十七号)、史蹟名勝天然紀念物保存法(大正八年法律第四十四号)又は重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて国宝、史蹟名勝又は重要美術品として指定され、又は認定された土地又は家屋(土地については指定され、又は認定された家屋の敷地以外の土地を除くものとする。)
八 学校教育法第一条若しくは第九十八条第一項の学校を設置する学校法人又は私立学校法第六十四条第四項の法人がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産並びに民法第三十四条の法人がその設置する図書館において直接その用に供する固定資産
九 社会事業、更生保護事業、生活保護法による保護施設、児童福祉法による児童福祉施設及び身体障害者福祉法による身体障害者更生援護施設の用に供する固定資産
十 船舶公団が所有する船舶及び産業復興公団が所有する償却資産
3 市町村は、前項各号に掲げる固定資産を当該各号に掲げる目的以外の目的に使用する場合においては、前項の規定にかかわらず、これらの固定資産に対し、固定資産税を課する。
4 市町村は、地方財政委員会が指定する賠償指定施設に対しては、固定資産税を課することができない。
(固定資産税の税率)
第三百四十九条 固定資産税の標準税率は、百分の一・六とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、昭和二十六年度から昭和二十八年度までは、百分の三をこえることができない。
(昭和二十五年度分の固定資産税の税率に関する特例)
第三百五十条 昭和二十五年度分の固定資産税の税率は、前条の規定にかかわらず、百分の一・六としなければならない。
2 地方財政委員会は、全市町村の昭和二十五年度分の固定資産税の収入見込額(同年度分の固定資産税のうち土地及び家屋に対して課する部分の調定見込額の百分の九十の額と償却資産に対して課する部分の調定見込額の百分の八十の額との合算額とする。)と地租附加税及び家屋税附加税に係る昭和二十五年度における過年度分の調定分及び滞納繰越分の収入見込額との合算額が五百二十億円を相当に上回り、又は下回ると認める場合においては、地方財政委員会規則で、その収入見込額が、おおむね、五百二十億円となるように、昭和二十六年一月中において、前項の税率を変更するものとする。
3 地方財政委員会は、前項の規定によつて、昭和二十五年度分の固定資産税の税率を変更した場合においては、その旨をすみやかに内閣及び内閣を通じて国会に報告しなければならない。
4 第二項の規定によつて昭和二十五年度分の固定資産税の税率が変更された場合においても、同年度分の地方財政平衡交付金の算定に用いる基準税率については、変更がなかつたものとする。
5 市町村長は、昭和二十五年十二月三十一日現在における同年度分の固定資産税の調定見込額並びに地租附加税及び家屋税附加税に係る同年度における過年度分の調定分及び滞納繰越分の収入見込額(「固定資産税の調定見込額等」という。以下本項において同様とする。)を、地方財政委員会規則の定めるところによつて、昭和二十六年一月十日までに道府県知事に報告するものとし、道府県知事は、当該道府県内の全市町村の固定資産税の調定見込額を集計して、その結果を、同年一月二十日までに地方財政委員会に報告するものとする。
(固定資産税の免税点)
第三百五十一条 市町村は、同一の者について当該市町村の区域内におけるその者の所有又は使用に係る土地、家屋及び償却資産の固定資産課税台帳に登録された価格の合計額が三万円に満たない場合においては、固定資産税を課することができない。
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の固定資産税に係る免税点の特例)
第三百五十二条 市町村は、第三百六十四条第四項及び第八項の規定によつて徴収する昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の固定資産税に限り、同一の者について、当該市町村の区域内におけるその者の所有又は使用に係る土地、家屋又は償却資産の第四百十一条第二項から第四百十三条までの規定による価格の合計額がそれぞれ一万円に満たない場合においては、当該土地、家屋又は償却資産に対しては、固定資産税を課することができない。但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、その価格の合計額が一万円に満たないときであつても、固定資産税を課することができる。
2 市町村は、同一の者について、当該市町村の区域内におけるその者の所有又は使用に係る土地、家屋又は償却資産の第四百十一条第一項、第四百十二条及び第四百十三条第一項の規定による価格の合計額がそれぞれ一万円に満たない場合においては、前条の規定にかかわらず、当該土地、家屋又は償却資産に対しては、昭和二十五年度分の固定資産税を課することができない。但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、その価格の合計額が一万円に満たないときであつても、固定資産税を課することができる。
3 前項の規定は、昭和二十六年度分の固定資産税について準用する。この場合において、前項の規定中「第四百十一条第一項、第四百十二条及び第四百十三条第一項」とあるのは「第四百十一条第一項及び第四百十三条第二項」と、「昭和二十五年度分」とあるのは「昭和二十六年度分」とそれぞれ読み替えるものとする。
(固定資産税に係る徴税吏員等の質問検査権)
第三百五十三条 市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、固定資産税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該固定資産税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 固定資産税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第三百七十三条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(固定資産税に係る検査拒否等に関する罪)
第三百五十四条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(固定資産税の納税管理人)
第三百五十五条 固定資産税の納税義務者は、納税義務を負う市町村内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該市町村の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを市町村長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(固定資産税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第三百五十六条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(固定資産税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第三百五十七条 市町村は、固定資産税の納税義務者が第三百五十五条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(固定資産税の脱税に関する罪)
第三百五十八条 詐偽その他不正の行為によつて固定資産税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
第二款 賦課及び徴収
(固定資産税の賦課期日)
第三百五十九条 固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
(昭和二十五年度分の土地及び家屋に対して課する固定資産税の賦課期日の特例)
第三百六十条 昭和二十五年度分の土地及び家屋に対して課する固定資産税の賦課期日は、前条の規定にかかわらず、昭和二十五年四月一日とする。
(使用者に課する固定資産税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課)
第三百六十一条 第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に課する固定資産税(「使用者に課する固定資産税」という。以下本条において同様とする。)については、当該年度の初日以後に新たに当該固定資産税に係る固定資産の使用者となつた者には、新たに使用者となつた月の翌月から、月割をもつて、固定資産税を課する。
2 使用者に課する固定資産税については、当該年度の初日以後に当該固定資産税に係る固定資産の使用者でなくなつた者には、使用者でなくなつた月まで、月割をもつて、固定資産税を課する。
3 使用者に課する固定資産税については、その賦課期日の翌日から当該年度の初日の前日までの間において新たに当該固定資産税に係る固定資産の使用者となつた者が引き続いて当該年度において使用する場合においては、その者に対し、当該年度の初日から固定資産税を課する。前二項の規定は、この場合においても適用があるものとする。
4 使用者に課する固定資産税の賦課後にその課税客体である固定資産の使用者に異動があつた場合においては、前の納税者の納税をもつて後の納税義務者の納税とみなし、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
(固定資産税の納期)
第三百六十二条 固定資産税の納期は、四月、六月、八月及び十一月中において、当該市町村の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の固定資産税の納期の特例)
第三百六十三条 昭和二十五年度分の固定資産税に限り、前条の規定中「四月、六月、八月及び十一月中」とあるのは、土地及び家屋に対して課する固定資産税の納期については「八月、十二月及び二月中」と読み替え、償却資産に対して課する固定資産税の納期のうち、第三百六十四条第四項の規定によつて徴収する税額の納期については「十二月及び二月中」と読み替えるものとする。
2 昭和二十六年度分の固定資産税に限り、前条の規定中「十一月中」とあるのは「十二月中」と読み替えるものとする。
(固定資産税の徴収の方法等)
第三百六十四条 固定資産税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 固定資産税を徴収しようとする場合において納税者に交付する徴税令書に記載すべき課税標準額は、土地、家屋及び償却資産の価額並びにこれらの合計額とする。
3 前項の徴税令書は、遅くとも、納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
4 市町村は、昭和二十五年度分の償却資産に対して課する固定資産税に限り、第四百十一条第二項又は第三項の規定による価格を課税標準として仮に算定した額を固定資産税として徴収するものとする。
5 市町村は、昭和二十六年度分の固定資産税の最終の納期において、前項の規定によつて徴収された税額(「仮算定税額」という。以下第七項までにおいて同様とする。)が第四百十一条第一項の規定によつて決定した価格を課税標準として算定した昭和二十五年度分の固定資産税の額(「本算定税額」という。以下第七項までにおいて同様とする。)に満たない場合においては、その不足税額を徴収し、仮算定税額が本算定税額をこえる場合においては、第十七条の規定の例によつて、その過納額を還付し、又は充当しなければならない。
6 昭和二十五年度分の固定資産税を徴収しようとする場合において納税者に交付する徴税令書は、第二項の規定にかかわらず、土地及び家屋の価額並びにこれらの合計額を課税標準額として記載したもの、償却資産の価額を課税標準額として記載したもの又はこれらの課税標準額及びその合計額をあわせて記載したものとする。
7 第四項の規定によつて固定資産税を徴収する場合において納税者に交付する徴税令書には、左の各号に掲げる趣旨を明示しなければならない。
一 徴税令書に記載された償却資産の価額は、第四百十一条第二項又は第三項の規定による価額であつて、昭和二十五年度分の償却資産に対して課する固定資産税に係る仮に算定された課税標準額であり、その税額は、仮算定税額であること。
二 昭和二十五年度分の償却資産に対して課する固定資産税の課税標準である価格は、昭和二十六年九月三十日までに決定されるものであること。
三 昭和二十六年度分の固定資産税の最終の納期において、仮算定税額が本算定税額に満たない場合においては、その不足税額を徴収し、仮算定税額が本算定税額をこえる場合においては、その過納額を還付し、又は末納に係る地方団体の徴収金に充当するものであること。
8 市町村は、昭和二十六年度分の固定資産税に限り、最終納期前の各納期において、農地以外の土地及び家屋に対して課する固定資産税にあつては第四百十二条の規定の例によつて定められる価格、償却資産に対して課する固定資産税にあつては第四百十一条第二項又は第三項の規定による価格をそれぞれ課税標準として仮に算定した額、農地に対して課する固定資産税にあつては第四百十三条第二項の価格を課税標準として算定した額の合計額を当該年度の納期の数で除して得た額を固定資産税として徴収するものとする。
9 第五項の規定は、前項の規定によつて徴収される固定資産税(農地に対して課する分を除く。)について準用する。この場合において、第五項の規定中「前項」とあるのは「第八項」と、「昭和二十五年度分」とあるのは「昭和二十六年度分」とそれぞれ読み替えるものとする。
10 第六項の規定は、昭和二十六年度分の固定資産税に係る徴税令書について準用する。
11 第八項の規定によつて固定資産税を徴収する場合において納税者に交付する徴税令書には、左の各号に掲げる趣旨を明示しなければならない。
一 徴税令書に記載された価額は、農地以外の土地及び家屋に対して課する固定資産税にあつては第四百十二条の規定の例によつて定められた価額、償却資産に対して課する固定資産税にあつては第四百十一条第二項又は第三項の規定による価額及び農地に対して課する固定資産税にあつては第四百十三条第二項の規定による価額の合計額であつて、農地に対して課する部分を除き、昭和二十六年度分の固定資産税に係る仮に算定された課税標準額であり、その税額は、仮算定税額であること。
二 昭和二十六年度分の固定資産税の課税標準である価格(農地に関しては、第四百十三条第二項の規定の適用がある場合を除く。)は、昭和二十六年九月三十日までに決定されるものであること。
三 第七項第三号に掲げる事項
(固定資産税に係る納期前の納付)
第三百六十五条 固定資産税の納税者は、徴税令書に記載された納付額のうち到来した納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付しようとする場合においては、当該納期の後の納期に係る納付額に相当する金額の税金をあわせて納付することができる。
2 前項の規定によつて固定資産税の納税者が当該納期の後の納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付した場合においては、市町村は、当該市町村の条例で定める金額の報奨金をその納税者に交付することができる。但し、当該納税者の未納に係る地方団体の徴収金がある場合においては、この限りでない。
3 前項の報奨金の額は、第一項の規定によつて納期前に納付した税額の千分の五に、納期前に係る月数(一月未満の端数がある場合においては、十四日以下は切り捨て、十五日以上は一月とする。)を乗じて得た額をこえることができない。
(固定資産税の納期限の延長)
第三百六十六条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、固定資産税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(固定資産税の減免)
第三百六十七条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において固定資産税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、固定資産税を減免することができる。
(届出又は申告をしなかつたことに因る固定資産税の不足税額及び延滞金の徴収)
第三百六十八条 市町村長は、土地台帳法若しくは家屋台帳法の規定によつて登記所に申告をする義務がある者、第三百四十五条、第三百八十三条若しくは第三百八十四条の規定によつて市町村長に届出若しくは申告をする義務がある者又は第三百九十四条の規定によつて申告をする義務がある者がそのすべき届出若しくは申告をしなかつたこと又は虚偽の届出若しくは申告をしたことに因り第四百十七条の規定によつて当該固定資産の価格を決定したことに基いてその者に係る固定資産税額に不足税額があることを発見した場合においては、直ちにその不足税額を追徴しなければならない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、不足税額をその決定があつた日までの納期の数で除して得た額に、第三百六十二条又は第三百六十三条の各納期限(第三百六十六条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下固定資産税について同様とする。)の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該不足税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、納税者が第一項の規定によつて不足税額を追徴されたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に納付する固定資産税の延滞金)
第三百六十九条 固定資産税の納税者は、第三百六十二条又は第三百六十三条の各納期限後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が前項の納期限までに納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、同項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る固定資産税の賦課等の救済)
第三百七十条 固定資産税の賦課を受けた者(第三百六十八条第一項の規定によつて不足税額を追徴されることとなつた者を含む。)は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。但し、異議の申立が第四百三十二条の規定に基く審査に係るものである場合においては、同条の審査の手続を経た後でなければ、これをすることができない。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定に不服がある者は、その決定の通知を受けた日から三十日以内に、道府県知事に訴願し、又は裁判所に出訴することができる。
5 前項の訴願に対する道府県知事の裁決は、その訴願を受理した日から三十日以内にしなければならない。
6 訴願の裁決に不服がある者は、その裁決の通知を受けた日から三十日以内に裁判所に出訴することができる。
7 異議の決定又は訴願の裁決は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者又は訴願を提起した者に交付しなければならない。
8 異議の申立又は訴願に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項又は第四項の期間に算入しない。
9 第一項の規定による異議の申立、第四項の規定による訴願の提起若しくは出訴又は第六項の規定による出訴があつても、固定資産税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
第三款 督促及び滞納処分
(固定資産税に係る督促)
第三百七十一条 納税者が納期限までに固定資産税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(固定資産税に係る督促手数料)
第三百七十二条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(固定資産税に係る滞納処分)
第三百七十三条 第三百七十一条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに固定資産税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(固定資産税に係る滞納処分に関する罪)
第三百七十四条 固定資産税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による固定資産税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第三百七十五条 第三百七十三条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(固定資産税に係る交付要求)
第三百七十六条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、固定資産税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(固定資産税に係る延滞加算金)
第三百七十七条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、固定資産税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(使用者に課する固定資産税の徴収の嘱託)
第三百七十八条 市町村の徴税吏員は、第三百四十四条の規定によつて固定資産税を使用者に課する場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、第三百四十五条に規定する職員に当該使用者に課する固定資産税の徴収(滞納処分を除く。以下本条及び第三百七十九条において同様とする。)を嘱託することができる。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、第三百四十五条に規定する職員に対して徴税令書を納税者に送達すべきことを求めることができる。
3 第一項の規定によつて徴収を嘱託した場合においては、嘱託に係る事務及び送金に要する費用は、嘱託した徴税吏員の属する市町村の負担とする。
(徴収の嘱託を受けた固定資産税の納入)
第三百七十九条 前条第一項の規定によつて固定資産税の徴収の嘱託を受けた者は、当該市町村の徴税吏員の指定する期限までに、その嘱託に係る税金を徴収して当該市町村に納入しなければならない。この場合において、指定された期限までに徴収できなかつた税金があつたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村の徴税吏員に通知しなければならない。
第四款 固定資産課税台帳
(固定資産課税台帳等の備付)
第三百八十条 市町村は、固定資産の状況及び固定資産税の課税標準である固定資産の価格を明らかにするため、固定資産課税台帳を備えなければならない。
2 市町村は、前項の固定資産課税台帳の外、当該市町村の条例の定めるところによつて、地籍図、土地使用図、土壌分類図、家屋見取図、固定資産売買記録簿その他固定資産の評価に関して必要な資料を備えて逐次これを整えなければならない。
(固定資産課税台帳の登録事項)
第三百八十一条 市町村長は、土地課税台帳となるべき土地台帳の副本に、地方財政委員会規則で定める様式によつて、これに記載された土地の価格(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する土地については、その使用者の住所及び氏名又は名称並びにその価格)を登録しなければならない。
2 市町村長は、土地補充課税台帳に、地方財政委員会規則で定める様式によつて、土地台帳に登録されていない土地でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものの所有者(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する土地については、その所有者及び使用者)の住所及び氏名又は名称並びにその所在、地番、地目、地積及び価格を登録しなければならない。
3 市町村長は、家屋課税台帳となるべき家屋台帳の副本に、地方財政委員会規則で定める様式によつて、これに記載された家屋の価格(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する家屋については、その使用者の住所及び氏名又は名称並びにその価格)を登録しなければならない。
4 市町村長は、家屋補充課税台帳に、地方財政委員会規則で定める様式によつて、家屋台帳に登録されていない家屋でこの法律の規定によつて固定資産税を課することができるものの所有者(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する家屋については、その所有者及び使用者)の住所及び氏名又は名称並びにその所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び価格を登録しなければならない。
5 市町村長は、償却資産課税台帳に、地方財政委員会規則で定める様式によつて、償却資産の所有者(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する償却資産については、その所有者及び使用者)の住所及び氏名又は名称並びにその所在、種類、数量、取得年月日、耐用年数及び価格を登録しなければならない。
6 市町村長は、土地台帳又は家屋台帳に登録されるべき土地又は家屋が登録されていないため、又は地目その他登録されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合においては、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登録又は登録されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。この場合において、当該登記所はその申出を相当と認めるときは、その申出に係る登録又は登録されている事項の修正その他の措置をとらなければならない。
(登記所からの通知に基く土地課税台帳又は家屋課税台帳への記載)
第三百八十二条 市町村長は、土地台帳法第三十九条又は家屋台帳法第二十二条の規定による登記所からの通知を受けた場合においては、遅滞なく、当該土地又は家屋についての異動を土地課税台帳又は家屋課税台帳に記載し、又はこれに記載された事項を訂正しなければならない。
(固定資産の申告)
第三百八十三条 固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定によつて地方財政委員会が評価すべき償却資産の所有者を除く。)は、地方財政委員会規則の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得年月日、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を一月十日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。
2 固定資産税の納税義務がある固定資産の所有者で法人税法又は所得税法の規定による申告書を提出する義務があるものは、地方財政委員会規則の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該固定資産について、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費として控除すべき減価償却額又は減価償却費の計算の基礎となる価額を一月十日までに当該固定資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。
3 昭和二十五年度分の固定資産税に限り、前二項の規定による申告は、昭和二十五年十月三十一日までにしなければならない。
(資産再評価法の規定によつて再評価を行い、又は再評価を行うことができる固定資産の所有者の申告書の提出)
第三百八十四条 固定資産税の納税義務がある固定資産の所有者(第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定によつて地方財政委員会が評価すべき固定資産の所有者を除く。)で資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)の規定によつて当該固定資産について再評価を行つたものは、地方財政委員会規則の定めるところによつて、昭和二十五年一月一日現在における当該固定資産について、再評価額、再評価差額、再評価税額、再評価額の限度額、見積価額及びこれらの額の算出に関し必要な事項を記載した申告書を同年十月三十一日までに当該固定資産の所在地の市町村長に提出しなければならない。
2 前項の場合において、資産再評価法の規定によつて再評価を行うことができる者で昭和二十五年八月三十一日までに再評価を行わなかつたものは、再評価を同日までに行わなかつた旨を記載した申告書に固定資産の見積価額、資産再評価法第十七条、第十九条又は第二十一条に規定する再評価額の限度額に相当する金額及びその金額の算出に関し必要な事項を記載した明細書を添附して、これを同年十月三十一日までに当該固定資産の所在地の市町村長に提出しなければならない。
3 資産再評価法第四十五条第四項、第五項若しくは同法第四十六条第一項及び第四項の規定による明細書及びその写又は同法第四十五条第七項の規定による書類及びその写を提出した納税義務者は、前二項の規定にかかわらず、当該各項の規定によつて提出すべき申告書又は明細書を提出することを要しないものとする。
4 昭和二十五年八月三十一日以前に法人が合併した場合において合併に因り消滅した法人がすべきであつた第一項又は第二項の申告書の提出は、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人が当該各項の期限までにしなければならない。
5 昭和二十五年八月三十一日以前に相続の開始があつた場合において被相続人がすべきであつた第一項又は第二項の申告書の提出は、相続人が共同して、又は相続財団が当該各項の期限までにしなければならない。
(固定資産に係る虚偽の申告等に関する罪)
第三百八十五条 第三百八十三条又は前条の規定によつて申告すべき事項について虚偽の申告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(固定資産に係る不申告に関する過料)
第三百八十六条 市町村は、固定資産の所有者が第三百八十三条又は第三百八十四条の規定によつて申告すべき事項について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(土地名寄帳及び家屋名寄帳)
第三百八十七条 市町村は、その市町村内の土地及び家屋について、固定資産課税台帳に基いて、地方財政委員会規則で定める様式によつて、土地名寄帳及び家屋名寄帳を備えなければならない。
第五款 固定資産の評価及び価格の決定
(固定資産税に係る地方財政委員会の任務)
第三百八十八条 地方財政委員会は、地籍図、土地使用図、土壌分類図、家屋見取図、固定資産売買記録簿その他固定資産の評価に関する資料及び固定資産税の統計を作成するための標準様式を定めて、これを市町村長に示さなければならない。
2 地方財政委員会は、固定資産の評価に関して市町村長に対し、左の各号に掲げる技術的援助を与えなければならない。
一 市町村の固定資産評価員が固定資産を評価するために必要な評価の手引その他の資料を作成すること。
二 固定資産の評価の基準を示すこと。
三 固定資産の評価の実施の方法及び手続を示すこと。
四 市町村の固定資産評価員が評価をすることが著しく困難である固定資産の評価について市町村長から助言を求められた場合において助言を与えること。
(地方財政委員会の評価の権限)
