地方財政平衡交付金法
法律第二百十一号(昭二五・五・三〇)
(この法律の目的)
第一条 この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方財政平衡交付金の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するために、地方団体に対し適当な財源を供与し、もつてその独立性を強化することを目的とする。
(用語の意義)
第二条 この法律において、左の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 地方財政平衡交付金 地方団体がひとしくその行うべき事務を充分に遂行することができるようにするために国が地方団体に交付する交付金をいう。
二 地方団体 都道府県、特別市及び市町村をいう。
三 地方行政 地方団体の行政(地方団体がその経費を負担する当該地方団体の機関が行う行政を含む。)をいう。
四 基準財政需要額 各地方団体の財政需要を合理的に測定するために、当該地方団体について第十一条の規定により算定した額をいう。
五 基準財政収入額 各地方団体の財政力を合理的に測定するために、当該地方団体について第十五条の規定により算定した額をいう。
六 測定単位 地方行政の種類ごとに設けられ、且つ、この種類ごとにその量を測定する単位で、毎年度の交付金の総額を算定し、及び配分するために用いるものをいう。
七 単位費用 交付金の算定に用いる地方行政の種類ごとの経費の総額を決定するために、測定単位の数値に乗ずべき地方行政の単位当りの費用をいう。
(運営の基本)
第三条 国は、毎年度各地方団体が提出する資料に基き、すべての地方団体について、この法律に定めるところにより、財政需要額と財政収入額とを測定し、財政需要額が財政収入額をこえる場合における当該超過額を補てんするために必要且つ充分な額を、地方財政平衡交付金(以下「交付金」という。)として、国の予算に計上しなければならない。
2 国は、その予算が成立した後は、当該年度の中途において、地方団体の負担となるような測定単位の数値の増加を直接生じさせる措置は、とらないようにするものとする。
3 地方財政委員会(以下「委員会」という。)は、常に各地方団体の財政状況の的確なは握に努め、国の予算に計上された交付金の総額を、この法律の定めるところにより、財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんすることができるように配分しなければならない。
4 国は、交付金の交付に当つては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。
(委員会の権限と責任)
第四条 委員会は、この法律を実施するため、左に掲げる権限と責任とを有する。
一 毎年度分として交付すべき交付金の総額を見積ること。
二 各地方団体に交付すべき交付金の額を決定し、及びこれを交付すること。
三 第十条又は第十九条に規定する場合において、各地方団体に対する交付金の額を変更し、減額し、又は返還させること。
四 第十八条に定める地方団体の審査の請求を受理し、これに対する決定をすること。
五 第十九条第四項に定める異議の申立を受理し、これに対する決定をすること。
六 第二十条に定める聴聞を行うこと。
七 交付金の総額の見積及び各地方団体に交付すべき交付金の額の算定のために必要な資料を収集し、及び整備すること。
八 収集した資料に基き、常に地方財政の状況をは握し、交付金制度の運用について改善を図ること。
九 この法律を実施するために必要な地方財政委員会規則(以下「規則」という。)を制定すること。
十 前各号に定めるものの外、この法律に定める事項
(交付金の算定に関する資料)
第五条 都道府県知事及び特別市の市長は、規則で定めるところにより、当該都道府県又は特別市の基準財政需要額及び基準財政収入額に関する資料その他必要な資料を委員会に提出しなければならない。
2 市町村長は、規則で定めるところにより、当該市町村の基準財政需要額及び基準財政収入額に関する資料その他必要な資料を都道府県知事に提出しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定により提出された資料を審査し、意見をつけて委員会に送付しなければならない。