第三百八十九条 地方財政委員会は、左の各号に掲げる固定資産について、前条第二項第二号の基準並びに同項第三号の方法及び手続に準じて、毎年一月一日現在における時価による評価を行つた後当該固定資産が所在するものとされる市町村及びその価格を決定し、決定した価格を当該市町村に配分し、毎年二月五日までに当該市町村の長に通知しなければならない。
一 地方財政委員会規則で定める船舶、車両その他の移動性償却資産又は可動性償却資産で二以上の市町村にわたつて使用されるもののうち地方財政委員会が指定するもの
二 鉄道若しくは軌道又は発電、送電若しくは配電用施設その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産でその全体を一の固定資産として評価しなければ適正な評価ができないと認められるもののうち地方財政委員会が指定するもの
2 市町村長は、前項の規定による通知を受けた場合においては、遅滞なく、当該市町村に配分された固定資産の価格を固定資産課税台帳に登録しなければならない。
3 前項の場合において、第一項第一号の償却資産に係る価格の配分の通知を受けた市町村長は、当該償却資産がその通知のあつた日前に登録されていなかつたときは、新たに第三百八十一条第五項に規定する登録事項を登録しなければならない。
4 市町村長は、第一項の規定によつて地方財政委員会がした価格の配分が当該市町村に著しく不利益であると認める場合においては、地方財政委員会に対して、事由を具してその配分の調整を申し出ることができる。
5 地方財政委員会は、第四百八条第二項の規定による市町村における固定資産の評価が地方財政委員会によつて示された評価の基準に基いてした場合の評価と著しく異なることを発見した場合においては、第一項の規定によつて当該市町村に配分される当該固定資産の価格について必要な調整を加えることができる。
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の仮に算定する固定資産税に係る地方財政委員会が評価する固定資産の価格の通知に関する特例)
第三百九十条 地方財政委員会は、昭和二十五年度分の償却資産に対して課する固定資産税については、第四百十一条第二項又は第三項の規定による課税標準額を前条第一項又は第三百九十一条第一項の規定に準じて関係市町村に配分し、その配分した課税標準額を昭和二十五年十二月十日までに当該市町村の長に通知しなければならない。
2 地方財政委員会は、昭和二十六年度分の固定資産税については、第四百十一条第二項又は第三項の規定による課税標準額、第四百十二条の規定の例による課税標準額及び第四百十三条第二項に規定する課税標準額の合計額を前条第一項又は第三百九十一条第一項の規定に準じて関係市町村に配分し、その配分した課税標準額を昭和二十六年二月二十八日までに当該市町村の長に通知しなければならない。
(地方財政委員会がする大規模の固定資産の配分)
第三百九十一条 大規模の工場を有する事業が市町村の区域内にあるために近隣の他の市町村の公共費の支出に直接且つ重要な影響を与える場合又は大規模の発電施設その他の公共的事業施設がその所在する市町村を含む近隣の地域の経済と直接且つ重要な関連を有する場合においては、地方財政委員会は、地方財政委員会規則の定めるところによつて、これらの固定資産のうちその指定するものを評価してその価格を決定し、これを、当該固定資産の所在する市町村の如何にかかわらず、当該事業によつて影響を受け、又は当該施設と関連を有する市町村に配分することができる。この場合においては、その配分に係る固定資産及びその価格を毎年二月五日までに関係市町村の長に通知しなければならない。
2 前項の場合において、当該固定資産の所在する市町村の長は、同項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、当該固定資産の価格及び当該市町村に配分されたその価格を固定資産課税台帳に登録しなければならない。この場合において当該市町村は、第三百四十二条第二項の規定にかかわらず、その配分された価格を課税標準として固定資産税を課するものとする。
3 第一項の場合において、前項の市町村以外の市町村で当該固定資産に係る価格を配分されたものは、第三百四十二条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その配分された価格を課税標準として固定資産税を課するものとする。
4 市町村長は、第一項の規定によつて地方財政委員会がした価格の配分が当該市町村に著しく不利益であると認める場合においては、地方財政委員会に対して、事由を具してその配分の調整を申し出ることができる。
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の固定資産税に係る地方財政委員会が配分する固定資産の価格の通知に関する特例)
第三百九十二条 昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分の固定資産税に係る第三百八十九条第一項又は前条第一項の規定によつて地方財政委員会が配分する固定資産の価格の通知は、これらの規定による期限にかかわらず、昭和二十六年九月三十日までにしなければならない。
(地方財政委員会がする固定資産の価格の納税者に対する通知)
第三百九十三条 地方財政委員会は、第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定によつて、固定資産の価格を決定した場合においては、遅滞なく、その価格を当該固定資産の所有者(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する場合においては、その使用者)に通知しなければならない。
(地方財政委員会によつて評価される固定資産及び資産再評価法によつて再評価を行い、又は行うことができる固定資産の申告に係る特例)
第三百九十四条 第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定によつて地方財政委員会が評価すべき固定資産の所有者で固定資産税の納税義務があるものは、地方財政委員会規則の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該固定資産について、固定資産課税台帳に登録されるべき事項及びこれに記載されている事項並びに法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費として控除すべき減価償却額又は減価償却費の計算の基礎となる価額その他固定資産の評価に必要な事項を一月十日までに、地方財政委員会に申告しなければならない。
2 昭和二十五年度分の固定資産税に限り、前項の申告は、昭和二十五年十月三十一日までにしなければならない。
3 第一項の固定資産の所有者で資産再評価法の規定によつて固定資産の再評価を行つた者は、地方財政委員会規則の定めるところによつて、昭和二十五年一月一日現在における当該固定資産について、その所在、再評価額、再評価差額、再評価税額、再評価額の限度額、見積価額及びこれらの額の算出に関し必要な事項を記載した申告書を同年十月三十一日までに地方財政委員会に提出しなければならない。
4 前項の場合において、資産再評価法の規定によつて再評価を行うことができる者で昭和二十五年八月三十一日までに再評価を行わなかつたものは、再評価を同日までに行わなかつた旨を記載した申告書に当該固定資産の所在、見積価額、資産再評価法第十七条、第十九条又は第二十一条に規定する再評価額の限度額に相当する金額及びその金額の算出について必要な事項を記載した明細書を添附して、これを同年十月三十一日までに地方財政委員会に提出しなければならない。
5 資産再評価法第四十五条第四項、第五項、同法第四十六条第一項若しくは同条第四項の規定による明細書及びその写又は同法第四十五条第七項の規定による書類及びその写を提出した納税義務者は、これらの申告書及び明細書を提出することを要しないものとする。
6 昭和二十五年八月三十一日以前に法人が合併した場合において合併に因り消滅した法人がすべきであつた第一項から第四項までの申告は、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人が当該各項の期限までにしなければならない。
7 昭和二十五年八月三十一日以前に相続の開始があつた場合において被相続人がすべきであつた第一項から第四項までの申告は、相続人が共同して、又は相続財団が当該各項の期限までにしなければならない。
(地方財政委員会が評価する固定資産に係る申告の義務違反に関する罪)
第三百九十五条 前条の規定によつて申告すべき事項について申告をせず、又は虚偽の申告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(地方財政委員会事務局の職員の固定資産の調査に関する質問検査権)
第三百九十六条 地方財政委員会事務局の職員で地方財政委員会委員長が指定する者は、第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定による固定資産の価格の決定に関する調査のため必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該固定資産税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該職員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(固定資産の調査に関する検査拒否等に関する罪)
第三百九十七条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による地方財政委員会事務局の職員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(地方財政委員会がする固定資産の価格の決定又は配分に関する異議の申立及び出訴)
第三百九十八条 第三百八十九条第一項又は第三百九十一条第一項の規定による地方財政委員会の価格の決定又は配分に不服がある固定資産の所有者(第三百四十四条第一項の規定によつて使用者に固定資産税を課する場合においては、その使用者)は、第三百九十三条の通知を受けた日から三十日以内に地方財政委員会に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する地方財政委員会の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、地方財政委員会がした価格の決定に基く処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(価格の決定又は配分に関する異議の申立に対する決定の通知)
第三百九十九条 地方財政委員会は、前条第一項の規定による異議の申立に対する決定をした場合においては、その決定をした日から十日以内にその旨を関係市町村の長に通知しなければならない。
(決定された価格の登録)
第四百条 市町村長は、前条の規定による通知を受けた場合においては、その通知を受けた日から十日以内に地方財政委員会の決定に係る当該価格を固定資産課税台帳に登録しなければならない。
2 市町村長は、前項の規定によつて固定資産の価格を登録した場合においては、固定資産税の賦課後であつても、その登録した価格に基いて、既に決定した賦課額を更正しなければならない。
(固定資産の評価に係る道府県知事の任務)
第四百一条 道府県知事は、市町村長に対し、固定資産の評価に関して、左の各号に掲げる援助を与えなければならない。
一 固定資産評価員の研修を行うこと。
二 地方財政委員会が作成した資料の使用方法について指導すること。
三 地方財政委員会が示した評価の基準、方法及び手続について指導すること。
四 市町村の固定資産評価員が評価することが著しく困難である固定資産の評価について市町村長から助言を求められた場合において助言を与えること。
(固定資産の評価に関する地方財政委員会又は道府県知事の権限に関する規定の解釈)
第四百二条 第三百八十八条又は前条の規定は、地方財政委員会又は道府県知事に、市町村の徴税吏員又は固定資産評価員を指揮する権限を与えるものと解釈してはならない。
(固定資産の評価に関する事務に従事する市町村の職員の任務)
第四百三条 市町村長は、第三百八十九条及び第三百九十一条の規定によつて地方財政委員会が固定資産を評価する場合を除く外、独自の判断と責任をもつて、固定資産の価格を決定しなければならない。
2 固定資産の評価に関する事務に従事する市町村の職員は、地方財産委員会及び道府県知事の助言によつて、且つ、納税者とともにする実地調査、納税者に対する質問、納税者の申告書の調査等のあらゆる方法によつて、公正な評価をするように努めなければならない。
(固定資産評価員の設置)
第四百四条 市町村長の指揮を受けて固定資産を適正に評価し、且つ、市町村長が行う価格の決定を補助するため、市町村に、固定資産評価員を設置する。
2 固定資産評価員は、固定資産の評価に関する知識及び経験を有する者のうちから、市町村長が、当該市町村の議会の同意を得て、選任する。
3 二以上の市町村の長は、当該市町村の議会の同意を得て、その協議によつて協同して同一の者を当該各市町村の固定資産評価員に選任することができる。この場合の選任については、前項の規定による議会の同意を要しないものとする。
4 固定資産評価員は、当該市町村の他の財務に関する事務に従事する職員を兼ねることができる。
5 市町村長は、固定資産税を課される固定資産が少いため固定資産評価員を選任する必要がないと認める場合においては、自ら固定資産評価員を兼ねることができる。
(固定資産評価補助員)
第四百五条 市町村長は、必要があると認める場合においては、固定資産の評価に関する知識及び経験を有する者のうちから、固定資産評価補助員を選任して、これに固定資産評価員の職務を補助させることができる。
(固定資産評価員の兼職禁止等)
第四百六条 固定資産評価員は、左の各号に掲げる職を兼ねることができない。
一 国会議員及び地方団体の議会の議員
二 地方団体の農地委員
三 固定資産評価審査委員会の委員
2 固定資産評価員は、当該市町村に対して請負をし、又は当該市町村において経費を負担する事業について当該市町村の長若しくは当該市町村の長の委任を受けた者に対して請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれらに準ずべき者、支配人及び清算人であることができない。
(固定資産評価員の欠格事項)
第四百七条 左の各号の一に該当する者は、固定資産評価員であることができない。
一 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者
二 固定資産評価員の職務に関して罪を犯し刑に処せられた者
三 前号に規定する者を除く外、禁こ以上の刑に処せられた者であつてその執行を終つてから、又は執行を受けることがなくなつてから、二年を経過しない者
四 国家公務員又は地方公共団体の職員で、懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
(固定資産の評価)
第四百八条 市町村長は、固定資産評価員又は固定資産評価補助員に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少くとも一回実地に調査させなければならない。
2 固定資産評価員は、前項の実地調査の結果に基いて、毎年一月一日現在における時価によつて、固定資産の評価をしなければならない。
3 固定資産評価員は、前項の規定による評価をした場合においては、地方財政委員会規則で定める様式によつて、遅滞なく、評価調書を作成し、これを市町村長に提出しなければならない。
(昭和二十五年の固定資産の実地調査の特例)
第四百九条 昭和二十五年に限り、前条の規定は、適用しない。
(固定資産の価格の決定)
第四百十条 市町村長は、第四百八条第三項に規定する評価調書を受理した場合においては、これに基いて毎年一月一日現在における固定資産の価格を二月五日までに決定しなければならない。
2 市町村長は、前項の規定によつて価格を決定する場合において、地目の変換その他の事由によつて新たに評価をする必要があると認めるときは、第四百八条の規定に準じて固定資産評価員に新たな評価をさせ、この後の評価に基いて価格を決定しなければならない。
3 市町村長は、前二項の規定によつて固定資産の価格を決定した場合においては、直ちにその価格を固定資産課税台帳に登録しなければならない。
(昭和二十五年度分又は昭和二十六年度分の固定資産税を課する償却資産の価格の決定の特例)
第四百十一条 昭和二十五年度分の固定資産税を課する償却資産又は昭和二十六年度分の固定資産税を課する固定資産(第四百十三条第二項の規定の適用がある場合においては、農地を除く。)の価格の決定に限り、前条第一項の規定中「二月五日」とあるのは「昭和二十六年九月三十日」と読み替えるものとする。
2 昭和二十五年度分又は昭和二十六年度の償却資産に対して課する固定資産税の課税標準とすべき地方財政委員会又は市町村長が仮に決定する価格は、第三百九十二条の規定による配分の通知又は前項の規定による決定があるまでの間は、左の各号に掲げる額のうちいずれの額をも下ることができない。
一 法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費として控除すべき減価償却額又は減価償却費の計算の基礎となる価額
二 資産再評価法の規定による再評価額
三 納税義務者が申告した見積価額
四 資産再評価法第十七条若しくは第十九条の規定による再評価額の限度額又はこれに相当する金額(陳腐化している償却資産その他の償却資産については、同法第三十五条第一項の規定による再評価額の限度額又はこれに相当する金額)の百分の七十の額
3 前項の場合において、償却資産の価格が明らかに、且つ、著しく同項第四号の額を下ると認められるときは、地方財政委員会規則の定めるところによつて、地方財政委員会が価格を決定すべき償却資産にあつては同委員会が当該償却資産に対して課する固定資産税の納税義務者がその事実を明示する充分な証拠を添えて提出する申請書に基いて、市町村長が価格を決定すべき償却資産にあつては市町村長が当該市町村の議会の議決を経て、又は同議会の議決を経た後地方財政委員会の許可を得て、当該償却資産の価格を標準として同項同号の額を減ずることができる。
(昭和二十五年度分の固定資産税を課する農地以外の土地及び家屋の価格の定め方の特例)
第四百十二条 昭和二十五年度分の固定資産税を課する農地以外の土地及び家屋に限り、その価格は、第三百八十九条第一項、第三百九十一条第一項、第四百八条、第四百十条第一項及び第四百十四条の規定にかかわらず、昭和二十五年四月一日現在で土地台帳法による土地台帳又は家屋台帳法による家屋台帳に登録されている賃貸価格(賃貸価格が設定されず、又は決定されていない土地又は家屋にあつては、品位及び情況の類似する土地又は家屋の賃貸価格に比準して市町村長が決定した価格)の九百倍の額とし、これを第三百四十二条第二項の固定資産税の課税標準とする。
(昭和二十五年度分の固定資産税を課する農地の価格の定め方等の特例)
第四百十三条 昭和二十五年度分の固定資産税を課する農地に限り、その価格は、第三百八十九条第一項、第三百九十一条第一項、第四百八条、第四百十条第一項及び第四百十四条の規定にかかわらず、土地台帳法による土地台帳に登録されている賃貸価格(賃貸価格が定められていない農地にあつては、品位及び情況の類似する農地の賃貸価格に比準して市町村長が定めた価格)に昭和二十五年四月一日現在における農地調整法(昭和十三年法律第六十七号)第六条ノ二第一項の規定によつて主務大臣が定めた率を乗じて得た額に二十二・五を乗じて得た額とし、これを第三百四十二条第二項の固定資産税の課税標準とする。
2 昭和二十六年度以降における固定資産税を課する農地の価格は、賦課期日現在において農地調整法第六条ノ二の規定による価格の制限が存続している場合においては、第三百八十九条第一項、第三百九十一条第一項、第四百八条、第四百十条第一項及び第百十四条の規定にかかわらず、地方財政委員会規則の定めるところによつて、その制限に係る価格に地方財政委員会規則で定める数を乗じて得た額とし、これを第三百四十二条第二項の固定資産税の課税標準とする。この場合において、当該制限に係る価格は、これに乗ずべき数が定められる日におけるものとする。
(固定資産の価格の最低限度)
第四百十四条 市町村長又は地方財政委員会が固定資産の価格を決定する場合においては、その価格は、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費として控除すべき減価償却額又は減価償却費の計算の基礎となる固定資産の価額を下ることができない。
(固定資産課税台帳の縦覧)
第四百十五条 市町村長は、第四百十条第三項の規定によつて固定資産の価格を固定資産課税台帳に登録した場合においては、毎年二月六日から同月十五日までの間、その固定資産課税台帳をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない。但し、災害その他特別の事情がある場合においては、毎年二月十六日以後に縦覧期間を設けることができる。
2 市町村長は、前項の縦覧の場所及び同項但書の規定による縦覧期間を、あらかじめ、公示しなければならない。
(昭和二十五年度分の固定資産税に係る償却資産課税台帳及び昭和二十六年度分の固定資産税に係る固定資産課税台帳の縦覧期間の特例)
第四百十六条 昭和二十五年度分の固定資産税に係る償却資産課税台帳及び昭和二十六年度分の固定資産税に係る固定資産課税台帳の縦覧期間は、前条第一項本文の規定にかかわらず、昭和二十六年十月一日から同月十日までの間とする。
(虚偽の申告があつた場合又は不申告の場合における価格の決定)
第四百十七条 市町村長は、土地台帳法若しくは家屋台帳法の規定によつて登記所に申告をする義務がある者、第三百四十五条、第三百八十三条若しくは第三百八十四条の規定によつて市町村長に届出若しくは申告する義務がある者又は第三百九十四条の規定によつて地方財政委員会に申告をする義務がある者がそのすべき届出若しくは申告をしなかつたこと又は虚偽の届出若しくは申告をしたことに因り、固定資産の価格の決定がされなかつた場合においてこれを発見したときは、直ちに、固定資産課税台帳に登録された類似の固定資産の価格と均衡を失しないように価格を決定して、これを固定資産課税台帳に登録しなければならない。この場合においては、遅滞なく、その旨を当該固定資産に対して課する固定資産税の納税義務者に通知しなければならない。
(道府県知事に対する固定資産の価格の概要調書の送付)
第四百十八条 市町村長は、第四百十条の規定によつて固定資産の価格を決定した場合においては、地方財政委員会規則の定めるところによつて、その結果の概要調書を作成し、毎年三月中に、これを道府県知事に送付しなければならない。但し、昭和二十五年度分の固定資産の価格の概要調書の作成及び送付に限り、「第四百十条」とあるのは「第四百十一条」と、「固定資産」とあるのは「償却資産」と、「毎年三月中」とあるのは「昭和二十六年十一月中」と、昭和二十六年度分の固定資産の価格の概要調書の送付に限り、「毎年三月中」とあるのは「昭和二十六年十一月中」とそれぞれ読み替えるものとする。
(固定資産の価格の修正に関する道府県知事の勧告)
第四百十九条 道府県知事は、前条の規定によつて当該道府県内のすべての市町村に係る概要調書の送付を受けた場合において、これに記載された固定資産の価格について、市町村間に著しい不均衡があると認めるときは、当該市町村の長に対し、固定資産課税台帳に登録された価格を修正して登録するように勧告することができる。
2 前項の勧告をうけた市町村長は、その勧告について、固定資産の価格を修正する必要があると認める場合においては、遅滞なく、その価格を修正して登録しなければならない。
3 市町村長は、前項の規定によつて、固定資産の価格を修正して登録した場合においては、その登録のあつた日から二十日間、当該固定資産課税台帳をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなければならない。
4 市町村長は、前項の縦覧の場所及び期間を、あらかじめ、公示しなければならない。
(固定資産の価格の修正に基く賦課額の更正)
第四百二十条 市町村長は、前条第二項の規定によつて固定資産の価格を修正して登録した場合においては、固定資産税の賦課後であつても、修正して登録された価格に基いて、既に決定したその賦課額を更正しなければならない。
(道府県知事に対する修正登録した固定資産の価格の概要調書の送付等)
第四百二十一条 市町村長は、第四百十九条第二項の規定によつて固定資産の価格を修正して登録した場合において、新たに概要調書を作成して、勧告を受けた日から四十日以内に、これを道府県知事に送付しなければならない。
2 第四百十九条第一項の勧告を受けた市町村長は、同条第二項の規定による修正をする必要がないと認めた場合においては、その勧告を受けた日から二十日以内に、その旨を道府県知事に報告しなければならない。
(地方財政委員会に対する固定資産の価格の概要調書の送付)
第四百二十二条 道府県知事は、第四百十八条の規定による概要調書若しくは前条第一項の規定による概要調書又は前条第二項の規定による報告に基いて、且つ、すべての概要調書の送付及び前条第二項の規定による報告を受けた後、遅滞なく、道府県内の固定資産の価格の概要調書を作成して、これを地方財政委員会に送付しなければならない。
(固定資産評価審査委員会の設置、選任等)
第四百二十三条 固定資産課税台帳に登録された事項(土地台帳又は家屋台帳に登録された事項を除く。)に関する不服を審査決定するために、市町村に、固定資産評価審査委員会を設置する。
2 固定資産評価審査委員会は、市町村税の納税義務者のうちから、当該市町村の議会の同意を得て、市町村長が選任する委員三人をもつて組織する。
3 固定資産評価審査委員会の委員の任期は、三年とする。但し、再任することを妨げない。
4 固定資産評価審査委員会の委員は、当該市町村の条例の定めるところによつて、委員会の会議への出席日数に応じ、手当を受けることができる。
(この法律施行後最初に選任される固定資産評価審査委員会の委員の任期)
第四百二十四条 この法律施行後最初に選任される固定資産評価審査委員会の委員の任期は、一人は一年、一人は二年、一人は三年とし、各委員について市町村長がくじで定める。
(固定資産評価審査委員会の委員の兼職禁止等)
第四百二十五条 固定資産評価審査委員会の委員は、左の各号に掲げる職を兼ねることができない。
一 国会議員及び地方団体の議会の議員
二 地方団体の長
三 地方団体の農地委員
四 固定資産評価員
2 固定資産評価審査委員会の委員は、当該市町村に対して請負をし、又は当該市町村において経費を負担する事業について当該市町村の長若しくは当該市町村の長の委任を受けた者に対して請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれらに準ずべき者、支配人及び清算人であることができない。
(固定資産評価審査委員会の委員の欠格事項)
第四百二十六条 左の各号の一に該当する者は、固定資産評価審査委員会の委員であることができない。
一 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ない者
二 固定資産評価審査委員会の委員の職務に関して罪を犯し刑に処せられた者
三 前号に規定する者を除く外、禁こ以上の刑に処せられた者であつてその執行を終つてから、又は執行を受けることがなくなつてから、二年を経過しない者
四 国家公務員又は地方の公共団体の職員で、懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
(固定資産評価審査委員会の委員の罷免)
第四百二十七条 市町村長は、固定資産評価審査委員会の委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、当該市町村の議会の同意を得てその任期中にこれを罷免することができる。
(固定資産評価審査委員会の審査のための会議の開会の期間等)
第四百二十八条 固定資産評価審査委員会の審査のための会議は、毎年二月六日から三月十五日までの間において開くものとする。但し、特別の事情がある場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、これと異なる会議の期間を定めることができる。
2 固定資産評価審査委員会の会議は、二人以上の委員が出席しなければ開くことができない。
3 審査の決定は、二人以上の委員の同意がなければすることができない。
(昭和二十五年度及び昭和二十六年度の固定資産評価審査委員会の審査のための会議の開会の期間の特例)
第四百二十九条 昭和二十五年度及び昭和二十六年度の固定資産評価審査委員会の審査のための会議の開会の期間は、前条第一項本文の規定にかかわらず、昭和二十六年十月一日から同年十一月十日までとする。但し、特別の事情がある場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、これと異なる会議の期間を定めることができる。
(固定資産評価審査委員会の資料提出請求権)
第四百三十条 固定資産評価審査委員会は、審査のために必要がある場合においては、職権に基いて、又は関係人の請求によつて審査の請求をした者及びその者の固定資産の評価に必要な資料を所持する者に対し、貸借対照表その他審査に関し必要な資料の提出を求めることができる。
(固定資産評価審査委員会に関する条例又は規程事項)
第四百三十一条 この法律に規定するものを除く外、固定資産評価審査委員会の審査の手続、記録の保存その他審査に関し必要な事項は、当該市町村の条例で定める。
2 前項の条例で定めるべき事項は、当該条例の定めるところによつて、固定資産評価審査委員会の規程で定めることができる。
(固定資産課税台帳の登録事項に関する審査の請求)
第四百三十二条 固定資産税の納税者は、その納付すべき固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登録された事項(土地台帳又は家屋台帳に登録された事項を除く。)について不服がある場合においては、第四百十五条第一項(第四百十六条及び第四百十九条第三項の場合を含む。)の縦覧期間の初日からその末日後十日までの間において、又は第四百十七条の通知を受けた日から三十日以内に、文書をもつて、固定資産評価審査委員会に審査の請求をすることができる。
(固定資産評価審査委員会の審査の決定の手続)
第四百三十三条 固定資産評価審査委員会は、前条の審査の請求を受理した場合においては、直ちにその必要と認める調査、口頭審理その他事実審査を行い、その請求を受理した日から二十日以内に審査の決定をしなければならない。
2 前項の場合において審査の請求をした者の申請があつたときは、口頭審理の手続によらなければならない。
3 前二項の場合において口頭審理を行うときは、固定資産評価審査委員会は、審査の請求をした者、市町村長又は固定資産評価員その他の関係者の出席及び証言を求めることができる。
4 固定資産評価審査委員会は、当該市町村の条例の定めるところによつて、審査の議事及び決定に関する記録を作成しなければならない。
5 固定資産評価審査委員会は、第四百三十条の規定によつて提出させた資料又は前項の記録を保存し、その定めるところによつて、これを関係者の閲覧に供しなければならない。
6 第一項の審査は、公開して行わなければならない。
7 固定資産評価審査委員会は、第一項の規定による決定をした場合においては、その決定のあつた日から十日以内に、これを審査の請求をした者及び市町村長に文書をもつて通知しなければならない。この場合において同項の期限までに決定がないときは、その審査の請求を却下する旨の決定があつたものとみなすことができる。
(固定資産評価審査委員会の決定に関する訴願又は出訴)
第四百三十四条 前条第七項の規定による固定資産評価審査委員会の決定の通知を受けた者又は市町村長は、その決定に不服がある場合においては、その決定の通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に訴願し、又は裁判所に出訴することができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による訴願に対する道府県知事の裁決は、その訴願を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 訴願の裁決は、文書をもつてし、理由を附けて訴願を提起した者に交付しなければならない。
5 訴願に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 道府県知事は、第三項の規定による裁決をした場合においては、裁決の日から十日以内に関係市町村長に通知しなければならない。
7 訴願の裁決に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
8 第一項の規定による訴願の提起又は同項若しくは前項の規定による出訴があつても、固定資産評価審査委員会がした審査の決定に基く処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(固定資産評価審査委員会の審査の決定等に基く価格の修正)
第四百三十五条 市町村長は、第四百三十三条第七項又は前条第六項の規定による通知を受けた場合において固定資産課税台帳に登録された価格を修正する必要があるときは、その通知を受けた日から十日以内にその価格を修正して登録し、その旨を当該納税者に通知しなければならない。
2 市町村長は、前項の規定によつて価格を修正した場合においては、固定資産税の賦課後であつても、その修正した価格に基いて、既に決定した賦課額を更正しなければならない。
(土地又は家屋の価格の登記所への通知)
第四百三十六条 市町村長は、第四百十条、第四百十七条、第四百十九条第二項又は前条第二項の規定によつて、土地及び家屋の価格を決定し、又は修正した場合においては、その価格を、遅滞なく、当該決定又は修正に係る土地又は家屋の所在地を管轄する登記所に通知しなければならない。
第六款 犯則取締
(固定資産税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第四百三十七条 固定資産税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第四百三十八条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、固定資産税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第四百三十九条 第四百三十七条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の固定資産税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第四百四十条 第四百三十七条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても固定資産税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第四百四十一条 第四百三十七条の場合において、固定資産税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第三節 自転車税
(自転車税の納税義務者等)
第四百四十二条 自転車税は、自転車に対し、その定置所所在の市町村において、その所有者に課する。
2 自転車の所有者が第四百四十三条の規定によつて、自転車税を課することができない者である場合においては、前項の規定にかかわらず、その使用者に対して、自転車税を課する。但し、公用又は公共の用に供するものについては、この限りでない。
(自転車税の非課税の範囲)
第四百四十三条 市町村は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社及び日本国有鉄道に対しては、自転車税を課することができない。
(自転車税の標準税率)
第四百四十四条 自転車税の標準税率は、自転車一台について、年額二百円とする。
(自転車税の賦課期日及び納期)
第四百四十五条 自転車税の賦課期日は、四月一日とする。
2 自転車税の納期は、当該市町村の条例で定める。
(自転車税の徴収の方法)
第四百四十六条 自転車税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 自転車税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(自転車税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第四百四十七条 自転車税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、自転車税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(自転車税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第四百四十八条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自転車税に係る不申告等に関する過料)
第四百四十九条 市町村は、自転車税の納税義務者が第四百四十七条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料は科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自転車税に係る徴税吏員の質問検査権)
第四百五十条 市町村の徴税吏員は、自転車税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、納税義務者又は納税義務があると認められる者に質問し、又はその者の帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 自転車税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第四百五十九条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(自転車税に係る検査拒否等に関する罪)
第四百五十一条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自転車税の脱税に関する罪)
第四百五十二条 詐偽その他不正の行為によつて自転車税の全部又は一部を免かれた者は、一年以下の懲役若しくは一万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が一万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、一万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(自転車税の納期限の延長)
第四百五十三条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、自転車税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(自転車税の減免)
第四百五十四条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において自転車税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、自転車税を減免することができる。
(納期限後に納付する自転車税の延滞金)
第四百五十五条 自転車税の納税者は、第四百四十五条第二項の納期限(第四百五十三条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下自転車税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が第四百四十五条第二項の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る自転車税の賦課の救済)
第四百五十六条 自転車税の賦課を受けた者は、この賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に参入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、自転車税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(自転車税に係る督促)
第四百五十七条 納税者が納期限までに自転車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(自転車税に係る督促手数料)
第四百五十七条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(自転車税に係る滞納処分)
第四百五十九条 第四百五十七条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに自転車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(自転車税に係る滞納処分に関する罪)
第四百六十条 自転車税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による自転車税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第四百六十一条 第四百五十九条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(自転車税に係る交付要求)
第四百六十二条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、自転車税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(自転車税に係る延滞加算金)
第四百六十三条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、自転車税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
第四節 荷車税
(荷車税の納税義務者等)
第四百六十四条 荷車税は、荷車に対し、その定置所所在の市町村において、その所有者に課する。
(荷車税の非課税の範囲)
第四百六十五条 市町村は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社及び日本国有鉄道に対しては、荷車税を課することができない。
(荷車税の標準税率)
第四百六十六条 荷車税の標準税率は、左の各号に掲げる荷車に対し、一台について、それぞれ当該各号に定める額とする。
一 荷積牛馬車 年額 八百円
二 荷積大車 年額 四百円
三 荷積小車及びリヤカー 年額 二百円
(荷車税の賦課期日及び納期)
第四百六十七条 荷車税の賦課期日は、四月一日とする。
2 荷車税の納期は、当該市町村の条例で定める。
(荷車税の徴収の方法)
第四百六十八条 荷車税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 荷車税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(荷車税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第四百六十九条 荷車税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、荷車税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(荷車税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第四百七十条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(荷車税に係る不申告等に関する過料)
第四百七十一条 市町村は、荷車税の納税義務者が第四百六十九条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(荷車税に係る徴税吏員の質問検査権)
第四百七十二条 市町村の徴税吏員は、荷車税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、納税義務者又は納税義務があると認められる者に質問し、又はその者の帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 荷車税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第四百八十一条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(荷車税に係る検査拒否等に関する罪)
第四百七十三条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(荷車税の脱税に関する罪)
第四百七十四条 詐偽その他不正の行為によつて荷車税の全部又は一部を免かれた者は、一年以下の懲役若しくは一万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の免かれた税額が一万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、一万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(荷車税の納期限の延長)
第四百七十五条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、荷車税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(荷車税の減免)
第四百七十六条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において荷車税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、荷車税を減免することができる。
(納期限後に納付する荷車税の延滞金)
第四百七十七条 荷車税の納税者は、第四百六十七条第二項の納期限(第四百七十五条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下荷車税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が第四百六十七条第二項の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る荷車税の賦課救済)
第四百七十八条 荷車税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、荷車税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(荷車税に係る督促)
第四百七十九条 納税者が納期限までに荷車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(荷車税に係る督促手数料)
第四百八十条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(荷車税に係る滞納処分)
第四百八十一条 第四百七十九条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに荷車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(荷車税に係る滞納処分に関する罪)
第四百八十二条 荷車税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による荷車税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第四百八十三条 第四百八十一条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(荷車税に係る交付要求)
第四百八十四条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、荷車税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(荷車税に係る延滞加算金)
第四百八十五条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、荷車税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
第五節 電気ガス税
(電気ガス税の納税義務者等)
第四百八十六条 電気ガス税は、電気又はガスに対し、料金を課税標準として、その使用地所在の市町村において、その使用者に課する。
2 前項の料金とは、基本料その他何らの名義をもつてするを問わず、電気又はガスの使用者がその使用について電気事業者又はガス事業者に支払うべき金額をいう。
(電気又はガスのみなす使用等)
第四百八十七条 共同住宅、アパート又は貸事務所の経営者その他家屋の全部又は一部を他人に貸し付ける者が電気事業者又はガス事業者から供給を受ける電気又はガスを家屋の全部又は一部の借主に使用させる場合においては、その電気又はガスは、貸主が使用するものとみなす。
2 電気事業者又はガス事業者が料金を徴収しないで他人に電気又はガスを使用させる場合においては、その電気又はガスは、電気事業者又はガス事業者が使用するものとみなす。
3 電気事業者でない者で自ら発電するもの(以下「自家発電者」という。)がその自家発電に係る電気を電気事業者でない者に使用させる場合においては、その電気は、自家発電者が使用するものとみなす。
(電気ガス税の課税標準の特例)
第四百八十八条 前条第二項及び第三項の場合並びに電気事業者若しくはガス事業者又は自家発電者がその発電又は製造に係る電気又はガスを自ら使用する場合の電気ガス税の課税標準は、これを他人に使用させたときにおいて使用者が通常支払うべき料金相当額とする。
(電気ガス税の非課税の範囲)
第四百八十九条 左に掲げる製品の製造業を営む者又は左に掲げる鉱物の掘採若しくは砂鉱の採取を事業とする者がその事業所又は作業場において直接その業務の用に使用する電気に対しては、電気ガス税は課することができない。
一 石炭
二 銑鉄、鋼塊、鋼材、合金鉄、鋳鍛鋼及び可鍛鋳鉄
三 金鉱石、砂金鉱及び金地金
四 銅地金
五 鉛地金
六 錫地金
七 亜鉛地金
八 アルミニユーム地金
九 人造電極、電刷子及び黒鉛粉末
十 か性ソーダ(電解法によるものに限る。)
十一 電気製塩(塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)の規定によつて塩製造の許可を受けたものに限る。)
十二 硫安、硝安、塩安、尿素、石灰窒素、過りん酸石灰、重過りん酸石灰及び溶性りん肥(化成肥料を含む。)
十三 カーバイト
十四 研削材
十五 加里塩(電解法によるものに限る。)並びにりん及びりん化合物
十六 酸素及び水素(空気分離法及び水電解法によるものに限る。)
2 発電のために直接使用する電気に対しては、電気ガス税は課することができない。
(電気ガス税の税率)
第四百九十条 電気ガス税の税率は、百分の十とする。
(電気ガス税の徴収の方法)
第四百九十一条 市町村は、電気ガス税の徴収については、電気事業者又はガス事業者が料金を徴収しないで他人に電気若しくはガスを使用させる場合又は自らその電気若しくはガスを使用する場合その他特別の必要がある場合において普通徴収の方法による場合を除く外、特別徴収の方法によらなければならない。
(電気ガス税に係る徴税吏員の質問検査権)
第四百九十二条 市町村の徴税吏員は、電気ガス税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 特別徴収義務者
二 納税義務者又は納税義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該電気ガス税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 電気ガス税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第五百九条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(電気ガス税に係る検査拒否等に関する罪)
第四百九十三条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(電気ガス税に係る納期限の延長)
第四百九十四条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、電気ガス税の特別徴収義務者又は納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(電気ガス税の特別徴収の手続)
第四百九十五条 電気ガス税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、電気事業者、ガス事業者その他徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該市町村の条例で定める納期限までにその徴収すべき電気ガス税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち電気ガス税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(電気ガス税に係る更正及び決定)
第四百九十六条 市町村長は、前条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(電気ガス税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第四百九十七条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下電気ガス税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第四百九十四条第二項の納期限(第四百九十四条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下電気ガス税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(電気ガス税に係る納入金の過少申告加算金及び不申告加算金)
第四百九十八条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第四百九十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第四百九十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第四百九十六条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第四百九十六条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る電気ガス税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(電気ガス税に係る納入金の重加算金)
第四百九十九条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しなさい。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(電気ガス税の普通徴収の手続)
第五百条 電気ガス税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(電気ガス税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第五百一条 電気ガス税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、電気ガス税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(電気ガス税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第五百二条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(電気ガス税に係る不申告等に関する過料)
第五百三条 市町村は、電気ガス税の納税義務者が第五百一条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(納期限後に申告納入し、又は納付する電気ガス税に係る延滞金)
第五百四条 電気ガス税の特別徴収義務者又は納税者は、納期限(第四百九十四条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下電気ガス税について同様とする。)後にその納入金を納入し、又は税金を納付する場合においては、当該納入金額又は税額に、その納期限の翌日から納入又は納付の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納入し、又は納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、特別徴収義務者又は納税者が納期限までに納入金を納入しなかつたこと、又は税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(電気ガス税に係る脱税に関する罪)
第五百五条 第四百九十五条第二項の規定によつて徴収して納入すべき電気ガス税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 詐偽その他の不正の行為によつて電気ガス税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の納入しなかつた金額又は前項の免かれた税額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその納入しなかつた金額又は免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(違法又は錯誤に係る電気ガス税に関する更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定又は賦課の救済)
第五百六条 第四百九十六条第四項、第四百九十八条第四項又は第四百九十九条第四項の規定によつて更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者又は電気ガス税の賦課を受けた者は、その更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定又は賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日又は徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知又は徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知又は徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、特別徴収義務者又は納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知又は徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、電気ガス税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(電気ガス税に係る督促)
第五百七条 特別徴収義務者又は納税者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下電気ガス税について同様とする。)までに電気ガス税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納入又は納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(電気ガス税に係る督促手数料)
第五百八条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(電気ガス税に係る滞納処分)
第五百九条 第五百七条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに電気ガス税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに納入金若しくは税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に、市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(電気ガス税に係る滞納処分に関する罪)
第五百十条 電気ガス税の特別徴収義務者又は納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 特別徴収義務者又は納税者の財産を占有する第三者が特別徴収義務者又は納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による電気ガス税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第五百十一条 第五百九条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(電気ガス税に係る交付要求)
第五百十二条 特別徴収義務者又は納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、電気ガス税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 特別徴収義務者又は納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(電気ガス税に係る延滞加算金)
第五百十三条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、電気ガス税に係る納入金額又は電気ガス税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から納入金又は税金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに納入金又は税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、納入金額又は税額の百分の五をこえることができない。
(電気ガス税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第五百十四条 電気ガス税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第五百十五条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、電気ガス税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第五百十六条 第五百十四条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の電気ガス税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第五百十七条 第五百十四条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても電気ガス税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第五百十八条 第五百十四条の場合において、電気ガス税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第六節 鉱産税