4 都道府県知事は、前項の場合において市町村長が提出した資料に修正を加えるべき旨の意見をつけたときは、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。この場合においては、不服がある市町村長は、その意見を委員会に申し出ることができる。
5 基準財政需要額の中に含まれる経費に係る地方行政に関係がある国の行政機関(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項及び第二十四条の行政機関をいう。以下同じ。)は、委員会が要求した場合においては、その所管に係る行政に関し、委員会の要求に係る交付金の総額の算定又は配分に関し必要な資料を委員会に提出しなければならない。
(交付金の総額の算定)
第六条 毎年度分として交付すべき交付金の総額は、当該年度において基準財政需要額が基準財政収入額をこえると認められる地方団体の当該超過額の合算額を基礎として定める。
2 委員会は、第五条の規定により提出され、又は送付された資料を参考として、翌年度における交付金の総額を算定し、これを国の予算に計上するように内閣に勧告しなければならない。この場合において、委員会は、第七条に掲げる事項を記載した書類その他必要な書類を内閣に送付しなければならない。
3 内閣は、委員会が勧告した交付金の総額を変更して国の予算に計上しようとするときは、あらかじめ、委員会の意見を求めなければならない。
4 内閣は、委員会が勧告した交付金の総額又はその算定の基礎を変更した場合においては、委員会が勧告した交付金の総額の算定の基礎、内閣が決定した交付金の総額に係る歳出予算の基礎及びこれらの基礎の比較について、その詳細を歳入歳出予算に附記しなければならない。この場合において、委員会が地方財政委員会設置法(昭和二十五年法律第二百十号)第十三条の規定により申し出る意見の中には、委員会が勧告した交付金の総額と内閣が決定した交付金の総額との差額を調整するため国の予算について加えるべき必要な修正についての意見を含まなければならない。
(歳入歳出総額の見込額の提出及び公表の義務)
第七条 委員会は、毎年度左に掲げる事項を記載した翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類を作成し、これを内閣及び内閣を通じて国会に提出するとともに、一般に公表しなければならない。
一 地方団体の歳入総額の見込額及び左の各号に掲げるその内訳
イ 各税目ごとの課税標準額、税率、調定見込額及び徴収見込額
ロ 使用料及び手数料
ハ 起債額
ニ 国庫支出金
ホ 雑収入
二 地方団体の歳出総額の見込額及び左の各号に掲げるその内訳
イ 歳出費目ごとの経費
ロ 国庫支出金に基く経費の総額
ハ 地方債の利子及び元金償還金
三 交付金の総額の見込額及び左の各号に掲げるその内訳
イ 非奨励的補助金(地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第十六条の補助金以外の補助金をいう。以下同じ。)、非奨励的補助金に伴う地方負担額及び非奨励的補助金に基く経費の総額
ロ 行政の種類ごとの測定単位の数値の総額(第十三条の規定により補正したものをいう。)、単位費用、基準財政需要額、基準財政収入額及び必要とする交付金の総額
(交付金の額の算定期日)
第八条 各地方団体に対する交付金の額は、毎年度四月一日現在により、算定する。
(廃置分合又は境界変更の場合の交付金の措置)
第九条 前条の期日後において、地方団体の廃置分合又は境界変更があつた場合における当該地方団体に対する交付金の措置については、左の各号の定めるところによる。
一 廃置分合に因り一の地方団体の区域がそのまま他の地方団体の区域となつたときは、当該廃置分合の期日後は、当該廃置分合前の地方団体に対して交付すべきであつた交付金の額は、当該地方団体の区域が新たに属することとなつた地方団体に交付する。
二 廃置分合に因り一の地方団体の区域が分割されたとき、又は境界変更があつたときは、当該廃置分合又は境界変更の期日後は、当該廃置分合又は境界変更前の地方団体に対し交付すべきであつた交付金の額は、規則で定めるところにより、廃置分合若しくは境界変更に係る区域又は境界変更に係る区域を除いた当該地方団体の区域を基礎とする独立の地方団体がそれぞれ当該年度の四月一日に存在したものと仮定した場合において、これらの地方団体に対し交付すべきであつた交付金の額にあん分し、当該あん分した額を廃置分合若しくは境界変更に係る区域が属することとなつた地方団体又は境界変更に係る区域が属していた地方団体に対し、それぞれ交付する。