(鉱産税の納税義務者等)
第五百十九条 鉱産税は、鉱物の掘採又は砂鉱の採取の事業に対し、その鉱物又は砂鉱の価格を課税標準として、当該事業の作業場所在の市町村において、その鉱業者又は砂鉱業者に課する。
(鉱産税の税率)
第五百二十条 鉱産税の標準税率は、百分の一とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、百分の一・二をこえることができない。
(鉱産税の納期)
第五百二十一条 鉱産税の納期は、当該市町村の条例で定める。
(鉱産税の申告納付)
第五百二十二条 鉱産税の納税者は、当該市町村の条例で定める期間内における課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した申告書を前条の納期限までに市町村長に提出し、及びその申告した税金を納付しなければならない。
(法人の代表者等の自署及び押印の義務)
第五百二十三条 前条の規定によつて提出すべき申告書には、法人の代表者(二人以上の者が共同して法人を代表する場合においては、その全員)が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。但し、法人の代表者が二人以上ある場合(二人以上の者が共同して法人を代表する場合を除く。)においては、これらの者のうち、社長、理事長、専務取締役、常務取締役その他の者で申告書の作成の時において法人の業務を主宰している者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。
2 前項の申告書には、同項の代表者の外、法人の役員及び職員のうち申告書の作成の時において当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。この場合においてはその申告書の記載が自己の意見に反するときは、その旨を申告書に記載しなければならない。
3 第二項の規定によつて申告書に自署し、且つ、自己の印を押すべき者は、外国法人にあつては、この法律の施行地にある資産又は事業の管理又は経営の責任者及び当該資産又は事業に係る経理に関する業務の上席の責任者とする。この場合においては、前項後段の規定は、当該資産又は事業の管理又は経営の責任者に対しても適用があるものとする。
4 前三項の規定による自署及び押印の有無は、第一項の申告書による申告の効力に影響を及ぼすものではない。
(法人の代表者等の自署及び押印の義務違反に関する罪)
第五百二十四条 前条第一項から第三項までの規定に違反した者又はこれらの規定に違反する申告書の提出があつた場合においてその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因り、その刑を免除することができる。
(鉱産税に係る徴税吏員の質問検査権)
第五百二十五条 市町村の徴税吏員は、鉱産税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該鉱産税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 鉱山税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第五百四十一条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(鉱産税に係る検査拒否等に関する罪)
第五百二十六条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱産税の納税管理人)
第五百二十七条 鉱産税の納税義務者は、納税義務を負う市町村内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該市町村の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを市町村長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(鉱産税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第五百二十八条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱産税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第五百二十九条 市町村は、鉱産税の納税義務者が、第五百二十七条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(鉱産税の脱税に関する罪)
第五百三十条 詐偽その他不正の行為によつて鉱産税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免かれた税額が五百万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(鉱産税の納期限の延長)
第五百三十一条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、鉱産税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(鉱産税の減免)
第五百三十二条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において鉱産税の減免を必要とすると認める者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、鉱産税を減免することができる。
(鉱産税の更正及び決定)
第五百三十三条 市町村長は、第五百二十二条の規定による申告書の提出があつた場合において、当該申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、納税者が前項の申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが納税者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(鉱産税の不足税額及びその延滞金の徴収)
第五百三十四条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足税額(更正に因る不足税額又は決定に因る税額をいう。以下鉱産税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足税額に第五百二十一条の納期限(第五百三十一条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下鉱産税について同様とする。)の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該不足税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、納税者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納付する鉱産税の延滞金)
第五百三十五条 鉱産税の納税者は、第五百二十一条の納期限後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、同条の納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が第五百二十一条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(鉱産税の過少申告加算金及び不申告加算金)
第五百三十六条 申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第五百三十三条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足税額が二千円以上であるときは、その税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該申告に係る税額について、その期限の翌日から当該申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第五百三十三条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足税額について、前号に規定する期間
三 第五百三十三条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足税額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第五百三十三条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足税額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該納税者に係る鉱産税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(鉱産税の重加算金)
第五百三十七条 前項第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足税額が二百円以上であるときは、その不足税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として、申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
(違法又は錯誤に係る鉱産税に関する更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第五百三十八条 第五百三十三条第四項又は第五百三十六条第四項若しくは前条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、鉱産税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(鉱産税に係る督促)
第五百三十九条 納税者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足税額の納期限をいう。以下鉱産税について同様とする。)までに鉱産税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(鉱産税に係る督促手数料)
第五百四十条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(鉱産税に係る滞納処分)
第五百四十一条 第五百三十九条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに鉱産税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(鉱産税に係る滞納処分に関する罪)
第五百四十二条 鉱産税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による鉱産税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第五百四十三条 第五百四十一条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(鉱産税に係る交付要求)
第五百四十四条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、鉱産税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(鉱産税に係る延滞加算金)
第五百四十五条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、鉱産税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(鉱産税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第五百四十六条 鉱産税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第五百四十七条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、鉱産税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第五百四十八条 第五百四十六条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の鉱産税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第五百四十九条 第五百四十六条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても鉱産税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第五百五十条 第五百四十六条の場合において、鉱産税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第七節 木材引取税
(木材引取税の納税義務者等)
第五百五十一条 木材引取税は、素材の引取に対し、価格を課税標準として、同一の素材について一回に限り、素材生産地の市町村において、当該市町村の条例で定める引取者に課する。
2 立木の伐採後当該市町村の条例で定める時までに素材について引取者がない場合においては、立木の伐採をもつて素材の引取と、立木の所有権をもつて素材の引取者とみなして、前項の規定を適用する。この場合における木材引取税の課税標準とすべき価格は、立木の所有者が素材の引取者とみなされた時におけるその素材の価格とする。
(木材引取税の税率)
第五百五十二条 木材引取税の標準税率は、百分の五とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、百分の六をこえることができない。
(木材引取税の徴収の方法)
第五百五十三条 木材引取税の徴収については、当該市町村の条例の定めるところによつて、特別徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。但し、第五百五十一条第二項の場合においては、申告納付の方法によるものとする。
(木材引取税の特別徴収の手続)
第五百五十四条 木材引取税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、立木の所有者その他徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該市町村の条例で定める納期限までにその徴収すべき木材引取税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち木材引取税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(木材引取税の申告納付の手続)
第五百五十五条 第五百五十三条第一項但書の規定によつて木材引取税を申告納付すべき納税者は、当該市町村の条例の定める期間内における課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した申告書を同条例で定める納期限までに市町村長に提出し、及びその申告した税金を当該市町村に納付しなければならない。
(木材引取税に係る徴税吏員の質問検査権)
第五百五十六条 市町村の徴税吏員は、木材引取税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 特別徴収義務者
二 納税義務者又は納税義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該木材引取税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 木材引取税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第五百七十二条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(木材引取税に係る検査拒否等に関する罪)
第五百五十七条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(木材引取税の納税管理人)
第五百五十八条 木材引取税の特別徴収義務者又は申告納付すべき納税義務者は、納入義務又は納付義務を負う市町村内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納入又は納付に関する一切の事項を処理させるため、当該市町村の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを市町村長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(木材引取税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第五百五十九条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(木材引取税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第五百六十条 市町村は、木材引取税の特別徴収義務者又は申告納付すべき納税義務者が第五百五十八条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(木材引取税に係る脱税に関する罪)
第五百六十一条 第五百五十四条第二項の規定によつて徴収して納入すべき木材引取税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 詐偽その他不正の行為によつて第五百五十五条の規定によつて納付すべき木材引取税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の納入しなかつた金額又は前項の免かれた税額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその納入しなかつた金額又は免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(木材引取税に係る納期限の延長)
第五百六十二条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、木材取引税の特別徴収義務者又は納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(木材引取税の減免)
第五百六十三条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において木材引取税の減免を必要とすると認める者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、木材引取税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
(木材引取税に係る更正及び決定)
第五百六十四条 市町村長は、第五百五十四条第二項の規定による納入申告書又は第五百五十五条の規定による申告書(以下木材引取税について「申告書」と総称する。)の提出があつた場合において、当該納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、特別徴収義務者又は納税者が前項の申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告し、又は申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者又は納税者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
(木材引取税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第五百六十五条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金若しくは税金の不足額又は決定に因る納入金額若しくは税額をいう。以下木材引取税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第五百五十四条第二項又は第五百五十五条の納期限(第五百六十二条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下木材引取税について同様とする。)の翌日から納入又は納付の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、特別徴収義務者又は納税者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納入し、又は申告納付する木材引取税に係る延滞金)
第五百六十六条 木材引取税の特別徴収義務者又は納税者は、第五百五十四条第二項又は第五百五十五条の納期限後にその納入金を納入し、又はその税金を納付する場合においては、当該納入金額又は税額に、その納期限の翌日から納入又は納付の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納入し、又は納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、特別徴収義務者又は納税者が第五百五十四条第二項又は第五百五十五条の納期限までに納入金を納付しなかつたこと、又は税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(木材引取税に係る過少申告加算金及び不申告加算金)
第五百六十七条 申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第五百六十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告又は申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告又は申告に係る税額について、その期限の翌日から当該申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第五百六十四条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第五百六十四条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第五百六十四条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者又は納税者に係る木材引取税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告又は申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
(木材引取税に係る重加算金)
第五百六十八条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者又は納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告又は申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者又は納税者に通知しなければならない。
(違法又は錯誤に係る木材引取税に関する更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第五百六十九条 第五百六十四条第四項又は第五百六十七条第四項若しくは前条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、特別徴収義務者又は納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、木材引取税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(木材引取税に係る督促)
第五百七十条 特別徴収義務者又は納税者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下木材引取税について同様とする。)までに木材引取税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納入又は納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(木材引取税に係る督促手数料)
第五百七十一条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(木材引取税に係る滞納処分)
第五百七十二条 第五百七十条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに木材引取税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに納入金若しくは税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(木材引取税に係る滞納処分に関する罪)
第五百七十三条 木材引取税の特別徴収義務者又は納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 特別徴収義務者又は納税者の財産を占有する第三者が特別徴収義務者又は納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 特別徴収義務者又は納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者若しくは納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による木材引取税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第五百七十四条 第五百七十二条第一項の規定において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(木材引取税に係る交付要求)
第五百七十五条 特別徴収義務者又は納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、木材引取税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 特別徴収義務者又は納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(木材引取税に係る延滞加算金)
第五百七十六条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、木材引取税に係る納入金額又は木材引取税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から納入金又は税金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに納入金又は税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、納入金額又は税額の百分の五をこえることができない。
(木材引取税の証紙徴収の手続)
第五百七十七条 市町村は、木材引取税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該市町村が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、市町村は、木材引取税を納付する義務が発生することを証する書類その他の物件に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 市町村又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面その他の物件と証紙の彩紋とにかけて当該市町村の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該市町村の条例で定めなければならない。
(木材引取税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第五百七十八条 木材引取税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第五百七十九条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、木材引取税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第五百八十条 第五百七十八条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の木材引取税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第五百八十一条 第五百七十八条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても木材引取税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第五百八十二条 第五百七十八条の場合において、木材引取税に関する犯則事件に、間接国税に関する犯則事件とする。
第五百八十三条 第五百七十八条の場合において、国税犯則取締法第十四条第一項の規定による通告処分に因つて納付された金銭その他の物品は、当該市町村の収入とする。
(国税犯則取締法を準用する木材引取税に係る犯則事件に関する検査拒否の罪)
第五百八十四条 第五百七十八条の場合において、第五百八十二条の規定によつて間接国税に関する犯則事件とされる木材引取税に関する犯則事件について、国税犯則取締法第一条第一項の収税官吏の職務を行う第五百七十八条の市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第八節 広告税
(広告税の納税義務者等)
第五百八十五条 広告税は、広告(新聞、雑誌及び書籍による広告並びに放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第五十一条の規定による広告を除く。)に対し、その広告場所在の市町村において、その広告主に課する。
(広告税の非課税の範囲)
第五百八十六条 左に掲げる広告に対しては、広告税は、課することができない。
一 民法第三十四条の法人、宗教法人又は学校教育法第一条若しくは第九十八条第一項の学校を設置する学校法人及び私立学校法第六十四条第四項の法人が公の目的のためにする広告
二 政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条の政党、協会その他の団体が政治上の目的のためにする広告
三 公職の選挙に関する広告
四 第五百八十七条第四号及び第五号の広告で広告主の事務所及び事業所の所在する場所においてするもの
五 前各号に掲げるものを除く外、地方財政委員会が定めるもの
2 国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社及び日本国有鉄道に対しては、広告税は、課することができない。
(広告税の標準税率)
第五百八十七条 広告税の標準税率は、左の各号に掲げる広告についてそれぞれ当該各号に定めるものとする。
一 汽車、電車、自動車、汽船その他の交通運輸機関又は交通運輸業の設備による広告
広告料金の百分の十
二 気球、照明等による広告(広告業を営むものがする広告に限る。)
広告料金の百分の十
三 電話番号記入表等による広告 広告料金の百分の十
四 立看板、掛看板等による広告 一箇について五十円
五 建植看板、野立看板、照明等による広告(第一号及び第二号に該当するものを除く。) 面積一坪又はその端数について年額三百円
六 ポスターによる広告(第一号に該当するものを除く。) 一箇について十円
七 ちらしによる広告 千箇又はその端数について五十円
(広告税の賦課期日及び納期)
第五百八十八条 広告税の賦課期日及び納期は、当該市町村の条例で定める。
(広告税の徴収の方法)
第五百八十九条 広告税の徴収については、当該市町村の条例の定めるところによつて、普通徴収、特別徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。
(広告税に係る徴税吏員の質問検査権)
第五百九十条 市町村の徴税吏員は、広告税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 特別徴収義務者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該広告税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 広告税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第六百八条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(広告税に係る検査拒否等に関する罪)
第五百九十一条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは広告又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(広告税に係る納期限の延長)
第五百九十二条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、広告税の納税者又は特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長期間は、三十日をこえることができない。
(広告税の普通徴収の手続)
第五百九十三条 広告税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(広告税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第五百九十四条 広告税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、広告税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(広告税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第五百九十五条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は広告に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(広告税に係る不申告等に関する過料)
第五百九十六条 市町村は、広告税の納税義務者が第五百九十四条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(広告税の減免)
第五百九十七条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において広告税の減免を必要とすると認める者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、広告税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
(広告税の特別徴収の手続)
第五百九十八条 広告税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、広告業者その他徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例で特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該市町村の条例で定める納期限までにその徴収すべき広告税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち広告税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(広告税に係る更正及び決定)
第五百九十九条 市町村長は、前条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(広告税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第六百条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下広告税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第五百八十八条第二項の納期限(第五百九十二条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下広告税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(広告税に係る納入金の過少申告加算金及び不申告加算金)
第六百一条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第五百九十九条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な理由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第五百九十九条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第五百九十九条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第五百九十九条第三項の項定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る広告税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(広告税に係る納入金の重加算金)
第六百二条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(納期限後に納入し、又は申告納入する広告税の延滞金)
第六百三条 広告税の納税者又は特別徴収義務者は、納期限(第五百九十二条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下広告税について同様とする。)後にその税金を納付し、又は納入金を納入する場合においては、当該税額又は納入金額に、その納期限の翌日から納付又は納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付し、又は納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者又は特別徴収義務者が納期限までに税金を納付しなかつたこと又は納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(広告税の脱税に関する罪)
第六百四条 詐偽その他不正の行為によつて広告税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 第五百九十八条第二項の規定によつて徴収して納入すべき広告税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の免かれた税額又は前項の納入しなかつた金額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額又は納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務又は広告に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(違法又は錯誤に係る広告税に関する賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第六百五条 広告税の賦課を受けた者又は第五百九十九条第四項、第六百一条第四項若しくは第六百二条第四項の規定によつて更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)又は通知を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書又は通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付又は通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者又は特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付又は通知があつた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受けた日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、広告税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(広告税に係る督促)
第六百六条 納税者又は特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、その不足金額の納期限をいう。以下広告税について同様とする。)までに広告税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付又は納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(広告税に係る督促手数料)
第六百七条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(広告税に係る滞納処分)
第六百八条 第六百六条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに広告税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金又は納入金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(広告税に係る滞納処分に関する罪)
第六百九条 広告税の納税者又は特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役又は罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは広告又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による広告税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第六百十条 第六百八条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務若しくは広告又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(広告税に係る交付要求)
第六百十一条 納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、広告税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者又は特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(広告税に係る延滞加算金)
第六百十二条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、広告税額又は広告税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金又は納入金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金又は納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額又は納入金額の百分の五をこえることができない。
(広告税の証紙徴収の手続)
第六百十三条 市町村は、広告税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該市町村が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、市町村は、広告税を納付する義務が発生することを証する書類その他の物件に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 市町村又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面その他の物件と証紙の彩紋とにかけて当該市町村の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該市町村の条例で定めなければならない。
(広告税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第六百十四条 広告税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第六百十五条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、広告税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第六百十六条 第六百十四条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の広告税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第六百十七条 第六百十四条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても広告税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第六百十八条 第六百十四条の場合において、広告税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第九節 入湯税
(入湯税の納税義務者等)
第六百十九条 入湯税は、鉱泉浴場における入湯に対し、その浴場所在の市町村において、入湯客に課する。
(入湯税の標準税率)
第六百二十条 入湯税の標準税率は、入湯客一人一日について、十円とする。
(入湯税の徴収の方法)
第六百二十一条 入湯税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。この場合においては、特別徴収義務者に証紙徴収の方法によつて徴収させることができる。
(入湯税の特別徴収の手続)
第六百二十二条 入湯税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、浴場の経営者その他徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該市町村の条例で定める納期限までにその徴収すべき入湯税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち入湯税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(入湯税に係る徴税吏員の質問検査権)
第六百二十三条 市町村の徴税吏員は、入湯税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 特別徴収義務者
二 納税義務者又は納税義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該入湯税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 入湯税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第六百三十六条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(入湯税に係る検査拒否等に関する罪)
第六百二十四条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入湯税の脱税に関する罪)
第六百二十五条 第六百二十二条第二項の規定によつて徴収して納入すべき入湯税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の納入しなかつた金額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(入湯税に係る納期限の延長)
第六百二十六条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、入湯税の特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、三十日をこえない限度において、納期限の延長をすることができる。
(入湯税に係る更正及び決定)
第六百二十七条 市町村長は、第六百二十二条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(入湯税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第六百二十八条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下入湯税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第六百二十二条第二項の納期限(第六百二十六条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下入湯税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(納期限後に申告納入する入湯税に係る納入金の延滞金)
第六百二十九条 入湯税の特別徴収義務者は、第六百二十二条第二項の納期限後にその納入金を納入する場合においては、当該納入金額に、同項の納期限の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、特別徴収義務者が第六百二十二条第二項の納期限までに納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(入湯税に係る納入金の過少申告加算金及び不申告加算金)
第六百三十条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第六百二十七条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第六百二十七条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第六百二十七条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第六百二十七条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る入湯税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(入湯税に係る納入金の重加算金)
第六百三十一条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(違法又は錯誤に係る入湯税に関する更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第六百三十二条 第六百二十七条第四項又は第六百三十条第四項若しくは前条第四項の規定によつて更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該更正、決定又は過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、その通知を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の通知を受けた日とみなす。この場合において、特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、入湯税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(入湯税の証紙徴収の手続)
第六百三十三条 市町村は、入湯税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該市町村が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、市町村は、入湯税を納付する義務が発生することを証する書類に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 市町村又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面と証紙の彩紋とにかけて当該市町村の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該市町村の条例で定めなければならない。
(入湯税に係る督促)
第六百三十四条 特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下入湯税について同様とする。)までに入湯税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(入湯税に係る督促手数料)
第六百三十五条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(入湯税に係る滞納処分)
第六百三十六条 第六百三十四条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに入湯税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに納入金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(入湯税に係る滞納処分に関する罪)
第六百三十七条 入湯税の特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 特別徴収義務者の財産を占有する第三者が特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による入湯税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第六百三十八条 第六百三十六条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(入湯税に係る交付要求)
第六百三十九条 特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、入湯税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(入湯税に係る延滞加算金)
第六百四十条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、入湯税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から納入金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、納入金額の百分の五をこえることができない。
(入湯税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第六百四十一条 入湯税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第六百四十二条 前条の場合において、国税局長の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長が、税務署長の職務は市町村長又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長がそれぞれ行い、国税局の収税官吏の職務は地方自治法第百五十五条第二項の市の長がその職務を定めて指定するその市の徴税吏員が、税務署の収税官吏の職務は市町村長がその職務を定めて指定する市町村の徴税吏員がそれぞれ行うものとする。この場合において、地方自治法第百五十五条第二項の市の長は、入湯税に関する犯則事件が地方自治法第百五十五条第二項の市の区の事務所の長が税務署長の職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第六百四十三条 第六百四十一条の場合において、国税犯則取締法第十一条及び第十二条の規定は、地方自治法第百五十五条第二項の市の入湯税に関する犯則事件の調査についてのみ、且つ、当該市の区域内に関する限り、これを準用する。
第六百四十四条 第六百四十一条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する市町村の区域外においても入湯税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第六百四十五条 第六百四十一条の場合において、入湯税に関する犯則事件は、間接国税に関する犯則事件とする。
第六百四十六条 第六百四十一条の場合において、国税犯則取締法第十四条第一項の規定による通告処分に因つて納付された金銭その他の物品は、当該市町村の収入とする。
(国税犯則取締法を準用する入湯税に係る犯則事件に関する検査拒否の罪)
第六百四十七条 第六百四十一条の場合において、第六百四十五条の規定によつて間接国税に関する犯則事件とされる入湯税に関する犯則事件について、国税犯則取締法第一条第一項の収税官吏の職務を行う第六百四十一条の市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
第十節 接客人税
(接客人税の納税義務者等)
第六百四十八条 接客人税は、芸者、ダンサーその他これらに類する者に対し、その従業地所在の市町村において課する。
(接客人税の標準税率)
第六百四十九条 接客人税の標準税率は、接客人一人一月について百円とする。
(接客人税の賦課期日及び納期)
第六百五十条 接客人税は、当該市町村の条例の定めるところによつて、期税又は月税とし、その賦課期日及び納期は、同条例で定める。
(接客人税の徴収の方法)
第六百五十一条 接客人税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 接客人税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(接客人税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第六百五十二条 接客人税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、接客人税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(接客人税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第六百五十三条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 人の代理人又は使用人がその人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(接客人税に係る不申告等に関する過料)
第六百五十四条 市町村は、接客人税の納税義務者が第六百五十二条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(接客人税に係る徴税吏員の質問権)
第六百五十五条 市町村の徴税吏員は、接客人税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者以外の者で当該接客人税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 接客人税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第六百六十四条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(接客人税に係る質問拒否等に関する罪)
第六百五十六条 前条の規定による徴税吏員の質問に対し、答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
2 人の代理人又は使用人がその人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(接客人税の脱税に関する罪)
第六百五十七条 詐偽その他不正の行為によつて接客人税の全部又は一部を免かれた者は、一年以下の懲役若しくは一万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 前項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
3 人の代理人又は使用人がその人の業務に関して第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(接客人税の納期限の延長)
第六百五十八条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、接客人税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(接客人税の減免)
第六百五十九条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において接客人税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、接客人税を減免することができる。
(納期限後に納付する接客人税の延滞金)
第六百六十条 接客人税の納税者は、第六百五十条の納期限(第六百五十八条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下接客人税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者が第六百五十条の納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る接客人税の賦課の救済)
第六百六十一条 接客人税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、接客人税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(接客人税に係る督促)
第六百六十二条 納税者が納期限までに接客人税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(接客人税に係る督促手数料)