(交付金の額の算定)
第十条 交付金は、毎年度、基準財政需要額が基準財政収入額をこえる地方団体に対して交付する。
2 前項の地方団体に対して交付すべき交付金の額は、交付金の総額を、当該地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額にあん分して算定する。
3 委員会は、前二項の規定により交付すべき交付金の額を、遅くとも毎年八月三十一日までに決定しなければならない。但し、交付金の総額の増加その他特別の事由がある場合においては、八月三十一日以後において、交付金の額を決定し、又は既に決定した交付金の額を変更することができる。
4 委員会は、前項の規定により交付金の額を決定し、又は変更したときは、これを当該地方団体に通知しなければならない。
(基準財政需要額の算定方法)
第十一条 基準財政需要額は、測定単位の数値を第十三条の規定により補正し、これを当該測定単位ごとの単位費用に乗じて得た額を当該地方団体について合算した額とする。
(測定単位)
第十二条 地方行政に要する経費の測定単位は、地方団体の種類ごとに左の表の中欄に掲げる経費について、それぞれその下欄に定めるものとする。
地方団体の種類 |
経費の種類 |
測定単位 |
道府県 |
一 土木費 1 道路費 2 橋りよう費 3 河川費 4 港湾費 5 その他の土木費 二 教育費 1 小学校費 2 中学校費 3 高等学校費 4 その他の教育費 三 厚生労働費 1 社会福祉費 2 衛生費 3 労働費 四 産業経済費 1 農業行政費(畜産業に係るものを含む。) 2 林野行政費 3 水産行政費 4 商工行政費 五 戦災復興費 六 その他の行政費 1 徴税費 2 その他の諸費 七 公債費 |
道路の面積 橋りようの面積 河川の延長 港湾における船舶の出入とん数 人口及び面積
小学校の児童数、学級数及び学校数 中学校の生徒数、学級数及び学校数 高等学校の生徒数 人口
人口及び児童福祉施設入所者数 人口及び食品関係営業者数 工場事業場数及び工場事業場労働者数
耕地の面積及び農業(畜産業を含む。)の従業者数 民有林野の面積及び林産業の従業者数 水産業の従業者数 商工業の従業者数 戦争に因る被災地の面積
道府県税の税額及び納税義務者数 人口 災害復旧事業費及び防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金 |
市町村 |
一 警察消防費 1 警察費 2 消防費 二 土木費 1 道路費 2 橋りよう費 3 港湾費 4 都市計画費 5 その他の土木費 三 教育費 1 小学校費 2 中学校費 3 高等学校費 4 その他の教育費 四 厚生労働費 1 社会福祉費 2 衛生費 3 労働費 五 産業経済費 六 戦災復興費 七 その他の行政費 1 徴税費 2 戸籍事務費 3 その他の諸費 八 公債費 |
警察吏員数 家屋の床面積
道路の面積 橋りようの面積 港湾における船舶の出入とん数 都市計画区域における人口 人口及び面積
小学校の児童数、学級数及び学校数 中学校の生徒数、学級数及び学校数 高等学校の生徒数 人口
人口及び児童福祉施設入所者数 人口及び食品関係営業者数 工場事業場数及び工場事業場労働者数 人口 戦争に因る被災地の面積
市町村税の税額及び納税義務者数 本籍人口 人口 災害復旧事業費及び防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金 |
2 前項の測定単位の数値の算定方法については、規則で定める。
(測定単位の数値の補正)
第十三条 前条の測定単位の数値は、道府県又は市町村ごとに、左の各号に掲げる事項を基礎として当該測定単位につき、規則で定める補正係数を、これに乗じて補正するものとする。
一 人口、小学校の児童数その他測定単位の数値の多少による段階
二 人口密度
三 測定単位の数値の帰属する市町村の規模
四 寒冷度及び積雪度
五 面積、河川の延長その他測定単位の基礎をなすものの種別
(単位費用)
第十四条 第十一条の単位費用は、道府県又は市町村ごとに、標準的条件を備えた地方団体が合理的、且つ、妥当な水準において地方行政を行う場合における各測定単位の単位当りの費用を基礎として、この法律で定める。
2 前項の単位当りの費用は、補助金、負担金、手数料、使用料、分担金、地方債その他これらに類する収入及び地方税の収入のうち基準財政収入額に相当するもの以外のものを財源とすべき部分を除いて算定するものとする。