第六百六十三条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(接客人税に係る滞納処分)
第六百六十四条 第六百六十二条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに接客人税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(接客人税に係る滞納処分に関する罪)
第六百六十五条 接客人税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による接客人税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第六百六十六条 第六百六十四条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(接客人税に係る交付要求)
第六百六十七条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人又は限定承認をした相続人に対して、接客人税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(接客人税に係る延滞加算金)
第六百六十八条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、接客人税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
第十一節 市町村法定外普通税
(市町村法定外普通税の新設変更)
第六百六十九条 市町村は、第五条第三項の規定による普通税(以下「市町村法定外普通税」という。)を新設し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会の許可を受けなければならない。
第六百七十条 地方財政委員会は、前条の規定による許可の申請があつた場合においては、その旨を大蔵大臣に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、前項の通知を受けた場合において、その許可の申請について異議があるときは、地方財政委員会に対してその旨を申し出ることができる。
(地方財政委員会の許可)
第六百七十一条 地方財政委員会は、第六百六十九条の規定による申請を受理した場合において、当該申請に係る市町村法定外普通税について当該市町村にその税収入を確保できる税源があること及びその税収入を必要とする当該市町村の財政需要があることが明らかであるときは、これを許可しなければならない。但し、左に掲げる事由があると認める場合においては、その許可をすることができない。
一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、且つ、住民の負担が著しく過重となること。
二 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
三 前二号に掲げるものを除く外、国の経済施策に照して適当でないこと。
2 地方財政委員会は、前条の許可の申請について、その申請の趣旨に適合する範囲で条件を附け、又は変更を加えて許可をすることができる。
(市町村法定外普通税の非課税の範囲)
第六百七十二条 市町村は、左に掲げるものに対しては、市町村法定外普通税を課することができない。
一 市町村外に所在する土地、家屋、物件及びこれらから生ずる収入
二 市町村外に所在する事務所及び事業所において行われる事業並びにこれらから生ずる収入
三 健康保険法、国民健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法、労働者災害補償保険法及び失業保険法の規定によつて保険給付として支給を受ける金品
四 生活保護法の規定によつて給付を受ける保護金品及び身体障害者福祉法の規定によつて給付を受ける金品
五 労働基準法及び船員法の規定によつて給付を受ける災害補償
六 未復員者給与法及び特別末帰還者給与法の規定によつて支給を受ける療養、遺骨の埋葬に要する経費(未復員者給与法第八条の三の規定(特別未帰還者給与法第二条の規定によつて準用する場合を含む。)によるものに限る。)及び障害一時金
七 放送法による放送を受信する受信設備
(市町村法定外普通税の徴収の方法)
第六百七十三条 市町村法定外普通税の徴収については、徴収の便宜に従い、当該市町村の条例の定めるところによつて、普通徴収、特別徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。
(市町村法定外普通税に係る徴税吏員の質問検査権)
第六百七十四条 市町村の徴税吏員は、市町村法定外普通税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 特別徴収義務者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該市町村法定外普通税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第六百九十五条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(市町村法定外普通税に係る検査拒否等に関する罪)
第六百七十五条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村法定外普通税の納税管理人)
第六百七十六条 市町村法定外普通税の納税義務者(特別徴収に係る市町村法定外普通税の納税義務者を除く。第六百七十八条において同様とする。)又は特別徴収義務者は、納付義務又は納入義務を負う市町村内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納付又は納入に関する一切の事項を処理させるため、当該市町村の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを市町村長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(市町村法定外普通税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第六百七十七条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村法定外普通税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第六百七十八条 市町村は、市町村法定外普通税の納税義務者又は特別徴収義務者が第六百七十六条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある場合は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(市町村法定外普通税に係る納期限の延長)
第六百七十九条 市町村長は、当該市町村の条例の定めるところによつて、市町村法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(市町村法定外普通税の普通徴収の手続)
第六百八十条 市町村法定外普通税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(市町村法定外普通税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第六百八十一条 市町村法定外普通税の納税義務者は、当該市町村の条例の定めるところによつて、当該市町村法定外普通税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(市町村法定外普通税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第六百八十二条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村法定外普通税に係る不申告等に関する過料)
第六百八十三条 市町村は、市町村法定外普通税の納税義務者が第六百八十一条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該市町村の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(市町村法定外普通税の減免)
第六百八十四条 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村法定外普通税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、当該市町村法定外普通税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
(市町村法定外普通税の特別徴収の手続)
第六百八十五条 市町村法定外普通税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該市町村法定外普通税の徴収の便宜を有する者を当該市町村の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該市町村法定外普通税の納期限までにその徴収すべき市町村法定外普通税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を市町村長に提出し、及びその納入金を当該市町村に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち市町村法定外普通税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、市町村の徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な授助を与えなければならない。
(市町村法定外普通税に係る更正及び決定)
第六百八十六条 市町村長は、前条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 市町村長は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 市町村長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 市町村長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(市町村法定外普通税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第六百八十七条 市町村の徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下市町村法定外普通税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第六百八十五条第二項の納期限(第六百七十九条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下市町村法定外普通税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 市町村長は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(市町村法定外普通税に係る過少申告加算金及び不申告加算金)
第六百八十八条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第六百八十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、市町村長は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、市町村長は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第六百八十六条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第六百八十六条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第六百八十六条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 市町村長は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る市町村法定外普通税額について市町村長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 市町村長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(市町村法定外普通税に係る重加算金)
第六百八十九条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、市町村長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において左の各号の一に該当する事由があるときは、市町村長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 市町村長は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 市町村長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(納期限後に納付し、又は申告納入する市町村法定外普通税の延滞金)
第六百九十条 市町村法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者は、納期限(第六百七十九条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下市町村法定外普通税について同様とする。)後にその税金を納付し、又は納入金を納入する場合においては、当該税額又は納入金額に、その納期限の翌日から納付又は納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付し、又は納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 市町村長は、納税者又は特別徴収義務者が納期限までに税金を納付しなかつたこと、又は納入金を納入しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(市町村法定外普通税の脱税に関する罪)
第六百九十一条 詐偽その他不正の行為によつて市町村法定外普通税の全部又は一部を免かれた納税者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 第六百八十五条第二項の規定によつて徴収して納入すべき市町村法定外普通税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の免かれた税額又は前項の納入しなかつた金額が五十万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五十万円をこえる額でその免かれた税額又は納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(違法又は錯誤に係る市町村法定外普通税に関する賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第六百九十二条 市町村法定外普通税の賦課を受けた者又は第六百八十六条第四項、第六百八十八条第四項若しくは第六百八十九条第四項の規定によつて更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付(納期を分けたものについては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書又は通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて、同項の徴税令書の交付又は通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者又は特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付又は通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、市町村法定外普通税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(市町村法定外普通税に係る督促)
第六百九十三条 納税者又は特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下市町村法定外普通税について同様とする。)までに市町村法定外普通税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期間内において、督促に因る納付又は納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある市町村においては、当該市町村の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(市町村法定外普通税に係る督促手数料)
第六百九十四条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該市町村の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(市町村法定外普通税に係る滞納処分)
第六百九十五条 第六百九十三条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに市町村法定外普通税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金又は納入金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、当該市町村の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に市町村長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する市町村長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は。裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該市町村の区域外においても行うことができる。
8 第二の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、市町村長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する罪)
第六百九十六条 市町村法定外普通税の納税者又は特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、市町村の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の義務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第六百九十七条 第六百九十五条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う市町村の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(市町村法定外普通税に係る交付要求)
第六百九十八条 納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、市町村の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、精算人又は限定承認をした相続人に対して、当該市町村法定外普通税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者又は特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(市町村法定外普通税に係る延滞加算金)
第六百九十九条 市町村の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、市町村法定外普通税額又は市町村法定外普通税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百金未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金又は納入金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金又は納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額又は納入金額の百分の五をこえることができない。
(市町村法定外普通税の証紙徴収の手続)
第七百条 市町村は、市町村法定外普通税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該市町村が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、市町村は、当該市町村法定外普通税を納付する義務が発生することを証する書類その他の物件に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 市町村又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面その他の物件と証紙の彩紋とにかけて当該市町村の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該市町村の条例で定めなければならない。
(旧地方税法に基く市町村の法定外独立税に関する経過措置)
第七百一条 旧地方税法第百三条第三項の規定に基く市町村の独立税でこの法律施行の際現に存するものは、地方財政委員会規則で定める税目を除き、第六百六十九条の規定による地方財政委員会の許可を得て新設した市町村法定外普通税とみなす。
第四章 目的税
(水利地益税)
第七百二条 道府県又は市町村は、水利に関する事業、都市計画法(大正八年法律第三十六号)若しくは特別都市計画法(昭和二十一年法律第十九号)に基いて行う事業、林道に関する事業その他土地又は山林の利益となるべき事業の実施に要する費用に充てるため、当該事業に因り特に利益を受ける土地又は家屋に対し、その価格又は面積を課税標準として、水利地益税を課することができる。
2 水利地益税の課税額(数年にわたつて課する場合においては、各年の課税額の総額)は、当該土地又は家屋が前項の事業に因り特に受ける利益の限度をこえることができない。
(共同施設税)
第七百三条 市町村は、共同作業場、共同倉庫、共同集荷場、汚物処理施設その他これらに類する施設に要する費用に充てるため、当該施設に因り特に利益を受ける者に対し、共同施設税を課することができる。
2 共同施設税の課税額(数年にわたつて課する場合においては、各年の課税額の総額)は、当該納税者が前項の施設に因り特に受ける利益の限度をこえることができない。
(目的税の非課税の範囲)
第七百四条 地方団体は、国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社及び日本国有鉄道に対しては、目的税を課することができない。
(目的税の賦課期日及び納期)
第七百五条 目的税の賦課期日及び納期は、当該地方団体の条例で定める。
(目的税の徴収の方法)
第七百六条 目的税の徴収については、徴収の便宜に従い、当該地方団体の条例の定めるところによつて、普通徴収、特別徴収又は証紙徴収の方法によらなければならない。
(目的税に係る徴税吏員の質問検査権)
第七百七条 徴税吏員は、目的税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 特別徴収義務者
三 前二号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
四 前三号に掲げる者以外の者で当該目的税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 目的税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第七百二十八条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(目的税に係る検査拒否等に関する罪)
第七百八条 左の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(目的税の納税管理人)
第七百九条 目的税の納税義務者(特別徴収に係る目的税の納税義務者を除く。第七百十一条において同様とする。)又は特別徴収義務者は、納付義務又は納入義務を負う地方団体内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納付又は納入に関する一切の事項を処理させるため、当該地方団体の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを地方団体の長に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(目的税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第七百十条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(目的税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第七百十一条 地方団体は、目的税の納税義務者又は特別徴収義務者が第七百九条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該地方団体の条例で三万円以下の過料を科する者の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に当該地方団体の長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する地方団体の長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、地方団体の長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(目的税に係る納期限の延長)
第七百十二条 地方団体の長は、当該地方団体の条例の定めるところによつて、目的税の納税者又は特別徴収義務者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。但し、特別徴収義務者に対してする納期限の延長の期間は、三十日をこえることができない。
(目的税の普通徴収の手続)
第七百十三条 目的税を普通徴収によつて徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(目的税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第七百十四条 目的税の納税義務者は、当該地方団体の条例の定めるところによつて、当該目的税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(目的税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第七百十五条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(目的税に係る不申告等に関する過料)
第七百十六条 地方団体は、目的税の納税義務者が第七百十四条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該地方団体の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に当該地方団体の長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する地方団体の長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、地方団体の長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(目的税の減免)
第七百十七条 地方団体の長は、天災その他特別の事情がある場合において目的税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該地方団体の議会の議決を経て、当該目的税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
(目的税の特別徴収の手続)
第七百十八条 目的税を特別徴収によつて徴収しようとする場合においては、当該目的税の徴収の便宜を有する者を当該地方団体の条例によつて特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
2 前項の特別徴収義務者は、当該目的税の納期限までにその徴収すべき目的税に係る課税標準額、税額その他同条例で定める事項を記載した納入申告書を地方団体の長に提出し、及びその納入金を当該地方団体に納入する義務を負う。
3 前項の規定によつて納入した納入金のうち目的税の納税者が特別徴収義務者に支払わなかつた税金に相当する部分については、特別徴収義務者は、当該納税者に対して求償権を有する。
4 特別徴収義務者が前項の求償権に基いて訴を提起した場合においては、徴税吏員は、職務上の秘密に関する場合を除く外、証拠の提供その他必要な援助を与えなければならない。
(目的税に係る更正及び決定)
第七百十九条 地方団体の長は、前条第二項の規定による納入申告書の提出があつた場合において、当該納入申告に係る課税標準額又は税額がその調査したところと異なるときは、これを更正することができる。
2 地方団体の長は、特別徴収義務者が前項の納入申告書を提出しなかつた場合においては、その調査によつて、納入申告すべき課税標準額及び税額を決定することができる。
3 地方団体の長は、前二項の規定によつて更正し、又は決定した課税標準額又は税額について、調査によつて、過大であることを発見した場合、又は過少であり、且つ、過少であることが特別徴収義務者の詐偽その他不正の行為に因るものであることを発見した場合に限り、これを更正することができる。
4 地方団体の長は、前三項の規定によつて更正し、又は決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(目的税に係る不足金額及びその延滞金の徴収)
第七百二十条 徴税吏員は、前条第一項から第三項までの規定による更正又は決定があつた場合において、不足金額(更正に因る納入金の不足額又は決定に因る納入金額をいう。以下目的税について同様とする。)があるときは、同条第四項の通知をした日から一月を経過した日を納期限として、これを徴収しなければならない。
2 前項の場合においては、その不足金額に第七百十八条第二項の納期限(第七百十二条の規定による納期限の延長があつたときは、その延長された納期限とする。以下目的税について同様とする。)の翌日から納入の日までの期間に応じ、当該不足金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して徴収しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
3 地方団体の長は、特別徴収義務者が前条第一項又は第二項の規定による更正又は決定を受けたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(目的税に係る過少申告加算金及び不申告加算金)
第七百二十一条 納入申告書の提出期限までにその提出があつた場合において、第七百十九条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、地方団体の長は、当該更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合においては、当該更正に因る不足金額が二千円以上であるときは、その金額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算金額を徴収しなければならない。
2 左の各号の一に該当する場合においては、地方団体の長は、第一号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて、第二号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたこと及び更正前の納入申告に係る課税標準額又は税額に誤があつたことについて、第三号又は第四号の場合にあつては納入申告書の提出期限までにその提出がなかつたことについて正当な事由がないと認めるときは、当該各号に掲げる税額が千円以上であるときは、その税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、その期間が一月以内の場合においては百分の十の割合、一月をこえ二月以内の場合においては百分の十五の割合、二月をこえ三月以内の場合においては百分の二十の割合、三月をこえる場合においては百分の二十五の割合をそれぞれ乗じて計算した金額に相当する不申告加算金額を徴収しなければならない。但し、不申告加算金額が百円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合においては、当該納入申告に係る税額について、その期限の翌日から当該納入申告書の提出の日までの期間
二 前号の規定に該当する場合において第七百十九条第一項又は第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、前号に規定する期間
三 第七百十九条第二項の規定による決定があつた場合においては、当該決定に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による決定の通知をした日までの期間
四 前号の規定に該当する場合において第七百十九条第三項の規定による更正があつたときは、当該更正に因る不足金額について、納入申告書の提出期限の翌日から同条第四項の規定による更正の通知をした日までの期間
3 地方団体の長は、納入申告書の提出期限後にその提出があつた場合において、その提出が当該特別徴収義務者に係る目的税額について地方団体の長の調査による決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、当該納入申告に係る税額に百分の五の割合を乗じて計算した額に相当する額を前項の規定によつて計算した不申告加算金額から減額する。
4 地方団体の長は、第一項の規定によつて徴収すべき過少申告加算金額又は第二項の規定によつて徴収すべき不申告加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(目的税に係る重加算金)
第七百二十二条 前条第一項の規定に該当する場合において、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したときは、地方団体の長は、同条同項の過少申告加算金額に代えてその計算の基礎となるべき更正に因る不足金額が二百円以上であるときは、その不足金額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
2 前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、地方団体の長は、同条同項の不申告加算金額の外、その計算の基礎となつた税額が二百円以上であるときは、その税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
一 前条第二項第一号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実に基いて納入申告書を提出したこと。
三 前条第二項第三号又は第四号の規定に該当する場合においては、特別徴収義務者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つ、その隠ぺいし、又は仮装した事実を理由として納入申告書の提出期限までにこれを提出しなかつたこと。
3 地方団体の長は、前項の規定に該当する場合において納入申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、当該納入申告に係る税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
4 地方団体の長は、第一項又は第二項の規定によつて徴収すべき重加算金額を決定した場合においては、遅滞なく、これを特別徴収義務者に通知しなければならない。
(納期限後に納付し、又は申告納入する目的税の延滞金)
第七百二十三条 目的税の納税者又は特別徴収義務者は、納期限(第七百十二条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下目的税について同様とする。)後にその税金を納付し、又は納入金を納入する場合においては、当該税額又は納入金額に、その納期限の翌日から納付又は納入の日までの期間に応じ、当該金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付し、又は納入しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 地方団体の長は、納税者又は特別徴収義務者が納期限までに税金を納付しなかつたこと、又は納入金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(目的税の脱税に関する罪)
第七百二十四条 詐偽その他不正の行為によつて目的税の全部又は一部を免かれた納税者は、一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
2 第七百十八条第二項の規定によつて徴収して納入すべき目的税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかつた特別徴収義務者は、一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
3 第一項の免かれた税額又は前項の納入しなかつた金額が十万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、十万円をこえる額でその免かれた税額又は納入しなかつた金額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(違法又は錯誤に係る目的税に関する賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の救済)
第七百二十五条 目的税の賦課を受けた者又は第七百十九条第四項、第七百二十一条第四項若しくは第七百二十二条第四項の規定によつて更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた者は、当該賦課又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けたものについては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)又は更正、決定若しくは過少申告加算金額、不申告加算金額若しくは重加算金額の決定の通知を受けた日から三十日以内に当該地方団体の長に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書又は通知を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて、同項の徴税令書の交付又は通知を受けた日とみなす。この場合において、納税者又は特別徴収義務者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付又は通知を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する地方団体の長の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、目的税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、地方団体の長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(目的税に係る督促)
第七百二十六条 納税者又は特別徴収義務者が納期限(更正又は決定があつた場合においては、不足金額の納期限をいう。以下目的税について同様とする。)までに目的税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、徴税吏員は、当該地方団体の条例で定める期間内において、督促に因る納付又は納入のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある地方団体においては、当該地方団体の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(目的税に係る督促手数料)
第七百二十七条 徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該地方団体の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(目的税に係る滞納処分)
第七百二十八条 第七百二十六条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに目的税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金又は納入金を完納しない場合においては、徴税吏員は、当該地方団体の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に当該地方団体の長に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する地方団体の長の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該地方団体の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、地方団体の長は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(目的税に係る滞納処分に関する罪)
第七百二十九条 目的税の納税者又は特別徴収義務者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、地方団体の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者又は特別徴収義務者の財産を占有する第三者が納税者又は特別徴収義務者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者又は特別徴収義務者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者若しくは特別徴収義務者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による目的税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第七百三十条 第七百二十八条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(目的税に係る交付要求)
第七百三十一条 納税者又は特別徴収義務者が左の各号の一に該当する場合においては、当該地方団体の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、精算人又は限定承認をした相続人に対して、当該目的税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者又は特別徴収義務者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(目的税に係る延滞加算金)
第七百三十二条 徴税吏員は、督促状を発した場合においては、目的税額又は目的税に係る納入金額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金又は納入金の完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金又は納入金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額又は納入金額の百分の五をこえることができない。
(目的税の証紙徴収の手続)
第七百三十三条 地方団体は、目的税を証紙徴収によつて徴収しようとする場合においては、納税者に当該地方団体が発行する証紙をもつてその税金を払い込ませなければならない。この場合においては、地方団体は、目的税を納付する義務が発生することを証する書類その他の物件に証紙をはらせ、又は証紙の額面金額に相当する現金の納付を受けた後納税済印を押すことによつて、証紙に代えることができる。
2 地方団体又は特別徴収義務者は、納税者が証紙をはつた場合においては、証紙をはつた紙面その他の物件と証紙の彩紋とにかけて当該地方団体の印又は特別徴収義務者の印若しくは署名で判明にこれを消さなければならない。
3 第一項の証紙の取扱に関しては、当該地方団体の条例で定めなければならない。
第五章 都等の特例
(都及び特別市における普通税の特例)
第七百三十四条 都はその特別区の存する区域において、及び特別市は、普通税として、第四条第二項に掲げるものを課する外、第五条第二項に掲げるもの(第七百三十六条第一項の規定によつて特別区が課することができる税に相当するものを除く。)を課するものとする。この場合においては、都又は特別市を市とみなして、第三章第一節から第十節までの規定を準用する。
2 都が前項の規定によつて課する市町村民税は、都民税という。
3 都は、その特別区の存する区域において、第一項に掲げるものを除く外、別に税目を起して、普通税を課することができる。この場合においては、都を市とみなして、第三章第十一節の規定を準用する。
(都及び特別市における目的税の特例)
第七百三十五条 都はその特別区の存する区域において、及び特別市は、目的税として、道府県が課することができる目的税を課することができる外、市町村が課することができる目的税を課することができる。この場合においては、都又は特別市を市とみなして第四章中市町村の目的税に関する部分の規定を準用する。
(特別区税)
第七百三十六条 特別区は、都の条例の定めるところによつて、その区域内において都が課することができる税の全部又は一部を特別区税として課することができる。
2 都は、特別区が前項の規定によつて特別区税として課する税を都税として課することができない。
3 特別区は、特別区税として、第一項の規定によつて課することができるものを除く外、別に税目を起して普通税を課することができる。
4 前項の普通税の新設及び変更については、都の同意を得なければならない。
5 特別区が都民税の全部又は一部を特別区税として課する場合においては、これを、特別区民税という。
6 特別区税については、この法律中の当該特別区税に相当する道府県税又は市町村税に関する規定を準用する。この場合においては、「道府県」若しくは「市町村」、「道府県知事」若しくは「市町村長」、「道府県吏員」若しくは「市町村吏員」又は「市町村民税」とあるのは、それぞれ「特別区」、「特別区長」、「特別区所属の都吏員若しくは特別区吏員」又は「特別区民税」と読み替えるものとし、第三百十一条の規定の準用については、人口五十万以上の市とみなす。
(特別区、行政区及び五大市の区に関する特例)
第七百三十七条 市町村民税及び固定資産税に関する規定の都、特別市及び地方自治法第百五十五条第二項の市に対する準用及び適用については、特別区、特別市の行政区及び地方自治法第百五十五条第二項の市の区の区域は、一の市の区域とみなし、なお、特別の必要がある場合においては、地方財政委員会規則で特別の定を設けることができる。
(島における特例)
第七百三十八条 島における地方税及びその賦課徴収に関し、この法律の規定をそのまま適用することが困難である事項については、地方財政委員会規則で特別の定を設けることができる。
(特別区税等の特例)
第七百三十九条 特別区税及び都の特別区の存する区域における都税並びにその賦課徴収に関し、この法律の規定をそのまま適用することが困難である事項については地方財政委員会規則で、特別の定を設けることができる。
第六章 昭和二十五年度及び昭和二十六年度において課する事業税及び特別所得税
第一節 通則
(昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分に限り課することができる道府県の普通税の税目)
第七百四十条 道府県は、昭和二十五年度(法人にあつては昭和二十五年一月一日の属する事業年度から昭和二十六年一月一日の属する事業年度の直前の事業年度までの間の事業年度分)及び昭和二十六年度(法人にあつては昭和二十六年一月一日の属する事業年度から昭和二十七年一月一日の属する事業年度の直前の事業年度までの間の事業年度分)に限り、普通税として、左に掲げるものを課するものとする。
一 事業税
二 特別所得税
第二節 事業税
(事業税の納税義務者等)
第七百四十一条 事業税は、法人の行う事業並びに個人の行う第一種事業及び第二種事業に対し、所得を課税標準として、事務所又は事業所所在の道府県において、その法人及び個人に課する。
2 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるものについては、本節中法人に関する規定を準用する。
3 第一項の第一種事業とは、左に掲げるものをいう。
一 物品販売業(動植物その他普通に物品といわないものの販売業を含む。)
二 金銭貸付業
三 証券業
四 物品貸付業(動植物その他普通に物品といわないものの貸付業を含む。)
五 製造業(物品の加工修理業を含む。)
六 電気供給業
七 ガス供給業
八 土石採取業
九 無線通信放送事業
十 運送業(運送取扱業を含む。以下事業税について同様とする。)
十一 自動車事業
十二 運河業
十三 さん橋業
十四 船舶ていけい場業
十五 貨物陸揚場業
十六 倉庫業(物品の寄託を受け、これを保管する業を含む。)
十七 請負業
十八 印刷業
十九 出版業
二十 写真業
二十一 席貸業
二十二 旅館業
二十三 料理店業
二十四 周旋業
二十五 代理業
二十六 仲立業
二十七 問屋業
二十八 両替業
二十九 湯屋業
三十 演劇興行業
三十一 遊技場業
三十二 遊覧所業
三十三 前各号に掲げる事業に類する事業で政令で定めるもの
4 第一項の第二種事業とは、左に掲げるものをいう。
一 畜産業(農業に附随して行うもの及び主として土地を利用して行うものを除く。)
二 水産業
三 前二号に掲げる事業に類する事業で政令で定めるもの
5 事務所又は事業所を設けないで行う第一種事業又は第二種事業については、その事業を行う者の住所又は居所のうちその事業と最も関係の深いものをもつて、その事務所又は事業所とみなして、事業税を課する。
(事業税の信託財産)
第七百四十二条 信託財産について生ずる所得については、その所得を信託の利益として受けるべき受益者が信託財産を所有するものとみなして、事業税を課する。但し、合同運用信託(信託会社が引き受けた金銭信託で共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するものをいう。以下同様とする。)については、この限りでない。
2 前項の規定の適用については、受益者が特定せず、又はまだ存在していない場合においては、委託者又はその相続人を受益者とみなす。
(事業税の非課税の範囲)
第七百四十三条 道府県は、左の各号に掲げる事業に対しては、事業税を課することができない。
一 国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区及びこれらの組合が行う事業
二 民法第三十四条の法人、宗教法人、学校法人及び私立学校法第六十四条第四項の法人が行う事業(収益を目的とする事業を行う部分を除く。)
三 国民金融公庫、住宅金融公庫、復興金融公庫、法令による公団、大日本育英会、商船管理委員会、持株会社整理委員会、閉鎖機関整理委員会、証紙処理調整協議会、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本放送協会が行う事業
四 健康保険組合及び健康保険組合連合会の健康保険の事業並びに国民健康保険組合、国民健康保険の事業を行う法人及び国民健康保険団体連合会の国民健康保険の事業
五 農業共済組合、農業共済組合連合会、漁船保険組合及び木船保険組合の事業
六 農業
七 林業
八 鉱物の堀採及び砂鉱の採取の事業
九 主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるもの
(事業税の課税標準)
第七百四十四条 第七百四十一条第一項の所得は、法人については、昭和二十五年度にあつては昭和二十五年一月一日の属する事業年度から昭和二十六年一月一日の属する事業年度の直前の事業年度までの間、昭和二十六年度にあつては昭和二十六年一月一日の属する事業年度から昭和二十七年一月一日の属する事業年度の直前の事業年度までの間の各事業年度の所得及び清算所得とし、個人については、昭和二十五年度にあつては昭和二十四年中、昭和二十六年度にあつては昭和二十五年中における事業の所得とする。
2 前項の事業年度とは、法令、定款、寄附行為、規則又は規約に定める事業年度その他これに準ずる期間をいう。
3 法人が事業年度の中途において解散し、又は合併に因り消滅した場合においては、その事業年度開始の日から解散若しくは合併の日までの期間又は解散の日の翌日から残余財産の確定する日までの期間をもつてそれぞれ一事業年度とみなす。
4 個人が昭和二十五年一月一日から十二月三十一日までに又は昭和二十六年一月一日から十二月三十一日までに事業を廃止した場合における事業税については、第一項の所得を課税標準とするものの外、それぞれ同年一月一日から事業廃止の日までの所得を課税標準とするものを、その事業廃止後直ちに課するものとする。
5 法人の各事業年度の所得は、各事業年度の総益金から総損金を控除した金額とする。
6 信託会社の各事業年度の所得の計算については、合同運用信託に因る収入及び支出は、それぞれその総益金及び総損金から控除する。
7 法人の清算所得は、法人が解散した場合において、その残余財産の価額が解散当時の払込株式金額又は出資金額及び積立金額の合計金額を超過するときの超過金額による。
8 法人が合併した場合において、合併に因り消滅した法人の株式出資者又は社員が合併後存続する法人若しくは合併に因り設立した法人から合併に因り取得する株式の払込済金額又は出資金額及び金銭の総額が合併に因り消滅した法人の合併当時の払込株式金額又は出資金額及び積立金額の合計金額を超過するときは、その超過金額は、これを合併に因り消滅した法人の清算所得とみなす。
9 個人の所得は、昭和二十五年度にあつては昭和二十四年中又は昭和二十五年一月一日から事業廃止の日まで、昭和二十六年度にあつては昭和二十五年中又は昭和二十六年一月一日から事業廃止の日までの総収入金額から必要な経費を控除した金額とする。
10 民法第三十四条の法人、学校法人その他政令で定める法人がその事業の総益金の全部又は一部を社会事業その他の公益事業に支出する場合における当該支出金額は、政令の定めるところによつて第五項の総損金に算入する。
11 第七百四十六条第二項の特別法人が取り扱つた物の数量、価格その他事業の分量に応じて分配すべき金額は、第五項の総損金に算入する。
12 法人が前事業年度から繰り越した益金は、当該事業年度の所得を計算する場合においては、総益金に算入しない。
13 法人が前事業年度から繰り越した損金は、当該事業年度の所得を計算する場合においては、総損金に算入しない。但し、法人の各事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において生じた損金でその生じた事業年度以後の事業年度の所得の計算上総益金から控除されなかつたものの金額は、損金に算入する。
14 事業税の課税標準の算定については、この法律に定めるものを除く外、政令で定める。
(二以上の道府県において行う事業に対する事業税の課税標準とすべき所得金額)
第七百四十五条 二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う者に課する事業税の課税標準とすべき所得金額の総額は、主たる事務所又は事業所所在地の道府県知事が決定しなければならない。
2 二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う者に関係道府県において所得金額を課税標準として事業税を課する場合においては、その所得金額は、前項の道府県知事の定めるところによる。
3 第一項の道府県知事が所得金額の総額を決定した場合においては、直ちに前項の規定によつて関係道府県において課する事業税の課税標準とすべき所得金額を定め、これを関係道府県知事(第一項の道府県知事を除く。以下本条において同様とする。)に通知しなければならない。
4 関係道府県知事は、第一項の道府県知事が第二項の規定によつて定めた所得金額について、地方財政委員会に対し、異議の申立をすることができる。
5 前項の規定による異議の申立は、第三項の通知を受けた日から三十日以内にしなければならない。
6 第四項の規定による異議の申立に対する地方財政委員会の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
7 地方財政委員会は、特別の必要があると認める場合においては、第一項の規定によつて同項の道府県知事が定めた所得金額の総額又は第二項の規定によつて第一項の道府県知事が定めた所得金額を更正することができる。
(事業税の税率)
第七百四十六条 事業税の標準税率は、法人(特別法人を除く。)の行う事業及び個人の行う第一種事業に対するものについては百分の十二、特別法人の行う事業及び個人の行う第二種事業に対するものについては百分の八とする。
2 前項の特別法人とは、左に掲げる法人をいう。
一 農業協同組合及び農業協同組合連合会
二 消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会
三 貸家組合、貸家組合連合会、貸室組合及び貸室組合連合会
四 市街地信用組合
五 中小企業等協同組合(企業組合を除く。)
六 漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会
七 森林組合及び森林組合連合会
八 農林中央金庫
九 商工組合中央金庫
十 相互保険会社、証券取引所及び会員組織の商品取引所
3 前項第一号及び第六号から第九号までの法人のうち所属の会員若しくは組合員又は組合若しくは連合会をして出資をさせないものに対しては、事業税を課することができない。
4 道府県は、第一項の標準税率と異なる税率で課する場合においては、あらかじめ、地方財政委員会に対してその旨を届け出なければならない。
(事業税の税率の年度区分)
第七百四十七条 法人の行う事業に対する事業税の税率は、事業年度終了の日の属する年度の税率による。
(事業税の免税点)
第七百四十八条 道府県は、個人の行う事業に対する事業税の課税標準とすべき所得金額が二万五千円に満たない場合においては、事業税を課することができない。但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、所得金額が二万五千円に満たないときであつても、事業税を課することができる。
2 道府県は、個人の行う事業に対する事業税の課税標準とすべき所得金額が前項の規定によつて事業税を課することができる金額以上の額である場合においては、その所得金額の全額を課税標準として事業税を課するものとする。
(事業税の課税標準及び税率の特例)
第七百四十九条 電気供給業、ガス供給業及び運送業に対する事業税の課税標準は、第七百四十一条第一項及び第七百四十四条第一項の規定にかかわらず、法人の行うものにあつては各事業年度の収入金額及び清算所得、個人の行うものにあつては昭和二十五年度については昭和二十四年中又は昭和二十五年一月一日から事業廃止の日まで、昭和二十六年度については昭和二十五年中又は昭和二十六年一月一日から事業廃止の日までの間における事業の収入金額とする。収入金額を課税標準とする場合における標準税率は、第七百四十六条第一項の規定にかかわらず、百分の一・六とする。
2 法人の行う電気供給業及びガス供給業に対する事業税のうち、昭和二十五年一月一日から同年十二月三十一日までの間の日の属する事業年度分については、前項の規定にかかわらず、その課税標準は、当該事業年度開始の日から同年八月三十一日までの間において収入すべき金額及び昭和二十六年一月一日から当該事業年度の終了の日までの間において収入すべき金額の合算額とし、その標準税率は、課税標準額のうち当該事業年度の初日から昭和二十五年八月三十一日までの間において収入すべき金額に係るものにあつては百分の二・四、昭和二十六年一月一日から当該事業年度終了の日までの間において収入すべき金額に係るものにあつては百分の一・六とする。
3 第一項に規定する事業以外の事業に対する事業税の課税標準については、事業の情況に応じ、第七百四十一条第一項及び第七百四十四条の所得によらないで資本金額、売上金額、家屋の床面積若しくは賃貸価格、土地の地積若しくは賃貸価格、従業員数等を課税標準とし、又は所得とこれらの課税標準とをあわせ用いることができる。この場合における税率は、第七百四十六条の税率による場合における負担と著しく均衡を失することのないように定めなければならない。
(個人の事業税の納期)
第七百五十条 個人の行う事業に対する事業税(第七百四十四条第四項の規定による事業税を除く。)の納期は、昭和二十五年度分にあつては九月及び十二月中において、昭和二十六年度分にあつては八月及び十一月中において当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
(事業税の徴収の方法)
第七百五十一条 事業税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 事業税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(事業税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第七百五十二条 事業税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、事業税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(事業税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第七百五十三条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従事者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(事業税に係る不申告等に関する過料)