(基準財政収入額の算定方法)
第十五条 基準財政収入額は、規則で定める方法により、基準税率をもつて算定した当該地方団体の普通税(法定外普通税を除く。)の収入見込額とする。
2 前項の基準税率は、地方税法(昭和二十五年法律第 号)第一条第一項第五号にいう標準税率(標準税率の定のない地方税については、地方税法に定める税率とする。)の百分の七十に相当する率とする。
(交付時期)
第十六条 交付金は、毎年度、地方団体の種類ごとに、左の表の中欄に掲げる時期に、それぞれの下欄に定める額を交付する。
地方団体の種類 |
交付時期 |
交付時期ごとに交付すべき額 |
道府県 |
五月及び七月 |
前年度の当該道府県に対する交付金の額に当該年度の交付金の総額の前年度の交付金の総額に対する割合を乗じて得た額のそれぞれ四分の一に相当する額 |
十一月及び一月 |
当該年度において交付すべき当該道府県に対する交付金の額から五月及び七月に交付した交付金の額を控除した残額のそれぞれ二分の一に相当する額 |
|
市町村 |
五月及び八月 |
前年度の当該市町村に対する交付金の額に当該年度の交付金の総額の前年度の交付金の総額に対する割合を乗じて得た額のそれぞれ四分の一に相当する額 |
十二月及び二月 |
当該年度において交付すべき当該市町村に対する交付金の額から五月及び八月に交付した交付金の額を控除した残額のそれぞれ二分の一に相当する額 |
2 当該年度の国の予算の成立しないこと、国の予算の追加又は修正により交付金の総額に変更があつたこと等の事由により、前項の規定により難い場合における交付金の交付時期及び交付時期ごとに交付すべき額については、国の暫定予算の額及びその成立の状況、交付金の総額の変更の程度、前年度の交付金の額等を参しやくして、規則で定めるところにより、特例を設けることができる。
3 道府県又は市町村が前二項の規定により各交付時期に交付を受けた交付金の額が当該年度分として交付を受けるべき交付金の額をこえる場合においては、当該道府県又は市町村は、その超過額を遅滞なく、国に還付しなければならない。
4 第一項の場合において、四月一日以前一年内に地方団体の廃置分合又は境界変更があつた場合における前年度の関係地方団体の交付金の額の算定方法は、第九条の規定に準じ、規則で定める。
(市町村交付金の算定及び交付に関する都道府県知事の義務)
第十七条 都道府県知事は、規則で定めるところにより、当該都道府県の区域内における市町村に対し、交付すべき交付金の額の算定及び交付に関する事務を取り扱わなければならない。
2 都道府県知事は、前項の事務を取り扱うため当該市町村の財政状況を的確に知つているように努めなければならない。
(交付金の額に関する審査の請求)
第十八条 地方団体は、第十条第四項の規定により交付金の額の決定又は変更の通知を受けた場合において、当該地方団体に対する交付金の額の算定の基礎について不服があるときは、通知を受けた日から三十日以内に、委員会に対し審査の請求をすることができる。
2 委員会は、前項の審査の請求を受けた場合においては、その請求を受けた日から三十日以内にこれを審査して、その結果を当該地方団体に通知しなければならない。
(交付金の額の算定に用いる数の錯誤等)
第十九条 委員会は、第十条第四項の規定により交付金の額を通知した後において、又は前条第一項の規定による審査の請求を受けた際に、交付金の額の算定の基礎に用いた数について錯誤があつたことを発見した場合においては、当該地方団体が受けるべきであつた交付金の額に不足があるときはこれを交付し、超過額があるときはこれを減額し、又は返還させることができる。但し、返還させる場合においては、その方法について、あらかじめ、当該地方団体の意見をきかなければならない。
2 地方団体がその提出に係る交付金の算定に用いる資料につき作為を加え、又は虚偽の記載をすることによつて、不当に交付金の交付を受けた場合においては、委員会は、当該地方団体が受けるべきであつた額を超過する部分についてはこれを減額し、又は返還させなければならない。
3 委員会は、前二項の措置をする場合においては、その理由、金額その他必要な事項を当該地方団体に対し文書をもつて示さなければならない。この場合において、前項の規定に該当する地方団体は、委員会が示した文書の記載事項をその住民に周知させなければならない。
4 地方団体は、第一項及び第二項の場合においては、前項の文書を受け取つた日から三十日以内に、委員会に対し異議の申立をすることができる。