第七百五十四条 道府県は、事業税の納税義務者が第七百五十二条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な理由がなくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、事由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(事業税に係る徴税吏員の質問検査権)
第七百五十五条 道府県の徴税吏員は、事業税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該事業税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 事業税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第七百六十七条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(事業税に係る検査拒否等に関する罪)
第七百五十六条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(事業税の納税管理人)
第七百五十七条 事業税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、事務所又は事業所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内に居住する者のうちから納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(事業税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第七百五十八条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(事業税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第七百五十九条 道府県は、事業税の納税義務者が第七百五十七条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(事業税の脱税に関する罪)
第七百六十条 詐偽その他不正の行為によつて事業税の全部又は一部を免かれた場合においては、法人の代表者又は代理人若しくは使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 詐偽その他不正の行為によつて事業税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 前二項の免かれた税額が五百万円をこえる場合においては、情状に因り、当該各項の罰金の額は、当該各項の規定にかかわらず、五百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
4 第一項又は第二項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
5 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、本条の罰金刑を科する。
(事業税の納期限の延長)
第七百六十一条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、事業税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(事業税の減免)
第七百六十二条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において事業税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、事業税を減免することができる。
(納期限後に納付する事業税の延滞金)
第七百六十三条 事業税の納税者は、その納期限(第七百六十一条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下事業税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは、百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額で減免することができる。
(違法又は錯誤に係る事業税の賦課の救済)
第七百六十四条 事業税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、事業税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(事業税に係る督促)
第七百六十五条 納税者が納期限までに事業税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期間を定めることができる。
(事業税に係る督促手数料)
第七百六十六条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(事業税に係る滞納処分)
第七百六十七条 第七百六十五条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに事業税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(事業税に係る滞納処分に関する罪)
第七百六十八条 事業税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で、財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による事業税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第七百六十九条 第七百六十七条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(事業税に係る交付要求)
第七百七十条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人、清算人又は限定承認をした相続人に対して、事業税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 法人が解散したとき。
六 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(事業税に係る延滞加算金)
第七百七十一条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、事業税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(事業税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第七百七十二条 事業税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第七百七十三条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、事業税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第七百七十四条 第七百七十二条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても事業税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第七百七十五条 第七百七十二条の場合において、事業税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
第三節 特別所得税
(特別所得税の納税義務者等)
第七百七十六条 特別所得税は、業務所又は事務所を設けて個人が行う第一種業務及び第二種業務に対し、所得を課税標準として、業務所又は事務所所在の道府県において、その業務を行う者に課する。
2 前項の第一種業務とは、左に掲げるものをいう。
一 医業
二 歯科医業
三 薬剤師業
四 助産婦業
五 獣医業
六 前各号に掲げる業務に類する業務で政令で定めるもの
3 第一項の第二種業務とは、左に掲げるものをいう。
一 弁護士業
二 司法書士業
三 行政書士業
四 公証人業
五 弁理士業
六 税務代理士業
七 公認会計士業
八 計理士業
九 設計監督士業
十 理容業
十一 諸芸師匠業
十二 前各号に掲げる業務に類する業務で政令で定めるもの
4 業務所又は事務所を設けないで行う第一種業務又は第二種業務については、その業務を行う者の住所又は居所のうちその業務と最も関係の深いものをもつて、その業務所又は事務所とみなして、特別所得税を課する。
(特別所得税の課税標準)
第七百七十七条 前条第一項の所得は、昭和二十五年度にあつては昭和二十四年中、昭和二十六年度にあつては昭和二十五年中における業務の所得とする。
2 納税義務者が昭和二十五年一月一日から十二月三十一日までに又は昭和二十六年一月一日から十二月三十一日までに業務を廃止した場合における特別所得税については、前項の所得を課税標準とするものの外、それぞれ同年一月一日から業務廃止の日までの所得を課税標準とするものを、その業務廃止後直ちに課するものとする。
3 第一項の所得は、昭和二十五年度にあつては昭和二十四年中又は昭和二十五年一月一日から業務廃止の日まで、昭和二十六年度にあつては昭和二十五年中又は昭和二十六年一月一日から業務廃止の日までの総収入金額から必要な経費を控除した金額とする。
4 特別所得税の課税標準の算定については、この法律に定めるものを除く外、政令で定める。
(二以上の道府県において行う業務に対する特別所得税の課税標準とすべき所得金額)
第七百七十八条 二以上の道府県において業務所又は事務所を設けて業務を行う者に課する特別所得税の課税標準とすべき所得金額の総額は、主たる業務所又は事務所所在地の道府県知事が決定しなければならない。
2 二以上の道府県において業務所又は事務所を設けて業務を行う者に関係道府県において所得金額を課税標準として特別所得税を課する場合においては、その所得金額は、前項の道府県知事の定めるところによる。
3 第一項の道府県知事が所得金額の総額を決定した場合においては、直ちに前項の規定によつて関係道府県において課する特別所得税の課税標準とすべき所得金額を定め、これを関係道府県知事(第一項の道府県知事を除く。以下本条において同様とする。)に通知しなければならない。
4 関係道府県知事は、第一項の道府県知事が第二項の規定によつて定めた所得金額について、地方財政委員会に対し、異議の申立をすることができる。
5 前項の規定による異議の申立は、第三項の通知を受けた日から三十日以内にしなければならない。
6 第四項の規定による異議の申立に対する地方財政委員会の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
7 地方財政委員会は、特別の必要があると認める場合においては、第一項の規定によつて同項の道府県知事が定めた所得金額の総額又は第二項の規定によつて第一項の道府県知事が定めた所得金額を更正することができる。
(特別所得税の税率)
第七百七十九条 特別所得税の標準税率は、第一種業務に対するものについては百分の六・四、第二種業務に対するものについては百分の八とする。
2 道府県は、前項の標準税率と異なる税率で課する場合においては、あらかじめ、地方財政委員会に対してその旨を届け出なければならない。
(特別所得税の免税点)
第七百八十条 道府県は、特別所得税の課税標準とすべき所得金額が二万五千円に満たない場合においては、特別所得税を課することができない。但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、所得金額が二万五千円に満たないときであつても、特別所得税を課することができる。
2 道府県は、特別所得税の課税標準とすべき所得金額が前項の規定によつて特別所得税を課することができる金額以上の額である場合においては、その所得金額の全額を課税標準として特別所得税を課するものとする。
(特別所得税の納期)
第七百八十一条 特別所得税(第七百七十七条第二項の規定による特別所得税を除く。)の納期は、昭和二十五年度分にあつては九月及び十二月中において、昭和二十六年度分にあつては八月及び十一月中において当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
(特別所得税の徴収の方法)
第七百八十二条 特別所得税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。
2 特別所得税を徴収しようとする場合において納税者に交付すべき徴税令書は、遅くとも、その納期限前十日までに納税者に交付しなければならない。
(特別所得税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)
第七百八十三条 特別所得税の納税義務者は、当該道府県の条例の定めるところによつて、特別所得税の賦課徴収に関し同条例で定める事項を申告し、又は報告しなければならない。
(特別所得税に係る虚偽の申告等に関する罪)
第七百八十四条 前条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について虚偽の申告又は報告をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 人の代理人、使用人その他の従業者がその人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(特別所得税に係る不申告等に関する過料)
第七百八十五条 道府県は、特別所得税の納税義務者が第七百八十三条の規定によつて申告し、又は報告すべき事項について正当な事由なくて申告又は報告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(特別所得税に係る徴税吏員の質問検査権)
第七百八十六条 道府県の徴税吏員は、特別所得税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、左に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の業務に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。
一 納税義務者又は納税義務があると認められる者
二 前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
三 前二号に掲げる者以外の者で当該特別所得税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
2 前項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 特別所得税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第七百九十八条第一項の定めるところによる。
4 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(特別所得税に係る検査拒否等に関する罪)
第七百八十七条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 前条第一項の帳簿書類で虚偽の記載をしたものを呈示した者
三 前条の規定による徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(特別所得税の納税管理人)
第七百八十八条 特別所得税の納税義務者は、納税義務を負う道府県内に住所、居所、業務所又は事務所を有しない場合においては、納税に関する一切の事項を処理させるため、当該道府県の条例で定める地域内から納税管理人を定め、これを道府県知事に申告しなければならない。納税管理人を変更した場合においても、また、同様とする。
(特別所得税の納税管理人に係る虚偽の申告に関する罪)
第七百八十九条 前条の規定によつて申告すべき納税管理人について虚偽の申告をした者は、三万円以下の罰金に処する。
2 人の代理人、使用人その他の従業者がその人の業務に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、同項の罰金刑を科する。
(特別所得税の納税管理人に係る不申告に関する過料)
第七百九十条 道府県は、特別所得税の納税義務者が第七百八十八条の規定によつて申告すべき納税管理人について正当な事由がなくて申告をしなかつた場合においては、その者に対し、当該道府県の条例で三万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
2 前項の過料を科せられた者は、その処分に不服がある場合においては、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第二項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、過料の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(特別所得税の脱税に関する罪)
第七百九十一条 詐偽その他不正の行為によつて特別所得税の全部又は一部を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免かれた税額が百万円をこえる場合においては、情状に因り、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその免かれた税額に相当する額以下の額とすることができる。
3 第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。
4 人の代理人、使用人その他の従業者がその人の業務又は財産に関して第一項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その人に対し、本条の罰金刑を科する。
(特別所得税の納期限の延長)
第七百九十二条 道府県知事は、当該道府県の条例の定めるところによつて、特別所得税の納税者のうち特別の事情がある者に対し、納期限の延長をすることができる。
(特別所得税の減免)
第七百九十三条 道府県知事は、天災その他特別の事情がある場合において特別所得税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該道府県の議会の議決を経て、特別所得税を減免することができる。
(納期限後に納付する特別所得税の延滞金)
第七百九十四条 特別所得税の納税者は、その納期限(第七百九十二条の規定による納期限の延長があつた場合においては、その延長された納期限とする。以下特別所得税について同様とする。)後にその税金を納付する場合においては、当該税額に、その納期限の翌日から納付の日までの期間に応じ、当該税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する延滞金額を加算して納付しなければならない。但し、延滞金額が十円未満である場合においては、この限りでない。
2 道府県知事は、納税者が納期限までに税金を納付しなかつたことについてやむを得ない事由があると認める場合においては、前項の延滞金額を減免することができる。
(違法又は錯誤に係る特別所得税の賦課の救済)
第七百九十五条 特別所得税の賦課を受けた者は、その賦課について違法又は錯誤があると認める場合においては、徴税令書の交付を受けた日(納期を分けた場合においては、第一期分の徴税令書の交付を受けた日)から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
2 前項の徴税令書を郵便をもつて発送した場合においてその到達した日が明らかでないときは、その発送した日から四日を経過した日をもつて同項の徴税令書の交付を受けた日とみなす。この場合において、納税者が到達した日を立証し得るときは、その立証に係る日をもつて徴税令書の交付を受けた日とする。
3 第一項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から三十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第一項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による異議の申立又は前項の規定による出訴があつても、特別所得税に係る地方団体の徴収金の徴収は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、これを停止することができる。
(特別所得税に係る督促)
第七百九十六条 納税者が納期限までに特別所得税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、納期限後二十日以内に、督促状を発しなければならない。但し、繰上徴収をする場合においては、この限りでない。
2 前項の場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期間内において、督促に因る納付のための相当の期限を指定しなければならない。
3 特別の事情がある道府県においては、当該道府県の条例で第一項に規定する期間と異なる期限を定めることができる。
(特別所得税に係る督促手数料)
第七百九十七条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、当該道府県の条例の定めるところによつて、手数料を徴収しなければならない。
(特別所得税に係る滞納処分)
第七百九十八条 第七百九十六条の規定による督促を受けた者が督促状の指定期限までに特別所得税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合又は繰上徴収のための納期限変更告知書を受けた者がこれに定められた納期限までに税金を完納しない場合においては、道府県の徴税吏員は、当該道府県の条例で定める期限までに、国税徴収法の規定による滞納処分の例によつて、これを処分しなければならない。
2 前項の規定による処分に不服がある者は、その処分を受けた日から三十日以内に道府県知事に異議の申立をすることができる。
3 前項の規定による異議の申立に対する道府県知事の決定は、その申立を受理した日から六十日以内にしなければならない。
4 異議の決定は、文書をもつてし、理由を附けて異議の申立をした者に交付しなければならない。
5 異議の申立に関する書類を郵便をもつて差し出す場合においては、郵便逓送の日数は、第二項の期間に算入しない。
6 異議の決定に不服がある者は、裁判所に出訴することができる。
7 第一項の規定による処分は、当該道府県の区域外においても行うことができる。
8 第二項の規定による異議の申立又は第六項の規定による出訴があつても、処分の執行は、停止しない。但し、道府県知事は、職権に基いて、又は関係人の請求によつて必要があると認める場合においては、その執行を停止することができる。
(特別所得税に係る滞納処分に関する罪)
第七百九十九条 特別所得税の納税者は、滞納処分の執行を受ける前に当該処分の執行を免かれる目的で財産を隠匿し、損かいし、道府県の不利益に処分し、又は財産の負担を虚偽に増加する行為をして当該処分の執行を受けた場合においては、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該処分の執行を受けた後その執行を免かれる目的でこれらの行為をした場合においても、また、同様とする。
2 納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免かれさせる目的で前項に規定する行為をした場合においては、その納税者に対する滞納処分の執行の前後を区別して、同項の例によつて懲役若しくは罰金の刑に処し、又はこれを併科する。
3 納税者に対する滞納処分の執行のある前に情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者は、当該滞納処分の執行があつた場合においては、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。滞納処分の執行があつた後情を知つて第一項に規定する行為について納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつた者も、また、同様とする。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前二項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
(国税徴収法の例による特別所得税に係る滞納処分に関する検査拒否の罪)
第八百条 第七百九十八条第一項の場合において、国税徴収法第二十一条ノ二第二項の規定の例によつて行う道府県の徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合においては、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
(特別所得税に係る交付要求)
第八百一条 納税者が左の各号の一に該当する場合においては、道府県の徴税吏員は、当該行政機関、地方団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人、破産管財人又は限定承認をした相続人に対して、特別所得税に係る地方団体の徴収金の交付を求めなければならない。但し、他に差し押えるべき財産がある場合においては、直ちにこれを差し押えることができる。
一 国税、地方税その他の公課について滞納処分を受けるとき。
二 強制執行を受けるとき。
三 破産の宣告を受けたとき。
四 競売の開始があつたとき。
五 納税者について相続の開始があつた場合において、相続人が限定承認をしたとき。
(特別所得税に係る延滞加算金)
第八百二条 道府県の徴税吏員は、督促状を発した場合においては、特別所得税額が百円以上であるときは百円(百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)について一日四銭の割合をもつて、督促状の指定期限の翌日から税金完納の日までの日数によつて計算した延滞加算金額を加算して徴収しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合及び延滞加算金額が十円未満である場合においては、これを徴収しない。
一 繰上徴収をするとき。
二 督促状の指定期限までに税金を完納しなかつたことについて、交通のと絶その他やむを得ない事由があると認めるとき。
2 前項の延滞加算金額は、税額の百分の五をこえることができない。
(特別所得税に係る犯則事件に関する国税犯則取締法の準用)
第八百三条 特別所得税に関する犯則事件については、国税犯則取締法の規定(第十九条ノ二及び第二十二条の規定を除く。)を準用する。
第八百四条 前条の場合において、国税局長の職務は道府県知事が、税務署長の職務は道府県知事又は当該道府県の条例で設置する支庁、地方事務所若しくは税務に関する事務所の長がそれぞれ行い、国税局又は税務署の収税官吏の職務は道府県知事がその職務を定めて指定する道府県の徴税吏員が行うものとする。この場合において、道府県知事は、特別所得税に関する犯則事件が道府県知事を除く税務署長の職務を行う者がその職務を行う区域外において発見された場合に限り、税務署長の職務を行うことができる。
第八百五条 第八百三条の場合において、収税官吏の職務を行う者は、その所属する道府県の区域外においても特別所得税に関する犯則事件の調査を行うことができる。
第八百六条 第八百三条の場合において、特別所得税に関する犯則事件は、間接国税以外の国税に関する犯則事件とする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行し、この法律中に特別の定がある場合を除く外、入場税、遊興飲食税、電気ガス税、鉱産税、木材引取税、広告税、入湯税及び接客人税については昭和二十五年九月一日(特別徴収に係る電気ガス税にあつては、同日以後において収納すべき料金に係る分)から、その他の地方税については昭和二十五年度分からそれぞれ適用する。但し、第七百四十九条第一項及び第二項の規定は、同項の事業の料金について物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)の規定による統制額がある場合においては、昭和二十五年一月一日の属する事業年度の初日又は同年一月一日以後においてその統制額が改訂されたときは、その改訂の時の属する事業年度分又は昭和二十五年度分若しくは昭和二十六年度分から、その改訂の時が昭和二十四年四月一日以後昭和二十五年一月一日の属する事業年度の初日又は昭和二十五年一月一日前に係るときは、同年一月一日の属する事業年度分から又は昭和二十五年度分及び昭和二十六年度分にそれぞれ適用し、昭和二十四年四月一日以後昭和二十七年一月一日の属する事業年度の初日又は同年一月一日前にその改訂が行われなかつたときは、適用しない。
(関係法律の廃止)
2 左に掲げる法律は、廃止する。
地方税法(昭和二十三年法律第百十号)
地方税法の一部を改正する等の法律(昭和二十五年法律第五十号)
(旧地方税法の規定に基いて課し、又は課すべきであつた地方税の取扱)
3 旧地方税法の規定に基いて課し、又は課すべきであつた地方税(法人の行う事業に対する事業税にあつては、昭和二十五年一月一日の属する事業年度の直前の事業年度以前の分、入場税並びに鉱産税、電気ガス税、木材引取税、遊興飲食税、入湯税及びこれらの附加税並びにと畜税、広告税、接客人税及び使用人税にあつては、昭和二十五年八月三十一日以前の分(特別徴収に係る電気ガス税にあつては、同日以前において収納した料金に係る分))については、前項の規定にかかわらず、なお、旧地方税法の規定の例による。
4 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用又は準用については、なお、従前の例による。
5 企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
附則中「法人税法」の下に「旧地方税法(昭和二十三年法律第百十号)中事業税に関する規定並びに地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)中附加価値税及び事業税に関する規定」を加える。
6 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第四条の見出しを「(予算の執行等)」に改め、同条に次の一項を加える。
3 地方公共団体は、寄附金を住民に割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。
第五条第一項第五号中「地租、家屋税、事業税及び都道府県民税(東京都にあつては、地方税法(昭和二十三年法律第百十号)第百三十条の規定により特別区の課する地租、家屋税、事業税及び特別区民税を含む。)又は地租附加税、家屋税附加税、事業税附加税及び市町村民税の賦課率及び賦課総額がいずれも標準賦課率又は標準賦課総額の一・二倍以上」を「普通税(入場税、鉱区税、狩猟者税、電気ガス税及び法定外普通税を除く。)の税率がいずれも標準税率以上」に改める。
第三十三条第二項を削る。
7 日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)の一部を次のように改正する。
第六条を次のように改める。
第六条 削除
8 日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
第六条を次のように改める。
第六条 削除
9 国際観光ホテル整備法(昭和二十四年法律第二百七十九号)の一部を次のように改正する。
第七条中「地方税法(昭和二十三年法律第百十号)第十四条第二項」を「地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項」に改める。
(内閣総理・大蔵大臣署名)