5 委員会は、前項の異議の申立を受けた場合においては、その申立を受けた日から三十日以内に決定をして、当該団体にこれを通知しなければならない。
(交付金の額の減額等の聴聞)
第二十条 委員会は、第十条第三項及び第四項並びに前二条に規定する措置をとる場合において必要があると認めるときは、関係地方団体について聴聞をすることができる。
2 委員会は、第十条第三項、第十八条第二項並びに前条第一項及び第四項の決定又は処分について関係地方団体が充分な証拠を添えて衡平又は公正を欠くものがある旨を申し出たときは、公開による聴聞を行わなければならない。
3 委員会は、前項の聴聞の結果、同項の申出に正当な理由があると認めるときは、当該決定又は処分を取消し、又は変更しなければならない。
4 前三項に定めるものを除く外、聴聞の手続その他聴聞に関し必要な事項は、規則で定める。
(都等の特例)
第二十一条 都は、道府県に対する交付金の交付に関しては、その全区域を道府県とみなし、市町村に対する交付金の交付に関しては、その特別区の存する区域を市町村とみなす。
2 特別市は、道府県に対する交付金の交付に関しては、道府県とみなし、市町村に対する交付金の交付に関しては、市町村とみなす。
3 この法律の適用については、全部事務組合は、町村とみなす。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日から適用する。
2 昭和二十五年度及び昭和二十六年度に限り、交付金の総額のうちその十分の一に相当する額は、特別交付金とする。
3 昭和二十五年度及び昭和二十六年度に限り、第十六条第一項の表の道府県の項中「五月及び七月」とあるのは「四月及び六月」と、「十一月及び一月」とあるのは「九月及び十一月」と読み替え、同表の市町村の項中「五月及び八月」とあるのは「四月及び七月」と、「十一月及び二月」とあるのは「十月及び十二月」と読み替え、同表の交付時期ごとに交付すべき額の欄中「交付金の額」とあるのは「交付金の額(特別交付金の額を除く。)」と読み替えるものとする。
4 特別交付金は、第十二条の測定単位によつては捕そくし難い特別の財政需要があること、交付金の額の算定期日後に生じた災害(その復旧に要する費用が国の負担によるものを除く。)等のため特別の財政需要があることその他特別の事情があることに因り、交付金の額が財政需要に比して過少であると認められる地方団体に対して、当該事情を考慮して交付する。
5 地方団体は、規則で定めるところにより、特別交付金の算定に関し必要な資料を委員会に提出しなければならない。第五条第二項から第四項までの規定は、この場合に準用する。
6 委員会は、特別交付金の額を決定したときは、これを当該地方団体に通知するとともに、二月中に交付しなければならない。第十八条の規定は、この場合に準用する。
7 昭和二十五年度に限り、第十四条第一項中「この法律」とあるのは「規則」と読み替えるものとする。
8 昭和二十五年度に限り、道府県に対し四月及び六月に交付すべき交付金の額並びに市町村に対し四月及び七月に交付すべき交付金の額は、第十六条第一項の規定にかかわらず、規則で定めるところにより、昭和二十四年度における地方配付税の額等を考慮して定める。
9 第十二条第一項に掲げる経費のうち厚生労働費に係る測定単位は、昭和二十五年度に限り、これらの経費に係る国の補助金又は負担金との関係上特に必要がある場合においては、規則で定めるところにより、同項に規定する測定単位以外の測定単位を用い、又は当該測定単位と同項に規定する測定単位とをあわせ用いることができる。
10 地方配付税法(昭和二十三年法律第百十一号)及び地方配付税配付金特別会計法(昭和十五年法律第六十七号)は、廃止する。
11 昭和二十二年度分以前の地方分与税及び昭和二十三年度分の地方配付税については、なお、従前の例による。
12 地方配付税配付金特別会計の昭和二十四年度分の歳入歳出の出納及び決算については、なお、従前の例による。
13 地方配付税配付金特別会計の昭和二十四年度の決算上の剰余金、同会計廃止の際における同会計の積立金その他の権利義務は、一般会計に帰属するものとする。
14 地方財政法の一部を次のように改正する。
第二十六条中「地方配付税」を「地方財政平衡交付金」に改める。
15 地方財政法第九条から第十一条まで、第十四条、第十五条、第三十四条及び第三十五条の規定は、昭和二十五年度に限り、適用しない。
(内閣総理大臣・法務総裁・各省大臣・経済安定本部総裁署名)